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こんな症状ありませんか? 鼻水が止まらない 原因や関連する病気を医師が解説!

鼻水が止まらないときは耳鼻科へ!アレルギーやウイルス感染症など考えられる病気や原因を徹底解説

鼻水が止まらないとき、原因は何か心配になりますよね。ここではMedical DOC監修医が鼻水が止まらない症状で考えられる病気や対処法・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状が続く場合は、迷わず病院を受診してください。

村上 友太 医師

監修医師
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。

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「鼻水が止まらない」症状で考えられる病気と対処法

鼻水が止まらない時、まずは鼻水の性状を確認しましょう。サラサラしているのか、ドロドロしているのか、ネバネバしているのか。無色透明なのか、色のついた鼻水(青っぱな)なのか。いろいろな場合があると思います。この記事では鼻水の特徴から考えられる原因や病気などについて解説していきます。

サラサラで水っぽい鼻水が止まらない症状の原因と治し方

サラサラして水のような透明な鼻水が止まらないことがあります。このような場合、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎などが疑われます。

アレルギー性鼻炎・花粉症

アレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜に入った異物(特定の物質)に対する反応が過剰となった状態です。水のような鼻水や鼻詰まり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状が続きます。花粉に対する反応が過剰であれば花粉症であり、ありふれた病気の一つです。

血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)

血管運動性鼻炎とは、寒暖差アレルギーともいい、季節の変わり目にアレルギー性鼻炎と似たような症状が見られる病気です。鼻の粘膜の自律神経のバランスの乱れによって発症すると考えられています。アレルギー性鼻炎と違って、特定のアレルギーを起こす物質はみつからず、目の症状も現れないことが特徴です。外出の際にこまめに体温調節できるように対策することや規則正しい生活で体調を整えることで防ぐことができます。
鼻炎の症状が強い場合には、耳鼻科を受診して相談するのが良いでしょう。

鼻水が止まらなくて喉が痛い、咳が出る症状の原因と治し方

鼻水と喉が痛い、咳などの他症状がある場合には、かぜ症候群、いわゆる風邪が疑われます。

風邪

かぜ症候群では、鼻水、喉の痛みや咳以外にも、鼻づまり、発熱、頭痛、だるい、痰などの症状が現れます。かぜ症候群の鼻水の特徴は、発症初期はサラサラしている水っぽい鼻水が見られますが、しだいにネバネバして色味がかった鼻水が見られるようになることです。色がついている鼻水であっても、必ずしも細菌感染が原因とは言えません。かぜ症候群の原因は90%近くがウイルスなので、抗菌薬は不要です。ただし、二次的に細菌感染が加わることもあり、その場合には、黄色や緑色の鼻水が見られて、抗菌薬での治療が必要になることもあります。
かぜ症候群は基本的には安静にして体を休めて、水分摂取や栄養補給のみで自然によくなります。1週間以上症状が続く場合や、咳や痰の悪化、息切れなど、肺炎の合併を疑う場合には内科を受診しましょう。

子供の風邪の対処法

また、子どもの場合は、鼻をうまくかめないので、鼻水が止まらず眠れなくなることもあります。この場合には鼻水吸引が必要になることもあります。小児科や耳鼻科でも吸引できますが、家庭用吸引機も市販でいくつか種類があります。子供はかぜ症候群らしくても、溶連菌感染や中耳炎などのその他の病気にかかっている可能性も考えられるため、症状が長引く場合には小児科を受診したほうが良いでしょう。

くしゃみと鼻水が止まらない症状の原因と治し方

くしゃみと止まらない鼻水の症状がある場合には、アレルギー性鼻炎が最も考えられます。

アレルギー性鼻炎の種類と症状

アレルギー性鼻炎には、ダニやほこりなどが原因となる通年性アレルギー性鼻炎と、スギやヒノキなどの花粉が飛ぶ季節だけに症状のある季節性アレルギー性鼻炎、いわゆる、花粉症に分類されます。くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3大症状に加え、花粉症の場合は鼻のムズムズする感じや、眼の症状(かゆみ、なみだ、充血)や皮膚のかゆみなどが見られることがあります。ダニや花粉に対して免疫細胞が過剰に反応することが原因です。

