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「心臓の鼓動を強く感じる」原因とは?20代で痛む場合や対処法も解説!

「心臓の鼓動を強く感じる」原因とは?20代で痛む場合や対処法も解説!

心臓の鼓動を強く感じる動悸の症状で、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

弓場 智雄

監修医師
弓場 智雄 医師

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2014大阪大学卒業、2014~2016 国立病院機構呉医療センター、2016大阪大学心臓血管外科、2017大阪大学麻酔科集中治療部、2018国立成育医療研究センター麻酔科、2019~大阪大学麻酔科集中治療部 医員。
もともと心臓外科を研修していたが、担当した患者さんが集中治療室(ICU)の術後管理で劇的に回復したことをきっかけに麻酔科に転科。専門は集中治療、手術麻酔、ペインクリニック、無痛分娩。研究は酸化ストレス、慢性痛や術後せん妄、無痛分娩など。

「心臓の鼓動を強く感じる」症状で考えられる病気と対処法

心臓の鼓動を強く感じる症状とは、心臓が脈打つ拍動を普段より強く感じる状態です。経験のない方にはイメージが難しいかもしれません。言葉ではよく、「ドクンドクン」と普段より強い心臓の鼓動と表現されます。またその他の異常な心臓の鼓動のイメージとしては、「ドキドキドキ」や「ドッ」というものも有名です。これらの症状を感じる場合はストレスなどが原因になりやすいのですが、時に心臓に問題があったり、不整脈や貧血が隠れていることがあります。症状が続く時は放置せず、早めに医師に相談しましょう。

仕事中に心臓の鼓動を強く感じる症状で考えられる原因と対処法

心臓の鼓動を強く感じる時の原因として最も多いのは、ストレスや睡眠不足、過度な緊張などです。例えば急に話しかけられてびっくりした時なんかは自分の鼓動を強く感じます。これには人間の自律神経が関係しています。自律神経はリラックスしている時に働く副交感神経と興奮している時に働く交感神経のバランスで成り立っています。交感神経が過度に働くと血圧と脈拍が上昇し、その結果心臓の鼓動を強く感じます。仕事中にこの症状がある場合は過度なストレスが考えられます。

心臓の鼓動を強く感じる症状の対処法

自律神経による鼓動の変化はそこまで心配しなくても大丈夫です。人間はある程度の変化には対応します。まずは落ち着いてゆっくり深呼吸をしましょう。立っているならふらつく可能性があるため、どこかに腰掛けましょう。しばらくすれば元に戻ります。もしそれ以上経っても改善しなければ、自律神経以外の病気が隠れているかもしれませんので、医師に相談しましょう。
治療については、自律神経の乱れからくる不整脈の場合はあまり心配しなくても大丈夫です。日頃からストレスを溜め過ぎない、不摂生のない生活を心がければ問題ありません。高血圧や心不全が原因としてある場合は治療が必要です。
自律神経の乱れは血液検査などで捉えることができません。不整脈など可能性のある他の怖い病気を検査で否定した結果にたどり着きます。よってまずは不整脈や高血圧、心不全の専門家である循環器内科に相談しましょう。

自宅で心臓の鼓動を強く感じる症状で考えられる原因と対処法

自宅は通常リラックスできる環境なので、心臓の鼓動を強く感じる症状は出にくいです。それでも症状を感じる場合は仕事中に感じる場合より問題のある可能性があります。
考えられる原因の多くはストレスですが、不整脈や高血圧、心不全、貧血が隠れている場合があります。
そのため、一度検査を受けることをお勧めします。検査を受けてないなら、一度循環器内科に相談することをお勧めします。

寝ている時に心臓の鼓動を強く感じる症状で考えられる原因と対処法

夜寝る時は周りが静かなのでより自分の鼓動を感じやすくなります。問題ないことが多いのですが、何か不安なことがあったり、うつ病の初期であったり、睡眠不足の可能性があります。
身体に疲れが溜まっているサインかもしれません。必要なら休養をとってしっかり休んでください。まずは、かかりつけ医に相談すると良いと思います。

