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鼻の中にできものができるのは病気?気になる原因や対処法を徹底解説!

鼻の中にできものができるのは病気?気になる原因や対処法を徹底解説!

鼻の中にできものがあるとき、原因は何か心配になりますよね。ここではMedicalDoc監修医が鼻の中のできもので考えられる病気や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状が続く場合は、迷わず病院を受診してください。

村上 友太 医師

監修医師
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。

「鼻の中のできもの」の症状で考えられる病気と対処法

鼻の中のできもので考えられる病気は、ニキビや鼻茸と呼ばれるできものなどです。鼻の奥の副鼻腔という場所が炎症を起こしていると鼻の中にできものができやすくなるだけでなくがんのリスクも高まることもあります。鼻の中のできものから考えられる病気や対処法についてご紹介します。

鼻の中にできものがあって痛い場合の原因と治し方

鼻の中にできものがあり、痛みを生じることがあります。このような場合は、鼻の中にできたニキビの可能性があります。

ニキビ

ニキビは毛穴の出口が角化して、分泌されている皮脂がつまって毛穴を塞ぎ、そこでアクネ菌が増殖し炎症を起こしている状態です。最初は白くプツッと腫れ、ひどくなると赤く腫れ、さらに進行すると膿がたまった膿疱ができることもあります。すぐにできる対処法は、抗炎症成分や殺菌成分を含むニキビの市販薬を試すことや、糖分や油分が少ない食生活を心がけることなどです。痛みがある場合は、症状が進行している可能性が高いので、皮膚科や耳鼻咽喉科を受診した方が良いでしょう。

鼻の中に赤いできものがあって痛い場合の原因と治し方

​​鼻の中に赤く腫れたできものがあり、痛みを伴う症状のことを指します。このような場合、鼻せつなどが疑われます。

鼻せつ

鼻せつとは、鼻の内側の皮膚に細菌が感染し、化膿して膿がたまり、赤い腫れものができる病気です。毛嚢炎やおできとも呼ばれます。黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌と呼ばれる細菌が原因となることが多いです。鼻の穴を指でいじったり、鼻毛を抜いたりして傷ができることでそこに細菌が入り込み炎症が起きます。抗生物質の入った軟膏を塗ることや、痛みがひどい場合は鎮痛剤を飲むことで痛みを和らげる効果があります。症状がひどく、治らない場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

鼻の中に白いできものがある、膿んでいる場合の原因と治し方

鼻の中に白色のできものが見られることがあります。このような場合、鼻茸副鼻腔炎などが疑われます。

鼻茸(はなたけ)

鼻茸とは、鼻の内側の粘膜に炎症が起き、粘膜の一部が白く膨らみ垂れ下がったものです。キノコのような形をしているので、「鼻茸」と呼ばれますが、鼻ポリープとも言います。副鼻腔炎や慢性鼻炎の人によく見られます。頭痛、呼吸がしにくい、鼻づまり、嗅覚障害などの症状が起こることもあります。

副鼻腔炎(ふくびくうえん)

副鼻腔炎とは蓄膿症ともいいます。鼻の中である鼻腔とその周りの副鼻腔で、細菌やウイルス感染などにより炎症が起き、膿が溜まってしまう病気です。副鼻腔炎にかかると、どろっとした匂いのする鼻水、鼻づまり、鼻の痛み、顔やまぶたが腫れる、発熱などの症状が現れることもあります。副鼻腔炎は、溜まった膿が排出できなくなり、それにより炎症が悪化してさらに膿が溜まってしまい、慢性化してしまう場合があり、注意が必要です。
病院で処置をすることがほとんどで、自宅で対処できることは多くありません。鼻茸は風邪やアレルギーによって鼻の中の炎症が起こると発症することがあるため、アレルギーの原因を除去することや、バランスの良い食事や規則的な生活を心がけましょう。鼻茸は放置すると大きくなり、症状がひどくなる可能性があります。鼻づまりが続く、頭が重い感じがする、匂いがしないなどの症状が続く時は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
また、花粉症やアレルギー性鼻炎がある人は、鼻の中がかゆくなり、触ったり掻いたりするとその刺激で鼻の中のできものは悪化することがあります。関連する病気の治療も並行して行うことが大切です。

すぐに病院へ行くべき「鼻の中のできもの」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

片方の鼻が詰まる、鼻水に血が混じる場合は、耳鼻咽喉科へ

鼻の中や鼻の奥にできものができる、片方の鼻が詰まる、鼻水に血が混じる、鼻血がよく出るなどの症状が特徴です。歯が痛い、頰が腫れる、目の周囲が腫れる、ものが二重に見えることもあります。この場合、鼻のがんの可能性があります。鼻の中のがんは初期症状が出づらく、かなり進行してから気づくことが多いため注意が必要です。鼻のがんで最も多いのが、鼻の中の鼻腔の脇にある上顎洞という場所から発生するがんで、上顎がんといいます。60代に多く見られ、重症の慢性副鼻腔炎が放置されると発生しやすくなると言われています。できものが確認できなくても、鼻づまりや繰り返す鼻血など少しでも疑わしい症状があれば、耳鼻咽喉科を早期に受診しましょう。

「鼻の中にできもの」ができる症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「鼻の中にできもの」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

慢性副鼻腔炎

副鼻腔炎とは、副鼻腔(鼻の中である鼻腔の周りにある頰、顔、目の周りの骨の部分にある空洞)に細菌やウイルス感染によって炎症が起きて治らず長期化した状態です。
慢性副鼻腔炎になると鼻が詰まった状態になったり、膿のような鼻水が溜まり、鼻の中に炎症が常に起こり、鼻茸という粘膜が白く膨らんだできものができやすくなります。慢性副鼻腔炎の中でも更に治りにくい好酸球性副鼻腔炎にかかると、鼻茸が多く見られます。副鼻腔うに溜まった鼻水は自分では除去しにくいため、耳鼻咽喉科で洗浄してもらう必要があります。また大きくなった鼻茸は手術により除去する必要があることもあります。一ヶ月以上鼻水が続く場合は慢性副鼻腔炎になっている可能性があります。早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

繰り返す「鼻の中のできもの」の治療方法は?

