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「寝すぎて頭痛がする」原因・治し方は?【医師解説】

寝すぎて頭痛がする時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状が続く場合は迷わず病院を受診してください。

村上 友太 医師

監修医師
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。

「寝すぎて頭痛がする」症状で考えられる病気と対処法

大人の睡眠時間は平均6−8時間程度といわれています。睡眠時間が短くて疲れが取れずに困ることがある一方で、寝過ぎることによって、頭痛や腰痛、だるさなどの不調を感じることもあります。眠れないことは解消したいのですが、寝すぎも体調のリズムが崩れるため、避けた方が良いでしょう。今回は長く眠り過ぎた際に現れる頭痛について原因やその対処法を説明します。

寝すぎて頭痛がする症状で考えられる原因と治し方

寝過ぎたときに頭が痛くなることがあります。このような場合、過度なストレスや片頭痛の可能性が考えられます。

片頭痛

片頭痛とは、10代~30代の女性に多くみられる頭痛で、ズキズキと拍動するように頭が痛くなる病気です。こめかみや目の奥の部分が痛むことが典型で、症状の強い場合は吐き気も伴います。頭痛の発症前に視界にモヤモヤ・ギザギザとしたものがみえるなどの前兆があったり、光や音で頭痛が悪化したりすることが特徴です。多くの場合、休日などの緊張がほぐれた時に頭痛が起きます。これは、脳の動脈が収縮したり拡張したりすることで、動脈周囲にある神経を刺激して痛みがでることが原因と言われています。軽症のうちは市販の痛み止めで効果がありますが、頭痛の発症頻度が多い場合や程度が強い場合には脳神経内科や脳神経外科を受診してください。

寝すぎて頭痛があり、吐き気がする症状で考えられる原因と治し方

寝過ぎたときに頭が重く感じたり締め付けられるように痛むことがあります。このような場合、過度なストレスや緊張型頭痛の可能性が考えられます。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、慢性頭痛のなかでも最も多い頭痛で、慢性頭痛の7~8割を占めます。スマホの操作やデスクワーク中で長時間同じ姿勢をとっていること、ストレスや疲労などが原因で、首筋の筋肉が緊張することで血管を圧迫し、血液の循環が悪くなることで起こると言われます。
典型的には、頭部から首筋にかけて、重く締めつけられるような鈍い痛みが生じます。また、筋肉の緊張による影響によって、めまいや吐き気を生じることもあります。これらの症状は繰り返されることもあります。
治療は、症状を緩和するための治療と、発作を予防するための治療です。頭痛を緩和するには、一般的な痛み止めが効果的です。まずは市販の痛み止めを服用してみましょう。頭痛の予防には、日常生活で首の筋肉に負担がかからないようにしましょう。肩や首に負担のかからない姿勢をとることや、軽い運動やマッサージなどが効果的です。ストレスをためないような工夫や十分な休息を確保することでも症状が緩和します。
症状がひどく日常生活に支障がでていたりする場合は、脳神経内科や脳神経外科で相談しましょう。

すぐに病院へ行くべき「寝すぎて頭痛がする」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

起床時に最も強い頭痛があり吐いてしまう場合は、脳神経内科・脳神経外科へ

脳腫瘍によって頭痛が出現することがあります。突然に出現するというよりは、数日間か何ケ月間もかけて徐々に痛みが増して来るという特徴があります。夜間睡眠中には頭蓋内圧が高くなるために、朝起床時に頭痛の程度が一番ひどくなります。それに伴い吐くこともあります。毎日このような頭痛が続く場合には、脳腫瘍を疑い、頭部MRI検査を受ける方が良いでしょう。早めに脳神経内科や脳神経外科を受診しましょう。

「寝すぎて頭痛がする」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「寝すぎて頭痛がする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

片頭痛

片頭痛とは、10代~30代の女性に多くみられる頭痛で、両側でも片側でも拍動するように頭が痛くなる病気です。明確なきっかけは無いことも多いのですが、気圧の変化や、精神的なストレス、または強いストレスからの開放、寝すぎや寝不足などが原因になります。また、女性ホルモンの影響で月経周期の決まった時期に片頭痛を起こすことも見られます。
片頭痛発作時の特効薬として、トリプタン製剤があります。また予防薬として降圧剤や抗うつ剤、抗てんかん薬などが挙げられますが、2021年よりCGRP関連の予防薬が国内で発売されました。CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、片頭痛の痛みの原因とされているタンパク質です。CGRPが三叉神経から放出されるときに片頭痛が始まると言われていますが、放出されたCGRPを無力化させる薬がCGRP関連予防薬であり、予防効果が非常に高いと言われています。片頭痛の発症頻度が多い場合や程度が強い場合には、脳神経内科や脳神経外科を受診して医師に相談してください。

