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「急性肝炎」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!

 公開日:2023/04/07
「急性肝炎」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!

自身や家族が急性肝炎と診断されたら、どのような病気なのかと不安や心配で気持ちがふさぎがちになるでしょう。

肝炎には種類があり、急性肝炎にもまた種類があります。病気のことをしっかりと知って対応することが大切です。

今回は急性肝炎について解説していきます。肝炎の種類から症状・原因・潜伏期間などについても解説しています。

また診断や治療方法も紹介しているので、治療のための参考にしてください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

プロフィールをもっと見る
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

急性肝炎の種類と症状

相談する女

急性肝炎とはどのような病気でしょうか?

急性肝炎とは主としてウイルスにより引き起こされる肝機能に障害が起きてしまう病気です。肝炎には急性の他に慢性肝炎がありますが、肝細胞が何らかの要因で急激に破壊されてしまい肝機能障害をおこしてしまうのが急性肝炎です。ウイルス感染が急性肝炎の主な原因ですが、ウイルスにはA・B・C・D・E型と5つの種類があります。
ウイルスの内、急性肝炎の主な原因となるのはA型とE型で、B型とC型は急性肝炎と慢性肝炎の両方を引き起こす原因となることが多いです。自然治癒の可能性もある病気ですが、放置することで劇症肝炎・急性肝不全などの重篤な症状を引き起こすこともあるので注意が必要です。

急性肝炎には種類があると聞いたのですが…。

肝炎には種類があり、急性肝炎もその中の1つです。肝炎には急性肝炎・慢性肝炎がありますが主に次のように分類されます。

急性:ウイルス性・薬物性・自己免疫性
慢性:ウイルス性・アルコール性疾患…肝硬変・肝がんへの移行あり

急性肝炎の場合には主にA型・E型のウイルスによるウイルス性急性肝炎が多いのです。B型・C型は急性・慢性どちらの肝炎も引き起こす原因となり得ます。D型はB型ウイルスの共存が必須で他のウイルスと少し違うのが特徴です。またウイルス以外の薬物性肝疾患や自己免疫性肝疾患もそれぞれ急性肝炎の種類の1つといえるでしょう。ただし自己免疫性肝疾患は慢性肝疾患の種類にも分類される場合があります。肝硬変や肝がんに移行するのは主に慢性肝炎で、自覚症状がほとんどないままに進むことがあるので注意が必要です。

どのような症状がみられますか?

急性肝炎では主として次のような症状がみられます。

  • 発熱・頭痛など風邪のような症状
  • 倦怠感
  • 黄疸
  • 発熱・頭痛など風邪のような症状
  • 吐き気や嘔吐
  • 腹痛

急性肝炎の初期段階では風邪とよく似た症状で発熱や喉の痛み頭痛などがあります。全身の倦怠感が表れ、目の結膜や肌が黄色くなる黄疸や尿の色が濃くなることで肝炎と診断されることが多いです。
その後嘔吐・吐き気・腹痛などがひどくなり、尿の色は黒に近くなります。そうなるまでに受診して治療を受けることが大切です。

発症する原因を教えてください。

発症の原因としては、ウイルスによる感染が最も多く、ウイルスを介して感染して発症します。特にA型E型の感染が多いのですが、A型E型は食べ物などを介して口に入ることで感染する経口感染です。
その他には服用した薬によって肝炎を発症する場合や何らかの要因で免疫機能に障害が起きることで肝炎を発症する場合もあります。

人にうつる病気でしょうか?

ウイルスによる急性肝炎の場合は、飲食物などを介してウイルスが口から侵入して人にもうつります。ただ人によっては体内に入っても症状が出ない場合もあるため、まわりに急性肝炎の人がいる場合には注意が必要です。
またE型ウイルスは食肉などからも感染するため、しっかりと加熱調理を行うことが大切です。

急性肝炎の治療

聴診器

潜伏期間はどのくらいありますか?

ウイルス性急性肝炎の場合、ウイルスの潜伏期間はその型によって違ってきます。通常のウイルス性急性肝炎の潜伏期間は2週間から最長2ヶ月位といわれていますが、B型C型ウイルスの場合、半年という潜伏期間の場合もあります。
潜伏期間ではありませんが薬の服用による急性肝炎については比較的早く、症状が現れるまでの期間は数時間から数日です。

どのような診断を行うのでしょうか?

