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「膠原病」を発症すると「皮膚」にどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2026/05/07
「膠原病」を発症すると「皮膚」にどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師監修】

皮膚に現れる赤みや発疹、色の変化は、単なるお肌トラブルとして見過ごされがちですが、なかには全身の病気のサインとして現れているものもあります。膠原病は、免疫の異常によって全身に炎症が起こる疾患であり、皮膚症状がきっかけとなって見つかるケースも少なくありません。特に、顔や手など外から見える部位に症状が出ることが多いため、早い段階で気付ける可能性がある一方で、見た目だけでは判断が難しいこともあります。気になる変化を放置してしまうと、知らないうちに病気が進行してしまうこともあります。この記事では、膠原病でみられる皮膚症状の特徴や見た目、代表的な疾患、受診の目安について解説します。

副島 裕太郎

監修医師
副島 裕太郎(横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科)

プロフィールをもっと見る
2011年佐賀大学医学部医学科卒業。2021年横浜市立大学大学院医学研究科修了。リウマチ・膠原病および感染症の診療・研究に従事している。

【資格】
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医・評議員
日本リウマチ学会 登録ソノグラファー
日本リウマチ財団 登録医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医(内科)
日本臨床免疫学会 免疫療法認定医
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医
日本エイズ学会 認定医
日本温泉気候物理医学会 温泉療法医・温泉療法専門医
日本骨粗鬆症学会 認定医
日本母性内科学会 母性内科診療プロバイダー
身体障害者福祉法第15条指定医(肢体不自由、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害)
インフェクションコントロールドクター
博士(医学)

診療科目
一般内科、リウマチ・膠原病内科、アレルギー科、感染症科

膠原病で生じる皮膚の症状とは

膠原病で生じる皮膚の症状とは

膠原病とはどのような病気ですか

膠原病とは、本来は身体を守るはずの免疫が自分自身の身体を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。皮膚や関節、血管、内臓など、全身のさまざまな臓器に炎症が起こることが特徴です。

膠原病という名称は、皮膚や血管、関節などに含まれるコラーゲンを含む組織が障害されることに由来しています。ただし実際には、コラーゲンそのものが主な標的というより、免疫の異常によって全身に炎症が広がる病気の総称として使われています。

代表的なものとして、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、全身性強皮症、皮膚筋炎・多発筋炎などがあります。

膠原病で皮膚に症状が出る疾患の名前を教えてください

膠原病のなかでも、特に皮膚症状が目立つ、あるいは診断の手がかりになる疾患には以下のようなものがあります。
  • 全身性エリテマトーデス(SLE)
  • 皮膚筋炎・多発筋炎
  • 全身性強皮症
  • シェーグレン症候群
  • 混合性結合組織病(MCTD)
  • 血管炎症候群(ANCA関連血管炎など)

これらの疾患では、皮膚に特徴的な変化が現れることが多く、診断の重要な手がかりになります。特に顔や手、指先など、外から見える部位に症状が出ることが多いため、患者さん自身が最初に気付くケースも少なくありません。

膠原病の皮膚症状とはどのようなものですか?

膠原病に伴う皮膚症状はさまざまですが、いくつか代表的なパターンがあります。まずよく知られているのが、全身性エリテマトーデスでみられる蝶形紅斑で、頬から鼻にかけて蝶が羽を広げたような赤い発疹が現れ、日光で悪化することが特徴です。

皮膚筋炎では、まぶたの周囲が紫色に腫れるヘリオトロープ疹や、手指の関節の上に赤い盛り上がりができるゴットロン徴候がみられます。全身性強皮症では皮膚が硬くなり、つっぱるような変化が起こり、特に指先の動きが悪くなることがあります。また、寒さなどをきっかけに指の色が白や紫に変わるレイノー現象も特徴的です。

そのほかにも、紫斑、潰瘍、脱毛、皮膚の乾燥や色素沈着など、さまざまな症状が現れます。見た目だけでは判断が難しいことも多いため、少しでも違和感があれば早めに医療機関を受診することが重要です。皮膚の変化は身体の内側からのサインである可能性もあるため、放っておかないようにしましょう。

膠原病の皮膚症状|見た目の特徴

膠原病の皮膚症状|見た目の特徴

蝶形紅斑の見た目の特徴を教えてください

蝶形紅斑は、頬から鼻にかけて左右対称に広がる赤い発疹で、蝶が羽を広げたような形に見えるのが特徴です。鼻の付け根を中心に、両側の頬へと広がるように出現します。

かゆみや痛みは目立ちにくいことも多く、湿疹のように盛り上がらないこともあります。そのため一見すると軽い赤みのように見えることもありますが、日光に当たることで悪化しやすい点が重要な特徴です。

化粧で隠せる程度のこともありますが、繰り返し出る場合や長引く場合は、皮膚以外の症状にも目を向ける必要があります。

円板状紅斑や環状紅斑はどのような見た目ですか?

