堀田さん
これまでのお話を聞くと、そもそも紫外線を受けないようにケアすべきだと思うのですが、どうしたら紫外線から肌を守れるのでしょうか?
櫻井先生
日焼け止めの正しい使い方を知っておくと良いでしょう。日焼け止めには、SPFやPAという値がありますが、この値の意味はご存知ですか?
堀田さん
紫外線を防いでくれる値で、数字が高いほど効果があるものですよね。
櫻井先生
さすが。その通りです。ただ、実はそれほどこれらの値にこだわりすぎる必要はないんです。例えばSPF20は、紫外線を20分の1にカットしてくれると考えてください。SPF 50だったら50分の1です。20分の1で5%、50分の1では2%です。つまり両者はたった3%しか変わらないんです。
堀田さん
確かにあまり変わらないですね。ではどのように使えば効果的なのでしょうか?
櫻井先生
本来の効果を発揮するためには、クリームタイプの日焼け止めの場合はパール粒2個分を、ローションタイプの場合は、1円玉2個分を顔全体に塗る必要があります。実際にはかなりの量を塗らないといけないんです。また、汗などで流れますから、2、3時間おきに付け足すことが、とても重要なんです。多くの方は、本来の値が持つ効果を全く発揮できていない塗り方をしているんですね。
堀田さん
日焼け止めのベタベタが苦手なので、何度も塗りなおすのが億劫なのですが、本来の効果を発揮するためには塗り直してケアすることが大事なんですね。他にも普段の生活習慣で取り入れられる対策は何かありますか?
櫻井先生
良い睡眠をとることと、ストレスをできるだけ避けた生活をすること、そして食事でしょう。
堀田さん
まず睡眠について聞かせてください。睡眠が肌に良いのはなぜでしょうか?
櫻井先生
正しいタイミングで良質な睡眠をとると、成長ホルモンが分泌されます。きれいな肌を作るには、成長ホルモンを正しく分泌させる必要があり、そのためには良好な睡眠が必要なんです。
堀田さん
私もなるべく良い睡眠をとれるように、マットレスを変えたり、朝起きたらなるべく朝日を浴びるようにしたりしています。また良く眠れるようにラベンダーのスプレーを使うなど、香りで癒されるようなことも普段から心がけています。
堀田さん
よかったです(笑)。ではストレスや食事についてはいかがでしょうか?
櫻井先生
人がストレスを受けると、体にメラニン色素を作る刺激を与えてしまうホルモンが分泌されることがわかっているので、できるだけストレスを避けて生活をする必要があるんです。また食べ物については、特にビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化作用の高い栄養をとると良いと思います。これらはいわゆる緑黄色野菜や、果物から摂取することができます。また抗酸化アプローチといって、体の中でビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどと抗酸化ネットワークを作っているコエンザイムQ10、α (アルファ) -リポ酸、グルタチオンなども摂れると良いですね。ただし、これらを食べ物だけで摂ろうとするとかなり難しいので、サプリメントを併用してもよいかもしれません。
堀田さん
私は食べることが大好きなので、色々な野菜、お肉や魚をバランス良く食べようと心掛けています。でもどうしても偏ってしまうことがあるのですが、食べ物から摂りづらいもので、サプリメントで補った方が良いものってありますか?
櫻井先生
ビタミンCなどは不足しがちなので、サプリメントを上手に使うのも一つの手なのかなと思います。
堀田さん
ビタミンCのサプリメントって大事なのですね。いまは美味しく飲めるサプリメントとか、グミのようなタイプのものもあるので、今後はビタミンCを摂り入れるようにしてみます。
櫻井先生
睡眠や食事以外のことで、スキンケアをされていることはありますか?
堀田さん
私は、スチーマーが大好きで、メイクを落とすときも、スチーマーをしながらクリームクレンジングをしたり、お風呂から上がったあとにもスチーマーをしてから、化粧水、乳液、美容液をつけるようにしています。ただ、ベタベタとつけすぎると、肌を甘やかしちゃう気がするので、シンプルなスキンケアにするように心がけています。これって合っていますか?
櫻井先生
シンプルなスキンケアは非常にいいと思います。スキンケアをやりすぎると、肌に負担をかけて、肌のバリア機能を壊してしまうことにつながります。スチーマーは、週1回から2回程度に留めた方がいいでしょう。やりすぎによって、かえって肌が乾燥してしまうんです。
堀田さん
そうなのですね! ちなみに朝と晩のどちらがいいのでしょうか?
堀田さん
スチーマーは、やりすぎると毛穴が開いてくるような気もしているのですが、毛穴が開くのも乾燥が原因だったりするのですか?
櫻井先生
そうですね。あとバリア機能を壊されてくると毛穴が当然開いてきます。
堀田さん
なるほど! やりすぎないように気をつけないとですね。色んなセルフケアがありますが、逆効果なことや、やりがちなNGケアは何かありますか?
櫻井先生
特にニキビに悩む人は、洗顔が良いと思って洗いすぎてしまう人がいます。確かに脂性肌の人だと1日2回くらい洗顔料で洗うのはいいんですけど、3、4回とやっていくと、肌の表面の保護に必要なバリア機能が損なわれていきますので、かえって逆効果になります。また保湿のしすぎにも注意が必要です。なぜか保湿がニキビに対して効果があると思い込んでいる人が多い印象です。あとは擦りすぎですね。特に頬骨などが慢性的に摩擦を受けて肝斑や、くすみの原因になってくることがあるので注意しないといけません。
堀田さん
ということは、ローラーとかで顔を擦るのも、肌には良くないのですね。
櫻井先生
美顔器ごとの推奨されている使い方でいいと思います。適切な圧でやれば良いのですが、効果を高めようとしてとゴリゴリ使ってしまうのはかえって良くないと思います。
堀田さん
では、オイルなどで摩擦を減らすことはいいのでしょうか。
櫻井先生
オイル自体で摩擦を減らせても、それもふき取るときに擦りすぎちゃうとよくないので、できる限り、摩擦を与えないことが大切だと思います。
堀田さん
なるほど。ありがとうございます。では、アラサー女子の肌悩みに合わせたスキンケアグッズの選び方について教えていただけますか? まずは、たるみ、毛穴が気になる人に向けたスキンケアグッズの選び方で、意識した方がいいことありますか?
櫻井先生
おすすめなのは、レチノールとかビタミンC、つまりコラーゲンを作ってくれる成分が含まれるものを使うといいでしょう。これらの成分は、小ジワにも効いてくれます。他にもナイアシンアミド、ニールワンなど、最近は良い成分が出ています。
堀田さん
続いて、乾燥が気になる人に向けておすすめのスキンケアグッズはありますか? ちなみに私も乾燥肌なので気になります。
櫻井先生
やはり保湿力の高いヒアルロン酸、セラミドなどでしょうか。セラミドはもともと皮膚に含まれる物質ですから、より生理的ですので、この辺を活用していただくといいでしょう。
堀田さん
続いて皮脂が気になる人に向けたスキンケアはいかがでしょうか?
櫻井先生
保湿をし過ぎない。油分を与えすぎない、ということが大切になってきます。レチノールも皮脂の分泌を抑制する効果があるので、オイリースキンの人はレチノールを試してみてもいいかなと思いますね。あとは皮脂を吸着してくれる硫黄や、カオリンなどのクレイ配合のものがおすすめです。
堀田さん
やはり、それぞれ、悩みによってアプローチの仕方が全然違いますね。なんでもかんでも良いって聞いたから試すのではなく、自分の肌の状況を知った上で合ったものを選ぶというのが一番大事ということですよね。