足の付け根に痛みがある原因は何?病気の可能性は?医師が徹底解説!
足の付け根が痛い症状とは、何もしなくても痛い、歩いた後に足の付け根が痛くなる、段差があると足の付け根に痛みを感じる、股関節のあたりが痛い、足の付け根がしびれる、痛みやこわばりがある、押すと痛いなどの症状を指します。
原因としては、変形性股関節症のような股関節の変形、鼠径ヘルニア、リウマチ性股関節症のような炎症、大腿骨頸部骨折のようなケガなどの可能性があります。
変形性股関節症は、股関節の軟骨が少しずつすり減ることによって股関節に負担がかかって、歩行障害が現れる病気です。女性に多く、股関節周囲の骨折を経験された方、肥満の方、股関節に負担のかかるスポーツや肉体労働を長年続けている方、生まれつき骨盤の発育不全がある方が、30~40代で発症することが多いといわれています。股関節症が進行すると、靴下ばきや正座が困難になります。
鼠径ヘルニアは、腸などが足の付け根の筋肉の隙間から飛び出してしまう病気です。足の付け根に違和感や痛みが現れることがあります。手で押したり体を横にしたりすると大抵は引っ込みますが、放置していると引っ込まなくなり痛みも強くなり、飛び出した腸が詰まる腸閉塞などを起こす可能性があります。原因は、加齢により内臓や組織を支えている筋膜や筋肉が衰えることといわれています。
リウマチ性股関節症は、リウマチの炎症性滑膜のために股関節の軟骨や骨が溶けてしまい、関節が破壊される病気です。股関節は関節リウマチで傷害されることの多い関節の一つですが、いたんだ軟骨と骨に体重がかかることで関節の破壊が進む恐ろしい病気です。
そのほか、転倒時に腰部付近を打撲した後に、足の付け根が痛くて歩行困難である場合には注意が必要です。高齢者に多いのですが、大腿骨骨折(大腿骨頚部骨折、大腿骨転子部骨折など)を起こしていることがあります。
すぐ病院に行ったほうが良い「足の付け根に痛みがある」の症状は?
発熱がある、腫れや痛みがなおらない、歩くことが難しい場合には、早めに病院を受診しましょう。
行くならどの診療科が良い?
主な受診科目は、整形外科です。
問診、診察、画像検査(レントゲン、CT、MRIなど)、超音波検査などを実施する可能性があります。
病院を受診する際の注意点は?
持病があって内服している薬がある際には、医師へ申告しましょう。
いつから症状があるのか、スポーツやケガなどきっかけはあるのか、他にも気になる症状があるのかなどを医師に伝えましょう。
治療をする場合の費用や注意事項は?
保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。