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「顔色が悪い・悪くなる」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

顔色が悪い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

マイマイテイリ イマム

監修医師
マイマイテイリ イマム(新宿アイランド内科クリニック 院長)

プロフィールをもっと見る
医師、医学博士。2009年新疆医科大学を卒業し、中国医師免許取得。2014年10月に血液悪性腫瘍の研究を志して、神戸大学大学院に入学。2019年3月に医学博士号と日本医師免許を取得。赤穂市民病院、亀田総合病院などを歴任後、2022年2月新宿アイランド内科クリニック院長に就任。内科全般の疾患を幅広く診療している。

「顔色が悪い」症状で考えられる病気と対処法

顔色が悪い方の多くは、家族や友人など他者から指摘されて初めて変化に気づきます。今回は顔色が悪いと言われた時、どのような病気が考えられるのか解説していきましょう。

顔色が悪くて吐き気がする症状で考えられる原因と対処法

一口で顔色が悪いといっても、顔の血の気がなく青白いのか、黄色っぽいのかなどによって、考えられる病気は変わります。
血の気がなく、吐き気やめまい、ふらつきなどがある場合には貧血が隠れている可能性があります。頭痛や立ちくらみなどを感じることもありますし、疲れやすいなどの症状もでることがあります。
貧血になるにも原因がいくつもありますが、女性の場合には月経もあるため貧血になりやすいと言われています。子宮内膜症子宮筋腫などの月経量が増える婦人科疾患が背景にある場合にはさらに貧血になりやすくなります。
男性でも胃炎や胃潰瘍などがあり胃から出血している場合には、貧血になります。胃炎や胃潰瘍により吐き気や腹痛を起こすこともあります。
貧血がある場合には、まずは原因となる病気を見つけることが重要です。自己判断せずに、貧血が疑われる症状がある場合には内科や産婦人科を受診しましょう。
ふらつき、立ちくらみがあってきつい場合には、症状がある時には横になったりして体を休めましょう。貧血がひどいと心臓への負担も増して、心不全を起こしてしまう場合があります。貧血症状がある場合には、できるだけ早く病院に行きましょう。

顔色が悪くて頭痛がある症状で考えられる原因と対処法

貧血により顔色が青白くなっている場合には、貧血により頭痛を起こすことがあります。貧血の原因はさまざまですが、貧血の治療だけではなく原因疾患の診断・治療も必須です。貧血症状による顔色不良と頭痛がある場合には、すぐに内科を受診しましょう。

顔色が悪くて腹痛がする症状で考えられる原因と対処法

胃炎や胃潰瘍からの出血で貧血がある場合、腹痛と顔色が悪いという症状が出ることがあります。軽い胃炎の場合には市販の胃薬でも対処できますが、胃炎と胃潰瘍の診断はなかなか自己判断では難しいものです。胃潰瘍は放置すると胃穿孔(胃に穴があいてしまう)を起こし、緊急処置が必要になってしまうこともあります。強い痛みや、貧血症状がある場合にはすぐに内科や消化器内科を受診しましょう。胃潰瘍からの出血が多い場合、吐血することもあります。その場合には緊急性が高く救急受診が必要です。

生理中や妊娠中、産後に顔色が悪い症状で考えられる原因と対処法

女性は生理があるため、貧血になりやすい状態です。経血が多くなるような子宮内膜症や子宮筋腫などが背景にある場合もあります。
また、妊娠中は赤ちゃんを育むための胎盤への血流が増えるため、体の血を作る機能が亢進しています。血を作るには血のものになる鉄が必要ですが、妊娠中に食事やサプリメントで十分な鉄を補給できない場合には鉄欠乏性貧血になってしまいます。
まずは、鉄分豊富なレバーや赤身肉、イワシや鰹などの魚、大豆やひじきなどを積極的に摂取しましょう。それでも鉄不足の場合には、妊婦健診などでご相談ください。医薬品の鉄剤などで治療が必要になることがあります。

子どもで顔色が悪い症状で考えられる主な原因と対処法

子どもは鉄欠乏性貧血が起こりやすく、貧血があると顔色不良に加えて、食欲不振や少しの刺激で怒りやすい、注意力低下などの精神神経症状が起こることがあります。食事からの鉄分不足や成長による鉄の需要が食事などからの供給を上回ることが原因になります。
年齢別に鉄の必要量は異なるため、その量を補充するためのバランスの取れた食事を取りましょう。赤み肉や魚、レバーなどに多く含まれるヘム鉄は、野菜などのビタミンCと一緒に摂取すると、吸収が良いことがわかっています。食事の改善でも貧血の改善が乏しい場合には、医薬品の鉄剤を投与します。
子どもの鉄欠乏性貧血は見逃されることも多いので、顔色が悪い、元気がないなどの場合には早めに小児科に相談しましょう。

顔色が悪く、ふらつくような症状の場合は、内科へ

顔色が悪く、ふらつく・立ちくらみ・息切れなどの症状がある場合には貧血を強く疑います。貧血が進行すると、意識を失ってしまったり、さまざまな臓器に負担がかかったりします。また、貧血を起こすような、がんなどの病気が隠れている可能性があります。
顔色が悪く、プラスアルファで何か症状がある場合には必ず病院を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「顔色が悪い」症状のセルフチェック法

  • ・顔色が悪い以外にふらつき、めまいの症状がある場合
  • ・顔色が悪い以外に便や尿に血が混ざるなどの出血がある場合
  • ・顔色が悪い以外に腹痛などの症状がある場合

