「アスパラガス」の鮮度を保つ”保存方法”はご存じですか?注意点も管理栄養士が解説!

アスパラガスの保存方法は?メディカルドック監修管理栄養士が栄養素・健康効果・食べる時の注意点について解説します。

監修管理栄養士:
中島 三容子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
アスパラガスとは?

アスパラガスは、ヨーロッパ南部からロシア南部にかけて広く自生していた野生種をもとに栽培されるキジカクシ科の茎菜類で、日本へは明治時代に北海道へ導入されました。一般に見られるグリーンアスパラガスと、土をかぶせて日光を遮り育てるホワイトアスパラガスがあり、両者の違いは品種ではなく栽培方法によるものです。ホワイトアスパラガスはかつては缶詰用として利用されることが多くありましたが、現在では生鮮食品として一般調理にも用いられています。ただし、鮮度の低下が早いため、収穫後はできるだけ早く調理や加工が行われるのが特徴です。アスパラガスは日本では主に4月〜6月に収穫されますが、国産のほか輸入品も1年を通して流通しており、季節による成分の変動は比較的少ないとされています。
アスパラガスの保存方法

保存準備
アスパラガスは保存する前に根元を1cmほど切り落とすと、乾いた切り口が新しくなり、水分を吸いやすくなります。これにより、しなびを防ぎやすくなります。さらにコップなどに少量の水を入れて立てると、水揚げ効果で鮮度が保たれやすくなり、保存中の状態が良くなるとされています。
冷蔵保存
アスパラガスは横に寝かせると穂先が曲がりやすいため、穂先を上にして立てて保存します。根元を湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室に入れるのが基本です。この方法で約3〜7日程度の保存が目安とされていますが、なるべく早めに使い切ることをおすすめします。
冷凍保存
すぐに使い切れない場合には冷凍保存も可能です。かために下ゆでをしてから水気を切り、使いやすい長さに切って保存袋へ入れて冷凍します。解凍せずにそのまま調理できるため便利です。保存期間は約1か月が目安で、炒め物やスープなどに手軽に活用できます。
アスパラガスの保存期間

アスパラガスは鮮度が落ちやすいため、保存期間の目安は冷蔵で約3〜7日程度です。穂先を上にして立てて保存し、水分を保つ工夫をすることで食感や風味を保ちやすくなります。すぐに使い切れない場合は、下ゆでして冷凍することで約1か月保存可能です。いずれの保存方法でも時間の経過とともに品質は徐々に低下するため、できるだけ早めに使い切ることが大切です。
アスパラガスに含まれる栄養素

各栄養素の含有量は、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を参照しています。
アスパラギン酸
アスパラガス(生)100gあたり、アスパラギン酸は440㎎含まれています。アスパラギン酸はアスパラガスから発見されたことが名前の由来とされる酸性アミノ酸です。ヒトの体内では、たんぱく質の合成に利用されるほか、糖新生の材料となりエネルギーの生成に利用されます。また、体の中で遺伝情報を担うDNAやRNAといった「核酸」をつくる材料の一部にも関わっています。核酸は細胞の増殖や修復に欠かせない成分であり、その構成要素となるプリン塩基やピリミジン塩基といった物質の合成に、アスパラギン酸が利用されるとされています。
葉酸
アスパラガス(生)100gあたり、葉酸は190μg含まれています。葉酸は、水溶性ビタミンの一種で、赤血球の形成を助ける栄養素です。また、補酵素として核酸の合成やアミノ酸の代謝に関与しています。特に、妊娠前からと妊娠中期以降も積極的な摂取を推奨される栄養素です。
β-カロテン
アスパラガス(生)100gあたり、β-カロテン当量として380μg含まれています。植物性食品に含まれる脂溶性のカロテノイド系色素であるβ-カロテンは、プロビタミンAとして体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは、夜間の視力の維持を助けたり、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
食物繊維
アスパラガス(生)100gあたり、食物繊維は1.8g含まれています。そのうちの1.4gが不溶性食物繊維で、水溶性食物繊維よりも多く含まれています。食物繊維は、人の消化酵素の作用を受けずに小腸を通過して大腸まで達する成分です。不溶性食物繊維は水に溶けにくく保水性を持ち、腸内の通過を促す役割が強いとされています。
ルチン
アスパラガスにはフラボノイド系ポリフェノールの一種であるルチンが含まれており、特に穂先部分に多く蓄積されているのが特徴です。ルチンは毛細血管を丈夫に保ち、血流の維持や巡りに関わる働きがあるとされ、一般的には血管の健康維持や生活習慣病対策に関与する成分として知られています。ただし水溶性のルチンはゆで調理では流出しやすいため、効率よく摂取するには炒めるなどの調理法も有効です。
アスパラガスの健康効果

