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「血液検査でわかる病気」はご存じですか?検査項目やわからない病気も医師が解説!

 公開日:2026/04/24
「血液検査でわかる病気」はご存じですか?検査項目やわからない病気も医師が解説!

血液検査でわかる病気とは?メディカルドック監修医が、肝臓や甲状腺・腸の異常・白血球や貧血が招く健康リスク、がん発見の可能性等を解説します。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

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血液検査とは?

血液は体のさまざまな情報を運んでいます。血液検査では、血液中に含まれる細胞や酵素、脂質、ホルモンなどの量を測定し、体内の変化を読み取ります。健康診断や診療の場面で広く行われており、病気の早期発見や治療方針の判断に役立ちます。

血液検査の仕組みと役割

血液検査では、採取した血液を分析装置で測定し、血液中の成分の量を調べます。赤血球や白血球などの細胞の数、肝臓や腎臓から出る酵素、脂質や糖の濃度などを数値として確認します。こうした情報から、臓器の働きや炎症の有無、栄養状態などを把握し、病気の兆候がないかを評価します。

一般的な血液検査で調べられる主な項目

健康診断や一般診療で行われる血液検査では、次のような項目がよく測定されます。

  • 赤血球・白血球・血小板などの血球成分
  • AST、ALT、γ-GTPなどの肝機能
  • クレアチニンや尿素窒素などの腎機能
  • 血糖値やHbA1cなどの糖代謝
  • LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪などの脂質

これらの数値を総合的に見ることで、生活習慣病や炎症、臓器機能の変化などを把握します。

血液検査でわかること・わからないこと

血液検査は体の状態を広く調べられる便利な検査ですが、すべての病気を診断できるわけではありません。検査結果はあくまで体の変化を示す手がかりであり、必要に応じて画像検査や内視鏡検査などが追加されます。

血液検査の限界と「スクリーニング」としての意義

血液検査は、病気の存在を直接確定する検査というより、異常の兆候を見つけるための「スクリーニング」として使われます。例えば肝機能の数値が高い場合、肝臓の炎症や脂肪肝などが疑われますが、それだけで診断が決まるわけではありません。異常値が出た場合は、追加検査で原因を調べることになります。

血液検査だけではわからない病気

血液検査では、形の異常や局所の病変を直接確認することはできません。たとえば早期のがんやポリープ、小さな腫瘍などは血液検査では異常が出ないこともあります。そのため、症状や検診結果に応じてCT、MRI、内視鏡検査などを組み合わせて診断を進める必要があります。

血液検査で発見できる主な病気一覧

血液中の数値の変化は、体内のさまざまな異常を反映します。検査項目ごとに、疑われる病気の種類がある程度決まっています。ここでは代表的な例を紹介します。

白血球・CRP(感染症・免疫異常)

白血球は体を守る免疫細胞で、感染や炎症が起こると数が増えることがあります。CRPは炎症の程度を示す指標で、細菌感染や強い炎症で上昇します。これらの数値が高い場合、感染症や炎症性疾患、まれに血液の病気が隠れていることがあります。

赤血球・ヘモグロビン(貧血・出血)

赤血球やヘモグロビンは、体に酸素を運ぶ働きをしています。数値が低い場合は貧血が疑われ、鉄不足、慢性的な出血、栄養不足などが原因となることがあります。反対に赤血球が増えている場合は、脱水や血液の病気が関係している可能性もあります。

肝機能・腎機能・脂質(生活習慣病)

AST、ALT、γ-GTPなどは肝臓の状態を示す指標で、脂肪肝や肝炎などで上昇します。クレアチニンやeGFRは腎臓の働きを確認する指標です。また、コレステロールや中性脂肪が高い場合は脂質異常症が疑われ、動脈硬化や心血管疾患のリスク評価に役立ちます。

血液検査の特定の検査項目でわかる病気

血液検査には、基本項目のほかに特定の臓器やホルモンの働きを確認する検査もあります。症状や医師の判断に応じて追加され、より詳しい体の状態を調べる手がかりになります。

甲状腺など機能をみるホルモン検査

甲状腺ホルモンは代謝を調整する重要なホルモンです。血液検査ではTSHやFT4などの値を測定し、甲状腺機能の状態を確認します。数値が高すぎる場合は甲状腺機能亢進症、低い場合は甲状腺機能低下症などが疑われます。動悸、体重変化、疲れやすさなどの症状がある場合に検査が行われることがあります。

胃腸などの消化管の異常

消化管の病気そのものを血液検査で直接確認することは難しいものの、炎症や出血の兆候は数値の変化として表れることがあります。例えば、慢性的な消化管出血があると鉄欠乏性貧血が起こることがあります。また、炎症反応が高い場合は腸の炎症性疾患などが疑われることもあります。

血液検査だけでがんはわかる?

血液検査でがんを確定することは基本的にできません。ただし、腫瘍マーカーと呼ばれる物質を測定することで、がんの存在が疑われる場合があります。例えばPSAは前立腺がんのマーカーとして使われ、CEAやAFP、CA19-9などの値も一部のがんで上昇することがあります。ただし、腫瘍マーカーはがん以外の病気でも高くなることがあるため、診断には画像検査や内視鏡検査などを組み合わせて判断します。

「血液検査」の見方と再検査が必要な数値・結果

以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

血液検査の基準値と結果の見方

基準値とは、多くの健康な人の測定値をもとに設定された参考範囲です。検査結果が基準値から少し外れていても、必ずしも病気とは限りません。年齢や体質、服薬状況、脱水などの影響で数値が変動することもあります。結果を見る際は、単一の数値ではなく複数の項目の変化や経過を合わせて判断することが大切です。

