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「歯茎が腫れる」原因とは?対処法も解説!

「歯茎が腫れる」原因とは?対処法も解説!

歯茎が腫れる時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

上之郷 奈菜 歯科医師

監修歯科医師
上之郷 奈菜 歯科医師

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2019年 九州大学歯学部卒業
2020年 東京医科歯科大学病院臨床研修医修了
神奈川県開業医にて勤務後、
愛知県医療法人正翔会
岡崎エルエル歯科・矯正歯科
葵デンタルデザインオフィス
名古屋みなみ歯科・矯正歯科 に勤務中

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「歯茎が腫れる」症状で考えられる病気と対処法

多くの方は、これまで歯茎が腫れた経験をしたことがあるのではないでしょうか。歯茎が腫れる原因とその対処法について解説していきます。

歯茎が腫れる症状で考えられる原因

歯茎が腫れる原因には、炎症、腫瘍、水疱性疾患、火傷(熱傷)、骨隆起、歯肉増殖症などが考えられます。
この中でも特に多いのは、炎症です。歯周病むし歯の悪化などで根尖性歯周炎になることにより腫れることなどが含まれます。
腫瘍は、良性の場合と悪性の場合があります。
水疱性疾患は、天疱瘡(てんぽうそう)、類天疱瘡(るいてんぽうそう)などです。

歯茎が腫れて痛い・歯肉を押すと痛い症状で考えられる原因

歯茎が腫れて痛い・歯肉を押すと痛い場合には、炎症、腫瘍、水疱性疾患、火傷などが考えられます。

歯茎が腫れて、出血もしている症状で考えられる原因

歯茎が腫れて、出血もしている場合には、炎症、水疱性疾患などが考えられます。

歯茎が腫れているが痛くない症状で考えられる原因

歯茎が腫れているが痛くない場合には、炎症、腫瘍、骨隆起、歯肉増殖症などが考えられます。
それぞれの原因によって対処法が異なるので下段で解説します。

奥歯・親知らずの歯茎が腫れる症状で考えられる原因と治し方

奥歯、親知らずの周囲の歯茎の炎症が考えられます。むし歯の悪化などにより生じる根尖性歯周炎、歯周病、親知らずの周囲の清掃不足により生じる智歯周囲炎がよく発症する炎症です。まずは、抗菌薬、鎮痛薬の内服により炎症を抑え、むし歯の治療や歯周病の治療、親知らずの抜歯などを行います。

すぐに病院へ行くべき「歯茎が腫れる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

歯茎が腫れて痛みがある、または1週間経過しても歯茎の腫れが改善しない場合は、歯科へ

歯茎が腫れている状態には、経過観察してもよい腫れであることも多いのですが、痛みがある場合や1週間経っても腫れが改善しない場合は、腫瘍をはじめとした予期しない病気が隠れている可能性もあります。一度歯科医院を受診しましょう。

「歯茎が腫れる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「歯茎が腫れる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

歯周病

歯周病とは、主に歯周病原細菌がプラークや歯石に沈着し、炎症を引き起こし、歯周組織を破壊する病気です。原因は、歯周病原細菌の存在、ご自身の免疫力の低下、喫煙やストレスなどの環境などさまざまです。歯周病により、歯の周囲の歯茎の毛細血管が拡張し歯茎が腫れます。歯科医院でスケーリング(歯に付着した歯石やプラーク・歯垢の除去)や、ルートプレーニング(歯根をなめらかにする処置)などにより治療を行います。

歯肉炎

歯肉炎は、歯周病の中でも比較的軽度な症状で、炎症が歯茎までにとどまっている状態です。歯茎が腫れ、歯茎からの出血が認められます。治療法は、歯科医院でのスケーリングです。また、日々の適切なブラッシングが歯肉炎の改善にとても有効です。

歯周炎

歯周炎は、炎症が拡大し歯肉炎が進行した状態です。歯と歯茎との付着が破壊され、歯肉溝(歯と歯茎の溝)が深くなり、歯周ポケットが形成されます。進行すると、歯を支えている歯槽骨が吸収し、歯が動揺します(ぐらぐらします)。治療法は、スケーリング・ルートプレーニングや歯周外科治療です。重度に進行している場合は、抜歯になる場合もありますので、歯周炎・歯周病は早期発見・早期治療が重要です。

膿瘍(のうよう)

膿瘍とは化膿性炎症を生じ、一部組織が壊死、融解し、膿がたまった状態のことです。歯周組織では、歯肉膿瘍、歯周膿瘍、根尖膿瘍があります。これらは、むし歯や歯周病が進行することで発症します。急性炎症には、切開・排膿、抗菌薬・消炎鎮痛薬を服用し、症状が落ち着いたら抜歯や感染根管治療など根本的な治療をしていきます。

エプーリス・歯肉腫

エプーリスとは、炎症や機械的刺激などにより、歯茎が限局的(限定的・部分的)に増殖している腫瘤です。歯と歯の間の歯間乳頭といわれる歯茎によく発症します。痛みは伴うことはありません。治療法は、自然観察または外科的切除です。

口腔癌

口腔癌は、口の中にできる悪性腫瘍(癌)です。舌や歯茎、頬粘膜など口の中のどこの粘膜でも発症する可能性があります。発赤(赤み)、びらん・潰瘍(ただれ)、硬結(硬くなる)、腫瘤形成が癌化の兆候とされています。治療法は外科的切除が第一選択ですが、進行度合いにより異なります。疑われる場合には、早めに口腔外科で精査してください。