アレルギー性鼻炎の原因別対処法・治療方法

ダニが原因の場合には、こまめな掃除やダニが溜まりやすいカーペットなどの家具を避けることで、ダニとの接触を減らすことが重要です。花粉の場合には、花粉情報をチェックして多い日には外出を控える、マスクやメガネで花粉をブロックすることが重要です。これらの原因の除去や回避を行なった上で、薬物治療を行います。まずは、薬局などでも手に入る薬を試してみるのは良いと思います。くしゃみや鼻水を起こす原因物質であるヒスタミンを抑える抗ヒスタミン薬、鼻詰まりの原因になるロイコトリエンやプロスタグランジンを抑える薬などを使います。市販薬でも症状の改善が乏しい場合には、耳鼻科を受診しましょう。耳鼻科で行える根治的な治療として舌下免疫療法、アレルゲン免疫療法があります。原因となる物質を投与してからだに慣れさせる治療です。

鼻水が止まらなくて頭痛を伴う症状の原因と治し方

鼻水が止まらない、鼻詰まりがある、頭痛があるなどの症状を指します。このような場合、かぜ症候群や副鼻腔炎などが疑われます。

副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔炎は、蓄膿症ともいわれ、発症から4週間以内であれば急性副鼻腔炎、症状が3ヶ月以上続く場合には慢性副鼻腔炎と分類されます。副鼻腔炎では、ウイルスや細菌の感染によって副鼻腔に炎症がおこり、ネバネバやドロドロとした鼻水が出ます。また、鼻粘膜も腫れるため、鼻の中の通りが悪くなり、鼻水や膿が溜まってしまいます。鼻詰まりや鼻水だけではなく、頭痛や顔面の痛みなどの症状が起こります。頭痛などの痛みに対しては痛み止めも一定の効果はありますが、漫然と使うのは避けましょう。鼻ポリープ(鼻茸)ができてしまうと、慢性副鼻腔炎は治りづらくなり、匂いがわからなくなります。鼻の症状が長引く際には、耳鼻科か内科(小児科)を受診したほうが良いでしょう。

すぐに病院へ行くべき「鼻水」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

鼻水が止まらず、頭痛・頬の痛み・顔面の痛みなどがある場合は耳鼻科へ

急性副鼻腔炎のうち、膿っぽい鼻水が10日以上続くなどの時には細菌性を考えます。細菌性の場合は抗菌薬による治療が必要になります。感染が長引いた場合、副鼻腔の感染が目に波及すれば眼窩蜂巣炎を、脳に波及すれば頭蓋内膿瘍という緊急度の高い病気を発症することがあります。副鼻腔炎を疑う場合や強い症状がある場合には耳鼻科を受診しましょう。

「鼻水が止まらない」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「鼻水が止まらない」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、ダニやハウスダストなどにより症状が常にある通年性と、スギやヒノキなどの季節により症状が変わる季節性があります。季節性アレルギー性鼻炎が、いわゆる花粉症です。軽い症状の場合には市販の鼻炎薬で対処できますが、症状が強い場合や毎年症状に悩んでいる場合には、耳鼻科にご相談ください。

血管運動性鼻炎

急に寒い部屋に入った、逆に暖かい部屋に入ったら鼻水が止まらないことがあり、寒暖差アレルギーと言われることもあります。寒暖差以外にも、たばこや化粧品の吸入、飲酒、ストレス、薬剤なども誘引となる非アレルギー性の鼻炎で、自律神経が関与していると言われていますがはっきりした機序(しくみ)は解明されていません。対処法はまずは刺激を除去することです。たばこや飲酒が原因の場合には、禁煙や禁酒を行いましょう。

