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【医師解説】「頭が重い」原因は?だるい症状やふわふわする場合も解説!

【医師解説】「頭が重い」原因は?だるい症状やふわふわする場合も解説!

頭が重い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

村上 友太 医師

監修医師
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。

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「頭が重い」症状で考えられる病気と対処法

痛いとまではいかないけど、なんとなく頭が重いことってありますよね。発熱時や寝不足の時などにはよくありますが、特に誘因がなくそのような症状がおこることもあります。多くの場合には、ストレスや軽度の感染症などが関与しており、鎮痛薬の服用や休養により症状が改善しますが、医療機関への受診が必要な病気が隠れていることもあります。ここでは頭が重いときの原因や対処法などを紹介します。

頭が重い症状で考えられる原因と治し方

頭が重いなと日常的に感じるようになることがあります。このような場合、高血圧や睡眠時無呼吸症候群が関与している可能性も考えておくのが良いでしょう。
普段よりも明らかに血圧が高く(収縮期血圧220mmHg以上、拡張期血圧:120mmHg以上)、頭の重さなどを伴う場合には高血圧切迫症の可能性があり、緊急で受診が必要です。頭痛などの症状が悪化する場合には、高血圧緊急症として点滴などを用いての降圧が必要となるため、すぐに内科や循環器内科を受診して下さい。
睡眠時無呼吸症候群では睡眠時間を十分にとっているつもりでも日中の集中力の低下や眠気、頭が重いような症状が出現します。肥満の方に多く、寝ているときにいびきをかきます。一時的な改善が期待できる方法は、寝るときに肩の下に枕などを置いて肩を挙げる、側臥位で寝ることなどですが、根本的な解決にはダイエットなどが有用です。睡眠時無呼吸症候群は脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの心血管疾患のリスクを挙げるとされており、症状が続く場合には循環器内科や脳神経内科を受診してください。

頭が重く、気持ち悪い症状で考えられる原因と治し方

頭が重く、吐き気がするような症状が突然現れた場合は、くも膜下出血が疑われます。

くも膜下出血

くも膜下出血は動脈瘤(動脈にできるこぶ)が破裂することなどが原因で頭蓋内に出血する病気です。市販の鎮痛薬や制吐薬で症状が多少軽減することもありますが、動脈瘤の再破裂が起こると重症化してしまいます。症状が突然現れた場合には、脳神経内科や脳神経外科を受診して下さい。

頭が重く、だるい症状で考えられる原因と治し方

頭が重く、だるさが続くことがあります。このような場合は、過眠や不眠などによる睡眠障害や熱中症などが疑われます。多くは、睡眠リズムや食習慣を含めた生活習慣や環境を整えることで症状が改善します。症状が改善しない場合には睡眠時無呼吸症候群などが隠れていることもあるため、内科を受診してください。

頭が重く、ふわふわする、めまいがする症状で考えられる原因と治し方

頭が重く、なんとなくフワフワしているといった状態を感じることがあります。めまいがするという表現がふさわしいのか、迷うこともあるかもしれません。このような場合、自律神経失調症などが疑われます。

自律神経失調症

自律神経失調症では発汗や唾液の分泌、心拍数など意識的に調整できない部分を担っている自律神経の制御が不調になることでさまざまな症状がでる病気です。頭痛やめまい、腹痛、動悸、しびれなどの症状が出現しますが、多くの場合、血液検査や画像変化では異常がありません。原因ははっきりしていませんが、ストレスや気圧の変化などが関係しているとされており、生活リズムを整える、生活環境を変える、栄養バランスを整えることで症状が改善することがあります。緊急性はありませんが、症状が続く場合には他の病気の可能性もあるため、内科を受診してください。

ストレスで頭が重い症状で考えられる原因と治し方

ストレスや疲れが重なり、頭が重い症状のみが気になることがあります。このような場合、緊張型頭痛が疑われます。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は首や肩の筋肉のコリが主な原因となり、締め付けられるように頭が痛くなる病気です。緊張状態が続いた後や長時間のパソコン作業後に起こることが多く、入浴やストレッチなどで症状が軽減します。過度なストレスでも頭が重いと感じることがあり、ストレスの多い環境から離れて十分に休息をとることで症状が改善します。
医療機関への受診は不要ですが、生活リズムを整えたり環境を変えたりしても症状が改善しない場合には、脳神経内科または心療内科を受診してください。

すぐに病院へ行くべき「頭が重い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

突然頭が重い症状が出現した場合は、脳神経内科・脳神経外科へ

多くの頭が重いという症状は数時間~数日かけて徐々に悪化しますが、突然症状が出現した場合にはくも膜下出血などの脳卒中の可能性があります。脳神経内科や脳神経外科を受診してください。

血圧が異常に高い場合は、循環器内科へ

普段の血圧に比べて血圧が40mmHg以上高く、症状が悪化する場合には高血圧緊急症の可能性があるため、すぐに循環器内科を受診してください。高血圧緊急症ではその他に腹痛や吐き気、倦怠感などさまざまな症状が出現することがあります。

「頭が重い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「頭が重い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

脳卒中

脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などを含む病名です。頭蓋内の動脈が閉塞したり、破裂したりすることで発症します。軽症で発症しても再発時に重症化してしまう可能性があり、緊急で治療が必要となるため、突然に頭の重さが出た場合や麻痺などの神経症状がある場合にはすぐに脳神経内科や脳神経外科を受診して下さい。