「顔色が悪い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「顔色が悪い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

貧血

貧血は赤血球の中にある酸素を体中に運ぶ役割のあるヘモグロビンの濃度が低くなり、立ちくらみ、息切れ、めまい、ふらつき、頭痛、胸の歪みなどの症状が起こる状態です。
貧血になるにはさまざまな原因がありますが、中でも多いのが鉄不足で起こる鉄欠乏性貧血です。鉄欠乏性貧血では、食事療法などで予防することも重要ですがすでに顔色が悪いくらいまで貧血が進行してしまっている場合には、病院で治療が必要です。
顔色が悪いのと、その他の貧血症状がある場合には病院でご相談ください。

急性肝炎

急性肝炎は、肝炎ウイルスや薬剤などの影響で、急激に肝臓の機能が低下する病気です。顔が黄色くなる黄疸、食欲低下、吐き気、嘔吐、だるさ、発熱などの症状が出ます。肝炎を起こすウイルスで汚染された水や食物を食べて感染したり、血液や体液を介して感染したりします。急性肝炎は急激に進行して、最悪致死的な経過をたどることがあるため、黄疸が出ている時には自己判断でのホームケアは危険です。市販薬などで肝臓に負担をかけるとさらに悪化してしまうこともあります。
急性肝炎を疑うような症状がある場合には内科や消化器内科を受診しましょう。

胆石症

胆石症は体の消化酵素を溜めておく胆嚢と、胆汁の通り道である胆道に結石ができてしまう病気です。胆石ができてしまうと、腹痛(特に右上腹部の痛み)、発熱、黄疸を起こします。胆石症は時に強い痛みが出て、感染症などを合併することもあるため、疑う場合にはすぐに病院を受診しましょう。受診する科は内科や消化器内科でよいですが、手術が必要になることもあります。

十二指腸潰瘍

潰瘍とは消化管の粘膜の一部が欠損している状態で、胃や十二指腸にできるものを総称して胃十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)と呼びます。粘膜の欠損の原因としては、ピロリ菌の感染やストレス、鎮痛薬のNSAIDs・ステロイドなどによる薬剤性潰瘍が原因としてあげられます。潰瘍からの出血による貧血で顔色不良になる他、腹痛、吐血、下痢、嘔吐や体重減少などを起こします。胃十二指腸潰瘍はなかなか自分で治すことは難しいですし、診断のためには胃カメラなどで潰瘍を確認することも必要です。胃十二指腸潰瘍を疑う症状がある場合には、内科や消化器内科を受診しましょう。

「顔色が悪い」ときの正しい対処法は?

貧血の中でも多い鉄欠乏性貧血の予防のために、鉄分を豊富に含むレバーや赤身の肉・魚をバランスよく食事に取り入れましょう。胆石は食べ過ぎや不規則な食生活、ストレスなどが原因となることもありますので、食事のバランスには気をつけましょう。
貧血とよく勘違いされるのが、立ちくらみやめまいの症状を「貧血がある」と勘違いされていることがあります。貧血でもめまい・ふらつきの症状は出ますが、基本的には血液検査でヘモグロビンの低下を確認する必要がありますので、病院でご相談ください。貧血以外から症状が出ていることもあり、自己判断は危険です。
ストレスは胆石症や胃・十二指腸潰瘍の原因にもなります。ストレスを溜めずに、上手に発散しましょう。
顔色が悪い原因にはいくつかありますが、中には怖い病気が原因であることもあります。顔色が悪いと言われたり、その他の症状があったりする場合にはぜひ病院でご相談ください。

「顔色が悪い」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「顔色が悪い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

顔色が悪いと言われるのですが、改善方法はありますか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

原因によりますが、一時的な顔色不良でしたら、睡眠不足や疲れからくることもあります。十分に休養を取っていただき、それでも治らない場合には病気が原因のこともあります。

顔が土色で血色が悪いのは肝臓の病気と関係しているのでしょうか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

急性肝炎や肝硬変では黄疸のため、顔が土気色や黄色くなることがあります。

お風呂上がりでも顔色が悪く白いのは貧血体質なのでしょうか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

体質的に血色が悪いということもありますが、顔色以外にもふらつき・めまいなどの貧血を疑う症状がある場合には、治療を行うことで改善できます。

まとめ

顔色が悪くなる原因について解説しました。貧血や胆石、潰瘍などは治療が必要になることもありますので、記事を読んで思い当たる症状や病気がある場合には、ぜひ病院でご相談ください。

「顔色が悪い」で考えられる病気と特徴

「顔色が悪い」から医師が考えられる病気は19個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

内科の病気

血液内科の病気

  • 鉄芽球性貧血
  • 自己免疫性溶血性貧血
  • 悪性貧血
  • 発作性夜間ヘモグロビン尿症
  • 微小血管性溶血性貧血

消化器内科の病気

顔色が悪いことは自分で気がつかないことが多いので、周りにいる方で具合の悪そうな症状が見られた場合には、受診を促すことも考慮してください。

「顔色が悪い」と関連のある症状

「顔色が悪い」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「顔色が悪い」症状の他に、これらの症状がある場合も「鉄欠乏性貧血」「慢性出血」「鉄芽球性貧血」「再生不良性貧血」「肝硬変」「急性肝炎」などの疾患の可能性が考えられます。意識が遠のいたりふらつくなどの症状がある場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。