鼻の中のできもので考えられるのが、鼻茸鼻せつニキビなどです。鼻茸は、慢性副鼻腔炎やアレルギーや喘息がある人によく見られます。慢性副鼻腔炎が治らない場合や、アレルギー反応が度々起こる場合は、鼻茸がなかなか治らず増えてしまう傾向があります。原因となる病気を治療することや、アレルゲンの除去が大切と言えます。鼻茸は増えすぎたり大きくなりすぎると、気道がふさがれたり副鼻腔炎を悪化させることがあるので、手術による除去の対象になります。鼻茸の除去のみの手術は日帰り手術でできることもありますが、原因が副鼻腔炎にあり、副鼻腔炎の手術も行う場合は入院しての手術になることが多いでしょう。

「鼻の中にできもの」があるときに塗っても良い市販薬は?

鼻の中のできものが、炎症によるものである場合、市販薬で効果が見込める可能性もあります。ニキビに効果的な成分としては、炎症を抑える成分や、ニキビの原因菌であるアクネ菌の殺菌作用がある成分、角質を柔らかくする成分などがあります。炎症を抑えるイブプロフェンピコノール成分とアクネ菌を殺菌するイソプロピルメチルフェノールが含まれいる薬品は、ニキビの症状を和らげる効果が期待できます。
しかし、市販薬はいずれも病院に行けない時の一時的な使用と考え、症状が良くならない場合や、痛みが激しい場合などは、早めに皮膚科か耳鼻咽喉科を受診しましょう。

「鼻の中のできもの」の症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「鼻の中にできもの」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

鼻の中にできものがあるときにオロナインなどの市販薬(塗り薬)を使っても良いですか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

鼻の中にできものがある場合、医療機関を受診するのが一番ですが、難しい場合は市販薬を使ってみてもいいでしょう。症状が良くならない、悪化する場合はすぐに使用を中止し、医療機関を受診しましょう。
オロナインには抗菌作用のある成分が含まれているため、鼻の中のできものが細菌感染による炎症である場合は効果がある可能性があります。

鼻の中のできものはニキビでしょうか?潰しても良いですか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

鼻の中のできものには、ニキビ、鼻茸、毛嚢炎、良性腫瘍、悪性腫瘍、ヘルペスなどの可能性があります。
いずれも、自分でできものを潰すのは傷ができそこに細菌感染が起こり更に炎症がひどくなる可能性があるのでやめましょう。鼻をかむときに刺激になりそれが傷になることがあるので、気をつけましょう。鼻毛は抜かないで、切るようにして、鼻の中を安静に保つことが大切です。鼻を触るときは、手は清潔にしておきましょう。鼻の中のできものの治療の主な診療科は耳鼻咽喉科です。

鼻の中のできもの・かさぶたがある場合何科を受診すべきですか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

鼻の中のできもの・かさぶたがある場合は鼻前庭湿疹などが疑われます。
鼻前庭湿疹とは、鼻の入口に近い部分(鼻毛が生えている部分)が炎症を起こした状態のことです。鼻の入口が荒れて、かさぶたができることにより、かゆみや刺激といった症状が現れます。鼻のかみすぎや、鼻ほじりが原因で、主に黄色ブドウ球菌による皮膚や粘膜の感染です。触らないことで自然に良くなる可能性がありますが、数日間様子を見ても改善しない場合には、薬物治療の必要があるため、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

まとめ

鼻の中のできものは、細菌やウイルス感染などにより鼻の粘膜に炎症を起こしていることが原因でできているものも多いです。バランスの良い食事を心がけたり、しっかり休息をとって風邪などにかからないように気をつけることが大切です。また、鼻の中に傷ができないようにすることも大切です。できものができると触ってしまいたくなりますが、刺激があると症状は悪くなることが大変多いです。できるだけ安静にし、耳鼻咽喉科もしくは皮膚科を受診しましょう。

「鼻の中のできもの」で考えられる病気

「鼻の中のできもの」から医師が考えられる病気は13個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

耳鼻咽喉科の病気

皮膚科の病気

鼻の中であるため基本的には耳鼻科の病気が多く考えられます。鼻の入り口付近は自分で症状を確認できますが、少し奥へ行くと診察を受けなければわかりませんので、症状が改善しない場合には、耳鼻咽喉科の受診を検討しましょう。

「鼻の中のできもの」に似ている症状・関連する症状

「鼻の中のできもの」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについては詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「鼻の中のできもの」症状の他に、これらの症状がある場合「鼻せつ」「尋常性ざ瘡」「鼻前庭湿疹」「副鼻腔炎」「鼻茸」「上顎がん」などの疾患の可能性が考えられます。
複数併発している場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。

【参考文献】
・日本耳鼻咽喉科学会
http://www.jibika.or.jp/citizens/daihyouteki2/hana_disease.html
・日本頭頸部外科学会 鼻腔がん
https://www.jshns.org/modules/citizens/index.php?content_id=20