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「左首から肩にかけて痛む」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「左首から肩にかけて痛む」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

左首から肩にかけての痛みがある時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

佐藤 友哉医師

監修医師
佐藤 友哉(医師)

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北海道大学医学部卒業。
北海道の地方中核病院での勤務を経て、2021年4月からはフリーランスで活動している。
日本循環器学会循環器専門医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医の資格を有する。

「左首から肩にかけての痛み」で考えられる病気と対処法

左首から肩にかけての痛みというのは、多くの人が一度は経験したことはあるのではないでしょうか。
単なる肩こりや寝違えのこともあれば、狭心症や心筋梗塞といった命に関わる心臓の病気が隠れていることもあります。

左首から肩にかけての痛みで考えられる原因と対処法

まず、左首や肩にかけての痛みで、頻度が多い原因は肩こりでしょう。
次に、首を回したときや肩を動かしたときに痛みが増悪(悪化)する場合や、腕にしびれを伴う場合は、筋肉や関節、神経の痛みが考えられます。例えば、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアといった首の神経による痛みや、肩関節周囲炎といった関節の痛みです。
肩こりの場合はストレッチや患部を温めるのが効果的ですが、筋肉や関節、神経の痛みの場合は無理に動かすと痛みが強くなってしまうので、安静に努めましょう。カロナールやロキソニンといった痛み止めも有効です。
数日経過しても改善が見られない場合は、整形外科を受診するのが良いでしょう。
また、上記のものよりも頻度は少なくなりますが、首の辺りにしこりがあり、そこを押すと痛いという場合はリンパ節の腫れが考えられます。
ウイルスや細菌の感染によるリンパ節炎や、伝染性単核球症などの可能性があります。
症状が続くようなら耳鼻科を受診しましょう。

左首から肩にかけて痛み、頭痛も伴う症状で考えられる原因と対処法

筋緊張性頭痛といって、肩こりによる頭痛が起こることがあります。
こうした頭痛には、首や肩のストレッチや、タオルで首を温めると改善することが多いです。カロナール、ロキソニンといった痛み止めも効果的です。

すぐに病院へ行くべき「左首から肩にかけての痛み」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

左首から肩にかけての痛み、歩いたときや階段を登ると痛みだし、休むと良くなる場合は、循環器内科へ

歩いたときや階段を登ったときに左首から肩にかけての痛みが出現し、休むと良くなる場合は、大動脈弁狭窄症等の弁膜症や、労作性狭心症といった心臓病が原因のこともあります。
また、何もしていないのに、突然左首から肩の痛みが出た場合は、心筋梗塞が原因のこともあります。
心臓は胸の左前側にあるのですが、近くを走る神経に痛みが波及するため、左首や肩が痛いと錯覚し、痛みを感じるのです。顎や歯、前胸部(胸の前の部分)に圧迫感を伴うこともあります。
心臓が原因の場合の特徴として、首や肩を動かしたり、触ったり押したりしても痛みに変化がないことが挙げられます。
この場合は素早い治療が大事になるため、速やかに循環器内科に受診しましょう。

「左首から肩にかけての痛み」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「左首から肩にかけての痛み」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

肩関節周囲炎

肩関節周囲炎はいわゆる五十肩と呼ばれるもので、肩の関節の周囲の組織に炎症が起こってしまう病気です。
肩を押すと痛い、動かすと痛いという特徴があります。治療の基本は安静や痛み止めになります。
自然に良くなることもありますが、数日経過しても改善が見られない場合は整形外科を受診するのが良いでしょう。

頚椎症

加齢とともに、背骨の首の部分(頸椎)が変形して、棘ができたり、出っ張ったりすることで神経が圧迫され、肩や腕に痛みが出ます。
特に上を向いたときや、首を沿ったときに痛みが強くなることが多いです。
首を後ろに反らせないように安静にし、痛み止めなどで改善することが多いですが、場合によっては手術治療を要することもあります。

頚椎椎間板ヘルニア

背骨と背骨の間をつなぐクッションの部分(椎間板)がずれて神経の方に飛び出すことで神経が圧迫され、腕や手の痛み、しびれが起きる病気です。
悪い姿勢やスポーツなどが原因になることもあります。
こちらも安静、痛み止めが治療の基本ですが、手術治療が必要となることもあります。

