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「水分の摂取量」は”一日何L以上”で飲み過ぎ?過剰摂取による症状も管理栄養士が解説!

 公開日:2026/02/27
「水分の摂取量」は”一日何L”が良いのか?過剰摂取による症状も管理栄養士が解説!

水分の一日の摂取量とは?メディカルドック監修医が効果・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

佐藤 直美

監修管理栄養士
佐藤 直美(管理栄養士)

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病院・老健・老人ホーム・障害者施設などで給食管理・調理・栄養管理・衛生管理などに携わってきました。
2015年管理栄養士免許取得。

「水分」とは?

水分とは?

水分は、私たちの体の中で最も多く含まれる成分で、生命維持に重要な役割を担っています。成人男性の体重の約60%、成人女性で約55%、高齢者では約50%が水分で構成されています。水分には、体温の調節、血液循環の維持、栄養素や酸素の運搬、老廃物の排泄、消化吸収の補助、さらには臓器や関節を守るクッションの役割まで担っています。
私たちの体では、一日に約2.5リットル程度の水分が出入りしています。体内で利用される水分は、飲料水、食べ物に含まれる水分、そして栄養素が代謝される際に生じる「代謝水」の3つからなります。一方で、体内の水分は、尿や便、汗、呼吸や皮膚からの蒸発によって常に体外へ失われています。通常、これらの摂取と排出は量が均等で、バランスが保たれています。そのため、水分が不足すると体の機能がうまく働かなくなり、さまざまな不調が現れやすくなります。

水分の一日の摂取量

水分の一日の摂取量目安

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、一日に必要な水分摂取量の目安は明確に定められてはいませんが、成人で約2.0〜2.5リットルとされています。これは、水やお茶などの飲み物から約1.2リットル、食事に含まれる水分は約1.0リットル、体内で栄養素が代謝される際に生じる水(代謝水)約0.3リットルも含めた量です。個々の体格・活動量・気候差などによって変動しますが、健康な成人が日常生活を送るうえで一般的に失われる水分量をもとに推計された目安として示されています。

「日本人の食事摂取基準」などの資料では、成人の生活活動レベルが低い場合でも総水分必要量として約2.3〜2.5リットル/日程度が推定されています。これは、体内で失われる水分である不感蒸泄を含め一日で排泄されている約2.5リットルを補い、日常生活を送るために必要と考えられる量として設定されたものです。尿・便から約1.6リットル、呼吸や汗から約0.9リットル排泄されます。
また、熱中症予防対策などでも成人の水分必要量の目安として約2.0〜2.5リットル/日とされており、飲料として意識的に摂取したい量は約1.2〜1.5リットル程度が推奨されています。
日常的な水分補給としては、水や麦茶、ほうじ茶などのカフェインをあまり含まない飲み物が適しています。一方で、アルコールは利尿作用があり、コーヒーや緑茶などのカフェインを多く含む飲み物も摂りすぎると水分バランスを崩しやすいため、量には注意が必要です。

【高齢者】水分の一日の摂取量

【高齢者】水分の一日の摂取量

高齢者の方の一日の水分摂取量は、基本的には成人と同様に、総水分必要量として約2.0〜2.5リットルが目安とされています。飲み物として摂る量としては、一般的な目安としては、体重1kgあたり30〜35mlで計算する方法がよく用いられます。
ただし高齢者の場合、若年成人と大きく異なる点があります。加齢により体内の水分量そのものが減少し、腎機能の低下や、のどの渇きを感じにくくなることから、少しの水分不足でも脱水を起こしやすくなります。そのため、高齢者は「必要量が少ない」のではなく、むしろ不足しやすいと考えられています。
一方で、心不全や腎疾患などがあり、医師から水分制限が指示されている場合は、その指示が最優先になります。そのような場合を除けば、高齢者であっても水分は控えるのではなく、一日を通してこまめに補給することが重要です。尿の色が薄い黄色であるかどうかを目安にすると、本人や家族にも状態を伝えやすくなります。

