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「関節リウマチ」ってどんな症状?治療を受けるには何科を受診したら良い?

公開日:2022/06/13
「関節リウマチ」ってどんな症状?治療を受けるには何科を受診したら良い?

朝の手のこわばりや関節の腫れなどの症状が特徴の「関節リウマチ」は、早期受診・早期治療が大切な病気です。現在は治療薬が大きく進歩しており、寛解を維持できるようになってきました。女性に起こる病気と思われがちですが、男性にも起こる病気です。
今回は、関節リウマチとはどのような病気か、症状や原因、受診科目などを解説します。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(国家公務員共済組合連合会大手前病院)

プロフィールをもっと見る
2007年大阪市立大学医学部医学科卒業、2009年大阪急性期総合医療センター外科後期臨床研修医、2010年大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、2012年国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、2013年大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、2014年国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医員、2021年国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医長。 著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など多数。 日本外科学会専門医 日本病院総合診療医学会認定医など。

関節リウマチとは

関節リウマチとはどのような病気ですか?

関節リウマチとは、免疫の異常で炎症が起こる自己免疫疾患です。関節に炎症が起こるため、関節の痛みや腫れなどの症状が起こります。
ときに関節に激しい痛みを伴うのが特徴で、関節を動かさなくても痛みが起こります。軟骨や骨が破壊されるため、進行すると関節が変形したり機能障害を引き起こしたりするため、適切な治療が必要です。
痛みのために日常生活に支障をきたすこともあります。「手がこわばって動かない」「関節が腫れて痛い」などの自覚症状があるものの、周りからの理解を得られにくいこともある病気です。

自己免疫疾患とはどのような病気ですか?

自己免疫疾患とは、自分の免疫機能が自分の細胞や組織を傷つけることで起こる病気です。本来、私たちの体には、外から体内に入ってきた異物を認識すると、攻撃して排除するための免疫機能が備わっています。
しかし、免疫機能になんらかの異常や変化があると、本来は無害なはずの自分自身の細胞や組織を攻撃してしまいます。すると、関節や臓器、皮膚などの体のあちこちの部位が病気を発症します。
自己免疫疾患のはっきりとした原因は分かっていません。体内のたんぱく質の変質で起こる場合や、たんぱく質の構造の誤認識により起こる場合、免疫機能そのものに何らかの障害があるために起こる場合などが考えられています。

関節リウマチの症状

関節リウマチはどのような症状が現れるのでしょうか?

関節リウマチは大きく関節に起こる症状と、全身に起こる症状に分けられます。早期に現れやすい症状には、朝の関節のこわばり、関節の痛みや腫れなどの症状のほかに、倦怠感や微熱、食欲不振などがあります。

関節に起こる症状

関節に起こる症状

関節に起こる症状を教えてください。

関節リウマチは、初期のうちは両方の足や指の関節が対称的に腫れるのが特徴です。特に、朝に手の関節のこわばりを自覚しやすく、朝起きてから30分以内に症状が現れ、30分以上症状が続きます。
そのほかにも人によっては、股関節や膝関節など大きな関節にも病変が進みます。症状が進行すると、膝関節や股関節に水が溜まって動きにくくなるため、日常生活に支障をきたすことがあるでしょう。
全身の関節に進行していくタイプの患者さんの場合には、指や手首の関節が破壊されて、指が短くなる場合や、関節が脱臼して足の指が変形することがあります。

全身に起こる症状

全身に起こる症状を教えてください。

全身に起こる症状は、貧血や体のだるさ、食欲不振、微熱などです。これらの症状が出るとますます悪化します。
全身の関節に進行していくタイプの患者さんの場合、首の一番上の部分で背骨が前にずれることがあります。このような状態になると、脊髄が圧迫されるため、呼吸がしにくくなったり手足が麻痺したりすることがあります。

関節リウマチの原因

関節リウマチはなぜ起こるのですか?

