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「顎が痛い」原因とは?ストレスで痛む場合や何科を受診するべきか解説!

「顎が痛い」原因とは?ストレスで痛む場合や何科を受診するべきか解説!

顎が痛い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

田中 志真 医師

監修医師
田中 志真 医師

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東京慈恵会医科大学医学部卒業。耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師。東京医科歯科大学医学部附属病院、横浜市立みなと赤十字病院、賛育会病院などでの勤務経験あり。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会所属。小児の難聴・中耳炎から、成人の頭頸部癌まで幅広く診療している。

「顎が痛い」症状で考えられる病気と対処法

「顎が痛い」ときの原因は顎関節症であることが多いのですが、耳鼻科疾患や内科疾患などの緊急性の高い疾患も中には隠れている場合もあります。顎が痛いときには他に伴う症状で診断につながることがあるので、まずは症状ごとにみていきましょう。

顎が痛い症状で考えられる原因と治し方

顎の痛みのみが症状である場合の多くは、顎自体の外傷によるものです。また、心臓の疾患(狭心症)で顎にツーンとする痛みがはしることもあります。外傷により顎関節に炎症が起こったり骨折したりしている可能性があります。また、顎の痛みがある場合で注意すべき病気には狭心症などが挙げられます。低い頻度ではありますが可能性はゼロではないので、生活習慣病がある方や、狭心症を患っている方は注意しましょう。
顎の痛みに対してすぐにできる処置として、痛みのある部分を冷やしたり、市販の痛み止めを内服したりしてみましょう。痛みが続いているようでしたら歯科・口腔外科を受診してみましょう。骨折がないかレントゲン検査を行うことがあります。もし狭心症による顎の痛みの場合、顎の痛みに加えて、胸の痛みを自覚することが多くなります。このような場合は、すぐに循環器内科を受診しましょう。

顎が痛く、口が開かない症状で考えられる原因と治し方

顎の痛みに加え口が開かない場合の多くは、顎関節に炎症が起きている可能性があります。原因となる病気としては顎関節症の頻度が高いのですが、関節リウマチなども考えられます。すぐにできる対処法は、急に出現してきた場合には顎を冷やしたり、市販の痛み止めを内服したりしてもいいかもしれません。
顎関節症の多くはストレスや生活習慣が原因で起こります。まずはストレスを軽減してみましょう。それでも改善がなければ歯科口腔外科を受診してみてください。

ストレスで顎が痛い症状で考えられる原因と治し方

ストレスにより、夜中など無意識のうちに歯を食いしばってしまい、そのために顎の痛みが生じてしまいます。また、顎のみならず、口の中や顔面にも痛みを感じることもあります。このような場合、ストレスを誘因とした顎関節症口腔顔面痛の可能性が非常に高いです。
すぐできる対処法はストレスを除去することが非常に大切です。また、無意識に強くかんでいることもありますので、気が付いたときは歯を離すようにしてみてください。
ストレスを除去しても改善がなければ、総合病院の歯科口腔外科や心療内科を受診してみてください。複数の診療科で精密検査をすることもあります。精神安定剤を飲むことで改善することもしばしばあります。

顎の左だけ・右だけなど片方の顎が痛い症状で考えられる原因と治し方

顎関節症の初期には片側だけの痛みを訴えることもあります。また、虫歯や、虫歯の治療後の顎周囲への感染(歯性感染症)、扁桃炎・中耳炎・唾石症などの耳鼻科領域の炎症の波及なども片側性の顎の痛みの原因と考えられます。
歯科や耳鼻科の感染症によるものも考えられますので、放置せずに早めに歯科や耳鼻科を受診してみましょう。

耳から顎の付け根が痛い症状で考えられる原因と治し方

耳から顎の付け根が痛い場合には、耳から顎の付け根に存在する「耳下腺」や「顎下腺」、その周囲のリンパ節の炎症によるものが多いです。「おたふく風邪」といわれている流行性耳下腺炎でも同様の症状は起こります。耳下腺炎や顎下腺炎、リンパ節炎による症状の場合は、早めに耳鼻科を受診するようにしましょう。

すぐに病院へ行くべき「顎が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

ツーンとする顎の痛みがあり、胸の痛みもある場合は、内科・救急科へ

ツーンとする顎の痛みがあり、胸の痛みも伴う場合は、狭心症などの心臓の病気が原因である可能性が非常に高いです。循環器内科や救急科での検査が必要になります。すぐに受診しましょう。

「顎が痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「顎が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

顎関節症(がくかんせつしょう)

