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「歯が痛い」と感じることはありませんか?医師が原因・対処法も解説!

歯が痛い

歯が痛い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる原因や対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

見立 英史医師

監修医師
見立 英史(医師)

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九州大学歯学部卒業。親知らずの抜歯をはじめ、口腔粘膜疾患、口腔がんの診療を行なっている。日本口腔外科学会指導医・専門医、日本口腔科学会認定医。

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「歯が痛い」症状で考えられる病気と対処法

歯の痛みといっても、歯が原因のこともあれば、それ以外が原因である場合もあります。的確な診断を経て治療につながるよう、症状や原因、対処法について解説していきます。

歯が痛い症状で考えられる原因と治し方

歯が痛いときに最も考えやすい原因は虫歯です。
歯磨きをおろそかにするなど、口腔内環境が悪化すると虫歯菌が増えやすい状況になります。そして小さな虫歯でもそのまま放置しておくと、虫歯菌はどんどん歯を破壊していきます。歯の神経をおびやかすような強い痛みがあらわれたものを歯髄炎と呼びます。
痛みが我慢できず、歯科医院を受診できない場合は、まず市販の痛み止めを使うことになります。市販の痛み止めにはいくつか種類があります。アレルギー体質の方では過敏症、じんましんが出たりします。また気管支喘息の方も注意が必要です。薬剤師がいるドラッグストアも増えていますので、まず相談してから使うようにしてください。
痛みのある部分はこれ以上症状が悪化しないよう、できるかぎり清潔になるよう努めてください。
とりあえず痛みをコントロールできれば、虫歯の範囲が広がってしまう前に早めに歯科医院を受診してください。早めに受診すれば、神経の治療までいかず、虫歯を除去する治療だけですむ場合もあります。

虫歯じゃないのに歯が痛む症状で考えられる原因と治し方

虫歯ではなさそうだけれども歯ぐきの腫れとともにズキズキした痛みが出ている場合、歯周病の悪化も考えられます。仕事や人間関係などストレスなどでお口の中が悪化する場合があります。
自分ですぐにできる処置は、歯磨き、うがい薬を使用をするなどして患部の清潔を保つことです。痛みが強い場合は痛み止めを服用してください。
痛みが続く場合は、歯科医院を受診してください。その際、痛みの程度やいつから痛みがあるか、痛み止めを使って効いたかなど、具体的な話を伝えると、歯科医師もより正確な診断が早くできるでしょう。

噛むと歯が痛い症状で考えられる原因と治し方

噛むと歯が痛い場合には、歯ぐきが腫れている症状も見られることがあります。
この場合には、歯周病により歯の周りの骨が吸収し、歯が動揺するようになり、噛み合わせに問題が生じている可能性があります。また、以前治療した歯に痛みが再発している可能性もあります。
痛みや症状を落ち着かせるには、歯を清潔に保ちつつ、まず硬い食べ物を避けましょう。
そして早めにかかりつけの歯科医院を受診してください。

急に奥歯・親知らずが痛む症状で考えられる原因と治し方

奥歯や親知らずが急に痛む場合には、虫歯の範囲が大きく深くなったことによる痛み、歯周病による痛み、親知らずの周囲の炎症による痛みなどが考えられます。痛みの大小は、奥歯や親知らずの状態によってさまざまです。
症状を落ち着かせるためには、うがいや歯磨きで患部を清潔に保ち、市販の痛み止めや以前処方された痛み止めを服用してください。
早めに歯科医院を受診しましょう。親知らずの場合は抜歯を勧められる可能性もあります。ピル内服中の方、妊娠中の方もしくは可能性のある方はその旨を歯科医師に伝えてください。

歯が痛くて眠れない症状で考えられる原因と治し方

眠れないほど歯が激しく痛む場合がありますが、原因としては虫歯の進行、歯周病の悪化、智歯周囲炎などが考えられます。
まずできることは、口腔内をきれいに保ち、栄養を摂り、鎮痛薬を服用して安静にすることですが、早めに歯科医院を受診し、担当医の指示に従ってください。

抜歯後に歯が痛い症状で考えられる原因と治し方

抜歯の処置をした後は痛みが出やすいのですが、場合によって日をおいても痛みがおさまらないことがあります。親知らずなど、抜歯した周囲組織の侵襲が広い場合は、治癒に時間がかかることがあります。
歯科医院で処方された痛み止めが無くなった場合は、すぐに歯科医院を受診するか、薬剤師の方と相談して市販の痛み止めを服用してください。

すぐに病院へ行くべき「歯の痛み」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

経験したことのないような激しい歯の痛みの場合は、歯科へ

激しい痛みが急に現れても、歯の痛みの原因が歯や口の中にないことも考えられます。
歯肉などの知覚異常で痛むことがありますが、咀嚼筋の凝りや、心筋梗塞や狭心症に関連する痛み(放散痛)、副鼻腔炎、三叉神経痛などが考えられます。
日中であればまずは歯科医院を受診し、今後の治療について相談しましょう。

受診・予防の目安となる「歯の痛み」のセルフチェック法

  • ・噛む時に歯が痛い場合
    →根尖性歯周炎の可能性
  • ・歯が激しく痛む場合
    →歯髄炎の可能性
  • ・歯の痛み以外に頭痛などの症状がある場合
    →脳神経疾患の可能性

