顎変形症の症状や原因、治療方法とは?
顎変形症(読み方:がくへんけいしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
杉本 圭介 歯科医師 杉本歯科クリニック 院長
顎変形症とは
顎変形症とは上あご(上顎骨)や下あご(下顎骨)の形や大きさの異常、両者のアンバランスによって咬み合わせの異常(咬合不正)と顔の変形などの症状を示すものです。顎変形症の発生には遺伝的な要素が強いと言われていますが、ほとんどは原因不明です。指しゃぶりや舌の突出癖なども発生要因とする説があります。多くはあごの成長のアンバランスによるものと考えられ、小児期では異常に気付かず、思春期のあごが急成長する時期に症状が明らかとなります。
引用:日本形成外科学会
http://www.jsprs.or.jp/general/disease/other/other_02.html
顎変形症の症状
顎変形症になると、噛み合わせが悪いために食べ物が噛めなくなったり、口の中の変形によって言葉が正しく発音できなくなったりします。同時に、顔の形に変形を生じるために、おおきな精神的ストレスを抱え込む場合もあります。
引用:日本頭蓋顎顔面外科学会
http://www.jscmfs.org/general/disease04.html
顎変形症の原因
顎変形症の原因はさまざまですが、多くの場合、あきらかな原因はわかっていません。しかし、身内にも同じような症状の人がいたり、人種の違いによって生じやすい顎変形症があったりすることから遺伝的な影響が大きいと考えられています。このような場合は、一般的にあごの変形は成長に伴って思春期以降に徐々に明らかになります。
一方、原因として分かっているものとして、唇裂・口蓋裂などの生まれつきの顔・あごの病気、そして顔・あごの骨折などがあります。生まれつきの病気が原因のあごの変形は幼児期・小児期からすでに明らかになっていることもあります。引用:日本頭蓋顎顔面外科学会
http://www.jscmfs.org/general/disease04.html
顎変形症の検査法
頭部X線規格写真、パノラマX線写真、口腔内写真、顔面規格写真、3次元CTおよび歯列模型などの資料をもとに、分析・顎口腔機能診断を行い治療方針を決定します。
引用:東京大学医学部附属病院 口腔顎顔面外科・矯正歯科
https://plaza.umin.ac.jp/~oralsurg/disease_04.html
顎変形症の治療方法
咬合不正や顔面変形があごの変形によるものと診断されれば、骨切り術というあごの骨を切る手術を行います。多くの場合は手術前に矯正歯科での歯並びの治療を行うことがすすめられています。
手術前の矯正治療には1年以上の日数を要することも少なくありません。手術では口の中から上顎骨や下顎骨を切って、最も望ましい位置に移動して固定します。全ての操作は口の中から行いますので、顔に傷が残ることはありません。
固定には金属製(チタン製など)や吸収性の小さなプレートやスクリューを用います。手術後には正しい咬み合わせを保持するための後療法を行います。
引用:日本形成外科学会
http://www.jsprs.or.jp/general/disease/other/other_02.html