スマイルケア食のメリットと選ぶポイントを教えて!
「スマイルケア食」は、最近よく耳にするという方も多いのではないでしょうか。近い将来、高齢者の割合が30%を超えると言われている中、農林水産省が推奨する新しい介護食品として注目されています。今回は、「介護福祉士」の斉藤さんにスマイルケア食について詳しく伺いました。
監修:
斉藤 直美(介護福祉士)
短大を卒業後、介護福祉施設にて介護士として就職。働きながら介護福祉士の資格を取得し、勤続年数17年目。「ありがとう」という感謝の言葉をかけていただくことも多く、高齢者の方の元気な姿にいつも励まされる日々を過ごす。初心を忘れず毎日誰かの役に立つことをモットーに、現在はライターとしても活動中。
スマイルケア食とは
編集部
スマイルケア食とは何でしょうか?
斉藤さん
これまで「介護食品」と呼ばれていましたが、高齢者だけでなく、食べる時に噛む力や飲み込む力が弱くなってきている人や栄養状態に問題をかかえている人などにも利用していただくために作られた新しい介護食品の名称です。
編集部
どのような目的でスマイルケア食は作られたのでしょうか?
斉藤さん
スマイルケア食は国民の健康寿命を延ばすために、栄養不足の予防と食欲増進を目的として作られました。従来の介護食は、食べる人の状態に合わせた食品の形態に比重を置くことが多く、味や見た目などはあまり重視されていませんでした。そのため高齢者からは「何を食べているかわからない」、「食事が楽しくない」という声が多く、食事を摂らなくなることから栄養不足に陥る傾向にありました。
編集部
スマイルケア食の特徴を教えてください。
斉藤さん
スマイルケア食は、栄養状態の改善を必要とする方へ向けた食品なので、栄養面にも配慮されているのが特徴です。また、食べやすさだけでなく、味や見た目にもこだわっており、食材の彩りが豊かなうえ、食欲をそそるように調理方法も工夫されています。
スマイルケア食の選び方
編集部
スマイルケア食を選ぶ時に注意すべきポイントはありますか?
斉藤さん
スマイルケア食はその人の健康状態に合わせて選ぶ必要があります。それぞれ青、黄、赤に色分けされて分類ごとにマークが施されています。青マークは栄養状態の改善を必要とする人向け、黄マークは噛むことに問題がある人向け、赤マークは嚥下障害がある人に向けた食事内容に設計がされています。
編集部
持病がある場合、どのような点に注意して選べばいいのでしょうか?
斉藤さん
腎臓病、糖尿病、高血圧などの持病を抱えていても、対応しているスマイルケア食品があります。カロリー、たんぱく質、塩分などに配慮されて作られているので安心して食べることができます。味付けも普通の食事と変わりなく、美味しく味付けされています。持病に対応しているかどうか、しっかり表記を確認して選ぶようにしましょう。
編集部
どこで購入できますか?
斉藤さん
通信販売、ドラッグストア、介護用品を取り扱っているお店、スーパーなどで販売されています。手軽に購入しやすく、日々の生活で幅広い人たちのサポート食になっています。
スマイルケア食のメリットとは?
編集部
スマイルケア食品を食べることで、どんな効果がありますか?
斉藤さん
嚥下状態が悪くなると、食事をすること自体が億劫になってしまう傾向にあります。スマイルケア食を取り入れることにより、栄養バランスが整い健康状態も良くなります。食事は生きるうえでパワーの源になるものです。生きる楽しみが増えることで、精神的にも充実した日々を送ることができるでしょう。
編集部
スマイルケア食のメニュー展開について詳しく教えてください。
斉藤さん
和食、洋食だけでなく、中華にフレンチなど、あらゆるメニューが展開されているため、飽きることなく食べていただけるでしょう。スイーツなども色々な種類が販売されています。
編集部
スマイルケア食品を取り入れるメリットを教えてください。
斉藤さん
スマイルケア食品を取り入れることで、食事を作る時間が短縮され、介護の負担も軽減されるなどのメリットがあります。在宅での介護は、心身ともにとても根気がいるものです。日々の介護に加え、食事を毎日すべて作るのは大きな負担となりますので、スマイルケア食を活用することで、介護疲れを防げます。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあれば。
斉藤さん
スマイルケア食は介護される側にも、する側にもメリットがあり、双方にとって生活するうえでとても助けになります。今回紹介した選び方のポイントなどを参考にして、日々の食事に取り入れてみてください。
編集部まとめ
スマイルケア食は、食べる時に噛む力や飲み込む力が弱くなってきている人や栄養状態に問題をかかえている人などでも安心して食べられる介護食品の名称であることがわかりました。それぞれの身体の状態に合わせてメニューを選ぶ必要があります。自分の身体の状態に合ったスマイルケア食を取り入れて、食事をより豊かなものにしたいですね。