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「熱はないのに体がだるい」原因はご存知ですか?対処法も医師が徹底解説!

「熱はないのに体がだるい」原因はご存知ですか?対処法も医師が徹底解説!

熱はないのに体がだるい時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

関口 雅則

監修医師
関口 雅則(医師)

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浜松医科大学医学部を卒業後、初期臨床研修を終了。その後、大学病院や市中病院で消化器内科医としてのキャリアを積み、現在に至る。内視鏡治療、炎症性腸疾患診療、消化管がんの化学療法を専門としている。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、総合内科専門医。

「熱はないのに体がだるい」原因と対処法

体のだるさは、医学的には疲労感といわれます。体のだるさは、体の恒常性を保つために休息が必要であることのサインです。そして、体がだるい、と感じる原因にはさまざまなものがあります。今回の記事では、熱はないのに体がだるいと感じる原因や、その対処法について解説していきます。

熱はないのに体がだるい原因と対処法

熱がないのにも関わらず体がだるいと感じる場合には、以下のような原因が考えられます。

  • ウイルス感染症:インフルエンザのようなウイルス感染症は発熱を引き起こすことが多いですが、必ずしもそうでない場合もあります。感染の初期段階では熱が出ないこともあり、体のだるさや倦怠感が主な症状になることもあります。
  • 慢性的な疾患:慢性心不全や慢性腎不全、さらには慢性の炎症を引き起こす病気(例えば、関節リウマチ、膠原病、慢性肝炎など)も、体がだるいと感じる原因となることがあります。
  • 内分泌ホルモンの異常:甲状腺機能低下症、糖尿病などの内分泌の病気も、ホルモンバランスや血糖値の乱れにより疲労感が現れることがあります。
  • ストレスや心理的な要因:長期間のストレスや不安、うつ状態は身体のエネルギーレベルに影響を及ぼすことがあります。また、心理的な疲労が体のだるさに直結することもあります。
  • 神経や筋肉の病気:多発性硬化症や重症筋無力症という神経活動が低下してしまう病気では、疲労感が現れることがあります。
  • 過労:身体的、または精神的な過労が原因で、疲労感が抜けないことがあります。また、適切な休息を取らずに長期間働き続けると、疲れが蓄積しやすくなります。
  • 栄養不足:バランスの取れた食事が不足していると、必要なビタミンやミネラルが不足し、体がだるく感じることがあります。特に、鉄分不足による貧血は疲労の原因となります。また、がんや慢性炎症があると、低栄養の状態になり、疲労感の原因となることもあります。がんによる栄養不足の場合には、体重の減少も伴っていることもありえます。

熱がなくても疲労感が続くような場合には、これらの原因のような可能性があります。そのため、症状が持続する場合は専門の医療機関での診断を受けることが重要です。何科を受診すればよいか迷った場合は、まずは一般的な内科での診察を受けると良いでしょう。
医療機関では詳細な問診、必要に応じて血液検査や他の検査を行います。

熱はないのに体がだるく喉が痛い原因と対処法

熱はないが体がだるく喉が痛い原因としては、細菌やウイルスへの感染の他、季節性のアレルギーによるものなどが考えらえます。
感染症としては、一般的な風邪やインフルエンザ、さらには新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の初期症状としても、喉の痛みとだるさが報告されています。
その他には、疲労や脱水、ストレスなども考えられます。
対処法としては、一般的な風邪の場合にはバランスのよい食事や十分な休息、水分補給が有効な場合があります。一方で、インフルエンザやCOVID-19などの流行が周囲で見られているような場合に疲労感が強い場合もあるでしょう。そのような際には、熱はなくても自己隔離や医療機関の受診を検討すべきだと考えられます。

熱はないのに体がだるく鼻水や咳がでる原因と対処法

体がだるく、鼻水や咳が出るときには、熱がない場合でも、ウイルス性の病原体による軽度の感染の可能性があります。
考えられる病気としては、一般的な風邪症候群や、インフルエンザなどの感染症があります。その他、花粉やハウスダストなどのアレルゲンによるアレルギー性鼻炎でも同様の症状が現れることがあります。また、副鼻腔炎や気管支炎なども考えられます。
まずはしっかりと休息を取り、体力の回復に努めましょう。さらに、脱水を防ぎ、鼻や喉の粘膜を潤すために水分を多めにとります。
風邪の症状がある場合には、まず内科を受診しましょう。鼻水や咳がひどく、顔の痛みなどがある場合には副鼻腔炎の可能性もあるので、耳鼻咽喉科の受診を検討するとよいでしょう。アレルギー症状が疑われる際には、アレルギーを専門とする科の受診をおすすめします。こうした症状が悪化し、呼吸が苦しいといった症状もみられる場合には、早急に医療機関を受診しましょう。