血液検査の異常値・再検査基準と内容

数値の異常が大きい場合や、複数の項目で変化がみられる場合は再検査や精密検査が行われます。再検査では血液検査をもう一度行うことが多く、必要に応じて超音波検査、CT、内視鏡検査などが追加されます。検査は一般的に内科で受けることができ、異常の程度によっては早めの受診がすすめられることもあります。

血液検査で発見できる病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「血液検査」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

白血病

白血病は、白血球をつくる骨髄の細胞ががん化する病気です。どの系統の白血球に異常が現れるのか、経過が慢性的なものか急激なものかなどでとてもたくさんの種類に分けられます。血液検査では白血球数の異常や、血球バランスの変化などが見つかることがあります。症状としては発熱、倦怠感、出血しやすい状態などがみられることがあります。治療には抗がん剤治療や造血幹細胞移植などが行われます。血液の異常が疑われる場合は血液内科の受診が必要です。

甲状腺機能異常(甲状腺機能亢進症/バセドウ病・甲状腺機能低下症)

甲状腺機能亢進症では甲状腺ホルモンが過剰になり、動悸や体重減少、発汗などが現れることがあります。一方、甲状腺機能低下症ではホルモンが不足し、疲労感やむくみ、寒がりなどの症状がみられます。血液検査でTSHやFT4の値を確認し診断を進めます。治療は薬によるホルモン調整が中心です。

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は、体内の鉄が不足して赤血球が十分に作られなくなる状態です。血液検査ではヘモグロビンや赤血球数の低下がみられます。女性では月経による鉄不足が原因になることもあります。疲れやすさ、めまい、動悸などの症状がある場合に検査が行われることがあります。治療には鉄剤の内服や原因疾患の治療が必要になります。

肝硬変・肝炎

肝炎はウイルス感染やアルコール、脂肪肝などが原因で肝臓に炎症が起こる病気です。血液検査ではAST、ALTなどの肝機能の数値が上昇することがあります。長期間炎症が続くと肝硬変へ進行する場合があります。肝臓の異常が疑われる場合は、内科や消化器内科で詳しい検査を受けることがすすめられます。

「血液検査」の結果を未病に活かすには?

血液検査は病気の診断だけでなく、健康管理にも役立つ情報を提供します。結果を継続的に確認することで、体の変化に早く気付くことができます。

血液検査の結果を保管し比較する

健康診断の結果は毎年保存しておき、過去の数値と比較することが大切です。数値が基準値内でも、前年から変化が続いている場合は体の状態が変わりつつある可能性があります。長期的な変化を見ることで、生活習慣の見直しや早期受診につなげることができます。

血液検査で要経過観察と判定が出たら放置せず医師に相談

健康診断で「要経過観察」や「再検査」と判定された場合、そのままにしてしまう人も少なくありません。しかし、数値の変化は体の異常のサインであることもあります。早めに医療機関で相談することで、病気の進行を防げる場合があります。

血液検査は基本項目の他にオプション項目も活用する

人間ドックなどでは、基本項目のほかに甲状腺機能検査や腫瘍マーカーなどの追加検査を選択できることがあります。家族歴や生活習慣、気になる症状がある場合は、医師と相談して検査内容を検討することが役立ちます。

「血液検査でわかる病気」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血液検査でわかる病気」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

一般的な健康診断の血液検査で、がんはどこまでわかりますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

血液検査だけでがんを確定することはできません。ただし、腫瘍マーカーや血球の異常などが見つかることで、追加検査が必要になる場合があります。最終的な診断には画像検査や内視鏡検査などが必要です。

血液検査で引っかかる項目として、最も多いものは何ですか?

木村 香菜木村 香菜 医師

健康診断では、肝機能、脂質、血糖値などの生活習慣病に関連する項目で異常が見つかることが多くみられます。飲酒や食生活、運動不足などの生活習慣が影響することがあります。

体調が悪くなくても、血液検査だけで病気が見つかることはありますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

あります。自覚症状がない段階でも数値の変化が現れることがあり、健康診断で病気の兆候が見つかるケースもあります。定期的な検査を受けることで早期発見につながります。

肝臓病や糖尿病は血液検査でわかりますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

肝臓病はASTやALTなどの肝機能の数値で異常が見つかることがあります。また、糖尿病は血糖値やHbA1cの数値から判断されます。診断の際は他の検査や症状も合わせて評価されます。

血液検査で複数の項目が基準値を超えたらどの診断を重視すべきですか?

木村 香菜木村 香菜 医師

複数の異常値がある場合は、医師が全体のバランスや症状を確認しながら原因を判断します。単一の数値だけで判断するのではなく、複数の検査結果を総合的に評価することが重要です。

まとめ

血液検査では、肝臓や腎臓の働き、貧血、感染症、生活習慣病など多くの健康状態を確認できます。ただし、血液検査だけで診断が確定する病気は多くありません。異常が指摘された場合は、医師の指示に従い再検査や精密検査を受けることが大切です。定期的に血液検査を受け、結果の変化を確認することで健康管理に役立てることができます。

「血液検査」の異常で考えられる病気

「血液検査」から医師が考えられる病気は20個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

血液・免疫の病気

内分泌・代謝の病気

肝臓・消化器の病気

肝臓・消化器系

腎臓の病気

腎臓系

血液検査の数値は、体のさまざまな臓器の状態を反映します。複数の項目を総合的に見ることで、病気の兆候を早い段階で見つけることにつながります。

「血液検査」が望ましい症状

「血液検査」が望ましい症状は5個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 原因不明の倦怠感が続く
  • 立ちくらみやめまいが起こる
  • 微熱が長く続く
  • あざができやすい
  • 動悸や息切れがある

こうした症状が続く場合、血液検査によって貧血や炎症、内臓の異常などが見つかることがあります。気になる症状がある場合は医療機関で相談しましょう。

この記事の監修医師