緊張型頭痛

緊張型頭痛とは、最もポピュラーな頭痛で、締めつけられるように頭が痛くなる病気です。主な原因は、首や肩の筋肉のコリやストレスなどで、緊張状態が続いた後や長時間のパソコン作業後に起こることが多いため、十分な休息を取るなど、過度なストレスや睡眠不足を減らしたり無くしたりすることで症状が軽減します。肩や首のこりをほぐすために、温めることやストレッチ・軽い運動なども効果的です。痛みが気になる場合は、市販の痛み止めを内服してみても良いでしょう。医療機関への受診は必須ではありませんが、生活習慣の見直しや運動などを行なっても症状が改善しない場合には、脳神経内科または心療内科を受診してください。

「寝すぎて頭痛がする」ときの正しい対処法は?

程度の軽い頭痛であれば、市販の鎮痛薬を服用することで一時的に効果を得られると思います。「イブ」や「ロキソニンS」など一度お試しいただいても良いでしょう。また、漢方薬の中では五苓散(ごれいさん)や呉茱萸湯(ごしゅゆとう)などは市販されているので、これもお試しいただいても良いでしょう。

「寝すぎ頭痛」に予防方法はある?

寝過ぎてしまわないように、生活リズムを整えることは頭痛の予防に効果的だと思います。普段から寝付きが悪い場合には、運動や睡眠を意識して入浴を行うようにしましょう。就寝前の運動や入浴によって体温を一時的に上げることが重要なポイントです。運動は就寝の3時間前程度に有酸素運動を行うことが良いと言われます。激しすぎるのは逆効果の可能性もあるので無理ない運動を選びましょう。
入浴は、深い睡眠をとるためには就寝の2~3時間前に行うことが望ましいといわれています。体温が下がる過程で眠りやすくなることが知られています。部屋を明るくすることや、寝る前にスマホ操作を行うことなどは睡眠の妨げになる可能性がありますので避けましょう。
ストレスを解消するように工夫することや、首から肩にかけてのマッサージが有効な場合もあり、日常生活に支障がある、もしくは日常生活を見直しても症状が続く場合には、内科や脳神経内科を受診してください。

「寝すぎて頭痛がする」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「寝すぎて頭痛がする」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

寝すぎて頭痛がするとき、お茶やコーヒーのようなカフェインを摂取しても大丈夫ですか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

寝すぎて頭が痛いとき、それが軽い片頭痛のような痛みであれば、コーヒーや紅茶のカフェインを含む飲み物を摂取することによって頭痛症状が和らぐことがあります。

たくさん寝た後に頭が痛くなるのは片頭痛でしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

過度なストレスか片頭痛の可能性が最も考えられます。

寝すぎて頭痛がするとき、また寝てもよいのでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

また寝てしまうと、睡眠のリズムが崩れる可能性があります。片頭痛が酷くて寝込んでしまうのならば仕方ないと思いますが、頭痛が治まってくるようであれば再度寝ない方が良いのではないかと思います。

まとめ

睡眠は人生の3分の1の時間を占めることから、睡眠時間などを意識して生活リズムを整えることは体調を整える上でとても大事です。寝過ぎて頭が痛くなった場合、はじめは痛み止めを使うなど応急処置をとることも良いと思いますが、生活習慣を見直すことで症状が自然と治っていくことは期待できると思います。症状がなかなか改善しない場合にはお近くの医療機関で相談することも検討してください。

「寝すぎて頭痛がする」で考えられる病気と特徴

「寝すぎて頭痛がする」から医師が考えられる病気は17個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経内科/脳神経外科の病気

心療内科・精神科の病気

整形外科の病気

痛みの原因が寝過ぎただけであれば、しばらくすると頭痛は改善すると思いますが、市販薬を飲むなどしても痛みがよくならない場合には、医療機関への受診も考慮しましょう。

「寝すぎて頭痛がする」と関連のある症状

「寝すぎて頭痛がする」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「寝過ぎて頭痛がする」他に、これらの症状が見られる際は、「片頭痛」「かぜ症候群」「副鼻腔炎」「緊張型頭痛」などの病気の存在が疑われます。
複数の症状がある場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。