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「尋常性ざ瘡(ニキビ)」の原因は?治療やケア方法について医師が解説!

 公開日:2023/02/22
「尋常性ざ瘡(ニキビ)」の原因は?治療やケア方法について医師が解説!

尋常性ざ瘡とはニキビのことです。ニキビは小・中学生の頃からできる方や大人になってからできる方、男女問わずニキビができる方は非常に多いです。

ニキビが酷くなるとニキビ跡がなかなか消えなかったりクレーターができたりするので、酷くなる前に治療やケアをすることが大切になってきます。

今回は尋常性ざ瘡(ニキビ)のお悩みを少しでも解決できるように、日常生活でできるケア方法から病院での治療法などニキビについて詳しくご説明していきます。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

尋常性ざ瘡(ニキビ)の原因と種類

鏡を見る女性

尋常性ざ瘡(ニキビ)とはどんな病気ですか?

尋常性ざ瘡(ニキビ)とは慢性化炎症性疾患です。皮脂分泌が異常になったり細菌が増殖したり角化異常が起こることによってニキビができるという皮膚疾患です。
日本では90%以上の方が経験するので一度はニキビで悩んだことがある方も多いのではないでしょうか。誰にでもおこる症状で軽視されやすいためニキビが酷くなったら病院を受診する方が多いので、ニキビ跡やニキビがなかなか治らないというような悩みを持つ方が多くいます。
顔にできる方が多いですが顔だけではなく首やデコルテ・背中にもできることがあります。

尋常性ざ瘡(ニキビ)の原因は?

ニキビは皮脂が過剰に分泌されることで毛穴に皮脂が詰まり、そこにアクネ菌が増殖してしまうことが原因でできます。また毛穴のまわりの角層が厚くなり毛穴を塞ぐことでおなじように毛穴に皮脂が詰まりニキビができます。

尋常性ざ瘡(ニキビ)にはどんな種類がありますか?

ニキビには軽度の症状から重度の症状まで数種類あります。最初は皮脂が毛穴に詰まって面皰になります。

  • 閉鎖面皰・白ニキビ(毛穴が閉じている面皰)
  • 開放面皰・黒ニキビ(毛穴が開いている面皰)
  • 紅色丘疹・赤ニキビ(面皰が炎症を起こす)
  • 膿疱・黄ニキビ(炎症がさらに悪化し膿がたまる)

主にニキビにはこの4つの種類があり、ニキビの炎症がさらに酷くなると嚢腫や硬結・結節になることもあります。

尋常性ざ瘡(ニキビ)になりやすい人はどんな人ですか?

ニキビは10代から20代の方に多くみられます。10代の方は皮脂分泌の多いことによってできる思春期ニキビが多く、20代の方は乾燥・ストレス・睡眠不足・ホルモンバランス・食生活などさまざまなことが原因でできる大人ニキビが多いです。

尋常性ざ瘡(ニキビ)の症状や治療方法

色々な薬

尋常性ざ瘡(ニキビ)症状は?

ニキビの症状にはいろいろあります。ニキビの初期症状は毛穴に皮脂や角質が詰まって面皰(白ニキビ・黒ニキビ)や微小面皰ができることです。
その後詰まった皮脂にアクネ菌が増殖し毛穴に炎症(赤ニキビ)がおきます。炎症が酷くなると毛穴に膿がたまり(黄ニキビ)、ニキビが潰れるとその膿がでてきます。
さらに炎症が酷くなると皮膚の下に膿がたまった袋(嚢腫)ができたり、触ると硬いしこりのようなもの(硬結)ができたりする場合も少なくありません。ニキビの重症度はニキビの数によって4段階に分けられます。

  • 軽傷:片顔に炎症性ニキビが5個以下
  • 中等症:片顔に炎症性ニキビが6個以上20個以下
  • 重症:片顔に炎症性ニキビが21個以上50個以下
  • 最重症:片顔に炎症性ニキビが51個以上

ニキビは酷くなればなるほど後にニキビ跡になってシミやクレーターに繋がることが多いです。

尋常性ざ瘡(ニキビ)の治療方法は?

ニキビの治療には飲み薬や塗り薬が処方されます。その他にもケミカルピーリング・ステロイド局所注射・レーザー治療などを行っている病院もあります。
ニキビの原因や症状によって処方される薬も違い、保険適用外の治療もありますので医師と相談して自分に合った治療法をみつけると良いでしょう。

どのような薬が処方されますか?

