目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「左胸がチクチク痛む」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「左胸がチクチク痛む」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2025/01/07

左胸が痛くチクチクする時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「左胸がチクチク痛む」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

藤井 弘敦

監修医師
藤井 弘敦(医師)

プロフィールをもっと見る
三重大学医学部卒業。沖縄県立中部病院で初期研修、河北総合病院で外科研修を経て現在は菊名記念病院で心臓血管外科医として日々手術・重症者管理を行っている。医療用アプリの開発や在宅診療、海外で医療ボランティアを行うなど幅広く活動している。外科専門医、腹部ステントグラフト実施医/指導医、胸部ステントグラフト実施医、米国心臓病学会ACLSプロバイダー、日本救急医学会JATECプロバイダーの資格を有する。

「左胸が痛くチクチクする」症状で考えられる病気と対処法

私たちの心臓は真ん中よりも少し左側に位置しています。胸の左側に痛みを感じるとき、心臓に何か病気があるのかと思ったりしませんか?多くは心臓とは関係がない病気のことが多いのですが、痛みが強くなってきたり、冷や汗が出てくるような胸の痛みは重大な病気の可能性があります。医師の診断では、胸の痛みの場所や痛みの種類、持続時間、痛み以外の他の症状などの情報が大切になってきます。
今回は左胸がチクチクするとき、どんな病気が考えられるのか、どうしたらいいのか、緊急性があるのかなど、みなさんが知りたいことを解説いたします。

左胸が痛くチクチクする症状で考えられる原因と対処法

左胸がチクチク痛むとき、内側ではなく表面的な痛みであるときに考えられる病気は、帯状疱疹肋間神経痛、心臓神経症などがあります。
深呼吸やリラックスすることで改善すれば心臓神経症の可能性がありますが、痛む場所の皮膚に赤いぶつぶつができていたり、締め付けられるような痛みや冷や汗を伴うような痛みがあれば狭心症や心筋梗塞の可能性があるので、すぐに内科、循環器内科、救急科を受診しましょう。

たまに左胸が痛くチクチクする症状で考えられる原因と対処法

たまに左胸が痛くチクチクするときに考えられるのは、心臓神経症や肋間神経痛、帯状疱疹です。チクチクの他にズキズキするとか「刺すような痛み」と表現される患者さんもいます。
また運動後に左胸下が痛むという場合は狭心症を疑います。
痛みの続く時間が数秒であり、痛む場所の皮膚に何もできものができていなければ心臓神経痛などストレスや不安が原因で起こっている症状の可能性がありますが、痛みの頻度が多い、徐々に痛みが強くなってきていることがあれば、心臓の病気がないかなどの確認も必要であるため、一度内科、循環器内科を受診するのがよいでしょう。

女性で左胸が痛くチクチクする症状で考えられる原因と対処法

女性で左胸が痛くチクチクする症状をきたすのは乳房痛、乳腺症、乳腺炎、胸痛症候群などがあります。
生理周期に合わせて痛みが変化する場合は、生理的な反応であるため病気ではありません。しかし、生理周期とは無関係に痛みが続く場合や、赤く腫れていたり、乳房全体ではなく、部分的にゴツゴツとしたしこりがある場合には、婦人科、産婦人科、乳腺外科を受診しましょう。

男性で左胸が痛くチクチクする症状で考えられる原因と対処法

男性で左胸が痛くチクチクするときは、帯状疱疹、肋間神経痛、心臓神経症などが考えられます。また女性化乳房といって、男性でも乳腺が発達してそれを痛みとして感じることがあります。普段飲んでいる薬や、肝臓の病気などで女性ホルモンが分解できないことが原因です。
痛みが続く場合や乳房が大きくなっていると感じたときは内科や薬を処方してもらっているかかりつけの病院を受診しましょう。

ストレスで左胸が痛くチクチクする症状で考えられる原因と対処法

ストレスで左胸が痛くチクチクするときは肋間神経痛や心臓神経症が考えられます。
原因を特定できないことも多いのですが仕事や睡眠不足、季節の変わり目など何らかのストレスが原因になっている可能性があります。ストレスが原因かもと思った場合、それを取り除くことができれば理想ですが、なかなか難しいかもしれません。入浴やマッサージ、ストレッチやアロマを焚いたり、ホットアイマスクを使用してみるなど、少し環境を変えてみるのも一つの手です。ただし、胸の痛みの原因が他にないかを調べることは重要なので、痛みが続く場合は内科などを受診しましょう。

