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「口唇ヘルペス 」ができる原因・治療法・予防法はご存知ですか?医師が監修!

公開日:2022/09/09
「口唇ヘルペス 」ができる原因・治療法・予防法はご存知ですか?医師が監修!

知らぬ間に、口元に小さく赤い水ぶくれができていたことはありませんか?

ピリピリした痛みやびらん(ただれ)を伴うような場合は、「口唇ヘルペス」の症状と考えられます。

男性よりも女性に発症しやすく、口元という目立つ場所への発症は気になる方も多いでしょう。

ここでは、口唇ヘルペスの特徴や治療法・予防法などをQ&A形式でわかりやすくご紹介いたします。

「もしかして」と思ったときは、こちらを参考に正しい治療を心がけましょう。

最終的には、自己判断ではなく医療機関にかかることが大切です。きちんと症状を見極め、早期治療を目指してください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。専門領域は皮膚科、美容皮膚科。

口唇ヘルペスの特徴

鏡の前で肌に悩む女性(口・ほうれい線)

口唇ヘルペスはどのような病気ですか?

  • 口唇ヘルペスとは、唇やその周辺に小さな水ぶくれのできる感染症です。
  • 「熱の華」とも呼ばれ、ごくありふれたウイルスによる感染症に分類されます。
  • 女性の約15%・男性の約6%が発症したことがあるとされ、男性よりも女性に多く見られる疾患です。
  • 発症時は赤みのある小さな水ぶくれの集合ができ、軽いかゆみやチクチクするような痛みを伴います。多くの場合はすぐかさぶたになり、発症期間は1週間程度です。
  • まれにびらん(ただれ)などの症状がみられる場合がありますが、患部を清潔にし体調を整えれば悪化することはさほど多くありません。

口唇ヘルペスでみられる症状を教えてください。

  • 口唇ヘルペスの症状で最も一般的なものは、唇やその周囲にできる小さな水ぶくれの集合です。
  • 口唇炎やニキビと間違えられることもありますが、症状が進むにつれ違いが出ます。
  • 最初に唇にチクチク・ヒリヒリという違和感やざらつきがあったあと、軽い痛みを伴う小さな水ぶくれの集合が見られるのが特徴です。
  • よく発生する部位は唇やその周囲ですが、まれに鼻の周りや頬・目の周りなどに発症することもあります。基本的には、唇の場合と大きな違いはありません。
  • ときに頻繁に再発(年に数回など)することもあり、原因などを見極めて予防していくことが大切です。

何が原因で口唇ヘルペスになりますか?

  • 口唇ヘルペスは、「単純ヘルペスウイルス1型」(HSV-1)と呼ばれるウイルスの感染によって引き起こされます。
  • このウイルスには幼いころに初めて感染し、そのときは無症状で気付かないということがほとんどです。
  • ごくまれに、酷いびらんやかゆみを伴う初感染症状が出る場合もあります。
  • HSV-1は一度感染するとその後ずっと体内にひそみ、風邪・ストレス・過労・日焼けなどで体力や抵抗力が落ちたときに再発します。
  • ウイルス感染と、発症するほどの体力低下がそろって初めて発症する病気です。

周囲の人にうつさないか心配です。

  • 口唇ヘルペスはウイルス感染症のため、気をつけておかないと他人にうつしてしまうこともあります。
  • 特に、相手が初感染で発症した場合は自分よりも重い症状になる場合もあるため注意が必要です。
  • 口唇ヘルペス発症の際にできる水ぶくれの中には、ウイルスが大量に詰まっています。
  • 直接触れた手や食器・唾液などから感染するため、タオルや食器の共有は避けましょう。
  • また自分の症状を悪化させないためにも、顔に触れる可能性のある手指は常に清潔に保っておくことが大切です。

口唇ヘルペスの治療方法

差し指を立てる男性医師

口唇ヘルペスを疑ったら何科を受診すればよいですか?

  • 口唇ヘルペスはウイルスによる感染症ですが、発症部位は皮膚に限られます。
  • 口唇ヘルペスの発症を疑った場合は、皮膚科の医療機関を受診しましょう。
  • 特に初めての感染で発症した場合は、症状が重くなりがちです。軽度の場合(再発の場合)でも、自己判断せずに医療機関で見てもらうようにしてください。
  • 本格的に発症する前の違和感の段階で受診できれば、周囲への感染を防ぎつつ症状を軽微に抑えることも可能です。
  • ありふれたものとはいえ感染症ですので、きちんと皮膚科の医療機関を受診し早期治療を心がけましょう。

診断のために行う検査があれば教えてください。

  • 口唇ヘルペスの症状は典型的なものがほとんどのため、多くは臨床症状で判断してもらうことが可能です。
  • しかし、ときに帯状疱疹や毛嚢炎との識別が必要になる場合もあります。
  • そういった場合は、ウイルス分離法・ウイルス抗原検出法・ウイルス核酸検出法といった3種類の方法を使い分けて検査を行います。
  • どの方法でも、水ぶくれやびらんの症状が出ている部分の細胞を少量採取するのみで検査が可能です。
  • 綿棒などで細胞を採取してもらい、あとは専門医が判断します。自己判断では間違った治療を行ってしまう場合もあるため、医師が判断します。

