「唇がかゆい」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!


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医学博士。産婦人科専門医・指導医、婦人科腫瘍専門医。これまで多くの子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん患者の手術、化学療法等を担当。現在はコロンビア大学産婦人科・婦人科腫瘍部門の博士研究員として医療ビッグデータを用いた研究を行っている。女性ヘルスケア専門医、細胞診専門医、腹腔鏡技術認定医でもある。患者支援活動、医療政策立案などにも数多く関わる。
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「唇がかゆい」症状で考えられる病気と対処法
唇がかゆいと感じた時どんな病気が隠れているのでしょうか。病院を受診するべきなのか、放っておいても治るものなのか、心配になるときってありますよね。今回は「唇がかゆい」に関連した症状や病気を解説していきたいと思います。唇がかゆい・腫れる・荒れる症状で考えられる原因と対処法
唇がかゆい場合には、アレルギーの可能性があります。 食べ物によるアレルギーは唇に出やすいです。初めてのものを食べた後に唇がかゆくなった場合は注意してください。軽症の場合、唇のかゆみに加え、唇が少し腫れたり、赤くなったりするだけですが、重症になると息が苦しくなったり、血圧が下がったりなど命の危険がある場合もあります。特にどんどん症状が強くなる場合には、自分では判断せず、病院を受診しましょう。受診するなら内科か救急病院がお勧めです。マスクによる唇のかゆみで考えられる原因と対処法
唇がかゆくて荒れてしまったり腫れてしまうことがあります。マスクを長時間にわたって使う場合にも経験したことがあるかもしれません。このような場合の原因には口唇炎の可能性があります。 乾燥により口唇炎になる場合もあれば、マスクの刺激など物理的な刺激が原因でなる場合もあります。肌荒れが唇に出ている状態です。炎症を落ち着けることが治療になりますので、刺激や乾燥を避けることが大事です。荒れがひどい場合は、皮膚科を受診して軟膏やステロイド軟膏をもらうのが良いでしょう。普段からリップクリームによる保湿などケアを続けることが予防につながります。アレルギーによる唇のかゆみで考えられる原因と対処法
食べ物によるアレルギー(食物アレルギー)の場合、唇に症状が出ることがあります。他には、薬やサプリなども原因となることがあります。新しく食べたり、薬を飲んだりする際は、症状の出現に注意しましょう。また症状が出た場合は、すぐに控えるようにしましょう。唇のふち・周りがかゆい症状で考えられる原因と対処法
口唇炎と同じようなもので口角炎というものがあります。 唇のふちの炎症のことで原因や治療は口唇炎と同じです。まずは十分な保湿や肌ケアで予防することが大事です。すぐに病院へ行くべき「唇がかゆい」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。唇のかゆみが強い場合は、救急科へ
かゆみが強く一向におさまらない場合には、重症のアレルギーの可能性があります。放っておくと息が苦しくなったり、血圧が下がったりといったアナフィラキシー状態に移行する可能性があります。こうなると命に直結しますので、未然に防ぐためにもアレルギーは早めに対応することが重要です。すぐに救急病院を受診しましょう。「唇がかゆい」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「唇がかゆい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。 どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。口唇ヘルペス
口唇ヘルペスとは、ヒト単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)が主な原因のウイルス感染症です。ほとんどの人は小さいころにかかり免疫を持っているウイルスですが、免疫が弱くなったり、体調が悪いと発症する人もいます。症状が出ている状態はウイルス量が多い状況であるため、その人に接触したりするとうつる可能性があります。症状が出ている場合は、水の回し飲みや、食器の共有は避けましょう。同じタオルを使ったりすることでうつる場合もあるので気を付けましょう。抗ウイルス薬を塗ることで症状は落ち着きますし、自然に落ち着くこともあります。ヘルペスかな?と思ったら皮膚科を受診しましょう。口唇炎
口唇炎とは、唇にできた肌荒れのような状態です。乾燥や物理的な刺激が原因となるので、なるべく保湿を行い、刺激が当たるようならそうしたものを避けましょう。軟膏やステロイドで治ります。口唇カンジダ症
カンジダウイルスによる感染症が唇にできるものを指します。カンジダは全身様々なところにできます。カンジダは真菌(カビ)の一種で、肌などに常に生息しています。普段は体の免疫で増殖を抑え込んでいますが、免疫が弱ると増えてきて症状が出てきます。免疫の回復に合わせて自然に治ることもありますが、抗真菌薬が必要になることもあります。内科や皮膚科を受診して状態を見てもらいましょう。口角炎
基本的には原因や治療は口唇炎と同じです。保湿を心がけましょう。「唇がかゆい」ときの正しい対処法・おすすめのリップクリームは?
まずは触りすぎないことです。何度も触ったり、掻いたりすることで唇が腫れてしまったり、荒れた状態になってしまいます。市販のリップクリームは使用して問題ありませんが薬局などで余分な成分が入っていないものを勧めてもらうのが良いでしょう。口唇炎や口角炎の場合、弱いステロイドを使用することもありますが、皮膚科を受診して処方してもらうのが良いと思います。 唇の皮がむけている場合、無理に引っ張ることはやめましょう。自然と落ちるのを待ちましょう。その間も保湿は続けてください。「唇がかゆい」症状を予防する方法は?
日焼けにより唇の皮がむけることもあります。日焼けは避け、保湿を心がけてください。 冬場は乾燥しやすいので、いつも以上に保湿に気をつけましょう。アレルギーは人によって原因となるものが異なります。アレルギーの可能性があるものは控えるようにしましょう。 また、マスクによる刺激を避けるにはマスクをしないこと以外手段がありません。外出を避けたり、広い場所(屋外)などではマスクを外すようにするのが良いと思います。マスクの種類(素材)を変えてみることも一つの方法です。「唇がかゆい」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「唇がかゆい」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
唇のかゆみが何日も続くのは皮膚科で相談できますか?
甲斐沼 孟(医師)
相談できます。できるだけ詳細な症状の変化を伝える方が診断につながります。
特定の食べ物で唇がかゆくなるのはアレルギー体質でしょうか?
鈴木 幸雄(医師)
アレルギーの可能性が高いと思います。まずは食べるのを控えましょう。検査は皮膚科やお子さんの場合は小児科などで行えますので、診断をつけたい場合は受診しましょう。
唇のかゆみと冷え性は何か関係しているのでしょうか?
鈴木 幸雄(医師)
寒さの刺激がかゆみや蕁麻疹を引き起こすことはあります。症状が続き気になる場合は、内科や皮膚科を受診しましょう。
唇にブツブツができてかゆいのは薬で治せますか?
鈴木 幸雄(医師)
病気によりますが、ヘルペスなど感染症は薬で治ることが期待できます。