すぐに病院へ行くべき「心臓の鼓動を強く感じる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

心臓の鼓動を強く感じ、めまいも同時に感じる場合は、循環器内科へ

心臓の鼓動を強く感じると同時にめまいも自覚する場合は、不整脈(心房細動、心房粗動、発作性上室性頻拍など)や貧血(胃潰瘍や下血などの消化管出血、女性の場合は過多月経など)の可能性があります。めまいは血圧が不安定な状態で起きますが、不整脈は心臓の鼓動ごとの血液量が不安定になり、血圧が上がったり下がったりします。脳へ流れる血流も不安定になり、めまいが起きます。また不整脈は心臓内で血液の塊である血栓ができることもあり、この場合は血栓を溶かすような飲み薬を開始する必要があります。他にも貧血があってもめまいが起きます。治療が必要な状態ですので、すぐに病院を受診する必要があります。
おすすめの受診診療科は循環器内科もしくは内科です。特に、不整脈の治療は専門性が高いため、循環器内科で相談すると良いでしょう。

「心臓の鼓動を強く感じる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「心臓の鼓動を強く感じる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

高血圧症

高血圧は、上の血圧が140、下が90mmHg 以上が目安です。高血圧はさまざまな要因が関連して、最終的な結果として血圧が高くなります。要因として考えられるのは加齢や肥満、喫煙、血中コレステロール値や血糖値などです。これらが長期にわたると徐々に動脈が硬くなり(動脈硬化)血圧が高くなります。そしてこの病気の一番怖いところは、症状がなかなかでない点です。高血圧は別名、サイレントキラーと呼ばれています。最初の症状が心筋梗塞や脳梗塞で命に関わったり、その後介護が必要な身体になることもあります。非常に怖い病気ですので、放置しないようにしましょう。

高血圧症と生活習慣

高血圧の原因はさまざまです。正しく診断するには専門の医師でないと難しいですが、いかなる原因でも生活習慣を改善するというのは必要です。タバコをやめ、食べ過ぎ飲み過ぎをやめ適度な運動習慣をつけ肥満を解消し、しっかり栄養のあるバランスの取れた食事が重要です。全ての生活習慣を改善するのは難しいですが、少しずつ改善しましょう。また専門の医師を受診し原因を調べてもらい、自分に合った治療法も同時に探していきましょう。
検診などで高血圧と初めて言われた人は、一度専門の医師を受診すると良いでしょう。その後は原因に合わせて治療計画をたてましょう。高血圧の治療をしてもなかなか効果が出ない、または高血圧以外にも息切れやめまい、体のむくみなどといった症状が出てきた時は循環器内科の医師、もしくは内科の医師に相談しましょう。

心不全

心不全とは、心臓が送り出す血液量が全身の必要とする血液量を下回っている状態のことです。病態(病状・病気の具合)はゆっくり起きるか急に起きるかで異なり、症状も違ってきます。しかしどちらにせよすぐに治療が必要です。症状は息切れ(特に運動時)や息苦しさ、胸の痛み、足のむくみなどさまざまです。
治療は、心不全の原因によります。また場合によっては入院による治療も必要です。息切れや胸の痛み、足のむくみなどがある場合はすぐに病院を受診しましょう。またすでに心臓の治療を受けている人は、処方された薬を絶対に飲み忘れないようにしましょう。
心不全症状がある場合は、すぐに病院を受診しなければなりません。急いで治療を受けなければ命に関わることもあります。専門は循環器内科ですが、夜間の場合は地域の救急指定病院でも構いません。とにかくすぐに対応しましょう。

動悸・不整脈

通常、心臓の拍動はリズム良く打っています。これが乱れている場合を不整脈と言います。症状は動悸ですが、経過が長いと感じなくなることもあります。不整脈によっては血圧が不安定でふらつきや息切れが起きることもあります。不整脈の種類は、起きた瞬間意識を失う「心室細動」や脈がバラバラになる「心房細動」、脈が急に早くなる「発作性上室性頻拍(ほっさせいじょうしつせいひんぱく)」、脈が時々飛ぶ「期外収縮」などがあります。
心室細動の場合は速やかに心肺蘇生を行いAEDによる除細動を行わなければ救命できません。心房細動では意識を失うようなことはあまりありませんが、時間がたつと心臓の中に血液の塊である「血栓」ができ、それが何かの拍子で心臓から血流に流れるとどこかの血管が詰まり脳梗塞などを発症します。血栓予防が必要です。発作性上室性頻拍も症状が強いことが多く、薬で脈を押さえたり心臓のカテーテル治療が必要となることもあります。期外収縮は問題とならないことが多いですが、別の不整脈や心臓の病気が隠れていることもあります。
動悸症状を感じた時は一度専門の医師の診察を受ける必要があります。不整脈は気付いていない人も多く、会社の検診などでたまたま見つかるケースが多いです。循環器内科、特に不整脈を専門での医師に相談するのが良いです。

「心臓の鼓動を強く感じる」ときの正しい対処法は?