【アスリート】水分の一日の摂取量

【アスリート】水分の一日の摂取量

アスリートの方の一日の水分摂取量は、一般人よりも多くなります。運動による発汗によって体から失われる水分量が多くなるためです。アスリートの場合は、成人の一日の水分摂取量に、運動中の発汗量が上乗せされます。運動の内容や強度、気温や湿度によって差はありますが、1時間の運動で0.5〜1.5リットル程度の汗をかくことはめず長くありません。つまり、1日当たりの総水分必要量は3.0〜5.0リットル以上になることもあります。
この水分量には、飲み物だけでなく食事に含まれる水分も含まれますが、アスリートでは食事由来の水分だけでは明らかに不足するため、意識的な飲水が不可欠です。特にトレーニング日や試合日は、飲み物からの水分摂取量が2.0〜4.0リットル程度になる場合もあります。
重要なのは、まとめて大量に飲むのではなく、運動前・運動中・運動後に分けて補給することです。運動前に十分な水分状態を整え、運動中は脱水を防ぐためにこまめに補給し、運動後は失った汗の量を目安に回復させます。一般的には、体重が運動前後で1kg減少していれば、約1.5リットルの水分補給が必要だと考えられています。
また、発汗量が多いアスリートでは、水分だけでなく、ナトリウムなどの電解質補給も重要になります。水だけを大量に摂取すると、低ナトリウム血症を起こすリスクがあるため、長時間・高強度の運動ではスポーツドリンクや電解質を含む飲料を適切に利用することが推奨されます。

水分の効果

水分の効果

体温調節

水分は、体内で発生した熱を血液によって全身に運び、発汗による蒸発で体外へ逃がすことで、体温を一定に保っています。十分な水分があることで汗をかくことができ、暑い環境や運動時でも熱が体内にこもりにくくなります。水分が不足すると体温調節機能が低下し、熱中症のリスクが高まります。

体内物質の運搬と排泄

血液や体液の主成分である水は、栄養素や酸素、ホルモンを全身の細胞へ届けると同時に、不要になった老廃物を腎臓まで運び、尿として体外に排出します。水分摂取が不足すると血液が濃くなり、老廃物の排泄が滞りやすくなります。

血液循環の維持

水は血液量を保つことで、全身の循環を円滑にしています。水分が不足すると血液量が減少し、血圧低下やめまい、立ちくらみを起こしやすくなります。特に高齢者では、脱水による循環不全が転倒や体調悪化につながるため、日常的な水分補給が重要になります。

水分の多い食べ物

水分の多い食べ物

葉物野菜

レタスや白菜、小松菜などの葉物野菜は90%以上が水分で、噛みやすく、サラダやおひたし、汁物としても取り入れやすいため、日常的な水分補給源になります。

果菜類

きゅうりやトマト、なすなどの果菜類は、水分含有量が非常に高く、夏場の水分補給に特に適しています。生で食べることが多いため、調理による水分損失が少ない点も特徴です。

根菜類

根菜類では、大根やかぶが水分の多い食品として知られています。根菜は加熱調理する機会が多いものの、煮物や汁物にすると水分を含んだ状態で摂取でき、高齢者にも食べやすい食材です。

果物

すいかやメロン、いちごなどの果物は水分を多く含んでいます。甘味があり摂取しやすいため、水分摂取量が不足しがちな人にも向いていますが、糖質量には配慮が必要です。

乳・大豆製品

牛乳やヨーグルトや、絹ごし豆腐などは水分を多く含むだけでなく、たんぱく質やカルシウムなどの栄養素も同時に補えるため、食事からの水分補給として効率の良い食品です。

水分が不足すると現れる症状

水分が不足すると現れる症状

口の渇きや尿量の減少

体内の水分が不足すると、身体は水分を保持しようとするため尿の量が減り、色も濃くなります。口やのどの渇きは比較的早い段階で現れるサインです。

倦怠感やめまい・立ちくらみ

水分不足によって血液量が減少し、血流が悪くなることで、全身がだるく感じたり、急に立ち上がった時にふらつくことがあります。

便秘や食欲不振

水分が不足すると腸内の内容物が硬くなり、排便がスムーズに行われにくくなります。また、消化機能が低下し、食欲不振につながることもあります。

水分を過剰摂取すると現れる症状

水分を過剰摂取すると現れる症状

低ナトリウム血症

短時間に大量の水だけを摂取すると、血液中のナトリウム濃度が薄まり、頭痛や吐き気、倦怠感、重症の場合は意識障害やけいれんを起こすことがあります。特に長時間運動を行うアスリートでは注意が必要です。

