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「花粉症で発熱」することはある?風邪や感染症との違いや対処法も解説!【医師監修】

 公開日:2026/05/08
「花粉症で発熱」することはある?風邪や感染症との違いや対処法も解説!【医師監修】

春先など花粉が飛散する季節になると、くしゃみや鼻水、目のかゆみといった典型的なアレルギー症状に悩まされる方はたくさんいらっしゃいます。こうした症状に加えて、身体が熱っぽい、微熱が続くと感じる方も少なくありません。花粉症はアレルギー反応であり、ウイルスや細菌による感染症とは仕組みが異なるため、熱が出るのか疑問に思う方もいるでしょう。結論として、花粉症による強いアレルギー性炎症に伴って、微熱や熱っぽさが出ることはあります。ただし、38度を超える高熱がある場合や数日たっても熱が下がらない場合には、花粉症だけでなく、急性副鼻腔炎などの細菌感染や風邪、インフルエンザなど別の感染症も考える必要があります。

この記事では、花粉症で発熱がみられる理由や特徴、風邪などによる発熱との違い、つらいときの対処法や受診の目安を解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医・指導医、日本緩和医療学会認定登録医、禁煙サポーター

花粉症による発熱の特徴

花粉症による発熱の特徴

花粉症で発熱することはありますか?

花粉症でみられる代表的な症状は、くしゃみやさらさらした鼻水、鼻詰まりです。ただ、こうした鼻の症状だけでなく、微熱が出たり、熱っぽく感じたりすることもあります。これは、身体に入った花粉を異物として排除しようとして、免疫反応が働くためです。鼻やのどの粘膜でアレルギー性炎症が続くと、その影響で体温がわずかに上がることがあります。そのため、花粉の飛散時期に37度台の微熱や熱感が出ることは、花粉症の経過としてみられる場合があります。

花粉症でも高熱が出ることはありますか?

花粉症そのものが原因で、38度を超えるような高熱が出ることはまれです。高い熱があるときは、花粉症とは別の病気が重なっていないかを考えることが大切です。例えば、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などは、発熱が前面に出ることがあります。また、鼻の炎症が続くことで副鼻腔の環境が悪くなり、細菌による副鼻腔炎へ進む場合もあります。花粉症の時期であっても、高熱があるときは、花粉症だけと考えず原因を見極める必要があります。

花粉症で発熱とともにみられる症状を教えてください

花粉症による熱っぽさの背景にはアレルギー反応があるため、くしゃみ水のような鼻水鼻詰まりを伴うことが一般的です。加えて、目のかゆみ充血涙目といった目の症状が出ることも少なくありません。鼻詰まりが強いと、お口で呼吸をすることが多くなるためのどの乾燥や違和感につながることがあります。また、夜に眠りにくくなることで、日中のだるさや集中しにくさ、頭が重い感じが出ることもあります。

花粉症による発熱と風邪などによる発熱の違いを教えてください

風邪などのウイルス感染症は、発熱に加えて、のどの痛みや全身のだるさ、筋肉痛などがみられやすくなります。鼻水も、経過とともに粘り気が強くなったり、色がついたりすることがあります。一方、花粉症は、透明でさらさらした鼻水や、鼻・目のかゆみが前面に出やすい点が特徴です。また、症状が出る時期が花粉の飛散状況と重なりやすく、屋外で悪化しやすいことも手がかりです。

花粉症で発熱する原因

花粉症で発熱する原因

なぜ花粉症で熱が出ることがあるのですか?

花粉症で微熱や熱っぽさが出る主な理由は、鼻の粘膜で起きるアレルギー性の炎症です。花粉が鼻の粘膜に付着すると、マスト細胞という免疫細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの物質が放出されます。これらが神経や血管に作用して、くしゃみや鼻水、鼻詰まりを起こします。同時に、局所の炎症も強まります。この炎症反応が続くと、全身にも影響が及び、体温がわずかに上がることがあります。また、鼻詰まりによって眠りが浅くなったり、疲れがたまったりすると、実際の熱以上に熱っぽさやだるさを強く感じることもあります。

副鼻腔炎などの合併症で発熱することはありますか?