熱はないのに体がだるく頭痛がする原因と対処法

熱がないのに体がだるく頭痛がある場合には、緊張型頭痛や片頭痛、ストレスや疲労、睡眠不足、脱水や栄養不足のような原因が考えらえます。あるいは、インフルエンザのようなウイルス感染症の可能性や、目の疲れや視力の左右差などの問題によることもあります。
自分でできる対処法としては、まずは十分な休息を取り、ストレスを避けます。そして、水分を十分に摂取し、脱水状態を防ぎましょう。さらに、症状に応じて痛み止め(例:アセトアミノフェン、イブプロフェン)を使用することを検討してもよいでしょう。頭痛がひどい場合は、部屋を暗くして目を休ませましょう。
症状が続く場合には、基本的には内科を受診します。もし頭痛が激しく、特に片側だけに痛みがある場合には神経内科や頭痛専門のクリニックなどの受診を考えてみましょう。視力に問題がありそうな場合には、眼科の受診を検討します。
症状が急に現れたり、重かったり、または意識が遠のく・視力が急激に悪化する、手足の麻痺がみられるなどの深刻な症状が出ている場合には、緊急で医療機関を受診しましょう。

熱はないのに体がだるく寒気がする原因と対処法

熱はないのに体がだるく、寒気も伴っている場合には、インフルエンザや風邪、その他新型コロナウイルス感染症などの感染症の初期の段階の可能性があります。その他には、低血糖状態や栄養不足、疲労や過労、甲状腺機能低下症などによるホルモン異常の場合も考えられます。
寒気を感じた場合は、まずは温かい飲み物を飲み、安静にして十分に休息をとりましょう。
一方、こうした症状が長引いたり、あるいは他の症状(頭痛、嘔吐、下痢など)がみられたりするようになった際には内科をまずは受診することをお勧めします。

すぐに病院へ行くべき「熱はないのに体がだるい」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

体がだるく、普段の生活が困難になるような場合は、内科へ

体のだるさに加えて、以下のような症状がある際には、病院にすぐに行くべきだと考えられます。

  • 体のだるさが急に強く現れ、普段の活動がまったくできない。
  • 深刻な脱力感やふらつき、立ちくらみがある。
  • 体のだるさに呼吸困難、胸の痛み、意識の混濁が伴う。

このような症状は、感染症や内分泌ホルモン異常など、深刻な病気が隠れている可能性が考えられます。このような場合は、迅速に医療機関を受診することが重要です。

「熱はないのに体がだるい」症状の特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「熱はないのに体がだるい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

新型コロナウイルス(COVID-19)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされる呼吸器疾患で、多様な症状が報告されています。症状は軽度のものから重症まで幅広く、初期には発熱、悪寒(おかん:寒気のこと)、喉の痛み、咳、呼吸困難感、倦怠感など風邪に似たものが見られますが、進行すると強い呼吸困難感、全身倦怠感、意識障害などを引き起こすことがあります。高齢者や基礎疾患を持つ人、妊娠中の人は特に注意が必要です。
治療に関しては、現時点で治療薬はありますが、基本的には対症療法が中心となります。症状を和らげるための薬物療法もあります。
予防としては、手洗い、アルコール消毒、咳エチケットの徹底が重要です。また、ワクチン接種は感染リスクを減らし、重症化を防ぐために推奨されています。
病院への受診目安に関しては、強いだるさ、息苦しさ、高熱などの症状がある場合、または症状が4日以上続く場合は、かかりつけ医や地域の受診・相談センターへの相談が推奨されます。緊急性の高い症状、例えば顔色の悪化や唇が紫色に変色する、呼吸困難などが現れた場合は、直ちに医療機関に連絡する必要があります。
病院での受診科については、主に内科や感染症科が対応しています。一方で、新型コロナウイルス感染症に関しては情報や対応が現時点でも流動的です。常に最新のガイドラインや医療情報を参照し、適切な対応を取るようにしてください。