むくみ(浮腫)

体が処理できる以上の水分が体内に入ると、細胞や組織の間に水分がたまり、顔や手足が腫れぼったく感じることがあります。

頻尿や消化器症状

短時間に大量の水分を摂取すると、体は余分な水分を排泄しようとするため、尿の回数が一時的に増えることがあります。健康な腎機能を持つ人であれば、通常の範囲内の水分摂取で腎臓に害が生じることはありませんが、急速に大量摂取した場合には体内の水分バランスが乱れることがあります。また、一度に多くの水分を飲むと胃が急激に拡張し、胃の張りや不快感、吐き気を感じることもあります。

水分の効率的な摂取方法

水分の効率的な摂取方法

こまめに分けて飲む

一度に大量の水分を摂ると、体内で利用される前に尿として排出されやすくなります。1回にコップ半分〜1杯程度を、起床時や食事の前後、外出前後など、生活の節目で摂ることで、体内の水分バランスを保ちやすくなります。

のどが渇く前に飲む

のどの渇きはすでに水分が不足し始めているサインです。時間を決めて飲む、食事とセットにするなど、意識的に水分を摂る習慣が脱水予防につながります。

状況に応じて飲み物を選ぶ

日常生活では水や麦茶などで十分ですが、汗を多くかく場合はナトリウムなどの電解質を含む飲料を取り入れることで、水分が体内に保持されやすくなり、効率的な補給が可能になります。

「水分の一日の摂取量」についてよくある質問

「水分の一日の摂取量」についてよくある質問

ここまで水分を紹介しました。ここでは「水分の一日の摂取量」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。

1日2リットル以上、水を飲むのは飲み過ぎでしょうか

佐藤 直美佐藤 直美

健康な人であれば、1日2リットル以上の水を飲むのは飲みすぎとは限りません。ただし、状況や体調によっては多すぎる場合もあります。人は食事からも水分を摂取しているため、飲み物として2リットル以上飲むと、総水分摂取量は3リットル前後になることもあります。発汗が少ない日や活動量が低い場合には、体にとって多いと感じる人もいます。一方で、暑い季節、運動をする日、発汗が多い人では、2リットル以上の飲水が必要になることは珍しくありません。このような場合は、体から失われる水分が多いため、2リットル以上飲んでも飲みすぎにはなりません。注意が必要なのは、短時間に大量の水を一気に飲む場合です。水を過剰に摂取すると、血液中のナトリウム濃度が低下し、頭痛や吐き気、重症では意識障害を起こすことがあります。また、腎臓や心臓に持病があり、水分制限が必要な人は、2リットル未満でも過剰になることがあります。
飲みすぎかどうかを判断する実用的な目安としては、尿の色が薄い黄色で、極端なむくみや頻尿がないことがポイントになります。常に透明に近い尿が大量に出る場合は、水分を摂りすぎている可能性があります。

水を摂取するとどんな効果がありますか

佐藤 直美佐藤 直美

水を摂取すると、体の基本的な機能が円滑に働くようになり、健康の維持にさまざまな効果があります。体温調節がスムーズになり、血液量が保たれて酸素や栄養素が全身に行き渡りやすくなります。また、腎臓の働きを助けて老廃物の排泄を促し、便の水分量を保つことで便秘予防にもつながります。

まとめ

水分は体温調節や血液循環、老廃物の排泄など、生命維持に欠かせない役割を担っています。1日に必要な水分量の目安は、飲み物と食事を合わせて約2.0〜2.5リットルで、年齢による大きな差はありませんが、発汗量が多い人やアスリートではさらに多く必要になります。水分は飲み物だけでなく、野菜や果物、汁物などの食事からも摂取できます。不足すると脱水症状が現れ、過剰でも体調不良を招くことがあるため、こまめに、体の状態に合わせて適量を摂ることが大切です。

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各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

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この記事の監修管理栄養士