「左胸が痛くチクチクする」症状で考えられる病気とは？医師が徹底解説！

左胸が痛くチクチクする時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか？Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「左胸がチクチク痛む」原因はご存知ですか？医師が徹底解説！』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師：
藤井 弘敦（医師）

「左胸が痛くチクチクする」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「左胸が痛くチクチクする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

心膜炎（しんまくえん）

私達の心臓は心膜という膜に包まれています。心膜は２重になっておりその間の心膜腔という隙間に心臓が動くときの摩擦を減らす心嚢液というものが入っています。心膜炎とはその心膜に炎症が起きた疾患です。息を吸う時に痛みが強くなるのがこの病気の特徴の一つです。
原因のほとんどはウイルス感染症と考えられています。数日前に風邪症状があった時はこの病気の可能性が高いです。特別な治療法はなく、解熱鎮痛薬の内服により痛みや炎症のコントロールを行います。
痛みが数日続き改善傾向がないときや耐えられないほど痛みが強いときは、循環器内科を受診しましょう。

心臓神経症

不安や緊張などのストレスが自律神経やホルモン系に影響を与え、血圧や心拍数などが乱れ、これを胸の痛みとして感じるものを心臓神経症といいます。
ストレスが解消されると胸の痛みが改善します。
心臓神経症が疑われても、実は重大な病気が隠れていることがあります。心電図や超音波検査などで心臓自体が原因ではないかを調べる必要がありますので、まずは内科や循環器内科を受診してください。

乳房痛

乳房痛の原因は乳腺が原因であるものとそれ以外のものに分けられます。乳腺が原因のものとしては、乳がんなどの悪性疾患と乳腺症や乳腺炎などの良性疾患があります。またホルモンバランスの乱れが原因であることが多いため、どの世代の年齢層においても乳房痛は起こりえます。乳房痛の70%が生理周期の変動によるものですが、煙草、カフェイン、ストレスが原因の可能性もあります。
乳がんは痛いと思っている方が多いですが、実は痛い乳がんは少なく、むしろ乳房痛は乳腺症や乳腺炎が原因のことが多いです。
痛みが持続したり、乳房全体ではなく部分的に痛むとき、ゴリゴリとしたしこりがあるなど痛み以外に症状があるときは、乳腺科を受診しましょう。

乳腺症

乳腺症とは、30-40歳代の女性に多く見られる症状で、卵巣から分泌される女性ホルモンによる乳腺の変化によって引き起こされます。病気ではなく、体の生理的な反応です。痛みの他に乳房全体にしこりのようなものが触れたり、乳頭から分泌物が出ることなどがあります。閉経とともに軽快（改善）します。
痛みが強い場合や生理周期に関係なく痛むとき、乳房全体ではなく、局所的なしこりに触れるときは、乳腺科、外科を受診しましょう。

まとめ

「左胸が痛くチクチクする」ときに考えられる多くは心臓の病気ではありません。しかし、締め付けられるような胸の痛みや押さえつけられる痛み、もやもやとした違和感を感じる場合は、緊急を要する心臓の病気の可能性があります。また痛む場所の皮膚にぶつぶつや水ぶくれがあるときは帯状疱疹の可能性があります。
症状が続く場合や、日に日に悪化する場合、ズキズキして締め付けられるような痛みを感じるときなどは早めに内科など病院を受診しましょう。

「左胸が痛くチクチクする」で考えられる病気と特徴

「左胸が痛くチクチクする」から医師が考えられる病気は14個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

胸の症状はさまざまな臓器の病気によるものが考えられますが、その中でチクチクするような胸痛であれば、多くの場合は心血管系の病気ではありません。

「左胸が痛くチクチクする」と関連のある症状

「左胸が痛くチクチクする」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「左胸が痛くチクチクする」他に、これらの症状が見られる際は、「乳腺炎」「心臓神経症」「帯状疱疹」「狭心症」などの病気の存在が疑われます。
複数の症状がある場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。