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「歯石が取れた」症状の原因と対処法はご存知ですか?医師が徹底解説!

歯石が自然に取れたとき、放置せず歯医者に行くべきでしょうか?歯石の状態によってMedical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

上之郷 奈菜 歯科医師

監修歯科医師
上之郷 奈菜 歯科医師

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2019年 九州大学歯学部卒業
2020年 東京医科歯科大学病院臨床研修医修了
神奈川県開業医にて勤務後、
愛知県医療法人正翔会
岡崎エルエル歯科・矯正歯科
葵デンタルデザインオフィス
名古屋みなみ歯科・矯正歯科 に勤務中

「歯石が取れた」ときに考えられる病気と対処法

歯石は、歯垢(プラーク)が蓄積し石灰化した塊です。多くの場合、色調は白~褐色です。通常、歯石は歯にこびりつき、歯ブラシでは簡単に取れませんが、大きな歯石の場合、何かの刺激により一部欠けることがあります。あるいは、歯石と思っていたものが、別の物質の可能性もあります。考えられる原因や対処方法について解説していきます。

急に歯石が取れたときに考えられる原因と対処法

急に歯石が取れたとしても、基本的に緊急性はありません。歯石であれば痛みが出ることはないでしょう。しかし、歯石が自然に取れる場合は、他にも歯石がたくさんついていると考えられます。歯石は歯周病の進行させる原因の一つです。近いうちに歯科医院でクリーニングしてもらいましょう。

爪・爪楊枝や糸ようじで歯石が取れたときの対処法

爪・爪楊枝・糸楊枝により歯石が取れることがあります。その場合は他にもたくさん歯石がついていると考えられます。近いうちに、歯科医院でのクリーニングをお勧めします。取れたものが歯石か分からない場合は、歯科医院に相談しましょう。

取れた歯石が黒い・臭い症状で考えられる原因と対処法

黒っぽい歯石は、歯肉縁下歯石(縁下歯石)といって、歯茎の中にできます。縁下歯石は、歯茎の上にできる歯肉縁上歯石(縁上歯石)と比べて、硬く、歯にこびりつきます。また、縁下歯石は、長い時間かけて形成されるため、臭いがあります。縁下歯石は、炎症が起きない限り痛みが出ることはありません。しかし放置しておくと、歯周病が進行してしまいます。通常のクリーニングに加えて、麻酔をして歯茎の中の歯石を取るスケーリングルートプレーニングという治療が必要となります。

歯の裏の歯石が取れたときの対処法

歯の裏側、特に下の前歯の裏側は、唾液の出口が近く、歯石が溜まりやすい場所です。自然に取れるのはまれですが、取れた場合は、それだけ歯石が多い証拠です。歯科医院でクリーニングしてもらいましょう。

歯ブラシ・電動歯ブラシで歯石が取れたときの対処法

歯垢(プラーク)や食べかすは、歯ブラシや電動ブラシで落とすことができますが、石灰化して固まり歯石となると、歯ブラシや電動ブラシで取ることは難しくなります。
歯石ではなく、歯がかけたり、歯の詰め物がとれたりしている可能性もありますので、歯科医院を一度受診することをお勧めします。

すぐに病院へ行くべき「歯石が取れた」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

取れたものが歯石かわからない場合は、歯科医院へ

歯石は歯にこびりつき、歯ブラシで簡単に取れるものではありません。もしかしたら、歯がかけたり、歯の詰め物がはずれたりしている可能性があります。取れたものがよくわからない場合は、歯科医院に一度相談してもらいましょう。

「歯石」が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「歯石」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

歯周病

歯周病とは、歯周病原細菌がプラークや歯石に沈着し、歯茎の周りに炎症を引き起こし、歯周組織を破壊する病気です。成人のほとんどは、程度に差はあれ、歯周病に罹患していると言われています。重度の場合、歯を支えている周りの骨が溶けてしまい、歯がぐらぐらして、最終的には歯が自然に抜けてしまいます。
歯周病は、重症化しないと痛みが出ないことが多く、気づいた時には歯が揺れだし手遅れになる場合があります。そうならないために、歯科医院を定期受診し、歯周ポケットの検査やクリーニングをする必要があります。

「歯石が取れた」後の正しい対処法は?

歯石が取れた場合、他の場所にも歯石がついているはずです。近いうちに歯科医院で一度みてもらいましょう。痛い場合にはむし歯や知覚過敏が考えられます。

「歯石」を溜めないための正しいセルフケア方法は?

歯垢(プラーク)が石灰化して歯石となると、歯にこびりつき、歯ブラシなどの日々のケアだけではとれなくなります。歯石をとるためのピックなどが市販で販売されていますが、慣れてない方が行うと、歯茎や歯の表面を傷つけてしまう可能性があり、お勧めできません。
歯石を蓄積しないようにするためには、日々のブラッシングが大事です。毎食後、寝る前に5分以上の歯磨きをしましょう。しかし、どんなに上手に歯磨きをしたとしても、汚れは必ず残ってしまいます。それを除去するために、3~6か月おきの歯科定期健診をお勧めします。

「歯石が取れた」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「歯石が取れた」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

自然に歯石が取れたとき、歯や歯茎に何か影響はありますか?

上之郷 奈菜 歯科医師上之郷 奈菜 歯科医師

自然に歯石が取れたことが、直接歯や歯茎に影響することはありませんが、他の場所に残った歯石を除去しなければ、歯周病が進行してしまう可能性があります。歯石がたまっている場合は、歯茎が腫れたり、歯周ポケットが深くなり歯を支えている骨が溶けたり、膿がたまったりしている可能性がありますので、一度は歯科医院を受診することをお勧めします。

リステリンで歯石が取れた場合、歯医者に行かずに放置しても大丈夫ですか?

上之郷 奈菜 歯科医師上之郷 奈菜 歯科医師

歯石が形成されると、リステリンなどの洗口液では容易に除去することはできません。そのため、取れたものは歯石でない可能性がありますので、歯科医院を診察することをお勧めします。しかし、日々のケアとプラスでリステリンなどの洗口剤を使用することは、口臭の予防や歯垢の沈着、歯周病予防に効果があります。

歯の裏の歯石を、市販のスケーラーで取るのは危険でしょうか?

上之郷 奈菜 歯科医師上之郷 奈菜 歯科医師

歯石除去する器具が市販されていますが、歯石が出来やすい部位はご自身で鏡をみても分かりづらい場所です。慣れてないと、歯茎や歯の表面を傷つけ、痛みや腫れの原因になります。また、歯茎の下の見えていないところにも歯石が溜まっている可能性があります。歯科医院でレントゲン撮影や歯周病の検査をする必要があります。

まとめ

歯石について詳しく解説してきました。
歯垢(プラーク)が溜まり、石灰化して固まってしまい歯石となると、自分で簡単に除去することはできなくなります。また、歯石と思っていたものが、むし歯により自分の歯が欠けた破片だった、詰め物が外れたという可能性もあります。お口のトラブルは歯科医院に診てもらいましょう。
また、何もなくても、日々のケアと歯科医院での定期健診により歯周病の進行を防ぎ、一生自分の歯で過ごせるよう歯を大切にしていきましょうね。

「歯石が取れた」で考えられる病気と特徴

「歯石が取れた」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

歯科の病気

取れたと思っていたものが歯石でない可能性があります。口の中は自分では確認しにくいので、歯科医院を受診しましょう。

「歯石が取れた」と関連のある症状

「歯石が取れた」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「歯石が取れた」の他に、これらの症状が見られる際は、「歯周病」「唾石症」「う蝕」などの病気の存在が疑われます。
痛いなどの症状がある場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。