はい、あります。花粉症がきっかけで急性細菌性鼻副鼻腔炎を起こすと、発熱することがあります。花粉症で鼻の粘膜が腫れると、副鼻腔と鼻をつなぐ通り道が狭くなり、換気や分泌物の排出がうまくいかなくなります。すると、副鼻腔の中で細菌が増え、化膿性の炎症が起こります。この状態になると、花粉症そのものによる熱感よりもはっきりした発熱になりやすく、頬やおでこの痛み、重たい感じ、粘り気のある鼻水などを伴うことがあります。経過中に症状の質が変わってきたときは、合併症の可能性も考えることが大切です。

花粉症による発熱への対処法

花粉症による発熱への対処法

花粉症で発熱した場合は市販の解熱剤を飲んでもよいですか?

花粉症で微熱や熱っぽさがあり、頭痛やだるさがつらいときは、市販の解熱鎮痛薬を使ってもよい場合があります。日常生活に支障が出ているときに、つらさを一時的にやわらげられます。市販薬は、一般にアセトアミノフェンなどが選択肢です。ただし、解熱剤は熱の原因そのものを改善する薬ではなく、症状を一時的に軽くするためのものです。そのため、熱っぽさが続く場合は、花粉症への治療もあわせて行うようにしましょう。

花粉症の治療薬で発熱は改善しますか?

花粉症による発熱は、原因となっているアレルギー性炎症が落ち着くことで改善することがあります。第2世代抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬を適切に使うと、鼻水やくしゃみ、鼻詰まりなどの症状がやわらぎ、それに伴って微熱や熱っぽさが軽くなることがあります。特に鼻詰まりが強い方は、呼吸がしやすくなることで睡眠の質も整いやすくなり、だるさの軽減にもつながります。また、鼻やのどの負担がやわらぐことで、日中の過ごしにくさが軽くなることもあります。毎年、花粉の時期に同じような症状を繰り返す方は、症状が強くなる前から治療を始めることで、発熱を含めた不調を抑えやすくなります。

花粉症による発熱で受診をした方がよいケースを教えてください

38度以上の高熱がある場合や、37度台の微熱が何日も続く場合は受診を考えましょう。花粉症だけでは説明しにくい症状があるときも、早めの相談が大切です。例えば、黄色や緑色の粘り気のある鼻水、頬やおでこの痛み、強い頭痛があるときは、副鼻腔炎を合併していることがあります。また、咳や強いのどの痛み、息苦しさ、関節痛、強い倦怠感などを伴う場合は、風邪やほかの感染症の可能性もあります。普段の花粉症と比べて症状の出方が違う、急に悪化した、食事や水分が取りにくいといった場合も、自己判断で様子を見続けず、病院で相談してください。

編集部まとめ

まとめ

花粉症は、くしゃみや鼻水、目のかゆみだけでなく、微熱や熱っぽさ、だるさが出ることがあります。これは、鼻やのどの粘膜で起きるアレルギー性炎症の影響です。そのため、花粉症の時期に少し熱っぽいからといって、感染症であるとは限りません。一方で、高い熱がある場合や、熱が何日も続く場合、黄色や緑色の鼻水、頬や額の痛みを伴う場合は、風邪やインフルエンザ、急性鼻副鼻腔炎など別の病気も考える必要があります。見分けるときは、熱の高さだけでなく、鼻水の性状、かゆみの有無、痛み、全身のだるさなどを併せてみるとよいです。花粉症による熱っぽさは、花粉症の治療によって改善することがありますが、いつもの症状と違う経過をたどるときは早めに受診するようにしましょう。

この記事の監修医師