疲労回復をサポート
アスパラガスに含まれるアスパラギン酸は、体内でエネルギー産生に関わるアミノ酸の一つです。糖新生の材料として利用されるほか、代謝の流れの中で重要な役割を担っています。日常的に体を動かす人や、食生活からコンディションを整えたい方にとって、こうした成分を含む食品を取り入れることは、無理のない栄養補給の一つといえます。日々の食事の中で継続的に取り入れることがポイントです。
皮膚や粘膜の健康維持
アスパラガスに含まれるβ-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるプロビタミンAです。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持に関与し、外部環境から体を守る働きを支える栄養素として知られています。脂溶性のため、油を使った調理と組み合わせることで効率よく摂取できます。日々の食事に取り入れることで、基礎的な栄養バランスを整える一助となります。
おなかの調子を整える
アスパラガスには食物繊維が含まれており、特に不溶性食物繊維が多いのが特徴です。不溶性食物繊維には便量を増やして腸の通過時間短縮を促す働きがあり、おなかの調子を整えることに役立つとされています。日本人の食事摂取基準2025年版では、成人の目標量(生活習慣病の発症予防を目的とした摂取量)を、食物繊維総量で男性20〜22g/日以上、女性18g/日以上としています。
アスパラガスを食べる時の注意点

鮮度が落ちたものは避ける
アスパラガスは収穫後の鮮度低下が早く、時間が経つと水分が抜けて筋っぽくなり、風味も落ちてしまいます。穂先が開いているものや、切り口が乾燥しているものは鮮度が落ちているサインです。購入後はなるべく早く使い、保存する場合も適切な方法で管理することが、おいしく食べるためのポイントです。
根元のかたい部分は下処理する
アスパラガスの根元は繊維が多く、そのまま調理するとかたくて食べにくいことがあります。調理前に根元を少し切り落とし、必要に応じて皮を薄くむくと、口当たりがよくなります。下処理を丁寧に行うことで、全体を無駄なくおいしく食べることができ、料理の仕上がりも良くなります。
食べすぎに注意する
アスパラガスに含まれる不溶性食物繊維はおなかの調子を整えるのに役立ちますが、過剰に摂取すると胃腸に負担をかけることがあります。特に胃腸の弱い方や、消化機能が低下している時に大量に食べると、体調によっては腹痛や下痢などの不調を感じることがあります。症状は一過性で胃腸を休めることで治まることがほとんどですが、1週間以上長引く場合は消化器内科の受診をお勧めします。
「アスパラガスの保存方法」についてよくある質問

ここまでアスパラガスについて紹介しました。ここでは「アスパラガスの保存方法」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
アスパラガスの鮮度を保つ保存方法と、日持ちの目安を教えてください。
中島 三容子
穂先を上にして立てて冷蔵保存し、約3〜7日を目安に早めに使い切りましょう。冷凍なら約1か月保存可能です。
アスパラガスは鮮度が落ちやすいため、保存方法の工夫が大切です。保存前に根元を1cmほど切り落とすと水分を吸いやすくなり、しなびにくくなります。冷蔵する場合は、穂先を上にして立て、根元を湿らせたキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、野菜室で保存します。保存期間の目安は約3〜7日程度ですが、なるべく早めに使い切るのがおすすめです。すぐに使わない場合は、かために下ゆでして冷凍すると約1か月保存でき、解凍せずそのまま調理に使えます。
編集部まとめ
アスパラガスは、日本では春から初夏にかけて旬を迎える、やわらかい穂先とシャキッとした食感が特徴の野菜です。アスパラギン酸や葉酸、β-カロテン、食物繊維など、さまざまな栄養素を含み、それらの健康効果も期待されます。ただし、健康維持のためには特定の食品だけを食べるのではなく、さまざまな食材を組み合わせてバランスのよい食事を心がけることが大切です。アスパラガスの特徴や保存方法を知り、日々の食事の中で上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
「アスパラガス」と関連する病気
「アスパラガス」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
循環器系の病気
消化器系の病気
- 便秘症
「アスパラガス」と関連する症状
「アスパラガス」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
参考文献




