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アレルギー性鼻炎の症状・原因や治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

アレルギー性鼻炎(読み方:あれるぎーせいびえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
宇髙 毅 医師 堀病院 院長・理事長

アレルギー性鼻炎とは

体に入った異物(アレルゲン)に対して、体がそれを排除しようと過剰な反応を起こし、くしゃみ・鼻汁、鼻づまりなどが続く病気です。アレルゲンには花粉、ホコリ、ダニ、動物の毛など、さまざまなものがあるといわれています。

引用:エーザイ
http://www.eisai.jp/diseases-and-symptoms/detail/pbaid_3_nodeid_166_faqid_214_detail.html

宇髙 毅 医師 堀病院 院長・理事長ドクターの解説
アレルギー性鼻炎は、通年性のアレルギー性鼻炎とおもに花粉などによる季節性のアレルギー性鼻炎に分けられます。

実際にアレルギー性鼻炎に罹患されておられる方は多いです。特にスギ花粉による季節性アレルギー性鼻炎は、4人に1人(約25%)になると言われています。

アレルギー性鼻炎の症状

アレルギー性鼻炎の症状は、1日に何度も繰り返すくしゃみと、水のように流れる鼻水、鼻づまりが特徴です。
これらの症状は、鼻の粘膜に存在する肥満細胞と呼ばれる細胞から、ヒスタミンやロイコトリエン、トロンボキサンという化学伝達物質が放出されることで起こります。
ヒスタミンは鼻の神経を刺激してくしゃみ・鼻水に、またロイコトリエンやトロンボキサンなどは血管を刺激して鼻づまりに関係していると考えられています。

引用:株式会社ライフメディコム
http://www.myclinic.ne.jp/imobile/contents/medicalinfo/gsk/top_topic/topic_20/mdcl_info.html

宇髙 毅 医師 堀病院 院長・理事長ドクターの解説
くしゃみ、鼻水、鼻づまりが特徴的な症状です。それ以外には、目がかゆくなったりノドがイガイガしたりすることもあります。

アレルギー性鼻炎の原因

「鼻粘膜の炎症」である「鼻炎」の主な原因としては、風邪などの感染症と、ハウスダスト(ダニ)や花粉などのアレルゲンがあります。
風邪をひいたわけでもないのに鼻炎の症状が現れる場合は、「アレルギー性鼻炎」が疑われます。
アレルギー性鼻炎の原因となる「アレルゲン」は、私たちが日常生活で接触しているいろいろな動植物や室内のハウスダスト(ダニ)・カビなどです。どのようなアレルゲンに対してアレルギー反応をおこすかは人によって異なります。
アレルギー性鼻炎は、「季節性アレルギー性鼻炎」と「通年性アレルギー性鼻炎」との2つに分けられます。

引用:鳥居薬品 トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ
http://www.torii-alg.jp/allergicrhinitis/

アレルギー性鼻炎の検査法

まず、鼻の中の状態を観察することからはじめます。アレルギ-性鼻炎の疑いがあれば、鼻水の中の細胞(好酸球)を調べたり、血液中のIgE抗体(抗原抗体反応に深く関わる物質)の値を測ります。アレルギ-の原因物質を探る検査(抗原検査またはアレルゲン検査)としては、1)皮膚試験、2)鼻粘膜誘発試験、3)特異的IgE抗体検査などがあります。これらの検査結果を総合して、アレルギ-性鼻炎を診断します。

引用:日本耳鼻咽喉科学会
http://www.jibika.or.jp/citizens/handbook/hana1.html

宇髙 毅 医師 堀病院 院長・理事長ドクターの解説
原因に関しては、花粉症の場合、春のスギやヒノキ花粉が有名ですが、初夏にはイネ科の草花、秋にはブタクサ、ヨモギなどによるものもあります。

通年性では、ダニやほこり、カビ、ペットの毛などが原因となります。

検査に関しては、鼻炎の症状がアレルギー性のものであるかを調べます。

以下、主な検査方法を示します。

・鼻汁好酸球検査
鼻水の中の好酸球(アレルギー反応に関与しているもの)が増加しているかを調べます。

・血液検査
どういったものに対してアレルギーがあるか調べることができます。

アレルギー性鼻炎の治療方法

治療は、抗アレルギー剤などを用いて発作を抑えたり予防したりするほか、ステロイドという発症を抑える薬を投与(飲み薬や吸引)したり、症状を引き起こす化学物質ヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン剤を用いたりします。また効果が現れるまで少なくとも2~3年はかかりますが、アレルゲンから抽出した液を少しずつ体に植えつける減感作療法(げんかんさりょうほう)などの治療法もあります。

引用:エーザイ
http://www.eisai.jp/diseases-and-symptoms/detail/pbaid_3_nodeid_166_faqid_214_detail.html

宇髙 毅 医師 堀病院 院長・理事長ドクターの解説
基本的な治療はお薬で行います。主に以下のものがあります。
・抗アレルギー薬(内服薬)
・抗ロイコトリエン薬(内服薬)
・漢方(内服薬)
・点鼻薬(ステロイド点鼻薬・血管収縮剤入り点鼻薬)

抗アレルギー薬には眠気を感じるものもあります。しかし、最近ではなるべく1日1回の服用で眠気のほとんどないものを出されることが多いと思います。
また授乳中の方には漢方をおすすめしております。

点鼻薬には、ステロイド入りのもの、血管収縮剤入りのもの等があります。血管収縮剤入りの点鼻薬は、対処療法的に使用されますが、薬剤性鼻炎の原因となりますので、鼻閉が強い時のみに使用をおすすめしています。

このため現在はステロイド入りの点鼻薬が主流となっています。アレルギーをしっかりとコントロールするには、ステロイド入りのものが一番有効だと思います。ステロイドといってもほとんど血液内にはほとんど吸収されませんので安心してください。

症状が軽い方は、通常内服薬もしくは点鼻薬どちらか一方を使用しますが、重い症状の場合は両方を併用することもあります。

またお薬や点鼻薬でもあまり改善されないなど症状の重い方には、手術という方法もあります。代表的なものとして、レーザー手術などで粘膜を焼く手術があり、その他にも鼻腔構造を改善する手術(粘膜下下鼻甲介骨切除術)くしゃみ・鼻汁に関与する神経を切断する手術(後鼻神経切断術)などあります。

最近では、舌下免疫療法といった治療法も出てきました。簡単に言うと、アレルゲンを体に慣れさせる方法です。治療薬を舌の下に置き、アレルゲンによってに定められた時間保持した後、飲み込みます。効果的である一方、デメリットとしては治療に時間がかかるといったことがあります(年単位。通常2~3年間程度)。

もしアレルギー性鼻炎になった場合は、放置せずに専門の医療機関(耳鼻科)を受診し、症状に応じて適切な治療をすることが大切だと思います。

この記事の監修ドクター

この記事の監修医師