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閉塞性動脈硬化症の症状・原因・治療方法について

 更新日:2023/03/27

閉塞性動脈硬化症(読み方:へいそくせいどうみゃくこうかしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
遠藤渓 医師(遠藤クリニック 院長)

閉塞性動脈硬化症とは

閉塞性動脈硬化症は、足の血管の動脈硬化がすすみ、血管が細くなったり、つまったりして、充分な血流が保てなくなる病気です。そのため、血液の流れが悪くなり、歩行時に足のしびれ、痛み、冷たさを感じます。さらに進行すると、安静時にも症状が現れることがあります。

引用:国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/disease/arteriosclerosis-obliterans.html

遠藤渓 医師 遠藤クリニック 院長監修ドクターのコメント
動脈硬化症とは、血管の壁の中にコレステロールが入り込み、血管の壁が膨らみ、血管内が狭くなった状態を言います。閉塞性動脈硬化症の方は、足のしびれ、冷感、歩いていて足が痛くなる等の症状をきっかけに、受診することが多いです。歩いているというのがポイントで、歩けるには歩けるのですが、太もも、下腿が痛くなります。

閉塞性動脈硬化症の症状

しばらく歩くと足が痛くなって、それ以上歩けなくなる。
足が冷たい。
足がしびれる。
足の色が悪い。
足の傷がなかなか治らない。
ちょっとした打撲でも傷が大きくなったり、治りが悪い。
足の皮膚が黒ずんで欠損し、腐ってくる場合があります。

引用:名古屋徳洲会総合病院
http://www.nagoya.tokushukai.or.jp/wp/heart_cardiopathy/1704.html

閉塞性動脈硬化症の原因

閉塞性動脈硬化症になりやすい危険因子は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患と同様で、高齢、男性、糖尿病、喫煙、高血圧、高脂血症(特に低HDL血症、高LDL血症)であり、メタボリック症候群とも密接な関係があります。特に、糖尿病の人は糖尿病で無い人に比較して、下肢切断が7倍の頻度で発生します。糖尿病を持たない人の大きな関節での切断の頻度は100万人当たり200〜280人ですが、糖尿病の人は頻度が高くて、100万人当たり3000〜3900人です。糖尿病のコントロールの悪い方(特に血中HbA1C(ヘモグロビン・エーワン・シー)の高い方は要注意です。
喫煙をすると、閉塞性動脈硬化症の病態を悪化させ、跛行の増悪、下肢の虚血、切断、インターベンション治療を必要とすることとなります。

引用:千葉西総合病院
http://www.chibanishi-hp.or.jp/pages/link/閉塞性動脈硬化症

遠藤渓 医師 遠藤クリニック 院長監修ドクターのコメント
閉塞性動脈硬化症の大きな原因は、喫煙、糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満等です。
特に喫煙は、大きなリスクとなります。
また、喫煙率の高さから、患者さんは女性よりも男性の方が圧倒的に多くなっています。

閉塞性動脈硬化症の検査法

問診
「手足が冷たい」「手足がしびれる」「歩くとふくらはぎに痛みが出る」などの症状とその期間などを確認します。また、既往歴(今までにかかったことのある病気)や家族歴(ご家族の病歴)なども確認します。

視診
あおむけの状態で足を上げたり、ベッドに腰掛けている状態で足をぶら下げたりして、足の色の変化で血液のめぐりを調べます。

触診
実際に足に触れて、脈拍を調べることで、動脈硬化の有無を調べます。
膝窩動脈(ひざの後ろ側)足背動脈(足の甲)後脛骨動脈(くるぶしの下側)大腿動脈(ふとももの付け根) など

上腕・足関節血圧比(ABPI)の測定
足と腕の血圧の比をABPI といいます。ABPI を測定することで、足の血液の流れを調べます。正常では、ABPI は1以上ですが、血液の流れが悪くなると、ABPI は低下します。ABPI が0.9以下の場合には、足に動脈硬化が起こっていると考えられます。

血管造影
血管に造影剤を入れて、レントゲン撮影を行います。狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こしている部分を正確に調べることができます。

その他
・超音波を使って血管の太さや狭窄、閉塞を調べます。
・レーザーを使って血液の流れを調べます。
・サーモグラフィーで皮膚表面の温度を調べます。

また、閉塞性動脈硬化症では、動脈硬化に関連する他の病気を合併していることがあります。このため、糖尿病や高血圧、高脂血症などの検査をすることもあります。

引用:科研製薬 閉塞性動脈硬化症 情報サイト
http://e-aso.info/general/sinsatsu/index.html

閉塞性動脈硬化症の治療方法

1.薬物療法
2.カテーテル治療
3.手術治療
があります。薬物療法は程度が軽い場合、または逆に手術ができないほどひどい場合に行います。

引用:名古屋徳洲会総合病院
http://www.nagoya.tokushukai.or.jp/wp/heart_cardiopathy/1704.html

遠藤渓 医師 遠藤クリニック 院長監修ドクターのコメント
軽いものだと服薬治療することによって1~2週間ほどで改善します。改善しない場合や、症状によっては、ステントを入れて血管を広げることもあります。ただ、治療により血管も若干広くはなりますが、狭くなったものが元に戻るわけではないため、症状がすすんで悪くならないようにするのが治療の基本です。
そのため、継続的に禁煙、血圧、コレステロール、体重のコントロールを行わなければなりません。特に禁煙は、非常に大事です。
喫煙者で糖尿病がある等リスクがある方は、少しでも気になったら、かかりつけの病院へ行くようにしましょう。

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