子どもの虫歯は親からうつる!? 歯医者に聞いた0歳からの虫歯予防
親が虫歯だと子どもにうつるため、食べ物の口移しなどはよくないと昔から言われています。でも虫歯って人にうつるものなの? 子どもの虫歯の原因はうつる以外にもあるのでは? 予防法といっしょに野崎康弘歯科医に聞いてきました。
監修医師:
野崎 康弘(ジェイエムビル歯科医院 院長)
日本歯科大学卒業後、医療法人社団医恵会に勤務。平成8年にジェイエム歯科医院を開設。日本アンチエイジング歯科学会認定医、日本小児歯科学会会員、日本スポーツ歯科医学会会員。公益社団法人浅草歯科医師会地域医療理事なども務めていた。
虫歯は大人からうつるけど、原因はそれ以外にもある
編集部
親が虫歯だと子どもに虫歯はうつりますか?
野崎先生
虫歯は、虫歯菌による感染症です。そのため絶対ではありませんが、食事や唾液を通して、人にうつることがあると言えます。
編集部
乳児期に虫歯菌がうつらないようにするためには、どうしたらいいですか?
野崎先生
大人と子どもで食器をわけるのがいいでしょう。虫歯菌は大人が使った箸やスプーンなどを通して、子どもの口に運ばれます。ただ、完璧を目指すと生活全般のストレスが増えてしまいますので、あまり神経質になりすぎる必要はありません。食器の使い分けくらいでよいと思います。
編集部
そこまで神経質にならなくて良いのですね! それ以外に気をつけるポイントはありますか?
野崎先生
2歳~3歳の間は食べるものが変わってきますので、うつることよりも口の中をキレイに保つことが大切です。定期的に歯医者で口の中をチェックしたり、保護者の方がお子様に対する歯みがきの方法を覚えると良いでしょう。歯医者や行政の検診で指導を受けることができます。
編集部
歯みがきの仕方を教わったことはないので、相談してみます! ちなみに、3歳を過ぎるとどうでしょうか?
野崎先生
3歳になるとお菓子やジュースを摂取する機会が多くなります。そのため口の中が今までよりも、虫歯になりやすい環境となるのです。虫歯になりやすいか否かは、食べる量ではなく、食べている時間の長さに影響されますので、摂取時間のコントロールが大切です。
虫歯にならないための生活環境をつくる
編集部
子どもの歯はいつ頃から生えるのですか? また、何歳から予防を始めたら良いですか?
野崎先生
個人差はありますが、生後半年くらいから生えてきます。私の医院では、上下乳前歯が4本生え揃った時期での来院をおすすめしています。
編集部
歯医者さんでしてもらえる、虫歯予防はありますか?
野崎先生
歯に定期的にフッ素をぬっているお子さんは多いですね。保護者の方に、お子様に対する歯みがきの指導なども行います。
編集部
日常生活で虫歯にならない為の工夫を聞かせてください
野崎先生
1つ目は、お口の中をできるだけ清潔に保つことです。保護者の方には、是非正しい仕上げみがきの方法を覚えていただきたいと思います。2つ目は、食事内容を工夫することです。上下の奥歯が生えると、少しずつ噛みごたえのあるものが摂取できるようになりますので、1品で良いので、よく噛む必要のある食べ物を加えると、唾液の分泌が促されます。唾液の中には、虫歯菌の活動を抑える抗菌成分がありますので、「よく噛む」=「唾液が増える」=「虫歯予防」とも言えます。3つ目は、できるだけ間食を控えることです。糖分の入っている飲み物やアメ等も間食に入りますので、注意が必要です。
編集部
それでも虫歯になることはありますか?
野崎先生
予防していても虫歯になることはあります。乳歯の間、虫歯ができないのが望ましいですが、できてしまったら永久歯に虫歯ができないための予防も含め、生活指導などを歯医者で受けることをおすすめします。
編集部まとめ
子どもの虫歯の原因は、親からうつるだけではなく、生活環境による影響も大きいことが分かりました。年齢により気をつけるポイントは異なり
・1~2歳 食器をわけ、虫歯菌が大人からうつらないように気をつける
・2~3歳 きちんと歯みがきをして口の中を清潔に保つ
・3歳~ 食生活の改善
以上が重要となってきますが、気を付けていても虫歯ができることはあるそうです。できてしまった時は、今後どうしたら良いのかなど、お早めに歯医者と相談しましょう。
医院情報
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アクセス | 都営浅草線「蔵前駅」A2番出口より徒歩30秒 都営大江戸線「蔵前駅」A6、A7出口より徒歩3分 |
診療科目 | 一般歯科、小児歯科、訪問診療 |