ニキビに効果的な薬は数種類あります。塗り薬にはアダパレン(抗炎症作用)や過酸化ベンゾイル(抗菌作用)が効果的です。
飲み薬には内服抗菌薬が処方されることが多く、ビタミン剤を処方される方も多いです。塗り薬と飲み薬を併用するとより効果的になります。

尋常性ざ瘡(ニキビ)の予後と予防

洗顔

跡が残ってしまった場合の治療法は?

にきび跡が残ってしまった時にはステロイド局所注射やレーザーなどの治療があります。
その他にはPRP治療もニキビ跡の改善が期待できます。
PRPとは自分の血液を抽出しそれを血液成分分離機で遠心力を利用して血液中の血小板を取り出し、それをまた肌に戻してニキビ跡を治療する方法です。自分の血液を使うので副作用が少なく、ニキビ跡だけではなくシワやタルミなど改善に繋がることもあります。

予防のために普段の生活で気を付けるべきことは?

ニキビができる原因には睡眠不足やストレス、食生活が関係してくることが考えられています。人は寝ている時にお肌を回復しているので睡眠不足になると回復機能が低下しニキビが治りにくくなったり、酷くなったりする可能性があります。
またストレスを強く感じると悪化してしまったり、食生活で高カロリーのものや脂っこいものを食べるとニキビができたりする方も多いので注意が必要です。思春期はホルモンバランスなどの関係で皮脂の分泌が過剰になることが原因でニキビができやすいので、その日の汚れをその日のうちに落とすことが大事になります。
大人になってからできるニキビは乾燥が原因の方も多いです。乾燥すると肌は乾燥を防ぐために皮脂を過剰に出すようになります。そのため毛穴が皮脂で詰まりニキビに繋がるので、肌がベタつくけど乾燥している方は化粧水などでお肌に水分を与えることが非常に大切です。
ニキビができる原因はさまざまなので自分でニキビができた時のパターンを記憶しておくと予防もしやすいでしょう。

尋常性ざ瘡(ニキビ)のケア方法を教えてください。

ニキビのスキンケアには毎日朝と夜の2回の洗顔をおすすめします。基礎化粧品はニキビ用の化粧品で低刺激のものが良いですがお肌に合わない時は医師に相談すると良いでしょう。ノンコメドジェニックの化粧品はニキビができにくいように作られているのでおすすめです。
またメイク用品も低刺激のものが良いと思います。メイクをしたらクレンジングと洗顔でしっかり汚れを落としてからお肌に化粧水やクリームなどでたっぷり保湿をして乾燥しないようにすることが大切です。
ニキビができる方は油分が多いからあまり保湿はしないという方もみえますが乾燥すると自分の皮脂分泌が増えてしまうのでニキビの悪化に繋がってしまうので注意しましょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

ニキビができる原因は人によってさまざまです。ニキビが気になったら早めに病院を受診して自分に合った治療法を医師に相談してみましょう。また日常生活では今からできるケアを試してみてください。
ニキビができないように自分でできるケアは多くあります。いつもより早く寝るようにする、お風呂にゆっくり浸かる、洗顔をする時洗顔料をしっかり泡立てるなど少しずつ気をつけることでお肌に変化がでてくると思います。ニキビは治療をしながらコツコツとケアをしていくことで改善していくことが多いです。

編集部まとめ

女性
今回は尋常性ざ瘡(ニキビ)について詳しく説明しました。ニキビには10代の時からできる思春期ニキビと20代の時からできる大人ニキビの2種類があります。この二つはニキビができる原因が違ってきます。

しかしどちらも洗顔を正しくしたり、睡眠をしっかりとったり、バランスの良い食事をすることでニキビのケアをしていくことが大事です。

その他にもストレスをためないことやリラックスする時間を作ることもニキビを作らないためには必要となります。

またニキビ跡が残るとシミやクレーターの原因になってしまい将来の肌悩みに繋がる可能性もあります。ニキビができても触らず、洗顔などでしっかり汚れを落として保湿をすることがおすすめです。

ニキビに悩んだら皮膚科などを受診し、医師と相談しながら自分に合う治療法をみつけることがニキビを改善させる近道です。

また普段から正しいケアをすることや生活習慣に気をつけることでニキビができても長引かず治りやすい体質にすることを心がけると良いでしょう。

この記事の監修医師