慢性疲労症候群

6ヶ月以上疲労が続く場合には、慢性疲労症候群の可能性があります。慢性疲労症候群とは、原因不明の強い疲労感が少なくとも6ヶ月以上持続し、その疲労感によって社会生活に支障が出てしまう病気のことです。疲労感は安静によっても改善せず、身体的な、あるいは精神的な活動によっても悪化してしまうことがあります。
疲労以外にも筋力低下や筋肉痛、思考力や集中力の低下、不眠などの症状があり、日中の活動量が低下するといった特徴があります。
慢性疲労症候群の原因は現時点でははっきりとはわかっていませんが、遺伝的な要因やウイルス感染、ストレス、幼少時の虐待やネグレクトなどが考えられています。
6ヶ月以上、特に原因がはっきりしない疲労感があり、日常生活にも問題が出ているような場合には、医療機関を受診するようにしましょう。まずは、一般的な内科を受診すればよいと考えられます。

自律神経失調症

自律神経失調症は、意識とは無関係に自動的に動き、体の状態を保ち続ける働きをする自律神経のバランスが乱れた状態のことです。身体的な症状だけでなく、精神的な症状も現れることがあり、その症状は人によって異なります。よくある症状には、手足のしびれ、手足の冷え、イライラ、不安感、不眠、体のほてりなどがあります。
自律神経失調症の診断は、症状を詳しく聞き、そして他の病気を除外して総合的に判断されます。特定の検査で直接的に診断されることは少なく、他の身体的な病気がないかを検査することで間接的に診断されることが多いです。
治療法には薬物療法と心理療法があり、個々の症状や原因に応じて治療が選択されます。薬物療法では、自律神経調整薬、抗不安薬、ビタミン剤、ホルモン剤などが処方されることがあります。心理療法では、カウンセリングや認知行動療法などを通じて、ストレスや心の問題に取り組むことになります。
病院へ行くべき目安としては、症状が日常生活に支障をきたすようになった場合や、症状が長期間続いて改善しない場合などです。受診すべき科には、一般内科、神経内科、精神科・心療内科などがありますが、自律神経失調症の症状は他の多くの病気と共通しているため、まずは内科を受診し、必要に応じて専門科への紹介を受けることになるでしょう​。

うつ病

うつ病は、気分の落ち込みや興味・喜びの喪失、食欲の変化、睡眠障害、疲労感、自己評価の低下、集中力の欠如、重大な意思決定が困難になるなど、多くの精神的および身体的症状を伴う精神障害です。これらの症状は、日常生活や仕事などの機能に影響を与える可能性があります。また、無気力、痛み、不安などの非典型的な症状も現れることがあります​​​​。
うつ病の原因は多岐にわたり、生物学的要因、遺伝、ストレスフルな生活イベント、環境要因などが組み合わさって発症すると考えられています。診断は主に臨床的な評価に基づいて行われ、必要に応じて画像検査や血液検査を含む他の医療検査で身体的な疾患が原因でないことを確認します​​。
治療には薬物療法が一般的で、抗うつ薬が使用されます。これらの薬は、脳内の神経伝達を改善し、気分を高める効果があります。また、心理療法、特に認知行動療法も効果的な治療法として知られています。難治性の場合は、電気けいれん療法(ECT)が用いられることもあります​​。
病院への受診は、上述したような症状が日常生活に支障をきたし、自己管理が困難になった時が目安となります。特に、日々の活動に大きな影響を与えるほどの気分の落ち込みや、自傷行為や自殺願望が生じている場合は、直ちに専門家の助けが必要です。受診する科は、精神科、精神神経科、心療内科、メンタルヘルス科などが対応しています。身近な医療機関で相談し、適切な治療を受けることが大切です。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺が十分なホルモンを産生できない状態を指します。これにより、体の代謝が遅くなり、多様な症状が引き起こされます。症状には、疲労感、活気の低下、皮膚の乾燥、寒がり、体重増加、動作の鈍さ、常に眠たい感じ、記憶力の低下、便秘、声のかすれなどが含まれます。
原因としては、自己免疫疾患の一つである橋本病(慢性甲状腺炎)、甲状腺の手術や放射線治療の後遺症、特定の薬剤の副作用などが挙げられます。
診断は血液検査で甲状腺ホルモンの値を測定することで行われ、必要に応じて甲状腺の超音波検査が実施されます。治療は通常、甲状腺ホルモン剤によるホルモン補充療法で行われます。それぞれの患者さんの状態に応じて薬剤の種類や量が調整されます。一部の場合、漢方薬が症状を和らげるために使用されることもあります。
病院へ行くべき目安は、上記の症状が日常生活に与えているかどうかです。特に疲労感や記憶力の低下が日常生活に支障をきたしている場合です。甲状腺機能低下症は妊娠にも影響を与える可能性があるため、妊娠希望の方や妊娠中の方は特に注意が必要です。受診すべき科は、一般内科や内分泌内科、甲状腺専門のクリニックなどです。症状がある場合や妊娠に影響がある場合は、適切な治療を受けるためにも早めに専門医の診察を受けることをお勧めします​。

