「玉ねぎの栄養」は生と煮るのどっちが効率的?目的別のベストな食べ方を管理栄養士が解説!

本記事では、玉ねぎの持つ驚きの健康効果や、生や加熱といった調理のコツ、一日の摂取目安量について、メディカルドック監修の管理栄養士が詳しく解説します。

監修管理栄養士:
落合 晴美(管理栄養士)
目次 -INDEX-
玉ねぎとは?

玉ねぎの基本的な特徴について
玉ねぎは、ヒガンバナ科ネギ属に属する野菜で、地中にできる鱗茎(りんけい)と呼ばれる部分を食べます。玉ねぎには、辛味や香りのもととなる硫黄化合物(硫化アリル類)が含まれており、これが玉ねぎ特有の風味を生み出しています。さらに、ケルセチンやオリゴ糖、食物繊維、カリウムなどの健康を支える働きのある成分が含まれていることが知られています。生・炒める・煮るなど、さまざまな調理法に適しており、世界中の料理で広く利用されている身近な食材です。
新玉ねぎや紫玉ねぎとの違いは?
一般的な玉ねぎは収穫後に乾燥させて保存性を高めたもので、日持ちがよく一年を通して流通しています。一方、新玉ねぎは収穫後すぐに出荷されるため、水分が多くみずみずしいのが特徴です。辛味が弱く甘みを感じやすいため、サラダなど生食に向いています。また、紫玉ねぎは外皮や中身が紫色をしており、ポリフェノールの一種であるアントシアニンを含んでいます。彩りがよいため、サラダやマリネなどに使われることが多いです。
玉ねぎに含まれる栄養素

カリウム
玉ねぎ(生)100gあたり約150mgのカリウムが含まれています。 カリウムは、体内の余分なナトリウムの排出を助け、血圧や水分バランスの調整に関わるミネラルです。水溶性のため、ゆでると流出しやすいですが、熱そのものには比較的安定しています。塩分を摂りすぎる傾向にある食生活では、積極的に摂り入れたい栄養素です。
食物繊維
玉ねぎ(生)100gあたり約1.5gの食物繊維が含まれています。 食物繊維は、腸内環境を整える働きがあることが知られており、健康的な食生活を支える大切な成分です。また、食後の血糖値の上昇をゆるやかにする作用があると言われており、生活習慣の管理にも役立つ成分として注目されています。
玉ねぎは、水溶性・不溶性両方を含み、加熱しても大きく減少しないため、炒め物や煮込み料理でもしっかり摂取できます。
ビタミンB6
玉ねぎ(生)100gあたり約0.14mgのビタミンB6が含まれています。 ビタミンB6は、たんぱく質の代謝や神経伝達物質の合成、赤血球の形成に関わる栄養素です。水溶性で水に溶け出しやすいため、ゆで調理では流出しやすい特徴があります。短時間の炒め物などであれば、栄養素の減少を比較的抑えることができます。
葉酸
玉ねぎ(生)100gあたり約15µgの葉酸が含まれています。 葉酸は、細胞の分裂や成長、赤血球の生成、DNAの合成に欠かせないビタミンB群の一種です。水溶性で熱に弱く、ゆでたり長時間加熱すると失われやすいので、調理方法に工夫が必要です。
ビタミンC
玉ねぎ(生)100gあたり約7mgのビタミンCが含まれています。 ビタミンCは抗酸化作用をもち、コラーゲンの生成にも関わるため、皮膚や血管の健康維持に重要です。水溶性で熱や水に弱いため、できるだけ生で食べるか、短時間の加熱で調理することが望ましいです。
新玉ねぎに含まれる栄養素は?

