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「リンパの腫れとストレス」の関係性をご存知ですか?医師が徹底解説!

「リンパの腫れとストレス」の関係性をご存知ですか?医師が徹底解説!

リンパ(リンパ節)が腫れる時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気やストレスとの関係性・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

村上 友太

監修医師
村上 友太(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医。日本認知症学会、日本内科学会などの各会員。

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「リンパが腫れる」症状で考えられる病気とストレスとの関係・対処法

リンパ(リンパ節)が腫れる原因にはさまざまありますが、ストレスが影響して病気になっている場合や、まったく別の原因で腫れる可能性もあります。多くは自然に治るものですが、悪性疾患が関係していることもあるため注意が必要です。今回はリンパ節が腫れる症状で考えられる病気について説明します。

リンパが腫れる症状で考えられる原因とストレスの関係・対処法

リンパ節が腫れる症状で考えられる原因には、ウイルスや細菌による感染症、自己免疫性疾患、癌やリンパ腫などの悪性腫瘍が挙げられます。
その中でも特にストレスとの関連が深いものは、感染症や慢性疲労症候群などです。強いストレスを受けると体の免疫力が低下し、ウイルス感染を引き起こしやすくなります。
また、過度のストレスなどを契機に発症し、疲労が抜けきらず日常生活が送れなくなる疾患に慢性疲労症候群があり、その症状にリンパの腫れがあります。
リンパ節が腫れはその原因の対処が必要ですので、気になる場合は内科で相談してください。

首や耳のリンパ節が腫れる症状で考えられる原因とストレスの関係・対処法

首や耳の近くのリンパ節が腫れる場合、炎症や腫瘍が原因であることが考えられます。
特にのどや鼻といった上気道へのウイルスや細菌感染による急性リンパ節腫脹の頻度が高く、腫れた部位には痛みをともないます。細菌感染などでは抗菌薬や消炎鎮痛薬が有効で1~2週間で軽快(回復)します。
腫瘍では悪性リンパ腫や、がんの転移の可能性がありますが、この場合にはもとの腫瘍の治療を行う必要があります。
ストレス自体でリンパ節が腫れることは少ないのですが、ストレスや疲れを溜めている場合は免疫力が低下しやすく、リンパ節が腫れる頻度も増える可能性があるので、ストレスを抱え込みすぎない工夫は重要です。

脇のリンパ節が腫れる症状で考えられる原因とストレスの関係・対処法

脇の下(腋窩)のリンパ節が腫れる場合、上肢(腕)の感染症や、乳がんなどの腫瘍が原因であることが考えられます。
リンパ節にはリンパ液の流れというものがあるため、どの部位に感染や炎症があるかによって腫れるリンパ節の部位がことなります。
女性では、腋窩リンパ節の腫れの原因が乳がんの可能性があるため、注意が必要です。リンパ節の腫れが起きてもすぐに心配する必要はありませんが、1か月以上も腫れが続く場合は早めに乳腺外科に相談してください。

鼠径部のリンパ節が腫れる症状で考えられる原因とストレスの関係・対処法

足の付け根(鼠径部)近くのリンパ節が腫れる場合、首や耳と同様に感染症や腫瘍などが原因であることが考えられます。
鼠径部リンパ節は、特に下肢に原因がある場合に腫れやすい部位で、蜂窩織炎などが代表疾患です。
自己免疫疾患によりリンパ節が腫れることもあります。自己免疫疾患とは、本来ウイルスや細菌などと戦うためにはたらく免疫反応が、自分自身の細胞や臓器に対して攻撃をしてしまう病気の総称です。関節リウマチなどがその代表疾患です。
リンパ節が腫れる原因にうまく対応することが必要で、まずはかかりつけ医や近隣の内科に相談してみましょう。

すぐに病院へ行くべきストレスと「リンパが腫れる」関連症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

リンパ節が腫れて、寝汗や高熱の症状が現れた場合は、血液内科へ

リンパ節が腫れる病気の代表に、悪性リンパ腫があります。悪性リンパ腫は、白血球の中のリンパ球ががん化する病気です。悪性リンパ腫と一口にいっても、いろいろな病型(病気の種類)があり悪性度もさまざまです。
症状はリンパ節が腫れること以外に、倦怠感や原因不明の高熱(38℃以上)、食欲不振、体重減少、激しい発汗などが挙げられます。
現在では、抗がん剤は多数開発されており、治癒を目指せるようになってきました。もし当てはまる症状がある場合は、早めに血液内科を受診してください。

「リンパが腫れる」症状とストレスが特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「リンパが腫れる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