天疱瘡

天疱瘡(てんぽうそう)とは、表皮または粘膜上皮内に水疱を形成する自己免疫疾患です。口腔内では、頬の粘膜、歯肉、舌など刺激を受けやすい部位に水疱ができやすく、容易に破れて、びらんや潰瘍となり、痛みを生じます。治療は、ステロイドの投薬を行います。

類天疱瘡・表皮水疱症

類天疱瘡とは、天疱瘡よりも深い表皮下や粘膜上皮下に水疱を形成する自己免疫疾患です。治療法はステロイドの投薬です。

火傷(熱傷)

いわゆる「やけど」です。熱いものにより、口腔粘膜が火傷して腫れることがあります。火傷(熱傷)は軽度から重度までさまざまですが、程度によっては水疱ができたり、神経まで損傷したりすることがあります。治療法は、まずは安静、必要に応じて抗菌薬や鎮痛薬の服用、軟膏の塗布などです。

骨隆起(外骨症)

骨隆起(外骨症)とは、骨が盛り上がってできた膨隆のことです。主に、上顎の口蓋の正中や下顎の舌側に発現しやすいです。くいしばりや歯ぎしりをする方に多く見られます。骨隆起により痛みを伴うことは少ないです。日常的に支障が問題なければ、処置は必要ありませんが、発音障害や入れ歯の装着困難な場合は切除することがあります。

歯肉増殖症

歯肉増殖症とは、歯肉の過形成により歯肉が増殖している状態です。原因はさまざまですが、主にニフェジピン(カルシウム拮抗薬)、フェニトイン(抗けいれん薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)などの薬を服用している方に発症しやすいです。治療法は、まずは原因の除去です。

「歯茎が腫れる」ときの正しい対処法は?

歯茎が腫れる原因によって対処法が異なります。
炎症の場合は、切開・排膿や抗菌薬・消炎鎮痛薬で一時的に腫れや痛みを抑えることができます。しかし、根本的な治療ではないため、症状が落ち着いたら根本的な治療が必要ですので、歯科医院を受診し、治療していきましょう。

「歯茎が腫れる」ときの正しいブラッシング・歯周ケアは?

歯周病により歯茎が腫れている場合、適切な日々のブラッシングが特に重要になります。基本的には、歯ブラシを小刻みに動かし、毎食後、寝る前に、5分以上磨くようにしましょう。市販の歯ブラシには、柔らかめ~硬めと硬さに種類があります。ブラッシング圧や歯茎の状態によってお勧めの硬さは異なるので、歯科医院で歯科衛生士に相談してみてください。また、フロスやマウスウォッシュなども効果的です。

「歯茎が腫れる」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「歯茎が腫れる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

歯茎が腫れている場合、歯医者ではどのような治療を行いますか?

上之郷 奈菜 歯科医師上之郷 奈菜 歯科医師

腫れている原因によって異なります。歯科医院で原因を調べ、その疾患に合った治療を行いましょう。疾患によっては、口腔外科での処置が必要となる場合もあります。

歯茎の腫れが自然と治る場合、放置しても大丈夫ですか?

上之郷 奈菜 歯科医師上之郷 奈菜 歯科医師

一度改善した場合でも、根本治療を行っていないと悪化する可能性がありますので、一度歯科医院を受診することをお勧めします。

歯ぐきが白く腫れていてぶよぶよしているのは、病気ですか?

上之郷 奈菜 歯科医師上之郷 奈菜 歯科医師

天疱瘡、類天疱瘡などの水疱性疾患や腫瘍の可能性があります。稀に悪性腫瘍のことがありますので歯科医院を受診しましょう。

奥歯の歯茎が腫れていて、押すと痛いのは親知らずが原因ですか?

上之郷 奈菜 歯科医師上之郷 奈菜 歯科医師

親知らずが原因の可能性はありますが、その手前の奥歯が原因の可能性もあります。処置が必要な場合がありますので、歯科医院を受診しましょう。

忙しいときに口内・歯茎の調子が悪化しがちです。関係はありますか?

上之郷 奈菜 歯科医師上之郷 奈菜 歯科医師

忙しいときなどストレスや体調不良時、口腔環境の悪化に伴い、口腔内の調子が悪くなることがあります。

まとめ

歯茎が腫れる原因はさまざまです。根本的な治療をしないと、再発を繰り返す場合が多くありますので、一度歯科医院の受診をお勧めします。
また、歯周病は成人の多くが罹患しているといわれています。症状が分かりにくいことがあるため、気づいたときには手遅れになり抜歯になってしまうことがあります。なにも症状がなくても、3~6か月おきに歯科医院での定期健診に通い、歯周病の検査を受けましょう。

「歯茎が腫れる」で考えられる病気と特徴

「歯茎が腫れる」から医師が考えられる病気は11個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

歯科の病気

歯茎が腫れることで考えられる病気はたくさんあり、対処法がそれぞれ異なります。放置すると悪化する場合がありますので、一度歯科医院を受診してください。

「歯茎が腫れる」と関連のある症状

「歯茎が腫れる」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「歯茎が腫れる」と関連している、似ている症状である場合他の疾患が考えられることがあります。奥歯の歯茎が腫れている場合は親知らずが関係している可能性があります。再発しやすいため、歯科医院に相談してください。