基本的な栄養素は、通常の玉ねぎと大きく変わりませんが、通常の玉ねぎに比べると水分を多く含むのが新玉ねぎの特徴です。そのため、同じ重さで比べると、通常の玉ねぎより栄養素の濃度はやや低めになる傾向があります。玉ねぎの辛味のもとである硫黄化合物も、新玉ねぎの方が比較的少ない傾向があり、そのため、辛味が弱く甘みを感じやすいのも特徴です。やわらかく水分が多いため、サラダやマリネなど生食で食べやすいというメリットがありますが、加熱するとやや水っぽくなりやすい特徴もあります。
紫玉ねぎに含まれる栄養素は?

基本的な栄養素は、通常の玉ねぎと大きく変わりませんが、紫玉ねぎの紫色は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンによるものです。アントシアニンは抗酸化作用をもつ成分で、植物の色素として知られており、通常の玉ねぎにはほとんど含まれていない成分です。通常の玉ねぎに比べて辛味がやや穏やかなものが多く、生食しやすいのが特徴です。彩りも鮮やかなため、サラダやマリネなどに使うと見た目も美しくなります。
玉ねぎを調理すると栄養はどうなる?

玉ねぎは生でも加熱でも食べられ、調理方法によって味わいや栄養成分の特徴が異なる野菜です。
水にさらした生玉ねぎは?
玉ねぎに含まれる硫黄化合物は加熱や時間の経過によって減少しやすいため、生食すると比較的保たれやすいとされています。生の刺激が苦手な場合には、水にさらすと刺激が弱まり食べやすくなります。辛味成分である硫黄化合物が、水に溶けやすく刺激がやわらぐためです。しかしその一方で、カリウムやオリゴ糖の一部なども水に溶けやすく、長く水にさらすほど減りやすくなります。そのため、栄養成分の流出を抑えながら辛味をやわらげるには、水にさらす時間を数分程度にする、繊維を断ち切るように薄くスライスするなどの方法がおすすめです。また、玉ねぎの辛味は、切ったあとしばらく空気にさらすことで揮発しやすくなるため、水にさらさなくてもある程度やわらげることができます。なお、ポリフェノールの一種であるケルセチンは比較的水に溶けにくく、短時間の水さらしでは大きく減りにくいとされています。
加熱すると玉ねぎの栄養はどうなる?
玉ねぎは加熱すると、辛味成分の硫黄化合物が変化して刺激が弱まることで甘くなります。そのため食べやすくなるうえ、かさが減るため、生よりも量を食べやすくなります。またポリフェノールの一種であるケルセチンやオリゴ糖は比較的熱に強いので、スープなど煮汁ごと食べる料理にすると、水溶性の栄養成分も合わせて無駄なく摂り入れやすくなります。
玉ねぎの健康効果

血流の維持をサポートする
玉ねぎには、硫黄化合物が含まれています。硫黄化合物は、血液の流れをサポートする働きがあるといわれています。これらの成分は玉ねぎ特有の香りや辛味のもとでもあり、健康維持に役立つ成分として注目されています。
抗酸化作用がある
玉ねぎには、ポリフェノールの一種であるケルセチンが含まれています。ケルセチンは抗酸化作用をもち、体内で発生する活性酸素から体を守る働きがあるとされています。
玉ねぎでは、外側の層に多く含まれるのが特徴です。
腸内環境をサポートする
玉ねぎには食物繊維が含まれており、腸内環境を整える働きが期待されています。また、玉ねぎに含まれるオリゴ糖は腸内細菌のエサとなり、腸内環境をサポートすることが知られています。
玉ねぎを食べる時の注意点