関節リウマチの原因はまだよくわかっていません。
ウイルスや細菌の感染や、過労、ストレス、ケガ、喫煙、出産などがきっかけとなって発症することがあります。関節リウマチは、遺伝も関係あると考えられていますが、一般的にはそれほど強い遺伝性はないようです。

関節リウマチの受診科目

関節のこわばりなどの症状があるときは、何科を受診すればいいでしょうか?

関節のこわばりがあれば、整形外科を受診しましょう。また、倦怠感や微熱、食欲不振などの全身症状があれば、まずは内科を受診してください。
関節リウマチは、ほかのリウマチ性疾患の症状と似ているため、リウマチ専門医による診断が必要です。気になる症状や特徴があれば、診察の際に詳しく伝えてください。関節リウマチが疑われる場合は紹介状を書いてもらい、リウマチ専門医を受診しましょう。
リウマチ専門医が在籍している可能性があるのは、「リウマチ科」「膠原病科」「内科」「整形外科」などです。

関節リウマチの検査

関節リウマチではどのような検査を行いますか?

関節リウマチの症状は、ほかのリウマチ疾患の症状と似ているため、鑑別のための検査も必要です。診断は、問診のほかに触診、血液検査、画像検査などから総合的に判断されます。画像検査としては、関節レントゲン検査や超音波検査、MRI検査などがあります。

関節リウマチの性差・年齢差

関節リウマチは性別差・年齢差はありますか?

関節リウマチはどの年代にも起こります。特に多いのは30〜40代の女性です。女性の病気だと思われがちですが、男性の患者も全体の2割程度います。
現在日本には、70万人以上の患者さんがいるとされています。

関節リウマチの治療方法

関節リウマチの治療をする場合、どのような治療方法がありますか?

関節リウマチの治療法は、薬物療法、リハビリテーション、手術療法の3つの治療法があります。
以前のリウマチ治療は、薬で痛みや炎症を抑えるか、悪化した関節を手術で取り除くしか手立てがありませんでした。しかし、新しい治療薬が登場したことで、病気の進行を食い止めて患者さんの生活の質(QOL)を高める治療ができるようになりつつあります。
最新の関節リウマチの治療では、各種治療法を組み合わせて寛解を目指しています。

薬物療法

薬物療法とはどのような治療ですか?

薬を服用し、関節の痛みや腫れを抑えながら関節が破壊されるのを防ぐことを目的としています。
関節リウマチに使用される薬は、消炎鎮痛薬や抗リウマチ薬、ステロイド、生物学的薬剤です。それぞれ以下のような働きがあります。
  • 消炎鎮痛薬:関節の痛みや腫れを和らげる
  • 抗リウマチ薬:免疫異常に作用し、病気の進行を抑える
  • ステロイド:関節の痛みや腫れを和らげる
  • 生物学的薬剤:関節破壊が進行するのを抑える
ステロイドは、消炎鎮痛剤や抗リウマチよりも効果が高いですが、一度使用するとなかなか使用を止められません。感染症や糖尿病などを引き起こす可能性があるため、使用する際には十分注意が必要です。

リハビリテーション

リハビリテーションではどのようなことを行いますか?

リハビリテーションでは以下のような療法を行います。
  • 運動療法:血液の流れを良くして、関節の痛みや筋肉のこわばりをとる
  • 温熱療法:患部を温めて関節の痛みとこわばりを和らげる
リハビリテーションは筋力や関節の動きを維持する目的もあります。

手術療法

手術療法とはどのような治療ですか?

手術療法は以下のような手術を行います。
  • 滑膜切除術:増殖した関節の滑膜を取り除く手術
  • 機能再建術:破壊された関節を人工関節に置換する手術
手術療法の目的は、日常生活で必要な食事や着替え、トイレなどの動作を自分一人でできるようになることと、歩行機能を回復させて、寝たきり状態になるのを防ぐことです。

編集部まとめ

関節リウマチは、朝の手のこわばりや関節の腫れなどの症状が特徴です。自己免疫疾患の一つですが、薬物療法の治療が進歩したことで、普段通りの日常生活を維持できるようになってきています。
関節のこわばりや痛み、腫れのほかに倦怠感や微熱などの症状も起こります。気になる症状があれば医療機関を受診しましょう。