目次 -INDEX-

  1. Medical DOC TOP
  2. 医科TOP
  3. 健康診断
  4. 「自律神経の機能検査」で何が分かる?検査の種類や発見できる病気を医師が解説!

「自律神経の機能検査」で何が分かる?検査の種類や発見できる病気を医師が解説!

 公開日:2026/05/07
「自律神経の機能検査」で何が分かる?検査の種類や発見できる病気を医師が解説!

自律神経の機能検査とは?メディカルドック監修医が、自律神経の機能検査の種類(心電図など)や、疲労度を測る仕組み、保険適用の有無、異常から疑われる病気について分かりやすく解説します。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

プロフィールをもっと見る
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

目次 -INDEX-

自律神経の機能検査とはどのようなもの?

自律神経は、心拍や血圧、体温などを無意識に調整する重要な働きを担っています。そのバランスが崩れると、さまざまな体調不良が生じることがあります。自律神経機能検査は、こうした働きの状態を客観的に評価し、不調の原因を探るために行われる検査です。

自律神経の乱れを調べる目的とわかること

自律神経機能検査では、交感神経と副交感神経の働きや、そのバランスを数値として評価します。心拍や血圧の変化、呼吸との連動などをもとに、体の調整機能が適切に働いているかを確認します。慢性的な疲労感やめまい、動悸などの原因を探る手がかりとなり、糖尿病に伴う神経障害の評価にも用いられます。

自律神経の機能検査は何科で受けられる?

検査は主に内科や神経内科、心療内科で行われます。症状によっては循環器内科や小児科で対応される場合もあります。人間ドックや一部のクリニックでも実施されており、症状がはっきりしない場合はまず内科を受診し、必要に応じて専門科へ紹介される流れが一般的です。

自律神経の機能検査は保険適用される?

自律神経の機能検査が保険適用になるかどうかは、検査の目的と内容によって異なります。一般的な診察のなかで行う血圧測定や心電図は、それぞれ通常の検査として扱われますが、自律神経の異常を詳しく調べる検査には別の算定ルールが設けられているものがあります。例えばヘッドアップティルト試験は、失神発作があり、ほかの原因がはっきりせず神経調節性失神が疑われる場合に、施設基準を満たした医療機関で算定される検査です。一方で、単に横になった状態と立った状態で血圧や脈拍を比べるだけでは、この試験には該当しません。なお、ヘッドアップティルト試験の実施中に測定した心電図の費用は別に算定できないため、検査全体として評価される仕組みです。疲労度の確認や健康チェック目的で行う検査は、自費診療となることがあります。

自律神経の機能検査の種類

自律神経の評価には、複数の検査が組み合わせて用いられます。心拍や血圧の変化を観察するものが中心で、短時間で実施できる検査も多くあります。

血圧や脈拍を測る新起立試験

新起立試験は、安静時と起立後の血圧や脈拍の変化を測定し、自律神経の調整機能を評価する検査です。通常は立ち上がった際に血圧を維持する反応が働きますが、この調整が不十分な場合、血圧低下や脈拍の過剰な増加がみられます。起立性調節障害では、起立後の血圧低下や心拍数の変化パターンをもとに診断の参考とされ、小児から成人まで幅広く用いられています。

心電図を使った心拍変動解析(HRV)

心電図を用いて心拍の間隔のゆらぎを解析する方法です。安静時や深呼吸時の心拍変動を測定し、自律神経の働きを評価します。副交感神経の働きが低下すると心拍のゆらぎが小さくなる傾向があり、糖尿病性神経障害の早期評価などにも活用されます。

自律神経の疲労度はどうやって測定できる?

疲労度は、心拍変動のパターンや日内変動をもとに推定されます。交感神経が優位な状態が続くと、リラックスに関わる副交感神経の働きが低下し、疲労が蓄積している可能性が示唆されます。ただし、数値だけで疲労の程度を断定することはできず、症状や生活背景とあわせて評価することが重要です。

自律神経の機能検査の基準値と再検査が必要な結果

以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。検査結果は個人差が大きく、年齢や生活習慣によっても変化します。そのため、単一の数値だけで判断するのではなく、総合的に評価する必要があります。

自律神経の機能検査結果の基準値

心拍変動の指標には一定の基準範囲がありますが、明確な正常値が一律に定められているわけではありません。年齢が上がると心拍のゆらぎは小さくなる傾向があるため、年齢補正が考慮されます。検査結果は、個人の基準や変化の傾向を踏まえて解釈されます。

自律神経の機能検査結果の異常値・再検査基準と内容

心拍変動の低下や起立時の血圧低下が認められる場合、自律神経の働きに問題がある可能性が考えられます。症状が強い場合や結果に異常がみられる場合は、再検査や追加検査が行われ、基礎疾患の有無を確認します。