胃腸への負担
玉ねぎに含まれる硫黄化合物は刺激が強く、摂りすぎると胃もたれ・胃の痛み・胸やけなど、胃や腸に不快な症状を引き起こすことがあります。特に生の玉ねぎは加熱したものより刺激が強いとされています。そのため、生で食べる場合は、中玉の4分の1(約50g)程度を目安に、体調に合わせて量を調整するとよいでしょう。また、玉ねぎに含まれる食物繊維やオリゴ糖は腸内で発酵しやすく、摂りすぎるとお腹の張りやガスの増加、下痢などの原因になることもあります。体に良いとされるものでも、適量を意識することが大切です。
アレルギー
稀に玉ねぎに対してアレルギー反応を起こす人がいます。食べたあとに口の中のかゆみ、じんましん、腹痛、吐き気などの症状が出る場合があります。アレルギーの原因物質は加熱調理によって構造が変化し、加熱調理したものや加工品であれば症状が出ない場合もあり、アレルギー反応には個人差があります。気になる症状がある場合には、医療機関を受診するのが大切です。
薬との相性
玉ねぎに含まれる硫黄化合物やケルセチンには、血液の流れや血圧、血糖値などに関係する働きが研究されています。そのため、抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)や血圧の薬、血糖値を下げる薬などを服用している場合は、大量摂取に注意が必要です。通常の食事量で問題になることはほとんどありませんが、気になる場合は医師や薬剤師に相談すると安心です。
玉ねぎの栄養素を効率的に摂取する方法

生で食べる
玉ねぎに含まれる硫黄化合物は、切ることで酵素反応が起こり、辛味や刺激のもととなる成分に変化します。これらの成分は加熱すると減少しやすいため、生食することで比較的保ちやすくなります。スライスしてサラダやマリネなどにすると、風味とともに加熱に弱い栄養素も摂り入れやすくなります。
炒めて食べる
玉ねぎに含まれるポリフェノールの一種ケルセチンは、比較的熱に強い成分です。また、ケルセチンは油と一緒に摂ることで吸収率が高まる可能性があるといわれています。炒め物やソテーにすることで、ケルセチンを効率よく摂ることができます。
煮て食べる
玉ねぎにはカリウムなどの水溶性の栄養素も含まれています。これらは水に溶け出しやすい性質がありますが、スープや煮込み料理のように汁ごと食べる料理であれば、溶け出した栄養素も無駄なく摂ることができます。加熱することで甘みも増し、食べやすくなるのも特徴です。
玉ねぎの保存方法や期間

常温保存
玉ねぎは、常温保存に適した野菜です。
湿気に弱いため、風通しがよく直射日光の当たらない場所で保存します。新聞紙やペーパータオルなどで包み、ネットやかごに入れて吊るして保存するのもおすすめです。
冷蔵・冷凍保存
玉ねぎは、高温多湿に弱い野菜です。
湿度の高い梅雨の時期や気温の高い夏場は、冷蔵庫での保存がおすすめです。新聞紙などで包み、ポリ袋に入れることで湿気対策になります。保存中に包み紙が湿ってきたら、取り替えるようにしましょう。
使いかけの玉ねぎは、しっかりとラップで包み、2〜3日を目安に早めに使い切りましょう。
玉ねぎは、冷凍保存も可能です。使いやすい大きさに切り、保存袋に入れて空気を抜き、平らにして冷凍します。冷凍すると細胞壁が壊れやすくなり、味が染み込みやすくなるため、加熱料理に向いています。
「玉ねぎの栄養」についてよくある質問

ここまで玉ねぎについて紹介しました。ここでは「玉ねぎの栄養」についてよくある質問に、メディカルドック監修栄養士がお答えします。
玉ねぎに含まれる栄養と健康効果を教えてください
落合 晴美
玉ねぎには、カリウムや食物繊維などの栄養素に加え、硫黄化合物(硫化アリル類)やケルセチン、オリゴ糖などの成分が含まれており、血流のサポートや抗酸化作用、腸内環境の改善など、健康維持に役立つ働きが期待されています。
まとめ
玉ねぎは、さまざまな料理に使いやすい身近な野菜です。調理方法によって風味や食べやすさが変わらいため、生食や加熱料理など、料理に合わせて取り入れることができます。日々の食事に上手に取り入れ、ほかの食材と組み合わせながら、バランスのよい食生活を心がけましょう。
「玉ねぎ」と関連する病気
「玉ねぎ」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
「玉ねぎ」と関連する症状
「玉ねぎ」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。



