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「糖尿病」を予防するために「食事面」でどんなことに気を付けたらいい?【医師監修】

 公開日:2026/05/08
「糖尿病」を予防するために「食事面」でどんなことに気を付けたらいい?【医師監修】

糖尿病は、インスリンの働きが弱くなったり不足したりすることで、血液中のブドウ糖が高い状態が続く病気です。高血糖が続くと、網膜症や腎症、神経障害だけでなく、心筋梗塞や脳卒中などにつながることもあります。そのため、食事を整えて血糖を保つことは、予防でも治療でも大切です。糖尿病の食事というと、食べてはいけない物がたくさんあるように感じる方もいるかもしれません。しかし実際には、特別な食事を用意するというより、毎日の食べ方や食事の整え方を見直していくことが基本です。健診で血糖が高めといわれた方や、家族に糖尿病の方がいる方にとっても、食事を見直すことには意味があります。
この記事では、糖尿病を予防するために意識したい食事のポイントと、毎日の生活で続けやすい工夫を解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医・指導医、日本緩和医療学会認定登録医、禁煙サポーター

糖尿病と食事の関係

糖尿病と食事の関係

糖尿病とはどのような病気ですか?

糖尿病は、インスリンの働きが弱くなったり、分泌が足りなくなったりすることで、血液中のブドウ糖が高い状態が続く病気です。食事をすると血糖は上がりますが、健康な状態の場合はインスリンが働いて、血糖はある程度の範囲に保たれます。ところが、この調節がうまくいかなくなると高血糖が続き、身体に負担がかかります。高血糖が長く続くと、網膜症や腎症、神経障害のほか、心筋梗塞や脳卒中などにもつながることがあります。

糖尿病の原因を教えてください

糖尿病の原因は一つではありません。遺伝的な体質が関わることもありますし、食べ過ぎ運動不足肥満などの生活習慣が重なることで起こりやすくなることもあります。特に2型糖尿病は、インスリンの効きが悪くなることや、膵臓から必要なだけ分泌できなくなることが関係します。そのため、血液中のブドウ糖がうまく使われず、高血糖が続きやすくなります。
また、加齢や睡眠不足、生活リズムの乱れ、身体を動かす機会の少なさなども発症に関わることがあります。食事の偏りやエネルギーのとり過ぎが続くと、内臓脂肪がたまりやすくなり、インスリンの働きがさらに低下しやすくなります。このように、糖尿病は体質に加えて、日々の生活習慣が積み重なって起こる病気です。

食事と糖尿病は関係ありますか?

食事は、糖尿病の予防や治療に深く関わっています。食べ過ぎや栄養の偏りが続くと、血糖が上がりやすくなり、身体の中で糖をうまく処理しにくくなることがあります。こうした状態が積み重なると、糖尿病につながるきっかけになります。一方で、毎日の食事の内容や量を整えることは、血糖を保つうえで大切です。糖尿病の食事は特別なものではなく、普段の食事を無理なく見直していくことが基本です。毎日続ける食事だからこそ、予防でも治療でも大きな意味があります。

糖尿病予防に役立つ食事の摂り方

糖尿病予防に役立つ食事の摂り方

糖尿病予防に役立つ食事の特徴を教えてください

糖尿病予防に役立つ食事の基本は、主食、主菜、副菜をそろえて、食事全体のバランスを整えることです。主食だけに偏らず、肉や魚、大豆製品などのおかずや野菜を組み合わせると、栄養が偏りにくくなります。また、1日3食をできるだけ規則正しくとることも大切です。野菜やきのこ、海藻などを取り入れると、食物繊維をとりやすくなり、食後の血糖の上がり方を緩やかにすることが期待できます。

食べる順番も糖尿病予防に関係がありますか?

食べる順番を工夫することで、食後の血糖が急に上がりにくくなることがあります。例えば、野菜や海藻、きのこ類などを先に食べ、その後に主菜、主食を食べる方法です。このように食べると、糖の吸収がゆるやかになりやすいと考えられています。また、早食いを避けて、よく噛みながらゆっくり食べることも大切です。食事の内容を大きく変えにくい場合でも、食べ方の工夫は取り入れやすく、毎日の食事で続けやすい方法の一つです。

糖尿病になりやすい食事について教えてください

糖尿病につながりやすい食事は、食べ過ぎが続く食事や、甘い飲み物、菓子類、脂っこい食事に偏った食生活です。こうした食事が続くと、エネルギーをとり過ぎやすくなり、血糖も上がりやすくなります。主食ばかりをたくさん食べる食事や、野菜が少ない食事も、栄養のバランスが崩れやすくなります。また、朝食を抜く、夜遅くに食べるといった不規則な食べ方も、血糖を一定に保ちにくくする要因です。糖尿病予防は、食べ物を一つずつ気にするより、食事全体の量、内容、時間の取り方を見直すことが大切です。

糖尿病予備軍でも食事に気を付ければ糖尿病を予防できますか?

糖尿病予備群の段階でも、食事に気を付けることで糖尿病への進行を防ぎやすくなります。特に、食べ過ぎを避けること、甘い飲み物や間食を控えること、食事のバランスを整えることは大切です。早い段階から食生活を整えることで、血糖の悪化を防ぐことにつながります。ただし、食事だけで決まるわけではないため、必要に応じて運動習慣もあわせて見直し、健診や受診で数値の変化を確認しましょう。

食事以外の糖尿病予防に役立つ生活習慣

食事以外の糖尿病予防に役立つ生活習慣

食事以外の糖尿病予防に役立つ生活習慣を教えてください

糖尿病予防は、食事に加えて、身体を動かす習慣を持つことも欠かせません。特別な運動を始めなくても、まずは歩く時間を増やすことから始めましょう。例えば、少し遠回りして歩く、階段を使う、家事の合間に身体を動かすといった工夫でも十分です。また、長い時間座ったまま過ごさないようにすることもポイントです。日常生活のなかで、こまめに身体を動かすことは、血糖の管理につながります。あわせて、睡眠不足や生活リズムの乱れを避けることも、身体の調子を保つうえで意識したい習慣です。

糖尿病を招きやすい生活習慣はありますか?

糖尿病につながりやすい生活習慣として、運動不足、座っている時間が長い生活、食事の時間が不規則な生活などが挙げられます。例えば、身体を動かす機会が少ない日が続くと、血糖を調節する働きが低下しやすくなります。また、夜遅い食事や朝食を抜く習慣が続くと、食事のリズムが乱れ、食べ過ぎにつながることもあります。睡眠不足や生活リズムの乱れも、血糖の管理に影響することがあります。糖尿病予防は、特別なことをするよりも、毎日の生活リズムを整え、無理なく続けられる習慣を積み重ねることが大切です。

編集部まとめ

編集部まとめ

糖尿病予防は、特別な食事や厳しい制限よりも、毎日の食事と生活習慣を無理なく改善していくことが大切です。食事は、主食や主菜、副菜をそろえ、1日3食を規則正しくとることが基本です。甘い飲み物や食べ過ぎを控え、野菜やきのこ、海藻などを取り入れることも役立ちます。また、食べる順番や食べ方を少し工夫するだけでも、食後の血糖の上がり方が穏やかになることがあります。
さらに、糖尿病予防は、食事だけでなく、日々の身体活動や生活リズムも大切です。歩く時間を増やす、座っている時間を減らす、睡眠を整えるといった積み重ねが、血糖を安定させやすい身体づくりにつながります。健診で血糖が高めといわれたときは、その段階から生活を見直すことに意味があります。できることから少しずつ続けていくことが、将来の糖尿病予防につながります。

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