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「足が痛い」原因とは?ふくらはぎや歩くと足の外側が痛む場合も医師が解説!

足が痛い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

村上 友太 医師

監修医師
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。

「足が痛い」症状で考えられる病気と対処法

足が痛くなった経験は誰しもあるでしょう。日常的に起こりうる症状ですが、痛みの場所や発生状況、基礎疾患などにより原因はさまざま考えらえます。中にはただの筋肉痛と違い、経過をみるだけでは治らない病気もあります。足が痛い場合に考えられる疾患、病院を受診するべき基準などを一緒にみていきましょう。

足が痛い症状で考えられる原因と治し方

足が痛いといっても、原因はさまざま考えられます。
足の関節は大きく3つに分けられ、上から、股関節、膝関節、足関節(足首)となります。例えば、股関節内に原因があれば変形性股関節症や関節唇損傷などが考えられます。また、膝関節内に原因があれば前十字靭帯損傷や半月板損傷などが、足関節内に原因があれば足関節捻挫や三角骨障害などが考えられます。これらは、痛みの部位により考えられる疾患が変わってきます。
痛みの部位が関節から離れている場合や足全体の痛みである場合の多くは、筋肉痛(肉離れ)や神経痛(腰部由来や坐骨神経痛など)が原因です。整形外科が主な診療科ですので、足が痛いという症状の場合、まずは整形外科を受診しましょう。

足が痛くてだるい症状で考えられる原因と治し方

足が痛いだけでなく、重だるい症状も重なる場合があります。歩くと痛くて足が疲れを感じ重だるくなり、休憩をしたり立ち止まったりすると回復します。この症状を間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼びます。このような場合、腰部脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症が考えられます。

腰部脊柱管狭窄症 (ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

腰部脊柱管狭窄症は、腰椎部の神経の通り道が狭くなることが原因で、両方の足の全体に症状があり、前屈みで歩行すると楽になることが特徴です。主な診療科は整形外科です。体幹筋(腹筋、背筋)の低下や、体重増加が増悪(悪化)の要因となることがあり、日ごろからの適度な運動が推奨されています。

閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)

閉塞性動脈硬化症は、片方の足の膝下に症状があり、足を冷たく感じることがあります。主な診療科は循環器内科です。糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病に加え、喫煙などがリスクの原因となることが多いと言われています。

ふくらはぎが痛い症状で考えられる原因と対処法

ふくらはぎが痛い場合に頻度の高い原因には、腓腹筋損傷と深部静脈血栓症が考えられます。

腓腹筋損傷(ひふくきんそんしょう)・肉離れ

ふくらはぎの筋肉のことを腓腹筋というので、腓腹筋損傷はふくらはぎの損傷のことです。主にスポーツやトレーニング中の筋負荷で受傷(傷を負う)する場合と、打撲などの外傷により受傷する場合があります。ふくらはぎの肉離れと一般的には言われており、筋肉の柔軟性が乏しい場合や筋量が低下しているときに起こりやすくなっています。損傷具合で治療方法が変わってきますが、最初は、安静、冷却、圧迫固定、下肢挙上(脚を上げる)などの初期対応が良いでしょう。怪我などの理由でふくらはぎが痛い場合には、整形外科を受診しましょう。

深部静脈血栓症(DVT) ・エコノミークラス症候群

深部静脈血栓症は、エコノミークラス症候群という名前でも知られている病気です。飛行機内などで長時間動けない状況が原因で、ふくらはぎのところの静脈内に血の塊(血栓)が生じてしまうことをいいます。血管にのって血栓が肺まで飛んでしまうと急性肺血栓塞栓症と病名が変わり、突然死のリスクもある疾患です。肺の血管まで血栓が飛ぶと呼吸苦や動悸などの症状が現れます。ふくらはぎの血栓のみでは無症状のことが多いのですが、ふくらはぎを握ると痛みを認めること(把握痛)があります。飛行機以外にも、自家用車での寝泊まりや長距離運転、出産後など、下肢の血流が淀むことがあると起こりやすいため、これらのような状況の後にふくらはぎが痛い場合には、循環器内科を受診しましょう。

