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「腎臓に良い食べ物」はご存知ですか?良い果物や飲み物も医師が徹底解説!

 公開日:2026/05/07
「腎臓に良い食べ物」はご存知ですか?良い果物や飲み物も医師が徹底解説!

腎臓に良い食べ物とは?メディカルドック監修医が腎臓に良い果物・飲み物・悪い食べ物などを解説します。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

腎臓とは?

腎臓とは?

腎臓は、背部の腰のうえあたりに位置し、左右に1個づつある握りこぶし程度の大きさの臓器です。腎臓では体をまわった血液が糸球体というろ過装置で濾過され、こしだされます。このこし出された原尿が尿細管を流れる間に、必要なものが再吸収され最終的に尿となって体外へ排泄されます。
腎臓の働きは、①老廃物を尿として排泄すること②水分や電解質のバランスを一定に保つこと③造血、骨代謝、血圧を調整するホルモンを分泌することなどです。腎臓の機能が低下するとこれらの働きが低下し、体内のバランスが崩れるため、むくみや息切れなどの症状がみられるようになります。

腎臓病とは?

腎臓病とは?

腎臓病とは、蛋白尿などの腎障害もしくは、糸球体濾過量(GFR)が60ml/分/1.73m2未満に低下している事をいいます。この状態が3か月以上持続している状態が慢性腎臓病(CKD)です。
腎臓病はさまざまな病気が原因となり発症しますが、近年は糖尿病や高血圧などの生活習慣病が原因となり腎臓病となる事が多いです。

慢性腎臓病では段階があり、この進行度により気をつけなければならない食事が異なることもあります。この記事では、腎臓病に良い食べ物についてお話ししますが、ご自身の腎臓病の状態により食事の注意事項が異なることもあります。必ず主治医に確認をしてから、食事療法を行うようにしましょう。

腎臓に良い食べ物

腎臓に良い食べ物

腎臓に良い食べ物は、腎臓病の原因となる脂質異常症や糖尿病、高血圧を予防する効果があるものと言えるでしょう。ここでは、腎臓病とならないために気を付けるべき食事について解説いたします。

野菜

野菜はカリウム、食物繊維、抗酸化物質などを多く含みます。カリウムは血圧を下げる効果があり、高血圧の発症を防ぎます。また、食物繊維はコレステロールの吸収を抑え、脂質異常症を改善することが可能です。野菜に含まれるポリフェノール、カロテノイド、ビタミンCなどは、抗酸化作用を持つことで動脈硬化を予防する働きがあります。
しかし、カリウムについては腎機能が低下した場合には制限される場合があるので注意が必要です。
野菜の中でも比較的カリウムの少ないキャベツやカリフラワーは腎臓に優しい野菜と言えるでしょう。

果物

果物も野菜と同様にカリウム、抗酸化物質が多い食べ物です。果物をとることで高血圧の予防や動脈硬化を防ぐ効果があると言われています。しかし、果物には糖質も多く含まれるため、食べすぎには注意しましょう。また、腎機能が低下している場合には、野菜同様にカリウムの摂りすぎにも注意が必要です。
果物の中でもリンゴやブドウは比較的カリウムが少なく抗酸化物質も多いためお勧めの食材です。

青魚

タンパク質は体を維持するのに必要不可欠な栄養素です。しかし、腎機能が低下するとタンパク質の摂取量を制限する必要がある場合もあります。必ず主治医への確認が必要です。タンパク質を摂取する場合には、適切な量で良質な食材を選びましょう。
タンパク質の中でも青魚には、EPA、DHAなどの不飽和脂肪酸が豊富であり、脂質異常症の改善にも良いと言われています。
サバ、アジ、イワシ、サンマなどの青魚の摂取をお勧めします。

大豆製品

大豆も良質のタンパク質と言えます。また、食物繊維も豊富であり、脂質異常症の改善にもおすすめです。大豆にはサポニンやレシチンなどの抗酸化作用がある物質も豊富です。脂質異常症を改善し、動脈硬化を予防することが腎臓病の予防にもつながります。

オリーブオイルなど良質な油

不飽和脂肪酸を多く含むオリーブオイルは、LDLコレステロールを減らし脂質異常症を改善する効果があります。油を使用する際には、不飽和脂肪酸を多く含む良質な油を使用するようにしましょう。しかし、いくら良質なものであっても、摂りすぎるとカロリーオーバーにつながります。過剰摂取とならないようにしましょう。