心臓の鼓動を強く感じる症状で、もし医師の診察をまだ受けていないのなら、市販薬の使用はお勧めしません。医師の診察を受けた上で試してみて、自分にあっていると感じたのなら飲んでも良いと思います。しかし世の中には根拠のない治療や薬を高額で売る悪徳な業者もかなりの数います。その治療が本当に根拠のあるものか心配でしたら、ぜひ我々医師に相談してみてください。
循環器系の病気のほとんどは生活習慣によるものです。長い年月をかけて症状がでますので、すぐに良くするのは難しいです。良くない生活習慣を見直すのは必須ですが、より早くよくしたい時は専門の医師の診察を受けて相談しましょう。
応急処置をしても症状が収まらない場合は、不整脈など心臓の病気が隠れている可能性があります。一度専門の医師の診察を受けましょう。
日常生活の注意点ですが、症状が出た時は座ってゆっくりと呼吸をしてください。もし運動に合わせて症状が出るなら一度医師に相談してください。またすでに心臓が悪い方は、日々の運動習慣は大事ですが過度な運動は控える必要があります。入浴時は脱衣所と浴室の温度差がなるべく少なくなるように工夫しましょう。温度差がありすぎると急激に血圧が変化して危険なことがあります。

「心臓の鼓動を強く感じる」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「心臓の鼓動を強く感じる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

心臓のドキドキが強い、鼓動を強く感じるのは動悸でしょうか?

弓場 智雄弓場 智雄 医師

自分の鼓動をいつもと違うと感じた時点で動悸といって良いです。動悸の種類や原因を調べる必要がありますので、一度医師に相談してみてください。

20代で心臓の鼓動を強く感じる症状の原因と対処法を教えてください。

弓場 智雄弓場 智雄 医師

若い方の症状はほとんどがストレスや寝不足といった、自律神経が原因です。しかし中には若くても別の病気が原因のこともあります。実は私も20代の頃、病院の当直中に急に心房細動を発症し、その後心臓のカテーテルによる手術を受けました。もし症状が続いたりするときは放置してはいけません。

心臓の鼓動を強く感じて苦しい場合、何科を受診すべきですか?

弓場 智雄弓場 智雄 医師

循環器内科の先生がいいですが、内科の先生でも大丈夫です。

高校生で心臓の鼓動を強く感じる症状の原因と対処法を教えてください。

弓場 智雄弓場 智雄 医師

これもほとんどがストレスや寝不足が原因と思います。しかし症状が強く、長く続く場合は医師の診察を受けた方が良いです。

まとめ

鼓動を強く感じる症状がある人に対して、もし確率だけでいうなら「あなたの症状はストレスが原因なので放置しても大丈夫です」と言えばかなり当たります。
しかし、中には見逃してはいけない病気が隠れていることもあり、しかもそれは命に関わったり一生寝たきりになる可能性のあるものです。症状がある時は必ず検査を受ける方が良いでしょう。私たち医師は、自覚症状があるのに検査せず放置してしまい、その後病院のベッドで後悔している患者さんを数え切れないほどみています。そういった人が少しでも減るよう、この文章が何かのきっかけになれば幸いです。

「心臓の鼓動を強く感じる」で考えられる病気と特徴

「心臓の鼓動を強く感じる」から医師が考えられる病気は14個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

消化器科の病気

婦人科の病気

いろいろな原因が考えられるため、症状がある時は必ず検査を受けることをお勧めします。

「心臓の鼓動を強く感じる」と関連のある症状

「心臓の鼓動を強く感じる」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「心臓の鼓動を強く感じる」他に、これらの症状が見られる際は、「心房細動」「発作性上室性頻拍」「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」「高血圧症」などの疾患の可能性が考えられます。症状が気になる場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師