狭心症

狭心症とは、心臓の周りを走っている血管が狭くなる病気です。
血圧が高い方や、コレステロールが高い方、煙草を吸っている方などは特に血管の中にプラークと呼ばれる油の固まりがつきやすくなってしまいます。
このプラークによって血管が狭くなると、血液の流れが悪くなり、心臓に酸素や栄養が行き届かなくなるため、特に運動中など、心臓がたくさん酸素や栄養を欲しがった際に痛みが出ます。
また、プラークがついていなくても、血管が一時的に痙攣して狭くなるタイプの狭心症もあり、こちらは朝方に安静にしていても症状が出ることが多いです。
治療としては、一時的に血管を広げるニトログリセリンという薬や、ステントと呼ばれる金属の筒を使って狭いところを広げる治療をします。

心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓の周りを走っている血管が詰まってしまう病気です。狭心症と違い、こちらは、詰まった先の心臓の筋肉には全く血液が流れない状態になるため、安静にしていても痛みが持続します。一刻も早く詰まった血管を広げる必要があるため、すぐに循環器内科のある病院に行きましょう。

「左首から肩にかけての痛み」ときの正しい対処法は?

肩や首の張りを感じるなど、肩こりのような症状の場合はストレッチやマッサージ、患部を温めることが有効な場合もありますが、動かしたときに痛みを感じるようであれば安静にするのが一番です。
長時間同じ姿勢を取っていると良くありませんので、長時間のデスクワークなどの際は休みを入れ、身体を動かすようにしましょう。
3日以上痛みや症状が続く場合は整形外科を受診するのが良いでしょう。

「左首から肩にかけての痛み」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「左首から肩にかけての痛み」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

左首から肩にかけての痛みが続くのは何科を受診すべきですか?

佐藤 友哉医師佐藤 友哉(医師)

動かすと痛い、押すと痛いなど、関節や筋肉の痛みが考えられる場合は整形外科を受診してください。歩いたときや階段を登ったときに痛みが出現し、休むと良くなるという場合は心臓が原因の痛みの可能性もありますので循環器内科を受診してください。

左首から肩にかけて痛みが悪化している場合どんな原因がありますか?

佐藤 友哉医師佐藤 友哉(医師)

姿勢が傾いている方や、首や肩に力が入る体勢を取ることが多い方は、首や肩の筋肉が緊張し、固まってしまいやすくなります。また、長時間のスマートフォンの使用やデスクワークなど、同じ体勢を続けていると悪化することがあります。

寝起きに首の左側から肩まで痛みがあるのは姿勢の問題でしょうか?

佐藤 友哉医師佐藤 友哉(医師)

枕の高さが合っていない場合や、就寝時に首を捻った状態で寝ていると寝起きに痛みがあることがあります。

首の片側から肩の痛みが気になるときは揉んだほうがいいですか?

佐藤 友哉医師佐藤 友哉(医師)

原因にもよりますが、肩こりが原因であれば改善する可能性はあります。しかし、痛みを伴わない程度に留めましょう。

まとめ

今回は左首から肩の痛みに関してお話しました。肩こりや寝違えなど筋肉に関連する痛みであることもありますが、狭心症や心筋梗塞といった致命的な内科疾患による影響も考えられますので、もしも思い当たる痛みがあれば、症状の特徴を確認してください。
このように原因はさまざまで対処法も異なりますが、この記事を読んで適切な対応と、適切な科への受診をいただけますと嬉しいです。

「左首から肩にかけての痛み」で考えられる病気と特徴

「左首から肩にかけての痛み」から医師が考えられる病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

整形外科の病気

内科の病気

脳神経科の病気

  • 筋緊張型頭痛

肩こりや寝違えなど筋肉に関連する痛みは多くの場合に考えられますが、狭心症や心筋梗塞といった致命的な内科疾患による影響もありえます。

「左首から肩にかけての痛み」と関連のある症状

「左首から肩にかけての痛み」と関連している、似ている症状は14個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「左首から肩にかけての痛み」の他に、これらの症状が見られる際は、「心筋梗塞」「狭心症」「大動脈弁狭窄症」「肩こり」「頚椎症」「肩関節周囲炎」「伝染性単核球症」などの病気の存在が疑われます。
痛みがひどい場合やなかなか治らない場合などは、早めに医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師