腎臓に良い果物

腎臓に良い果物

果物はカリウムを含み、血圧を下げる効果があるため腎臓に良いと言えます。しかし、腎機能が低下すると、高カリウム血症をきたすため注意が必要です。
ここでは、カリウムの含有量にも注意しながら食物繊維や抗酸化作用があるなど腎臓に良いと考えられる果物を挙げていきましょう。

リンゴ

リンゴはカリウムが少ないため腎臓に優しい果物と言えます。また、リンゴには食物繊維やビタミンCが豊富です。食物繊維はコレステロールの吸収を防ぎ、消化を助ける作用もあり、ビタミンCによる抗酸化作用も期待できます。

ベリー類

ブルーベリーやラズベリー、クランベリーなどのベリー類にはアントシアニンやエラグ酸、ビタミンCなどの強力な抗酸化物質が含まれます。これらの抗酸化物質は動脈硬化を予防することが期待できます。また、ブルーベリーは比較的カリウムも低く、腎臓にも優しいです。

ぶどう

ブドウはビタミンKや抗酸化物質であるフラボノイドが含まれています。また、果物の中では比較的カリウムが少ないため腎臓に優しいと言えます。

パイナップル

パイナップルは、ビタミンB1、A、Cや食物繊維が多い果物です。特に食物繊維が多いためコレステロールの吸収を抑制したり、便秘を改善することに役立ちます。パイナップルに含まれるブロメラインは、タンパク質分解酵素であり、胃液の分泌を促し消化を勧めたり、胃腸の炎症を鎮める働きがあると言われています。また、カリウムが含まれる量も比較的少なめなので腎臓にも優しいです。

腎臓に良い飲み物

腎臓に良い飲み物

脱水をおこすと腎機能が低下してしまう恐れがあります。また、心不全などがない場合には水分制限を行わず、1日1〜1.5L程度の飲水が勧められています。では、どのような飲料が良いのでしょうか?

脱水を予防するためにも、飲料の基本は水です。余分なカロリーや利尿作用がある成分を含まない水が最も気軽に摂取できる飲料であると言えます。腎臓病の進行を防ぐためにも、1日1〜1.5L程度の飲水が勧められますが、夏場の発汗量が多い季節では、さらに脱水を防ぐために飲水するようにしましょう。

麦茶などのノンカフェイン飲料

カフェインなどの利尿作用がある成分を含まず、糖質も含まないお茶がおすすめです。麦茶やルイボスティー、はと麦茶、黒豆茶、そば茶などのお茶はカフェインが含まれず脱水を予防するのに最適です。

適量のコーヒー

コーヒーにはカフェインなど抗酸化作用や抗炎症作用を示す成分が豊富に含まれており、腎臓病の進行抑制効果があると期待されています。しかし、コーヒーは利尿作用もあるため適量にとどめ、脱水状態の場合には他の水分をとることをおすすめします。1日2〜3杯程度のコーヒーにとどめましょう。

腎臓に悪い食べ物

腎臓に悪い食べ物

腎臓に悪い食べ物は、生活習慣病になりやすい食べ物と言えます。ここでは、生活習慣病の原因となりやすい食べ物を中心に解説します。

塩分の多い食べ物

塩分が多い食事は、高血圧や腎臓病の危険因子となります。塩分が多い食事や、塩蔵食品の食べ過ぎなどに気をつけましょう。

加工肉

加工肉は塩分量も多く、また飽和脂肪酸が多く含まれます。加工肉を食べすぎると塩分が多いことで血圧の上昇や腎臓病が進行しやすくなる可能性があります。また、飽和脂肪酸はLDLコレステロールの上昇をきたし、動脈硬化を進ませやすいです。加工肉は食べすぎないようにしましょう。

過剰な肉類

肉類は飽和脂肪酸が多いため、LDLコレステロールを上げやすいです。また、過剰に肉類を食べることはタンパク質を多く摂りすぎることにつながる可能性があります。すでに腎臓病がある場合、腎機能の低下の程度によりタンパク質を制限しなければならないことも少なくありません。腎機能が低下している場合、タンパク質の過剰摂取は腎機能の進行を早める可能性があるからです。
少なくとも腎機能の低下がる場合にはタンパク質の食べ過ぎには気をつけましょう。また、腎機能の低下がある場合には、主治医にご自身の蛋白制限が必要かを聞いてみましょう。

