「目の奥が痛く頭痛がする」原因とは？治し方についても医師が解説！

目の奥が痛く頭痛がする時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか？Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師：
楯 直晃 医師（リアラクリニック）

「目の奥が痛く頭痛がする」症状で考えられる病気と対処法

「目の奥が痛む」とは一体どのようなもので、どのようなときに痛むのでしょうか。
目の奥が痛む場合は、腰や肩が痛む場合と異なり、痛む位置をはっきりと説明することは難しいかと思われます。また右目の奥だけが痛む、こめかみや目の奥の辺りが痛むなど、痛み方や症状など表現はさまざまです。

目の奥が痛く頭痛がする症状で考えられる原因と治し方

「目の奥の痛み」は、目そのものが原因とは限らず、頭痛が原因となっていることがあります。頭痛は、片頭痛（偏頭痛）や緊張型頭痛、群発頭痛といった一次性頭痛から、くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎などが原因となった二次性頭痛に分けられます。二次性頭痛は一次性頭痛に比べ、割合は少ないものの、場合によっては生命や後遺症に関わることもあります。症状が悪化する場合や頻繁に症状がみられる場合、けいれんや麻痺などの症状が伴う場合などは、内科や救急病院を受診してください。

目の奥が痛く頭痛があり、吐き気を催す症状で考えられる原因と治し方

目の奥が痛くて吐き気の症状がみられる場合、原因のひとつとして急性緑内障発作が挙げられます。急性緑内障を発症した場合、目の激しい痛み、頭痛に加えて吐き気やめまいなどの症状があらわれます。数日で視力低下や視野の欠損、失明などを起こすことがあるため、早急に眼科や救急病院を受診する必要があります。

鼻づまりと目の奥が痛く頭痛がする症状で考えられる原因と治し方

鼻づまりと目の奥の痛み・頭痛は深く関係しています。鼻づまりになる原因は、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などさまざまです。鼻づまりが起きると、必然的に口呼吸に移行しますが、口呼吸は鼻呼吸に比べて、呼吸が浅くなります。そのため脳への酸素が不足し、頭重感・頭痛や肩こり、睡眠不足などの原因になることもあります。
また、副鼻腔の腫れや鼻汁の影響による三叉神経への刺激に伴い、頭痛が起こる場合があります。鼻づまりを解消するには、蒸しタオルで鼻を温めたり、入浴をしたり、レッグウォーマーやネックウォーマーを使って太い血管が通る部位を温めることで血行が良くなり鼻の通りがよくなります。鼻づまりと頭痛で困る場合は耳鼻咽喉科を受診してください。

目の奥が痛く頭痛と肩こりがある症状で考えられる原因と治し方

肩こりは、副鼻腔炎や顎関節症などでも起こりますが、最も多いのは姿勢の悪さからくる肩こりです。デスクワークの方やパソコンを長時間使用される方は、特に注意が必要です。キーボードを叩く際に肩や首などの筋肉はいつも緊張している状態にあるため、それらの筋肉が緊張することにより血流が滞り、疲労物質が肩の筋肉内に溜まることで肩こりが起こりやすくなります。
肩こりの解消法・治し方は、悪い姿勢をとる癖がある場合には、できるだけ姿勢を改善する意識をすることです。また、筋肉量の低下により疲労物質が溜まり、肩こりが起こりやすくなります。運動を習慣化させたり、マッサージやストレッチなどで身体を動かしてみましょう。

右目・左目など片目の奥が痛くて頭痛がする症状で考えられる原因と治し方

右目ないしは左目どちらか一方の目の奥が痛く頭痛がある場合、原因のひとつとして群発頭痛が考えられます。群発頭痛の原因の一つとして、目の奥にある血管が拡張し、周りに炎症を起こすため、痛みを感じると言われています。群発頭痛発作に対して、薬剤以外に自宅ですぐにできる有効な処置は残念ながらありません。従って、対処法として最も大事なことは、事前に頭痛の発症を予防することです。アルコール、喫煙、ニトログリセリン、ヒスタミンなどの物質、薬剤はできるだけ控えるようにしましょう。
また、発作時の対処法のひとつとして、トリプタン製剤の皮下注射が有効と言われているため、発作時は内科や脳神経内科、頭痛外来を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「目の奥が痛く頭痛がする」関連症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

