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「2型糖尿病」や「1型糖尿病」の治療法・原因などを医師が徹底解説 “進歩”を遂げた現在地

 公開日:2026/05/07
『2型糖尿病』や「1型糖尿病」の治療法・原因などを医師が徹底解説 “進歩”を遂げた現在地

一口に糖尿病といっても、1型・2型・妊娠糖尿病など種類はさまざまです。原因、症状、治療法が異なるため、それぞれのタイプに応じた対策が欠かせません。そこで、血糖値コントロールの基本から、薬・インスリン治療、生活習慣の改善まで、所沢みやた内科クリニックの宮田先生に詳しく聞きました。

※2025年9月取材。

宮田 由紀

監修医師
宮田 由紀(所沢みやた内科クリニック)

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2003年浜松医科大学医学部医学科卒業。東京医科歯科大学附属病院(現・東京科学大学病院)内科、取手協同病院(現・JAとりで総合医療センター)内科、武蔵野赤十字病院内分泌代謝内科、草加市立病院内分泌代謝内科、イムス記念病院糖尿病内科、聖母病院内科を経て現職。日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本抗加齢医学会抗加齢医学専門医。

糖尿病の種類にはどのようなものがあるのか?

糖尿病の種類にはどのようなものがあるのか?

編集部

糖尿病にはどのような種類があるのでしょうか?

宮田 由紀先生宮田先生

糖尿病は大きく分けて「1型糖尿病」と「2型糖尿病」があります。そのほかに、特定の機序や疾患による糖尿病、妊娠中に発症する「妊娠糖尿病」も存在します。特に多いのは2型糖尿病で、日本の糖尿病患者さん全体のうち90%以上を占めるとされています。

編集部

1型と2型の違いは何ですか?

宮田 由紀先生宮田先生

1型は自己免疫などによって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど作られなくなる病気です。一方、2型はインスリンの分泌低下や、効きが悪くなる「インスリン抵抗性」に、過食や運動不足などの生活習慣が加わって発症します。つまり、発症の根本的なメカニズムが異なるのです。

編集部

特定の機序や疾患による糖尿病とはどのようなものですか?

宮田 由紀先生宮田先生

1型、2型、妊娠糖尿病のいずれにも分類されないタイプの総称です。頻度は高くありませんが、膵臓の病気やホルモン異常、遺伝子異常、あるいは薬剤の影響など、原因は多岐にわたります。

編集部

妊娠糖尿病についても詳しく教えてください。

宮田 由紀先生宮田先生

妊娠中に初めて糖の代謝異常が見つかった場合を妊娠糖尿病といいます。妊娠中のホルモンの変化によって血糖値が上がりやすくなり、母体だけでなく胎児にも影響が及ぶ可能性があるため、適切な管理が求められます。

それぞれの原因を詳しく解説

それぞれの原因を詳しく解説

編集部

1型糖尿病の原因は何でしょうか?

宮田 由紀先生宮田先生

多くの場合は自己免疫反応による、インスリンを作る膵臓のβ(ベータ)細胞の破壊です。遺伝的な素因にウイルス感染や環境要因が加わって発症すると考えられています。小児や若年者に多い傾向にありますが、成人になってから発症するケースも見られます。

編集部

2型糖尿病の原因について教えてください。

宮田 由紀先生宮田先生

インスリン分泌の低下や、インスリンの効きにくさを引き起こす遺伝的な素因に、肥満や運動不足、過食といった生活習慣が重なることで発症します。複数の要因が組み合わさってインスリンが十分に作用しなくなる状態が、2型糖尿病の主な成り立ちです。

編集部

特定の機序や疾患による糖尿病には、どのような原因があるのでしょうか?

宮田 由紀先生宮田先生

膵炎や膵臓がんといった膵臓そのものの病気、クッシング症候群などホルモン異常、さらに薬剤性(特にステロイドの副作用)などが挙げられます。そのほか、遺伝子異常によって起きる場合もあります。原因となる疾患によって治療法や予後が異なるため、正確な診断が重要です。

編集部

妊娠糖尿病はなぜ起こるのですか?