糖分の多い飲み物

糖分の多い飲み物は、血糖値の上昇を招きやすいです。液体での糖分摂取は吸収が良いため、一気に高血糖となる事も少なくありません。このため、ジュースなどの糖類の多い飲み物を過剰に摂取することで糖尿病を発症することもあります。糖尿病は腎臓病の原因ともなります。糖質、特に飲料での過剰摂取に気をつけましょう。

腎臓病を発症した際の食事上の注意点

腎臓病を発症した際の食事上の注意点

腎臓病を発症した場合には、食事上での注意点がいろいろとあります。

塩分を控える

腎臓病の場合、減塩が推奨されています。1日6g未満の塩分制限を守り生活することがおすすめです。

タンパク質をとりすぎない

腎臓病の病期によっても蛋白制限の程度は変わります。糸球体濾過量(GFR)が60ml/分以上であれば、過剰な摂取をしなければ特に蛋白制限は必要ありません。しかし、GFR45~59ml/分では、標準体重(BMI22にあたる体重)当たり0.8~1.0g/日程度の蛋白摂取量にとどめ、GFR44ml/分未満では標準体重当たり0.6~0.8g/日程度の蛋白摂取量とする蛋白制限が推奨されています。しかし、年齢や患者さんの病態により蛋白制限量が変更されることもあるため主治医に確認するようにしましょう。

カリウムの多い食べ物・飲み物

腎機能が低下すると、カリウムが排泄されづらくなり高カリウム血症をきたすことも少なくありません。慢性腎臓病の患者では、血清カリウム値を4〜5.5mEq/L未満に管理することが勧められています。そのため、腎機能が低下する場合にはカリウム制限が勧められています。GFRが30〜44ml/分では1日当たりのカリウム摂取を2000mg未満へ、GFR29ml/分未満ではカリウム摂取を1500mg未満に制限しましょう。カリウムは生野菜や果物、飲料ではコーヒーや玉露などに多く含まれます。カリウムの多い食品や飲料に気をつけましょう。

適切なカロリー摂取

腎臓病がある場合、適切なカロリー摂取が必要です。標準体重当たり25〜35kcal/日程度の適切なカロリー摂取が勧められます。カロリーが多すぎると肥満や糖尿病の原因となります。肥満は腎臓病増悪の危険因子です。また、カロリーが少なすぎると筋肉を分解してエネルギーを作るためかえって腎臓に負担をかけて腎機能の悪化を招くことになります。このため、適切なカロリー摂取をするようにしましょう。

「腎臓に良い食べ物」についてよくある質問

「腎臓に良い食べ物」についてよくある質問

ここまで腎臓に良い食べ物について紹介しました。ここでは「腎臓に良い食べ物」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

納豆やバナナは腎臓に負担をかけるのでしょうか?

伊藤陽子医師伊藤 陽子(医師)

納豆は良質なタンパク質ではありますが、摂りすぎると蛋白の過剰となる場合もあります。また、カリウムも100gあたり430〜1000mg程度と多めです。バナナも100gあたりカリウムが360mgと多い果物です。いずれの食材も腎機能が低下している場合には多く摂ることは勧められません。

まとめ 腎臓病にはそれぞれに合った食事療法が必要

腎臓に良い食べ物は、腎臓の状態によって変化します。腎臓病がなく、健康な状態で腎臓病を患わないためには、生活習慣病を予防する食事が勧められます。すなわち、高血圧、脂質異常症、糖尿病などを発症させないための食事です。具体的には、減塩食、カリウムや食物繊維を多く含む食事、良質な蛋白、肉類などの飽和脂肪酸を控え、魚類などの不飽和脂肪酸をとる食事が勧められます。
腎臓病となり、さらに腎臓病が進行しないためには病期によってはカリウムの制限や蛋白の制限が必要となります。
いずれにしてもバランスのよい減塩食が必要であり、細かい食事の制限に関しては患者さん毎により異なるため、主治医に確認が必要です。ご自身に合った食事療法をすすめ腎臓病が進行しないようにしましょう。

「腎臓病」と関連する病気

「腎臓病」と関連する病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系

腎臓病は生活習慣病が原因となり発症しやすいです。また、生活習慣病は腎臓病以外にも心臓病や脳血管疾患のリスクにもなります。生活習慣病を予防することが非常に大切です。

「腎臓病」と関連する症状

「腎臓病」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

腎臓病が進行すると上記の様な症状がみられますが、初期ではほとんど症状がありません。そのため、気が付かないことも多いです。健康診断などで腎臓病を指摘されたら、症状がなくとも、腎臓内科を受診するようにしましょう。

この記事の監修医師