目の奥が痛く頭痛がして目の充血や目やにが多いの場合は、眼科へ

目の奥が痛むといった症状に加えて、充血や目やに増加などの症状がみられる場合、感染性眼内炎が疑われます。これは細菌やウィルスの侵入によるもので、目からの直接感染だけでなく、別の臓器に感染した細菌やウィルスが原因で発症することもあります。中には飛蚊症といって、小さなゴミや虫が動いてみえるといった症状があらわれる方もいます。細菌感染の場合は進行が速いため、放っておくと失明する可能性もあり注意が必要です。早めに眼科を受診するようにしてください。

「目の奥が痛く頭痛がする」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「目の奥が痛く頭痛がする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

眼精疲労

眼精疲労とは、目を酷使し続けたことにより全身に疲労を感じる状態のことをいいます。目を使い続けることで、疲れ目だけでなく頭痛や肩こり、首こりなどの症状がみられます。これらの原因は、長時間によるパソコンやスマートフォン、テレビなどの使用で誘発されやすくなります。ほかにもメガネが合っていないことや、精神的なストレスも原因として考えられます。症状が強く日常生活に支障が出る場合は、内科や眼科を受診しましょう。

閃輝暗点（閃輝性暗点）

閃輝暗点（閃輝性暗点）は、片頭痛（偏頭痛）の症状の一つとして現れることがあります。視界の一部がギザギザした光が見えたあと、目の前が真っ暗になるといった状態が約20～40分程度みられます。閃輝暗点は、両眼同時に起こると同時に、頭がズキズキ痛みといった症状がみられます。閃輝暗点の症状は、大変不快に感じる場合もあり、眼科や脳神経内科、頭痛外来への受診が必要です。

副鼻腔炎

副鼻腔炎は、鼻の穴の奥にある副鼻腔の粘膜に炎症が起こる病気で、細菌やウィルス感染が原因で起こります。症状としては、鼻づまりやドロッとした鼻水が出る、頬・額・鼻周辺の痛み、発熱などもみられます。これらの症状や頭重感、ニオイがしないといった症状が長引く場合、慢性化すると治療に時間がかかることがあるため、早めに耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。

慢性頭痛

慢性頭痛には、緊張型頭痛や片頭痛（偏頭痛）、群発頭痛などの一次性頭痛から、脳腫瘍などの二次性頭痛があります。頭痛の原因は多岐にわたるため、正確に判断・診断し、その方に合った最良の治療を行うことが大切になってきます。高熱や吐き気を伴う頭痛、手足のしびれや動かしにくいといった症状がみられる場合などは、注意が必要です。

「目の奥が痛く頭痛がする」ときに市販薬を使用してもいい？

片頭痛（偏頭痛）などの一次性頭痛の治療は、投薬治療で痛みをコントロールするのが中心です。カロナールやロキソニンなどの市販薬で十分に効果を感じられる場合があります。ステロイドや抗生剤などの目薬は、目の炎症を抑えるはたらきがありますが、使用にあたって適切な診断が必要なので、眼科を受診しましょう。市販薬を服用しているが効果が感じられない、かえって頭痛が悪化する、毎日服用しているといった場合は、一度専門医を受診して相談することをおすすめします。

「目の奥が痛く頭痛がする」ときの正しい対処法は？

目の奥に痛みを感じる場合、まず何よりも目を休ませることが大切です。パソコンやスマートフォンの普及により、長時間目を酷使している方が多くなっています。目の疲れや痛み、かすみや渇き、充血などが起こっていないかセルフチェックするようにしましょう。
また、蒸しタオルで目を温めるなどしてリラックスさせたり、目頭と鼻の骨の間にあるくぼみを「気持ちいい」と感じる程度で、眼球を押さないようにツボ押ししてみるのもいいでしょう。

まとめ

スマートフォンやパソコンなどを日常的に使用する現代では、多くの方が知らず知らずの間に目を酷使しています。目の奥に痛みを感じたら、まずは目を休めてあげましょう。吐き気やしびれなどの別の症状がみられる場合、自己判断せずに早めに病院を受診してください。

「目の奥が痛く頭痛がする」で考えられる病気と特徴

「目の奥が痛く頭痛がする」から医師が考えられる病気は21個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

目や頭に関わる病気だけではなく、耳鼻科の病気など幅広い原因も考えられる症状です。

「目の奥が痛く頭痛がする」と関連のある症状

「目の奥が痛く頭痛がする」と関連している、似ている症状は21個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「目の奥が痛く頭痛がする」の他に、これらの症状が見られる際は、「片頭痛」「群発頭痛」「緊張型頭痛」「副鼻腔炎」「急性緑内障発作」などの病気の存在が疑われます。
複数の症状がある場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。