「歯が痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「歯が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

むし歯(う蝕)

虫歯菌がペリクルという歯の表面の膜(タンパク質)を介し、プラークを形成します。これによりお口の中が酸性にかたむき、歯の脱灰(=虫歯の形成)が始まります。
虫歯を食い止める方法は、虫歯菌の除菌やプラークの除去を行うことです。歯の痛みが出てからでは虫歯が進行しているため遅いといえます。定期的に歯科医院を受診し、歯石の除去および虫歯の有無を調べてもらうのが虫歯予防にはとても重要です。

智歯周囲炎(ちししゅういえん)

智歯周囲炎とは、親知らず(智歯)の周囲組織の炎症で、歯ぐきの痛みや腫れ、出血などの症状が見られます。奥歯が痛いという患者さんに多く見られる病気です。放置すると頬やノドなどまで炎症が急速に拡大し、口が開きづらくなる、呼吸がしにくくなることがあります。
治療はまず消炎です。炎症を起こしている部分を洗浄し、抗菌薬を投与します。炎症が落ち着いた段階で、再発予防のために抜歯を行います。奥歯は汚れが溜まりやすいので、予防には日頃から歯磨きをしっかりと行う必要があります。

三叉神経痛(さんさしんけいつう)

三叉神経痛では、顔に電気が走ったようなするどい痛みが走る病気ですが、歯に響く場合もあります。多くの場合発症の原因は不明ですが、脳神経を血管や腫瘍が圧迫している可能性もあるため、頭部MRI検査で診断することもあります。
治療にはまず鎮痛剤で効果をみます。痛みを感じた時点でかかりつけの歯科や口腔外科を受診してください。脳神経内科などに紹介することもあります。

「歯が痛い」ときの正しい対処法は?

歯が痛いけれどもすぐに歯科を受診できない場合は、市販薬の服用を考慮することになります。ロキソニンなどの一般的な痛み止めで有効であることが多いです。アセトアミノフェンであればNsAIDs過敏症や気管支喘息をお持ちの方でも服用可能と言われています。数日飲み続けても症状が治まらないようなら歯科医院を受診されてください。
歯が痛いことやしみる症状の悪化が見られる時には、できるだけ軟らかい食事を摂り、冷たいもの・熱いものは避けるのが良いでしょう。
日頃から歯磨きの際には、歯ブラシの他に、歯間ブラシ、フロスも併用しましょう。そして、できる限り定期検診を受け、虫歯や歯周病の早期発見・治療をしていただきたいと思います。
早く痛みを落ち着かせたい時には、口腔内、特に患部を清潔に保ち、近くの歯科医院で相談しましょう。休診の場合は休日歯科診療所での相談も可能です。

「歯が痛い」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「歯が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

虫歯はないはずなのに歯が痛くなるのはなぜでしょうか?

見立 英史医師見立 英史(医師)

原因は多岐にわたります。歯周病、歯ぎしり・食いしばりから歯が痛むこともよくみられます。
例えば、ストレスで原因不明の痛みにおそわれる方もいらっしゃいます。片側で咀嚼したり、頬杖をつく癖でも痛みが出たりします。しっかりと口腔内ケアをすることで痛みが軽減するケースもあります。

歯が痛くてすぐに歯医者さんに行けないときはどうしたら良いですか?

見立 英史医師見立 英史(医師)

痛む歯はできるかぎり清潔に、かつ安静に保ってください。基礎疾患がある方や薬物アレルギーをお持ちの方が市販の痛み止めを購入する場合は薬剤師に相談してください。

食後に歯が痛くなるのですが、何かの病気でしょうか?

見立 英史医師見立 英史(医師)

正常な歯でも食事の際に負荷がかかりすぎると痛む場合があります。一度噛み合わせのチェックを含め、歯科医院を受診することをおすすめします。

嚙みしめや歯ぎしりで歯が痛い場合、どんな治療方法がありますか?

見立 英史医師見立 英史(医師)

保険診療で「スプリント」と呼ばれるプラスチック製の装置を作ります。睡眠時をはじめ、ご自身が気になる時にお口の中に装着します。痛みが強い場合は、痛み止めも併用します。

まとめ

歯の痛みの原因は、口腔内ケアが不十分であることがほとんどです。
定期検診は、口腔内清掃はもとより、病気の早期発見・治療につながります。
ぜひ、歯科医師・歯科衛生士と相談して、より良い口腔内環境を維持していただきたいと思います。

「歯が痛い」で考えられる病気と特徴

「歯が痛い」から医師が考えられる病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

神経科の病気

耳鼻咽喉科の病気

多くの場合には、歯が原因で歯が痛い症状が出現するので、まずは歯科医院で相談するのが良いでしょう。

「歯が痛い」と関連のある症状

「歯が痛い」と関連している、似ている症状は12個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「歯が痛い」症状の他に、これらの症状がある場合も「虫歯」「智歯周囲炎」「三叉神経痛」「副鼻腔炎」「心筋梗塞」などの疾患の可能性が考えられます。
急に激しい痛みがある場合や痛みがなかなか改善しない場合は、早めに医療機関への受診をおすすめします。