FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. コラム(医科)
  4. 「手足がしびれる」症状が出たときの原因・治療法・受診先を医師が解説

「手足がしびれる」症状が出たときの原因・治療法・受診先を医師が解説

 更新日:2023/04/20
「手足がしびれる」症状が出たときの原因・治療法・受診先を医師が解説

手足のしびれが起きる原因は、内科的病気だったり、首や腰が問題だったりと様々です。一体、手足のしびれが生じたら、何科に受診して治療を受ければいいのでしょうか。今回は、手足のしびれが生じたときの原因別の治し方も含めて「銀座内科・神経内科クリニック」の霜田先生に伺いました。

霜田 里絵

監修医師
霜田 里絵(銀座内科・神経内科クリニック)

プロフィールをもっと見る
順天堂大学医学部卒業、順天堂大学大学院神経学修了。順天堂大学医学部附属順天堂医院などで臨床経験を積んだ後の2005年、東京都中央区に「銀座内科・神経内科クリニック」開院。神経内科に特化した医療を提供している。日本神経学会認定専門医、日本内科学会認定医、日本抗加齢医学会認定専門医、日本医師会認定産業医。

ピリピリする・力が入らない……手足のしびれはなぜ起きる? 手足のしびれが起こる原因や症状を医師が解説

ピリピリする・力が入らない……手足のしびれはなぜ起きる? 手足のしびれが起こる原因や症状を医師が解説

編集部編集部

手足のしびれについて教えてください。

霜田 里絵先生霜田先生

手足のしびれは、大きく分けると2種類あります。ビリビリするといった「異常感覚がある場合」と「感覚が鈍くなる場合」です。

編集部編集部

それぞれ、どのような症状がありますか?

霜田 里絵先生霜田先生

異常感覚の場合には、「正座をした後に起こるような、足がビリビリとしびれる感じが続く」といった症状が表れます。一方、感覚が鈍くなる場合は「触っても感覚が鈍い」「冷たさや熱さ、痛みなどを感じにくい」というような症状が表れます。

編集部編集部

そもそも、手足のしびれはなぜ起きるのですか?

霜田 里絵先生霜田先生

皮膚にある知覚神経で感じた刺激は、末梢神経を通じて脊髄を通り、脳に到達して「熱い」「痛い」「冷たい」などの感覚として認識されます。しかし、この神経のどこかで障害が発生すると、しびれが生じてしまいます。

手足のしびれを放置するとどうなる? 危険性・病気の前兆の可能性はある?

手足のしびれを放置するとどうなる? 危険性・病気の前兆の可能性はある?

編集部編集部

手足のしびれは、何かの病気の前兆なのでしょうか?

霜田 里絵先生霜田先生

手足のしびれの原因としては脳、脊髄、末梢神経の障害、精神的なものなどが考えられます。どんな疾患が原因となっているか確認するには、詳しく検査をする必要があります。

編集部編集部

例えば、どのような疾患の可能性があるのですか?

霜田 里絵先生霜田先生

脳に原因があるしびれの場合、脳血管障害や脳腫瘍などが考えられます。この場合は、障害が起きていない側の手足にしびれが比較的急に起こります。とくに、しびれが短時間で解消される場合も一過性脳虚血発作の可能性であることもあるので、できるだけ早めに受診してください。

編集部編集部

そのほかには、どのような疾患の可能性があるのですか?

霜田 里絵先生霜田先生

脊椎に原因がある場合には、変形性頸椎症や頸椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニアなどが考えられます。また、朝起きたときに手足のしびれやこわばりがある場合は、関節リウマチや手根管症候群などの可能性もあります。

編集部編集部

しびれを放置すると、どんなリスクがあるのでしょうか?

霜田 里絵先生霜田先生

脳や脊髄に障害が起きていると、場合によっては早急の対応が必要な場合もあるため、できるだけ早めに受診することをおすすめします。また、「感覚が鈍くなる」「熱さや寒さ、痛みなどを感じにくい」というしびれの場合、怪我ややけどをしても気づかないことがあるので危険です。しびれは放置せず、必ず医師の診察を受けましょう。

編集部編集部

とくに気をつけたいしびれの種類はありますか?

霜田 里絵先生霜田先生

「手足のしびれがどんどん強くなる」「しびれの範囲が広くなる」「筋力の低下がある」など症状が出ている場合は、病気の進行が疑われるので早めに受診しましょう。めまいや頭痛を伴ったり、片側だけにしびれがある場合は、脳に異常が生じていることもあるので、症状を見逃さないようにしましょう。

原因別・手足のしびれの治療法を医師が解説 何科を受診したらいい?

原因別・手足のしびれの治療法を医師が解説 何科を受診したらいい?

編集部編集部

手足のしびれがあったら、何科を受診したらいいのでしょうか?

霜田 里絵先生霜田先生

例えば、手足のしびれに加えてめまいや頭痛を伴うなど、ほかの症状もみられる場合には脳神経内科または脳神経外科を受診するといいでしょう。また、首や腰に強い痛みがある場合などは整形外科を受診してください。手足のこわばりなどが気になる場合は、内科または膠原病内科に相談するのがいいと思います。

編集部編集部

手足のしびれは、どのように治療するのですか?

霜田 里絵先生霜田先生

まずは、しびれの原因を調べます。例えば当院では、しびれの起こり方や部位などを問診で確認した後に、脳由来の可能性があれば頭部MRI検査を脊椎や腰椎などに原因がありそうな場合はレントゲンや脊椎MRI検査をおこないます。また、末梢神経に障害が起きていて、腕や手など上肢にしびれが起きていれば末梢神経伝導検査をします。そのほか、膠原病や糖尿病の可能性があれば血液検査もおこないます。

編集部編集部

その後、治療に進むのですね。

霜田 里絵先生霜田先生

脳血管障害が起きている可能性があれば緊急性が高いため、必要に応じてER(救急)に対応している病院を紹介します。また、頸椎性や腰椎性のしびれの場合は、手術など外科的処置を必要としないことは多く、内服薬の投与などで保存的治療をおこないます。末梢神経障害によるしびれについても、内服薬の投与や原因となる疾患に応じた治療をします。

編集部編集部

色々な検査をしても悪いところが見つからず、「精神的な問題」や「更年期障害」などと診断されることもありますが、その場合はどうしたらいいでしょうか?

霜田 里絵先生霜田先生

「精神的な問題が原因かもしれない」と言われたら、心療内科や脳神経内科に相談しましょう。また、「更年期障害では?」と診断されたら、婦人科を受診してみることをおすすめします。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

霜田 里絵先生霜田先生

手足のしびれの原因は様々であり、原因に応じた治療が必要となります。そのため、しびれが生じたときは自己判断せずに、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。また、しびれの治療はすぐに効果が出るものではなく、根気が必要であることを理解しておくことも大切です。「3週間、薬を服用したけれど全然よくならない」と、自己判断で服薬をやめてしまう人も多いのですが、必ず医師の指示に従って少なくとも2~3カ月は薬を継続するようにしましょう。

編集部まとめ

手足のしびれは、それほど珍しい症状ではありませんが、「恐ろしい病気のサイン」という場合もあります。すぐに症状が治まったとしても、時間が経つにつれてしびれがひどくなったり、しびれの範囲が広がったりする場合は、必ず医師に相談してくださいね。

医院情報

銀座内科・神経内科クリニック

銀座内科・神経内科クリニック
所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目12-10 龍岡ビル2階
アクセス 東京メトロ「銀座駅」 徒歩4分
診療科目 内科、頭痛外来

この記事の監修医師