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「期外収縮」とは?治し方・原因・症状についても解説!

 更新日:2023/03/27
「期外収縮」とは?治し方・原因・症状についても解説!

正常な脈に、少し早い脈が混じって入り込んでいる状態を「期外収縮」といいます。心臓に異常がなくても、多少の期外収縮が起こる場合もあるため、そのまま生活しているということが大半です。しかし、中には心臓疾患を起こしているというサインである場合もあるでしょう。
今回は、期外収縮の症状や原因、検査や治療方法などを紹介します。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

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期外収縮とは

期外収縮とはどのような病気でしょうか?

規則正しく打つ脈拍が、何かの拍子もしくは病気によって乱れたり抜けたりすることをいいます。健康な人でも、たまに見られる不整脈として起こる場合がありますが、頻発すると、心臓疾患に移行していく可能性もあるので注意しましょう。会社や地域の健康診断の際にもよく見られる所見のうちの一つです。

期外収縮の症状は

期外収縮の症状は

期外収縮はどのような症状が現れますか?

脈が飛ぶような、抜ける感じがします。人によっては、胸が一瞬詰まるような感じ、胸がドキドキするなどの症状が見られます。どちらかといえば、症状を感じない人のほうが多く、無症状の場合もあるので健康診断で初めて知ったという場合もあります。

心配がない症状

心配しなくてもよい症状とはどんなものですか?

症状の頻度が少ない場合です。期外収縮は、特に病気がなくても、何かの拍子でたまに見られる不整脈として起こることがあります。症状が連続して頻繁に起こるようでなければ様子を見ましょう。そして、原因となる心疾患の持病がなければ、特に心配はありません。

注意した方がよい症状

注意しなくてはいけない症状はありますか?

はい、あります。動悸症状が強い場合や脈の乱れを頻繁に感じる場合です。期外収縮の発生源が、心房(心臓の上側)か心室(心臓の下側)かによって「心房性期外収縮」と「心室性期外収縮」に分けられます。特に心室性期外収縮では、心筋症や弁膜症などが隠れている場合があるので注意してください。

期外収縮の原因

期外収縮の原因はどのようなことが考えられるでしょうか?

期外収縮の原因の多くは、自律神経の乱れです。睡眠不足・疲労・ストレスなどの生活習慣や、大量の飲酒やカフェイン飲料の過剰摂取などにより誘発されるといわれています。一方、他の心臓の病気を持つことが原因で起こる場合があります。

ストレスが原因

ストレスが原因とは、どのようなことがあげられますか?

疲れを感じやすくなる加齢による体力的ストレスや、期外収縮の症状を感じるという不安がストレスになり睡眠不足になるなど、心身のストレスの悪循環が起こることがあります。いずれも気にしすぎないことが大切です。

生活習慣が原因

生活習慣が原因とは、どのようなことがあげられますか?

睡眠不足やカフェイン・アルコール飲料の摂りすぎなどがあげられます。自律神経のバランスを崩すと、交感神経を刺激して脈が乱れることがあります。ただ、ストレスや生活習慣などによる自律神経の乱れが原因で起こる期外収縮は、ほとんどが心配のないものです。

他の心臓の病気が原因

他の心臓の病気を持つことが原因の場合は、どのようなことがあげられますか?

心臓の病気がある場合は注意しなければなりません。期外収縮の原因となる心臓の病気としてあげられるのは、心筋梗塞・心筋症・心不全・心臓弁膜症などです。このような病気が期外収縮の原因になっているのであれば、治療する必要があります。診察や検査で確認することができます。

期外収縮の受診科目

期外収縮が疑われる場合には、何科を受診すればいいのでしょうか

循環器内科です。期外収縮がある場合は、心臓の病気が隠れていないかを調べます。症状がなくても、心室頻拍や心室細動などの危険な不整脈が隠れていることもあるので、健康診断で期外収縮を指摘された方や自覚症状のある方は受診しましょう。

期外収縮で行う検査

期外収縮で行う検査

期外収縮では、どのような検査を行いますか?

心電図検査やホルター心電図によって検査をします。期外収縮の診断基準は、特徴的な早期興奮波が認められることです。さらに早期興奮の原因となる電気刺激の発生場所を特定します。期外収縮だけでは、直接命にかかわるということはほとんどありませんが、期外収縮以外に治療が必要な脈の異常がないかも同時にチェックします。

心電図検査

心電図検査とはどんな検査ですか?

電極を皮膚に貼り、心臓の電気的活動を波形として記録します。健康診断で一般的に行われる検査です。波形の形やリズムによって脈拍の異常を調べます。

ホルター心電図

ホルター心電図とはどんな検査ですか?

24時間ホルター心電図をつけて、一般の心電図だけでは見つからない循環器疾患を検査します。全ての脈を記録して異常がないかを調べます。胸の3ヶ所に電極を貼り付けるだけです。付けたまま一通りのいつもの生活を行い、動悸や胸の痛みなどの症状や、起床・就寝・トイレ・食事などの生活状況を記録用紙に記録していきます。

期外収縮の性差・年齢差など

期外収縮では、性差や年性差はありますか?

期外収縮は、程度の差はありますが、性差・年齢問わず誰でも起こります。体調がすぐれないなどさまざまな状況で起こることもあるため、原因不明の場合もあるのが現状です。若い年齢で心臓に病気のない人に起こる期外収縮は、健康に支障がなく治療も不要である場合が多いといわれています。

期外収縮の治療方法

期外収縮にはどのような治療方法がありますか?

基礎疾患がない場合には、期外収縮だけでは命にかかわるものではないため、治療が必須ではありません。日常の生活習慣の改善だけで症状が軽減することがあります。強い自覚症状がある場合は、医者の判断で抗不整脈薬を使うことも可能です。また、強い動悸症状などによって生活に支障がでる場合の治療方法としてカテーテルアブレーション治療があります。

生活習慣の改善

生活習慣の改善には、どのような方法がありますか?

ストレスや緊張、過労や睡眠不足、飲酒やカフェインの摂取などの何らかの刺激が関係している場合には、生活習慣を改善することで症状を軽減できることがあります。気にしすぎない・睡眠をしっかりとる・飲酒やコーヒーを控えるなど。自分の状況にあわせて、無理のないように少しずつ意識しながら生活していきましょう。

抗不整脈薬

抗不整脈薬とは、どのような薬ですか?

強い自覚症状がある場合に、症状を軽減するための方法として抗不整脈薬の投与があります。脈の早さや強さを和らげる作用のものです。服用については、医師に相談してみましょう。

カテーテルアブレーション治療

カテーテルアブレーション治療とは、どのような治療ですか?

強い自覚症状のほかに苦痛を伴い、生活に支障がでる場合には、根治療法としてカテーテルアブレーション治療という選択肢もあります。手首や足の付け根からカテーテルを通して、心臓の中の電気の活動を調べ、期外収縮を引き起こしている原因を特定し熱治療する方法です。専門の病院で対応しています。

編集部まとめ

正常な脈に少し早い脈が入り込んでしまう期外収縮。基礎疾患の有無がポイントであることがわかりました。期外収縮の指摘をうけても、基礎疾患を認めず自覚症状もない場合は、特に治療は必要ないといわれています。
ですが、基礎疾患がある場合はもちろん、基礎疾患がなくても気になる症状があれば、循環器内科のある病院を受診してみてください。原因を見つけることが大切です。かかりつけ医を見つけておけば安心。今後も何かと相談することができます。

この記事の監修医師