太ももが痛い症状で考えられる原因と対処法

太ももが痛い場合に頻度が高い原因には、肉離れと腰椎椎間板ヘルニアが考えられます。

肉離れ

肉離れとは、太ももの裏側の筋肉であるハムストリング(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の総称)が、部分断裂もしくは完全断裂した状態をいいます。筋肉の柔軟性が乏しい場合や筋量が低下しているときに起こりやすくなっています。主な診療科は整形外科で、安静、冷却、圧迫固定、下肢挙上などの初期対応が基本となります。

腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)

腰椎椎間板ヘルニアでは、太ももに腰部由来の神経痛をきたします。腰椎椎間板とは、腰椎と腰椎の間にあり圧を分散させるクッションの機能を果たしています。椎間板に亀裂が入り、その一部が、そばにある神経の方へ突出し神経の通り道が狭くなってしまうと腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれます。体幹筋(腹筋、背筋)の低下、体重増加、腰に負担のかかる作業や姿勢がリスクとなるため、適度な運動を心がけましょう。
しびれや痛み(腰痛、足の痛み)のみであれば、投薬のみで症状を和らげ、手術をせずに(回復・改善)する(ヘルニアが自然に消失する)可能性も十分あります。しかし、脱力が生じている時や尿が出にくくなるなどの症状があれば手術加療が必要な場合があるため、早めに整形外科を受診してください。

すぐに病院へ行くべき「足が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

足が痛く、赤みや腫れを伴う場合は皮膚科へ

足が痛いだけではなく、赤みを伴う場合は、菌が悪さをして感染症を起こしている可能性があります。
例えば、蜂窩織炎は、皮膚の切れ目や傷などから菌が侵入し、皮膚や皮下の軟部組織に炎症を起こした状態です。足の指の間の水虫などが原因でジュクジュクした皮膚から感染することが多いので、足を中心に膝下までに赤みを伴う腫れ(むくみ)と熱感、痛みなどの症状が現れます。抗菌薬による治療が必要であり、自宅で経過をみるだけでは悪化することが予想されますので早めの受診が必要となります。

「足が痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「足が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

足底腱膜炎

足底腱膜とは足の裏にある腱のことで、かかとから足の指の付け根にかけて存在しています。運動時に足底腱膜が衝撃を受け圧迫されたり、強く引っ張られ伸ばされたりすると、炎症を起こし、痛みにつながります。足底腱膜の柔軟性の低下や過度な負荷、扁平足など足の変形が原因となります。主な診療科は整形外科です。足底やふくらはぎのストレッチを行って柔軟性を高めること、クッション性のあるシューズの使用することなどで予防できます。痛みを認めている場合は、安静が原則となりますので、適度な休養期間を設けて下さい。

外反母趾

外反母趾とは、足の親指がつけ根のところで「くの字」に人差し指側に曲がってしまう疾患です。つけ根のところの痛みが生じます。主な原因は、ヒールやつま先の細い靴などの履き物により、つけ根のところの負荷が増え関節が変形することです。アーチ構造の消失も関与するため、扁平足の方は外反母趾になりやすくなっています。つま先がゆったりとした靴に変える、足指じゃんけんなどの運動療法、輪ゴムを使って両親指を外に広げるように体操するなどが主な予防方法です。外反母趾用の装具も有効です。痛みにより手術加療も適応となるため長引く痛みがある場合は、整形外科への受診を考えましょう。