急性肝炎の診断は血液検査によってウイルスの特定を行います。血液検査では急性肝炎に罹患していることを確認するために、肝細胞内の各酵素の数値が著しく上昇していないかを確認します。この酵素の数値が上昇していれば急性肝炎へ罹患していると確認でき、またビリルビン値を測定して数値が上昇していることで黄疸の症状を確認できるのです。
その他の検査として血液凝固機能検査やアンモニア値の測定で、急性肝炎の重症度を計る場合もあります。必要に応じて腹部超音波検査や腹部CT検査が行われることもあります。

治療方法を教えてください。

急性ウイルス性肝炎ではC型肝炎以外は比較的回復しやすい疾患であることが多く、特に治療を行わなくても安静にすることで治癒する場合も多いのです。とはいえ重症化する可能性ももちろんあるので、受診して医師の指示を仰ぐ必要はあります。また黄疸が強く症状が重篤な場合には入院して安静を保つことが必須です。
症状が重い場合には次のような薬物療法が行われる場合もあります。

  • 輸液による点滴
  • 副腎皮質ステロイド薬
  • 抗ウイルス剤(B型肝炎の場合)
  • 抗ウイルス剤(C型肝炎のみの内服薬)IFN治療

特に必要と医師が判断した場合に限り上記の薬物療法が施されますが、特に抗ウイルス剤に関しては特に慎重な専門医の対応が必要になります。
急性肝炎の場合何よりも安静にすることが大切で、安静にした上で低蛋白質・低脂肪の栄養を補給します。安静にすることで肝臓の機能を回復させ、肝臓の働きを抑えることで肝臓を休ませる効果があるのです。

入院期間はどのくらいでしょうか?

通常の急性ウイルス性肝炎の場合安静にする必要はありますが、特に入院が必要ではない場合が多いです。ただ症状が重い場合や黄疸症状が強い場合には入院が必要になります。重症化する可能性がある場合も入院して経過を見ることがあります。
その場合でも2週間前後ということが多いでしょう。もちろん重症化してさらに入院治療が必要となった場合には、1ヶ月以上の入院となることもあるので症状によると考えてください。

急性肝炎の予防

先生

急性肝炎は治る病気でしょうか?

急性肝炎はウイルス感染などが原因で肝機能障害が起きる病気ですが、その多くは症状がさほどひどくならず回復でき、経過も良好な場合が多い疾患です。医師の指示に従って安静にし食事療法などを行うことで、早期の回復も見込めます。
ただ一旦重症化・劇症化してしまうと、なかなか完治し難い病気でもあります。決して無理をせずに早めに受診し医師の診断・判断を仰ぎましょう。

予防する方法はありますか?

ウイルス性急性肝炎を予防する方法として、A型ウイルス肝炎・B型ウイルス肝炎に関してはワクチンが推奨されます。A型ウイルス肝炎予防のためにはHAワクチンが効果的です。B型ウイルス肝炎の予防にはHBワクチンによるものと「免疫グロブリン」によるものがありますが、一般的なものはHBワクチンになります。免疫グロブリンはB型肝炎を持つ母親が出産する子どもなど特別な場合のみに使われます。
その他の予防方法として、生の海産物は避ける・食べ物は火をしっかり通して食べる・手洗いや消毒をしっかり行うなどで感染を抑えることが可能です。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

急性肝炎というと恐ろしい病気のようで不安に思う人が多いでしょうが、一過性の場合が多く命に関わることはほとんどありません。ただ一旦重症化してしまうと急速に重篤な症状に陥る可能性もあるので医師の診断を仰ぎ指示に従ってください。急性肝炎には種類があり、ウイルス感染によるものが多いため感染を広げないことも必要になります。
急性肝炎は基本的に安静が主な治療方法で、とにかく安静に横になることで肝臓の機能回復を待つことが重要なのです。無理をしないでしっかりと治すようにしてください。

編集部まとめ

女性医療従事者
急性肝炎は主にウイルス感染により起こる肝機能障害の病気で、風邪のような初期症状から全身の倦怠感・黄疸・嘔吐・腹痛などが主な症状です。

重症化すると肝不全など重篤な症状になる場合もあるので、重症化することのないように早めに医師の診断を仰ぐことが大切です。

通常急性肝炎の治療方法はとにかく安静にして肝機能を回復させることを目的としています。

また、肝臓の働きを休めさせるために低蛋白質・低脂肪の食事を心掛けることも治療の一環と考えましょう。

そしてウイルス感染を広げることのないように注意して、医師の指示に従い病気の回復につとめてください。

この記事の監修医師