「熱はないのに体がだるい」ときの正しい対処法は?

軽度の疲労や倦怠感であれば、ビタミンB1を含む市販薬や漢方薬が有効ですが、使用には注意が必要です。症状が数日以上続く場合や、他の症状が伴う場合は医師の診断を受けましょう。
漢方薬の例では、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」や「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」などが体力の回復や体質改善に用いられます。一時的な疲れや軽いストレス感には市販薬を利用できますが、発熱、強い痛み、持続する体の変化がある場合は自己判断せず医師に相談してください。
疲労回復のためのツボとしては、目尻の外側のくぼみにある「瞳子髎(どうしりょう)」というツボや、乳首から真っ直ぐ上にたどり、肩の大きな筋肉にぶつかったところにある「肩井(けんせい)」、また手の甲の親指と人差し指の骨が交わるすぐ手前にある、指が入るところにある「合谷(ごうこく)」などが知られています。
日常生活の注意点としては、バランスの良い食事、十分な睡眠、定期的な運動、ストレス管理を心がけましょう。喫煙は倦怠感の原因になり得るので、禁煙を目指しましょう。
早く治したい時には、まずは良質な休息を取り、栄養バランスの取れた食事を心がけることが基本です。また、適度な運動やストレス軽減のためのリラクゼーションも有効です​​。
しかしながら、休息や市販薬で改善しない時は、専門の医療機関を受診しましょう。

「熱はないのに体がだるい」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「熱はないのに体がだるい」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

熱はないのに体がだるいのは新型コロナウイルスにかかっているからでしょうか?

関口 雅則医師関口 雅則医師

新型コロナウイルスなどの感染症の症状の可能性もあります。周囲での流行状況なども鑑み、必要であれば医療機関を受診するようにしましょう。

熱はないのに体がだるく、体がほてる原因について教えてください。

関口 雅則医師関口 雅則医師

熱はないのに体がだるく、体がほてる場合には、自律神経失調症や更年期障害、ウイルス感染の初期段階などの可能性があります。

熱はないのに体がだるい症状が続く場合、インフルエンザを疑った方がいいですか?

関口 雅則医師関口 雅則医師

インフルエンザの可能性はありますが、その他の病気が隠れている可能性もあります。本文で解説したようなさまざまな病気がありますので、症状が続く場合にはまず内科を受診するようにすると良いでしょう。

まとめ

今回の記事では、熱はないのに体がだるいという症状から考えられる病気について詳しく解説しました。症状が長引く場合には感染症や自己免疫性疾患、自律神経失調症などの病気が隠れている場合があるので、医療機関を受診するようにしましょう。

「熱はないのに体がだるい」で考えられる病気

「熱はないのに体がだるい」から医師が考えられる病気は17個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

腎臓系の病気

膠原病内科系の病気

消化器系の病気

アレルギー系の病気

感染症系の病気

  • 細菌、ウイルス、真菌、寄生虫感染

発熱なく疲労感を感じる病気にはさまざまなものがあります。長引く場合や、日常生活に支障が出る場合には医療機関を受診しましょう。

「熱はないのに体がだるい」に似ている症状・関連する症状

「熱はないのに体がだるい」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

熱がないのに体がだるい症状に、こうした症状が加わることがあります。感染症の他、悪性腫瘍や慢性的な炎症、膠原病、自己免疫性疾患の可能性もありますので、症状が続く場合や悪化する場合には医療機関を受診するべきと言えます。

この記事の監修医師