扁平足

扁平足には幼児から認めるものと大人になってから認めるものがあります。大人になってからの扁平足は、内側のくるぶしの下に痛みを認めることがあります。扁平足とは、足のアーチ構造がなくなるため、土踏まずがなくなり足の裏が平らになることを指します。アーチ構造を吊り上げる後脛骨筋という筋の腱が、加齢による変性や体重増加などにより機能不全に陥ることが原因と言われています。中年以降の女性に多く見られます。レントゲンにて足のアーチ構造が失われていないか調べたり、超音波検査やMRIで後脛骨筋を調べたりして診断していきます。アーチ構造を維持するような靴底が作成できて痛みが(回復・改善)するので、内くるぶしの下に痛みを感じる際は整形外科を受診しましょう。
また、扁平足が原因となって、足底腱膜炎や外反母趾などを生じるため、扁平足にならないための予防が大切です。裸足で過ごす時間を増やす、足指じゃんけんやつま先立ちでの筋力維持、体重の維持、足の外側縁で歩くことなどが推奨されています。

「足が痛い」ときの正しい対処法は?

ふくらはぎや太ももの肉ばなれ、扁平足や外反母趾、足底腱膜炎などは、筋の柔軟性の低下が一因となっています。基本的に痛みが起こってしまった時は、安静と冷却が基本となります。痛みが(回復・改善)した後にストレッチや筋力トレーニングなどで、日頃からのメンテナンスをしていくと良いでしょう。過度なマッサージは筋肉内に血腫をつくる場合があります。受診の上、理学療法士によるリハビリテーションをお勧めします。ロキソニンSやラックル、タイレノールAなどの市販の内服の鎮痛薬や、湿布・塗布剤での消炎鎮痛剤を用いるのも良いでしょう。
蜂窩織炎や化膿性関節炎の場合は、医療機関で処方される抗生剤での治療が必要ですので、赤みを伴い感染症を疑う場合は早期に受診してください。

「足が痛い」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「足が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

歩くと足の外側が痛いのは、何科にかかるべきでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

まずは整形外科を受診するのが良いでしょう。
一部を例に挙げると足首の外側痛ならば足関節捻挫や腓骨遠位端骨折、膝の外側痛ならば円板状半月板や腸脛靱帯炎、膝下のみ太もものみの外側痛ならば腰椎椎間板ヘルニアなど、痛みの部位によっていろいろな病気が考えられます。

片側の腰から足にかけて痛みがあります。治療は可能でしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

腰椎椎間板ヘルニアによって片側の腰から足にかけて痛みが生じることがあります。
予防法や治療法は確立していますので整形外科を受診しましょう。
投薬のみで症状を和らげる場合もあれば、脱力が生じている時や尿が出にくくなるなどの症状があれば手術加療が必要な場合もあります。

急に足が痛くなるのは痛風の可能性がありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

痛風の可能性があります。痛風は足の親指のつけ根の関節に起こることが有名ですが全身の関節にも起こりえます。痛風と同じように急性の関節炎が生じる疾患に偽痛風という疾患もあります。いずれも薬の服用で治療可能です。

足が痛いのに場所が不明です。原因と対処法は何が考えられますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

痛みの部位によって診断が多岐にわたるためどこが痛いのか不明な場合、適切なアドバイスができません。痛む場所の特定のために整形外科受診の上、診察をしてください。

まとめ

足が痛い場合に考えられる疾患はさまざまあり、本記事に挙げたのはほんの一部です。しかし、整形外科でほとんど対応可能な場合が多く、足が痛い場合の最初の診療科は整形外科が良いでしょう。自宅での様子を見るだけでは(回復・改善)しない病態もあるため、長引く場合は一度検査をしてもらいましょう。

「足が痛い」で考えられる病気と特徴

「足が痛い」から医師が考えられる病気は25個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

循環器科の病気

皮膚科の病気

内科の病気

足には骨、筋肉、神経、血管があるため、主に筋骨格系に関連する病気が多く、整形外科疾患が大半と考えられます。

「足が痛い」と関連のある症状

「足が痛い」と関連している、似ている症状は13個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

「足が痛い」症状の他に、これらの症状がある場合も「腰部脊柱管狭窄症」「閉塞性動脈硬化症」「腓腹筋損傷」「深部静脈血栓症」「ハムストリング損傷」「腰椎椎間板ヘルニア」が考えられます。長引く場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。

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