「鼻水が止まらない」ときにできる対処法と市販薬

鼻水が止まらない時、まずは原因を除去しましょう。ダニや花粉が原因の場合は、それらを避けることが大切です。寒さや乾燥が刺激になっている場合には、それらを避けましょう。
鼻水にはウイルスや細菌の感染時に増えた白血球の残骸などが含まれます。鼻水が外に出ずに喉の奥に流れてしまうと、刺激で咳がでることもあります。鼻はすすらずに、かむか吸引をしましょう。
軽い鼻水の場合には、市販の鼻炎薬で改善します。市販薬は飲み薬や点鼻薬、鼻噴霧用スプレーなど、種類は豊富です。自分にあった薬を使いましょう。
アレルギー性鼻炎、特に花粉症に効くと謳ったツボや食品などの民間療法は数多く存在しますが、科学的根拠のある民間療法はほとんどありません。自分に合った市販薬や民間療法を試してみることはよいのですが、症状が続く場合には自己判断せずに耳鼻科でご相談いただくのが良いでしょう。

「鼻水が止まらない」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「鼻水が止まらない」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ドライノーズなのに鼻水が止まらない症状が現れるのはなぜですか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

ドライノーズの場合、鼻の粘膜が刺激を受けやすくなっています。少しの刺激で鼻水が出やすい状態になっていることが原因です。

部屋に入った時や、寒暖差の激しい場所にいる時に鼻水が止まらなくなるときの対処法を教えてください。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

寒暖差や乾燥などの刺激で鼻水が止まらない場合、吸気吸入性鼻炎や血管運動性鼻炎が考えられます。刺激を少なくするため、マスクやタオルで口鼻を覆うことで症状が改善することがあります。

アレルギーや花粉症などで鼻水がとまらないときにおすすめの症状緩和方法は?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

鼻水を止めるには、鼻炎薬による治療をしましょう。
日常生活が困る程度の鼻水がでる場合には治療を行いましょう。

子供の鼻水が止まらない場合、病院にかかったほうが良いでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

子供は鼻水をうまくかめないですし、副作用が出やすいため市販薬はおすすめできません。症状がある時には小児科か耳鼻科にご相談いただくのが良いでしょう。

花粉症シーズンを過ぎた夏に鼻炎で鼻水が止まらないことがあるのですが風邪でしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

​​イネ科やヨモギ属は、7~8月ごろがピークで花粉症の症状が出ることがあります。また花粉症以外には血管運動性鼻炎や好酸球増多性鼻炎などがあります。原因の特定や治療のためには、耳鼻科でご相談していただくのが良いでしょう。

まとめ

鼻水は非常にありふれた症状の一つです。市販薬や民間療法も数多くありますが、症状が長引く際には、耳鼻科で相談をしてみましょう。

「鼻水が止まらない」で考えられる病気と特徴

内科の病気

耳鼻科の病気

  • アレルギー性鼻炎(通年性、季節性)
  • 血管運動性鼻炎
  • 好酸球増多性鼻炎
  • 冷気吸入性鼻炎
  • 老人性(加齢性)鼻炎

症状が長引く際には、耳鼻科や内科(子供の場合は小児科)で相談することをお勧めします。

「鼻水が止まらない」と関連のある症状

関連する症状

「鼻水が止まらない」症状の他に、これらの症状がある場合も、「アレルギー性鼻炎」「かぜ症候群」「副鼻腔炎」「花粉症」などの疾患の可能性が考えられます。
複数の症状が見られている場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。

【参考文献】
・日本臨床検査医学会 アレルギー性鼻炎
https://www.jslm.org/books/guideline/24.pdf
・日本呼吸器学会 かぜ症候群
https://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/disease_qa/disease_a01.pdf
・国立成育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/allergy/allergic_rhinitis.html

この記事の監修医師