「自律神経機能」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「自律神経機能」の異常から疑われる病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

自律神経失調症

自律神経失調症は、ストレスや生活リズムの乱れなどを背景に、交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態です。めまい、動悸、倦怠感、頭痛、睡眠障害など多様な症状がみられます。生活習慣の見直しやストレス対策が基本となり、必要に応じて薬物療法が行われます。症状が長く続く場合や日常生活に支障がある場合は、内科や心療内科への受診が検討されます。

甲状腺機能異常

甲状腺機能亢進症や低下症では、ホルモンバランスの変化により自律神経症状に似た不調が現れることがあります。動悸や発汗、疲れやすさ、体重変動などが代表的です。血液検査で診断が可能で、治療により症状の改善が期待されます。自律神経の問題と区別が難しいこともあるため、気になる症状がある場合は内科や内分泌内科での評価が必要です。

起立性調節障害

起立性調節障害は、自律神経の調整機能がうまく働かず、立ち上がった際に血圧や心拍の調整が乱れることで、めまいや立ちくらみなどが生じる疾患です。思春期に多くみられますが、成人でも起こることがあります。生活リズムの改善や水分・塩分の摂取が基本となり、症状に応じて薬物療法が行われます。なお、同様の症状は貧血や内分泌疾患、心疾患などでもみられるため、それらを除外したうえで診断されます。朝起きられない、立ちくらみが頻回に起こる場合は、小児科や内科での相談が勧められます。

糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害は、高血糖が長期間続くことで神経が障害される状態で、自律神経にも影響が及ぶことがあります。心拍変動の低下や発汗異常、消化機能の低下などがみられることがあります。血糖コントロールが治療の中心となり、早期からの対応が重要です。しびれや立ちくらみ、消化器症状がある場合は、内科での評価が必要です。

自律神経機能検査で正しい検査結果を得るための注意点と過ごし方

検査結果は日常生活の影響を受けやすいため、事前の準備や当日の過ごし方が重要です。

自律神経機能の検査前や当日の食事・生活習慣に制限はある?

検査前は過度な運動やアルコール摂取を避け、十分な睡眠をとることが望ましいとされています。カフェインも心拍に影響するため、控えるよう指示される場合があります。リラックスした状態で検査を受けることが、正確な評価につながります。

自律神経機能の検査前に医者に伝えるべきことはある?

服用中の薬や既往歴は結果に影響するため、事前に医師へ伝えることが重要です。特に降圧薬や抗不整脈薬は測定値に影響を与える可能性があります。体調不良や睡眠不足がある場合も、検査結果の解釈に関わるため申告しておきましょう。

「自律神経の機能検査」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「自律神経の機能検査」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

自律神経の機能検査には、具体的にどのような種類や方法があるのでしょうか?

木村 香菜木村 香菜 医師

心拍変動解析や起立試験、24時間心電図などが代表的です。これらを組み合わせることで、自律神経の働きを多角的に評価します。

心電図と血圧のほかに自律神経機能検査で調べる項目はありますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

呼吸時の脈拍変化や冷水負荷試験などもあり、刺激に対する反応をみることで自律神経の調整機能を確認します。

自分で自律神経の乱れや疲労度をチェックする方法はありますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

生活リズムの乱れや慢性的な疲労感、睡眠の質の低下などは一つの目安になります。ただし、正確な評価には医療機関での検査が必要です。

糖尿病などで血糖値が高い状態が続くと、自律神経の機能に影響が出ますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

長期間の高血糖は神経障害の原因となり、自律神経の働きにも影響します。早期からの血糖管理が重要です。

まとめ

自律神経機能検査は、心拍や血圧の変化を通して体の調整機能を評価する検査です。疲労やストレスの影響を客観的に把握できる一方で、結果だけで診断が確定するものではありません。症状が続く場合は医療機関で相談し、必要に応じて検査を受けることが重要です。

「自律神経」の異常で考えられる病気

「自律神経」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器・神経系の病気

内分泌・代謝系の病気

内分泌・代謝系

自律神経の異常は単独の病気だけでなく、他の疾患の一症状として現れることもあるため、原因を見極めることが重要です。

「自律神経」に関連する症状

「自律神経」に関連する症状は7個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • めまい・立ちくらみがする
  • 頭痛がある
  • 疲れやすい・だるい
  • 汗をかきやすい
  • 下痢や便秘が続く
  • 寝つきが悪い

複数の症状が同時にみられる場合や、長く続く場合は、医療機関での評価が勧められます。

この記事の監修医師