宮田 由紀先生宮田先生

妊娠中に胎盤から分泌されるホルモンが、インスリンの働きを抑える作用を持つためです。本来は妊娠に伴う正常な変化ですが、インスリンの分泌が追いつかない場合に血糖値が上昇し、妊娠糖尿病の状態となります。

それぞれの治療法とは?

それぞれの治療法とは?

編集部

1型糖尿病の治療はどのように行うのですか?

宮田 由紀先生宮田先生

1型糖尿病はインスリンの分泌量が著しく低下しているため、インスリン注射による補給が不可欠です。食事療法や運動療法と組み合わせ、血糖値の安定を目指します。最近では、持続皮下インスリン注入療法や血糖測定機器の進歩もあり、より個々の生活に合わせた管理が可能になっています。

編集部

2型糖尿病はどうでしょうか?

宮田 由紀先生宮田先生

基本は生活習慣の改善です。食事や運動で血糖をコントロールし、それでも不十分な場合には糖尿病治療薬を使用します。薬には、インスリンの分泌を助けるもの、感受性を高めるもの、糖の吸収や排泄を調整するものなどがあり、合併症の状態などを考慮して選択します。

編集部

特定の機序や疾患による糖尿病は、どのように治療しますか?

宮田 由紀先生宮田先生

基本は原因疾患の治療です。例えば、ホルモン異常や薬の副作用が原因であれば、ホルモン異常を改善したり、薬をほかのものに変更したりすれば効果が見込めます。同時に血糖管理も並行して行い、必要に応じて内服薬やインスリン注射を使用します。

編集部

妊娠糖尿病の場合はいかがでしょうか?

宮田 由紀先生宮田先生

まずは、1日の食事を4~6回に分けて食べるなどの食事療法を行います。これは単なる食事制限ではなく、胎児に必要な栄養を確保しながら血糖値を安定させる目的があり、主治医や管理栄養士の指導のもとで行われるべきです。それでも不十分な場合は、胎児への影響を考慮して内服薬は使用せず、インスリン注射で対応します。出産後は改善する場合が多いですが、将来的に2型糖尿病に移行するリスクがあるため注意が必要です。

編集部

最近、糖尿病の新薬についてニュースで見聞きする機会も増えました。糖尿病の治療は進化しているのですか?

宮田 由紀先生宮田先生

はい。近年、治療薬の選択肢が増えており、治療効果も向上しています。ぜひ主治医と相談しながら、自分のライフスタイルに合った治療法を見つけてほしいと思います。

編集部

最後に、メディカルドック読者へのメッセージをお願いします。

宮田 由紀先生宮田先生

私が医師になった頃と比べると、糖尿病治療の内容は大きく進歩しました。今は薬の選択肢も豊富になり、血糖値を下げるだけでなく、合併症の発症や進行を抑制できる薬も多く登場しています。治療の幅が広がったため、患者さん一人ひとりに合った方法を見つけやすくなりました。大切なのは、安全性と持続性を意識しながら、無理のない形で治療を続ける姿勢です。主治医としっかり相談し、自分に合った治療を選択して、健康な毎日につなげてもらえればと思います。

編集部まとめ

糖尿病治療は生活習慣の改善とあわせて、自分に合った治療を主治医と相談しながら続ける姿勢が大切です。安心して取り組める治療法を見つければ、より健康的な生活を長く保てます。信頼できる主治医と二人三脚で、一歩ずつ取り組んでいくとよいと思います。健康診断で血糖値の異常を指摘されたら、放置せずに早めに内科や糖尿病内科を受診しましょう。

医院情報

所沢みやた内科クリニック

所沢みやた内科クリニック
所在地 埼玉県所沢市北秋津585-1
診療科目 内科、外科、消化器科
診療時間 午前: 月〜土 9:00~13:00
午後: 月〜金 15:00~18:00
休診日 日・祝

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