脳腫瘍

脳腫瘍は、腫瘍自体や腫瘍による浮腫により脳細胞が圧迫を受けて、障害部位に応じた症状が出る病気です。頭部MRIなどを含めた精査が必要です。脳腫瘍に特徴的な頭痛とは、起床時に強い頭痛で午後には軽快するような痛みです。頭が重く感じることを頭痛と表現することも方もいますが、この頭の重さが徐々に悪化する、ふらつき、手足のまひやしびれなどの神経症状が出現した場合には、早めに脳神経内科や脳神経外科を受診して下さい。

副鼻腔炎

副鼻腔炎は、鼻腔の周囲にある副鼻腔という空洞に炎症が起こることで、鼻水が出やすく鼻づまりが続いたり、前頭部や頬に痛みを感じたり、頭が重くなったりする症状が現れます。市販薬で症状を一時的に抑えることができますが、治療には抗生剤の内服や副鼻腔の洗浄などが必要になるため、症状が続く場合には耳鼻咽喉科を受診して下さい。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群は入眠中に呼吸が止まってしまうことで、睡眠が妨げられてしまう病気です。脳梗塞などを原因として呼吸すること自体が止まってしまう中枢性睡眠時無呼吸と、肥満などを原因として気道が閉塞することで呼吸が止まる閉塞性睡眠時無呼吸があり、多くは閉塞性睡眠時無呼吸です。肩に枕をおいて後屈姿勢で寝る、側臥位で寝るなどにより夜間の呼吸が保たれることもありますが、閉塞性睡眠時無呼吸では体重を減らすことで睡眠時無呼吸が起こらなくなることもあります。心血管病を発症するリスクにもなるため、日中の眠気や集中力の低下などがある場合には、早めに内科を受診して下さい。

花粉症

花粉症で呼吸が苦しくなると頭の重さを感じることがあります。花粉症は体に悪影響がない花粉に対して免疫が過剰に反応して目のかゆみや鼻水、喉の違和感などが出現する病気です。市販のアレルギー薬などで症状の改善が期待できますが、症状が改善しない場合には耳鼻咽喉科を受診して下さい。

「頭が重い」ときに市販薬は服用していい?

随伴症状がない、もしくは症状の軽い頭重感であれば、市販薬を服用で様子をみても問題ありません。頭が重いという症状には消炎鎮痛薬が有効と考えられ、「イブA錠EX」や「ロキソニンS」などが効く場合が多いと思いますので、一度お試しいただいても良いでしょう。

「頭が重い」ときの正しい対処法は?

頭が重い症状は緊張型頭痛やストレスによる症状であることが多く、長時間のパソコンやスマートフォンの使用を避ける、肩を回すなどのストレッチをする、生活リズムを整えるなど日常生活を見直すことが重要です。首から肩にかけてのマッサージが有効な場合もあり、日常生活に支障がある、もしくは日常生活を見直しても症状が続く場合には、内科や脳神経内科を受診して下さい。

「頭が重い」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「頭が重い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

頭が重い症状と頭が痛い症状の原因は別の物でしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

頭が重いのか、痛いのか、どのような痛みなのかで考えられる病気が変わるため、同じではないですが、市販薬を選ぶ時などではほぼ同じものと考えても問題はありません。

頭が重く、やる気が出ない症状の対処法を教えて下さい。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

ストレスを避けて生活リズムを整えましょう。市販の鎮痛薬を使用する、不眠時には睡眠導入剤などを使用するなどにより症状が改善することがあります。

寝起きに頭が重く、ぼーっとする症状に予防方法はありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

不眠や過眠により症状が出ることがあるため、睡眠時間などを見直しましょう。睡眠導入剤などを使用している場合には薬剤の影響であることもあります。また睡眠時間をしっかりとっても症状が続く場合には、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、内科などを受診してください。

頭が重い症状は眼精疲労と相関関係がありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

関係することが多いと思います。眼精疲労により肩や首の筋肉が緊張して緊張型頭痛となります。長時間のパソコンやスマートフォンの使用は避けるようにしてください。

頭の後ろが重くてだるい症状が続く場合、何科にかかるべきでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

転倒などの外傷歴がある場合には整形外科、特に思い当たることが無い場合には脳神経内科を受診してください。

まとめ

頭が重いという症状では緊急を要する病気は多くないですが、突然症状が出現した場合や嘔吐などの腹部症状や麻痺などの神経症状を伴う場合には脳卒中などの緊急で治療が必要な病気の可能性があるため、注意が必要です。
近年はスマートフォンやパソコンを長時間使用する人が増えたことで、頭が重いという症状に悩む方が増えています。長時間の画面作業を避け、休憩をはさむ、ストレッチなどを行うことで症状が改善することも多いため、日常生活を見直してみてください。

「頭が重い」で考えられる病気と特徴

「頭が重い」から医師が考えられる病気は14個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

心療内科・精神科の病気

耳鼻科の病気

循環器内科の病気

ストレスや疲れが原因であることも多く、生活習慣を見直して改善することは期待できますが、改善しない場合は一度受診を検討しましょう。

「頭が重い」と関連のある症状

「頭が重い」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「頭が重い」他に、これらの症状が見られる際は、「緊張型頭痛」「自律神経失調症」「睡眠時無呼吸症候群」「高血圧緊急症」などの病気の存在が疑われます。
複数の症状がある場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。