蜂窩織炎とは、皮膚とその下の組織に細菌が感染し炎症が起こる病気です。比較的頻度の高い病気で、感染部位の皮膚に発赤(赤み)、腫れ、熱感(熱っぽさ)、疼痛(ズキズキした痛み)が出現します。腕にできれば腋窩(脇)のリンパ節、足にできれば鼠径(足の付け根)のリンパ節が腫れることがあります。
治療は、抗生剤による薬物療法が一般的で、患部を安静にし、氷などで冷やし、下肢(足)に感染した場合は患部を高く保つことなども大切です。

風邪

風邪は、ウイルスや細菌の感染により起こる上気道の炎症性疾患の総称です。
主な症状は鼻水、鼻づまり、咳、咽頭痛(のどの痛み)、発熱、頭痛、全身の倦怠感などです。全ての年代で見られるごくありふれた病気で心配はありませんが、リンパ節が腫れる原因になります。
内科を受診して処方を受けるのも症状を緩和する上では良いのですが、多くの場合は、安静や栄養補給を心がけることで自然に治ります。過度のストレスにより免疫力が低下している場合は、頻回に(頻繁に)風邪をひくこともあります。普段の体調管理を十分にするように心がけてください。

インフルエンザ

インフルエンザとは、インフルエンザウイルス感染により引き起こされる急性ウイルス性疾患です。典型的な症状は、高熱や悪寒、咽頭痛(のどの痛み)などで、特に冬に流行する病気です。
基本的には自然に治癒をする病気ですので、必ずしも抗インフルエンザ薬が必要になる病気ではありませんが、多くの場合は処方されます。小児や高齢者では肺炎や脳症を発症するリスクもあるため注意が必要です。

「リンパが腫れる」症状とストレスの正しい対処法は?

リンパ節が腫れる原因が、急性の感染症などの場合は市販の痛み止め(ロキソニンやカロナール)が疼痛(ズキズキした痛み)や熱感(熱っぽさ)症状に対して効果的な場合もあります。
しかし、リンパ節が腫れる原因はさまざまあるため医師でも悩む場合があります。安易に市販薬に頼って放置することはお勧めできません。
ストレスそのものでリンパ節腫脹(リンパ節の腫れ)をきたすことは少なく、ストレスにより免疫力が低下しているなどの理由があるでしょう。頻回に(頻繁に)体調を崩す場合には、日ごろの生活習慣や睡眠習慣を見直し、意識して休息をとるなどの対応が必要になります。

「リンパが腫れる」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「リンパが腫れる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

脇の下のリンパが腫れて痛いとき、放置しても大丈夫でしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

放置は良くありません。腕にけがをしている場合、悪性腫瘍など別の原因でわきの下のリンパ節が腫れることがあります。症状が長引く時は放置せず、医療機関を受診してください。

体の疲労や免疫力とリンパ節の不調は関係がありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

関係がないとは言えません。疲労やストレスが溜まっている場合は、免疫力が低下しウイルス感染症などを引き起こしやすくなります。その結果、リンパ節が腫れることもあると思います。

首のリンパが腫れています。おたふく風邪の可能性はありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

おたふく風邪の場合は、耳下腺という耳の下が腫れます。首のリンパ節が腫れることもありますが、首のリンパ節の腫れているからといっておたふく風邪を強く疑うことはありません。

リンパ節が腫れて頭痛とストレスを感じる場合どんな病気が考えられますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

慢性疲労症候群などが考えられます。ストレスなどが原因で発症し、強い疲労感やリンパ節の腫れを症状とする病気です。

ストレスでリンパ節が腫れる症状の予防法を教えて下さい。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

うまくストレスと付き合う必要があるので、まずは自分なりのリラックス方法を見つけましょう。運動をする、好きな飲み物を飲む、休養をとるなど、ご自身の体と心が休まる時をみつけてください。

まとめ

リンパが腫れる原因はストレスに限らず、多岐に渡ります。焦る必要はありませんが、時に悪性腫瘍や自己免疫疾患が隠れています。
リンパの腫れに気が付いた場合は放置せず、医療機関に相談するようにしてください。

「リンパが腫れる」で考えられる病気と特徴

「リンパが腫れる」から医師が考えられる病気は15個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

リンパの腫れの原因には、ウイルスや細菌による感染症、自己免疫性疾患、悪性腫瘍、ストレスなど、さまざま挙げられます。

「リンパが腫れる」と関連のある症状

「リンパが腫れる」と関連している、似ている症状は15個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「リンパがはれる」の他に、これらの症状が見られる際は、「かぜ症候群」「悪性リンパ腫」「蜂窩織炎」「インフルエンザ感染症」「化膿性リンパ節炎」などの病気の存在が疑われます。
痛みがひどい場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。