円板状紅斑は、境界がはっきりした円形の赤い発疹で、やや盛り上がりを伴い、表面にかさぶたや鱗屑(皮膚の表面がポロポロとはがれる状態)が付くことがあります。時間の経過とともに中心部が白っぽく抜け、瘢痕や色素沈着を残すこともあります。

一方で環状紅斑は、リング状に広がる赤い発疹で、中心は正常のように見え、周囲だけが赤く縁取られるような形をとります。拡大しながら形が変わることもあり、地図のように見えることもあります。

どちらも一般的な皮膚炎と区別がつきにくいことがありますが、長期間続く場合や再発を繰り返す場合には、背景に全身性の病気がないか評価することが大切です。

レイノー現象が起きると指先はどのような状態になりますか?

レイノー現象では、寒さやストレスをきっかけに指先の血流が一時的に低下し、色の変化が起こります。典型的には、白くなり、その後紫色に変化し、回復する過程で赤くなるという三段階の変化を示します。

白くなっている間は血流が低下しており、しびれや冷感を伴うことがあります。紫色の段階ではうっ血に近い状態となり、違和感や軽い痛みが出ることもあります。血流が戻ると赤くなり、じんじんとした感覚や熱感を伴います。

日常的に繰り返す場合や、指先に傷や潰瘍ができる場合には、全身性疾患の関与も考慮する必要があります。

膠原病による皮膚の硬化の特徴を教えてください

膠原病、特に全身性強皮症では、皮膚が徐々に硬くなり、つまみにくくなることが特徴です。初期にはむくみのように見えることもありますが、次第に皮膚が張りついたような状態へと変化します。

多くは指先から始まり、進行すると指が曲げにくくなったり、細かい動作がしづらくなったりします。また、顔の皮膚が硬くなることで表情が乏しく見えることもあります。
さらに進行すると、お口が開けにくくなる、皮膚に光沢が出るといった変化もみられます。ゆっくり進行することが多いため、変化に気付きにくい点も特徴の一つです。

光線過敏症になるとどのような症状が出ますか?

光線過敏症では、日光に当たった部位に赤みや発疹が出やすくなります。顔、首、手の甲など、紫外線を浴びやすい部位に症状が現れやすいのが特徴です。
軽い場合は日焼けのような赤みで済むこともありますが、強い場合には水ぶくれや炎症を伴うこともあります。また、日光曝露後に全身のだるさや発熱などの全身症状が出ることもあります。

短時間の外出でも症状が出る場合には、紫外線対策に加えて、背景にある疾患の評価を検討する必要があります。

膠原病の皮膚病変が疑われるときの対処法

膠原病の皮膚病変が疑われるときの対処法

どのような症状が現れたら受診すべきですか?

皮膚の赤みや発疹が長引く、繰り返し同じ場所に出る、日光で悪化するといった場合は、一度医療機関での評価を考えるタイミングです。特に、左右対称に出る発疹や、顔や手など露出部に出やすい症状は特徴的な所見となることがあります。

また、皮膚症状に加えて、関節の痛みや腫れ、強いだるさ、発熱、お口や目の乾燥、筋力低下などがある場合は、全身性の疾患が関与している可能性があります。こうした症状が重なっているときは、皮膚だけでなく全身の状態を含めて評価することが重要です。
さらに、指先の色の変化が繰り返される、皮膚が硬くなってきた、傷が治りにくいといった変化も、経過を見すぎず早めに相談したほうがよいでしょう。

膠原病が疑われるときの診療科目を教えてください

最初の受診先としては、皮膚の症状が目立つ場合は皮膚科、関節痛や全身症状がある場合は内科を受診するのが一般的です。特に膠原病を専門的に診療するのは、リウマチ科や膠原病内科です。

実際の診療では、皮膚科で皮膚症状を評価したうえで内科へ紹介されることや、逆に内科で全身評価を行いながら皮膚科と連携することもあります。症状が複数にまたがる場合は、複数の診療科での連携が重要です。

どの診療科に行くべきか迷う場合は、まずはかかりつけ医や一般内科で相談し、必要に応じて専門科へつないでもらうという流れでも問題ありません。最初から専門科にこだわりすぎず、早めに医療機関に受診するとよいでしょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

膠原病では、皮膚にさまざまな変化が現れます。蝶形紅斑や円板状紅斑のような特徴的な発疹に加えて、レイノー現象や皮膚の硬化、光線過敏症など、見た目や体感の変化が手がかりになることも少なくありません。

こうした皮膚症状は一見すると軽いトラブルのように見えることもありますが、関節の痛みやだるさ、発熱などの全身症状を伴う場合には、背景に膠原病が関与している可能性も考えられます。症状が長引く、繰り返す、少しずつ変化しているといった場合には、早めに医療機関で相談することが大切です。
皮膚の変化は、身体の内側の状態を映すサインの一つです。日常生活のなかでのちょっとした違和感を見逃さず、必要に応じて専門的な評価につなげていくことが、早期発見・早期治療につながります。

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