顎関節症は「あごが痛い」「口が開かない」「あごを動かすと音がする」という3つの症状のうちいずれかを有するもので、顎関節症以外の病気がない時に顎関節症と診断されます。
上顎と下顎の骨の間にあり、骨のクッションの役割をしている関節円盤(かんせつえんばん)というものがずれることにより起こります。
過度の力が顎関節にかかることでおこるのですが、その誘因は、顎関節症によくないとされている日常生活の行動の癖(頬杖をつく、硬いものを頻回に食べる、片方の顎だけ使って食べる、長時間顎を動かす)や、ストレスなどが大いに関係しています。
対処法は、「硬い食べ物や長時間の咀嚼は避ける」「頬杖をやめる」「両方の顎を使って食べる」などをこころがけることです。ストレスのかかる環境を変えストレスを発散することも大切です。生活習慣で症状が改善することもあります。
上記症状が一つでもあり、生活習慣を変えても変化がなければ、歯科口腔外科を受診してください。

口腔顔面痛

口腔顔面痛とは、口の中や顎、顔に病変がないのにもかかわらず、口の中やあご、顔などに発生する慢性の痛みの総称をいいます。過度のストレスが原因といわれていますので、原因となるストレスの除去や軽減を目指しましょう。
口や顎の痛みが慢性的にある場合は、まず総合病院の内科・耳鼻科・歯科口腔外科を受診しましょう。隠れた緊急性の高い病気が隠れていることもありますので、複数の診療科での精密検査をすすめられることが多いです。

「顎が痛い」ときに市販薬は服用していい?

痛みが強ければロキソニンなどの市販の痛み止めを内服してもいいかもしれませんが、放置したり痛み止めを長期に飲んでしまったりすると悪化することもあるので、医療機関をなるべく早めに受診しましょう。

「顎が痛い」ときの正しい対処法・セルフケア方法は?

顎が痛い場合に効果的なマッサージ法やツボはありません。明らかに顎を使いすぎたときは顎がこわばって痛いこともあるので、軽く痛い部分をマッサージするのもいいかもしれません。
痛みが急に出てきた場合は冷やすことで楽になることがあります。また、慢性的にある痛みですと痛みは温めると改善することもあります。
早く治したい時は、まずは原因究明が第一ですので、歯科や口腔外科を受診しましょう。ストレスが誘因になることもあるので、ストレスはできる限り軽減しましょう。
また、痛みのある部分を冷やしたり、市販の痛み止めを内服したりするなどの応急処置しても痛みが強い場合、心臓の病気のことや、耳鼻科の炎症によるものも原因に挙げられますので、まずは総合病院を受診しましょう。
食事や日常生活は、硬いものを頻回に(頻繁に)食べたり、長時間顎を動かしたりしていると顎が痛くなりやすいので注意しましょう。また、ストレスが強い状況におかれるのも歯ぎしりや歯の食いしばりの原因になるので、できるだけストレスを軽減させたり、ストレス発散をしたりしましょう。

「顎が痛い」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「顎が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

親知らずの抜歯後に顎が痛い症状の原因と対処法を教えて下さい。

田中 志真 医師田中 志真 医師

原因の多くは、歯性感染症が考えられます。抜歯後に歯の周りに炎症が及ぶことで痛みが生じます。抗菌薬を使うこともあるので、抜歯をした歯科口腔外科へなるべく早めに受診しましょう。

口を開けると顎が痛い症状は歯医者にかかるべきでしょうか?

田中 志真 医師田中 志真 医師

口を開けると顎が痛いときは、ストレスが原因のことも少なくないので、痛みが軽い場合はまずはストレス軽減を図りましょう。それでも改善しない場合や、痛みを我慢できない場合はまずは歯科口腔外科を受診してみましょう。

顎の付け根を押すと痛いのは、顎関節症でしょうか?

田中 志真 医師田中 志真 医師

顎関節症の可能性もありますが、歯の痛みや喉の痛み、頸部の痛みや腫れを伴っている場合は顎関節症ではないこともあります。早めに歯科口腔外科を受診しましょう。

顎が痛い症状をセルフケアで改善することは可能でしょうか?

田中 志真 医師田中 志真 医師

顎関節症の場合はストレスが原因のことが少なくないので、ある程度はストレスを貯めないようにするというセルフケアで改善することもありますが、受診が必要な場合もあります。気になるようであれば歯科口腔外科を受診しましょう。

まとめ

「顎の痛み」は、ストレスが原因で起こる「顎関節症」によることが多いですが、耳鼻科や内科の疾患が隠れていることもあります。気になる症状があるときは早めに受診しましょう。どこの病院に行けばいいかわからなければ、まずは歯科口腔外科を受診してみましょう。

「顎が痛い」で考えられる病気と特徴

「顎が痛い」から医師が考えられる病気は17個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

歯科口腔外科の病気

耳鼻科の病気

多くは歯科口腔外科の病気による症状です。生活習慣病や心臓の病気を患っている場合には狭心症など緊急性の高い疾患の可能性もあるため、注意が必要です。

「顎が痛い」と関連のある症状

「顎が痛い」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「顎が痛い」他に、これらの症状が見られる際は、「顎関節症」「関節リウマチ」「耳下腺炎」「狭心症」などの病気の存在が疑われます。
複数の症状がある場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。