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「全身性エリテマトーデスの初期症状」はご存知ですか?受診の目安となる症状も解説!

 公開日:2026/04/23
「全身性エリテマトーデスの初期症状」はご存知ですか?受診の目安となる症状も解説!

全身性エリテマトーデスは、皮膚や関節などの症状から気付かれることもあれば、腎臓や神経といった重要な臓器に影響が及ぶこともある自己免疫疾患です。発熱や倦怠感、関節痛といった一見ありふれた症状から始まることも多く、初期の段階ではほかの病気との区別がつきにくいことも少なくありません。
一方で、症状が長引いたり、複数の異変が重なったりすることで、全身の病気として診断に至るケースもあります。早い段階で気付き、適切な評価と治療につなげることが、その後の経過に影響します。
この記事では、全身性エリテマトーデスの基礎知識から初期症状の特徴、受診の目安、検査や治療の流れを解説します。

副島 裕太郎

監修医師
副島 裕太郎(横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科)

プロフィールをもっと見る
2011年佐賀大学医学部医学科卒業。2021年横浜市立大学大学院医学研究科修了。リウマチ・膠原病および感染症の診療・研究に従事している。

【資格】
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医・評議員
日本リウマチ学会 登録ソノグラファー
日本リウマチ財団 登録医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医(内科)
日本臨床免疫学会 免疫療法認定医
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医
日本エイズ学会 認定医
日本温泉気候物理医学会 温泉療法医・温泉療法専門医
日本骨粗鬆症学会 認定医
日本母性内科学会 母性内科診療プロバイダー
身体障害者福祉法第15条指定医(肢体不自由、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害)
インフェクションコントロールドクター
博士(医学)

診療科目
一般内科、リウマチ・膠原病内科、アレルギー科、感染症科

全身性エリテマトーデスの基礎知識

全身性エリテマトーデスの基礎知識

全身性エリテマトーデスとはどのような病気ですか?

全身性エリテマトーデスは、免疫の異常によって自分自身の身体を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。皮膚、関節、腎臓、血液、神経など全身のさまざまな臓器に炎症が起こることが特徴で、症状の現れ方や重症度には個人差があります。代表的な症状としては、蝶形紅斑などの皮膚症状、関節痛、発熱、強いだるさなどがあり、進行すると腎障害や中枢神経症状がみられることもあります。症状は一時的に強くなる時期と落ち着く時期を繰り返すことが多く、長期的にコントロールしながら付き合っていく疾患とされています。

全身性エリテマトーデスの原因を教えてください

全身性エリテマトーデスの原因は一つに特定されているわけではなく、複数の要因が関与して発症すると考えられています。遺伝的な体質に加えて、紫外線、感染症、ホルモンバランス、ストレスなどの環境要因が重なることで免疫の異常が引き起こされるとされています。特に若い女性に多いことから、女性ホルモンの関与も示唆されています。また、自己抗体と呼ばれる自分の身体の成分に反応する抗体が産生され、それが組織に炎症を起こす仕組みが関係しています。ただし、どの要因がどの程度影響するかは個人によって異なり、単一の原因で説明できる疾患ではありません。

全身性エリテマトーデスの初期症状

全身性エリテマトーデスの初期症状

全身性エリテマトーデスで多くの人に現れる初期症状を教えてください

全身性エリテマトーデスの初期症状として多いのは、発熱、強いだるさ、関節の痛みや腫れ、皮疹などです。特に原因がはっきりしない微熱や倦怠感が長く続く場合や、複数の関節に痛みが出るといった症状がみられることがあります。皮膚では、顔の赤みや日光に当たった後に悪化する発疹がきっかけになることもあります。また、口内炎や脱毛、リンパ節の腫れなどが同時にみられることもあり、いくつかの症状が組み合わさって現れる点が特徴です。

倦怠感や発熱、関節炎、皮疹などの初期症状はほかの病気とは異なりますか?

これらの症状自体は特別に珍しいものではなく、風邪やウイルス感染、ほかの自己免疫疾患でもみられるため、初期の段階で全身性エリテマトーデスと見分けることは簡単ではありません。ただし、症状が長引く、いったんよくなっても再び悪化する、複数の臓器にまたがって症状が出るといった経過がみられる場合には、単なる一過性の体調不良とは異なる可能性が考えられます。特に、日光で悪化する皮疹や、左右対称に出る関節症状などは、診断の手がかりになることがあります。

全身性エリテマトーデスはどのようなきっかけで気付くことが多いですか?