左胸が痛くチクチクして、息苦しい症状で考えられる原因と対処法

左胸がチクチクして息苦しい症状があるときは、狭心症など心臓の病気が考えられます。心臓の病気の場合、多くは締め付けられるような痛み、押さえつけられる痛み、もやもやとした違和感を感じるといった表現が多いのですが、チクチクと感じられる場合もあります。
息苦しいと感じる場合は、緊急を要する心臓の病気の可能性がありますので、早急に内科、循環器内科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「左胸が痛くチクチクする」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

左胸に締め付けられるような痛みがある場合は、内科、循環器科へ

左胸全体が押さえつけられるような痛みや締め付けられるような痛みや、もやもやとした違和感を感じる場合は狭心症や心筋梗塞、不整脈の可能性があります。
特に冷や汗をかくような強い胸の痛みが15分以上続く場合には狭心症や心筋梗塞の可能性が高いです。心筋梗塞を放置しておくと突然死の危険性があるため、このような胸の痛みを自覚する場合は必ず内科、循環器内科を受診しましょう。

「左胸が痛くチクチクする」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「左胸が痛くチクチクする」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

息を吸うと左胸がチクチク痛むのは何科にかかるべきですか?

藤井 弘敦 医師藤井 弘敦 医師

息を吸うと左胸が痛む時に考えられる病気は、胸膜炎、肋軟骨炎、自然気胸、肋間神経痛、などが考えられます。
まずは内科を受診し、診断によって他の診療科への紹介状を書いてもらいましょう。

たまに左胸下がチクチクと痛みます。治療方法を教えてください。

藤井 弘敦 医師藤井 弘敦 医師

たまに左胸下がチクチク痛む時に考えられるのは心臓神経症や肋間神経痛、帯状疱疹です。また運動後に左胸下が痛むという場合は狭心症を疑います。
痛みの続く時間が数秒であり、その痛む場所の皮膚に何もできものができていなければ、ストレスや不安が原因でおこる心臓神経症などの可能性があります。しかし痛みの頻度が多い、徐々に悪くなってきていることがあれば、心臓の病気が隠れていないかなどの確認も必要であるため、一度内科、循環器内科を受診するのがよいでしょう。

左胸が痛くチクチクする症状の予防法を教えて下さい。

藤井 弘敦 医師藤井 弘敦 医師

心臓神経痛が原因の場合、ストレスや不安を除去することが症状の改善につながることがあります。リラックスできる環境を整える、入浴、マッサージ、ストレッチをする、また可能であればストレスを減らすことが予防法の一つになります。

妊娠中の女性が、左胸が痛くチクチクする場合、何かの病気でしょうか?

藤井 弘敦 医師藤井 弘敦 医師

妊娠により女性ホルモンのエストロゲンが増加し、乳腺が発達します。その過程で、乳房の張りを「チクチクする」と感じることがあります。妊娠による生理的な反応なので、病気ではありません。しかし、痛みが日に日に強くなる、腫れてきた、乳房全体ではなく局所的なしこりがある場合は乳腺炎や乳がんの可能性があるため、気になる場合はかかりつけの産婦人科に相談してみましょう。

まとめ

「左胸が痛くチクチクする」ときに考えられる多くは心臓の病気ではありません。しかし、締め付けられるような胸の痛みや押さえつけられる痛み、もやもやとした違和感を感じる場合は、緊急を要する心臓の病気の可能性があります。また痛む場所の皮膚にぶつぶつや水ぶくれがあるときは帯状疱疹の可能性があります。
症状が続く場合や、日に日に悪化する場合、ズキズキして締め付けられるような痛みを感じるときなどは早めに内科など病院を受診しましょう。

「左胸が痛くチクチクする」で考えられる病気と特徴

「左胸が痛くチクチクする」から医師が考えられる病気は14個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

産婦人科の病気

胸の症状はさまざまな臓器の病気によるものが考えられますが、その中でチクチクするような胸痛であれば、多くの場合は心血管系の病気ではありません。

「左胸が痛くチクチクする」と関連のある症状

「左胸が痛くチクチクする」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「左胸が痛くチクチクする」他に、これらの症状が見られる際は、「乳腺炎」「心臓神経症」「帯状疱疹」「狭心症」などの病気の存在が疑われます。
複数の症状がある場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師