口唇ヘルペスの治療方法が知りたいです。

  • ウイルスは体内で増殖するため、皮膚科では飲み薬での治療が一般的となります。
  • 水ぶくれができる前後のどちらでも、処方されるのは抗ヘルペスウイルス薬と呼ばれる飲み薬です。
  • 事前に薬を処方してもらっており、早期に唇などの違和感に気付けた場合は通常2回ほどの服用で症状を後退させることができます。
  • 水ぶくれができてから皮膚科を受診した場合は、通常5日ほど服用を続けますが、事前に薬を処方してもらう(PIT療法)のためには、「年間3回以上同じ病型の単純ヘルペスを繰り返していること」「再発の初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)を正確に判断可能なこと」などの諸条件があります。
  • このとき例え症状が治まっていても、決められた期間内は指示通りに薬を服用し続けましょう。
  • また口唇ヘルペスの発症程度によっては、塗り薬のみの治療になる場合もあります
  • 以前に医師から口唇ヘルペスの診断を受けたことがある方は、薬局でも塗り薬の処方が可能です。

口唇ヘルペスの注意点と予防

カルテを持つ看護師

口唇ヘルペスと診断されたら気をつけることはありますか?

  • まずは症状を悪化させないこと、周囲の人へ感染させないことを心がけましょう。
  • 口唇ヘルペスはウイルス感染症ですが、その引き金になるのは発熱やストレスなどによる体力・抵抗力の低下です。
  • 処方薬を正しく使用するほか、規則正しい生活・栄養バランスのよい食事・十分な睡眠などを心がけ、ウイルスへの抵抗力を早期に取り戻しましょう。
  • きちんと治療法の確立している病気ですので、気にしすぎないこともときには必要です。また口唇ヘルペスによって発生する水ぶくれは、ウイルスの温床ともいえます。
  • マスクで口元を覆うなどし、特に赤ちゃんには感染しないよう注意しましょう。

どれくらいで治るのか知りたいです。

  • 皮膚科で処方された薬を使用した場合は数日、長くとも1週間程度で完治することがほとんどです。
  • その間、手指などから雑菌をうつしてしまったり水ぶくれを破いてしまうようなことが無いよう気をつけましょう。思わぬ悪化・長期化の原因となりえます。
  • また事前に飲み薬などを処方されており、水ぶくれができる前のピリピリという違和感の時点で服用できた場合などは、1日か2日程度で発症せずに収まる場合もあります。
  • 基本的には、長く続くような病気ではありません。きちんと処方薬を使用して健康的な生活を送れば、痕も残さずに完治できる病気です。

再発することはありますか?予防方法があれば教えてください。

  • 口唇ヘルペスの原因となるヘルペスウイルスは、体内の神経節に長期間潜伏する性質を持っています。
  • 体調に問題が無ければ発症しない代わりに、気付かないままウイルスを保有し続けてしまうことも珍しくありません。
  • そういった場合は、生活習慣の乱れや過度なストレス・別の病気による体力の低下などで容易に再発するといってよいでしょう。
  • とはいえ、発症を重ねることで症状が重くなったり変化したりということはほとんどありません。
  • 再発時には、薬局で処方薬と同様の薬(塗り薬)を購入することも可能です。
  • 過度に恐れることなく、普段通りの健康的な生活を心がけていれば問題ありません。ただ、再発頻度が高い人であれば、上述のPIT療法も可能となります。

最後に、読者へメッセージがあればお願いします。

  • 口唇ヘルペスは、ありふれた病気であるぶん軽視されがちな側面もあります。
  • 多くの場合は数日で完治できますが、間違った対処を行えば他人に感染したり痕を残したりという可能性もあるのがこの病気です。
  • 特に再発しがちな方ほど、慣れてしまい対処がおろそかになってしまうこともあります。
  • まずは規則正しい生活・十分な睡眠などをよく心がけて発症を防ぎ、発症してしまった場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
  • どのような病気にもいえることですが、不規則な生活と自己判断ほど恐ろしいものはありません。
  • 「ちょっとした病気」で済むよう、常日頃から心がけておきましょう。

編集部まとめ

美容・化粧水をつける日本人女性

今回は女性に起こりがちな感染症「口唇ヘルペス」について、特徴や発症原因・治療法などをまとめてきました。

誰にでもちょっとしたことで起こりうる病気だからこそ、普段の心がけで防いでいきましょう。

それでも発症してしまった場合は、速やかな医療機関の受診が鍵となります。ここでまとめたような正しい判断と対処法を、ぜひ今後にも活かしていってください。