全身性エリテマトーデスに気付くきっかけはさまざまですが、長引く体調不良をきっかけに医療機関を受診し、検査で異常を指摘されることがあります。例えば、発熱や倦怠感が続く、関節痛がなかなか改善しないといった理由で受診し、血液検査で自己抗体や炎症所見の異常が見つかることで診断につながることがあります。また、皮膚症状をきっかけに皮膚科を受診し、その後内科で精査されるケースや、健康診断で尿異常や血液異常を指摘されて詳しく調べた結果、腎障害などが見つかることもあります。このように、一つの症状だけでなく複数の変化をきっかけに診断に至ることが多い疾患です。

全身性エリテマトーデスの初期症状がみられたときの対処法

全身性エリテマトーデスの初期症状がみられたときの対処法

どのような症状が現れたら全身性エリテマトーデスを疑い受診すべきですか?

発熱や強いだるさが長く続く、関節の痛みや腫れが改善しない、顔や手に原因不明の発疹が出るといった症状が重なっている場合には、一度医療機関での評価を考えましょう。特に、日光に当たると悪化する皮疹や、複数の関節に左右対称に痛みが出る場合は、単なる一時的な体調不良とは異なる可能性があります。また、口内炎が繰り返しできる、脱毛が目立つ、尿検査で異常を指摘されたといった変化も、受診のきっかけになります。症状が一つだけで軽い場合でも、長引く、あるいは徐々に増えていくような場合には、早めに相談することで診断につながることがあります。

全身性エリテマトーデスの診断や治療ができる診療科を教えてください

全身性エリテマトーデスは主に内科、特にリウマチ科膠原病内科で診断と治療が行われます。発熱や関節痛など全身症状が中心の場合は内科から受診することが多く、皮膚症状が目立つ場合には皮膚科を受診し、そこから専門科へ紹介されるケースもあります。実際の診療では、内科と皮膚科、必要に応じて腎臓内科や脳神経内科などが連携しながら管理することが多く、症状に応じた多職種での対応が行われます。どの診療科に行くか迷う場合は、まず一般内科で相談し、必要に応じて専門科へつないでもらう流れでも問題ありません。

全身性エリテマトーデスが疑われるときはどのような検査が行われますか?

診断のためには、血液検査を中心に複数の検査を組み合わせて評価します。代表的なのは抗核抗体や抗DNA抗体などの自己抗体検査で、免疫の異常を確認する手がかりになります。また、炎症の程度や血球の異常を確認するための血液検査、腎障害の有無を調べるための尿検査も重要です。必要に応じて、腎生検や画像検査などが行われることもあります。全身性エリテマトーデスは単一の検査で診断できるものではなく、症状と検査結果を総合的に判断して診断が行われます。

全身性エリテマトーデスの主な治療法を教えてください

治療は、病気の活動性や臓器障害の程度に応じて行われます。基本は免疫の異常な働きを抑えることで、ステロイドが中心的な役割を果たします。症状が強い場合や重要臓器に障害がある場合には、免疫抑制薬が併用されることがあります。さらに、ヒドロキシクロロキンは皮膚症状や関節症状の改善に加えて再燃予防にも有効とされ、多くの患者さんで使用されます。近年では生物学的製剤も選択肢となり、治療の幅が広がっています。症状の程度によって治療内容は異なるため、個々の状態に応じて調整しながら継続していくことが基本です。

編集部まとめ

編集部まとめ

全身性エリテマトーデスは、発熱や倦怠感、関節痛、皮疹などの症状から始まることが多く、初期にはほかの疾患との見分けが難しい場合があります。ただし、症状が長引く、繰り返す、複数の臓器にまたがるといった経過がみられる場合には、全身性の疾患を念頭に置いた評価が必要です。
診断は血液検査や尿検査などを組み合わせて行われ、治療は病気の活動性や臓器障害の程度に応じて調整されます。早い段階で適切な医療につながることで、病状のコントロールにつながるケースも多くみられます。
体調の変化を一過性のものとして片付けず、経過のなかで違和感があれば医療機関を受診するようにしましょう。

この記事の監修医師