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月経困難症はどのような病気?月経困難症のセルフチェックや治療方法もご紹介します

公開日:2022/09/02  更新日:2022/09/07
月経困難症

女性の体にとって生理は必要なものですが、様々な不調をきたすことも少なくありません。

人によっては生理中の痛み・不調にひどく悩まされている人もいるでしょう。

月経に伴って起こる症状を指す月経困難症は、女性の多くが抱える病気でもあります。

しかし、月経困難症がどんな病気か詳しく知らない人も少なくないのではないでしょうか。

どんな病気なのか、セルフチェックや治療方法など月経困難症について詳しく解説いたします。

前田 裕斗

監修医師
前田 裕斗(医師)

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東京大学医学部医学科卒業。その後、川崎市立川崎病院臨床研修医、神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科、国立成育医療研究センター産科フェローを経て、2021年より東京医科歯科大学医学部国際健康推進医学分野進学。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。

月経困難症の特徴

お腹の痛みを感じる女性

月経困難症はどのような病気ですか?

  • 月経困難症は、生理痛をはじめとする月経に伴って起こる病的な症状のことです。
  • 生理の期間中は、一般的に生理痛と呼ばれる下腹部の痛みに加え、頭痛・吐き気・倦怠感・疲労感・食欲不振・下痢などの症状があらわれる場合もあります。これらの痛み・不快感によって日常生活に支障をきたす場合、月経困難症といえます。
  • また、病気が原因となって起きるものと明確な原因となる病気がないものの2種類に分けられるのも月経困難症の特徴です。

月経困難症にも種類があるのですね。

  • 月経困難症は大きく2種類に分類できます。なんらかの原因となる病気があることで起こる器質性月経困難症と、原因となる病気がない機能性月経困難症です。
  • 器質性月経困難症は、原因となる疾患によって引き起こされることから続発性月経困難症ともいいます。
  • 機能性月経困難症は、原因疾患がないことから原発性月経困難症と呼ぶこともあります。

月経困難症の原因が知りたいです。

  • 月経困難症の原因は、器質性月経困難症・機能性月経困難症によって異なります。
  • 器質性月経困難症の場合、子宮内膜症子宮筋腫子宮腺筋症などの子宮の病気が原因です。骨盤内の炎症や子宮奇形が原因で月経困難症が起こる場合もあります。
  • 機能性月経困難症の原因も様々です。生理中は、子宮の内側ではがれ落ちた子宮内膜を体外に出すために子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質が分泌されます。このプロスタグランジンの過剰分泌によって子宮が収縮され痛みにつながるのが、機能性月経困難症の原因の1つです。
  • この他にも子宮口が狭いこと・ストレスなどの心理的要因・運動不足や冷えによる血行不良が挙げられます。
  • また、月経困難症は基本的に排卵がないと起こりにくいといわれています。そのため、初経後しばらくは排卵がないことから初経から約1~2年は月経困難症が起きにくいです。

主な症状を教えてください。

  • 月経困難症の主な症状は、下腹部の痛みに加え、頭痛吐き気倦怠感疲労感食欲不振下痢などの不調です。
  • イライラ・憂鬱・集中力の低下などいわゆるPMS(月経前症候群)のような症状も含まれます。
  • 特に多い症状は、一般的に生理痛と呼ばれる下腹部の痛みです。
  • 人によって痛みの度合いは異なりますが、立ち上がれない・鎮痛剤を飲まないと耐えられないなど、仕事や学校に行けない程の重度の痛み・不調を抱える人もいます。

他の婦人科系疾患との関連はありますか?

  • 前述でお伝えしたように、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症などの婦人科系疾患が月経困難症の原因になっていることは少なくありません。これらの婦人科系疾患が原因となって起こる器質性月経困難症の場合、生理中以外でも痛みを感じる場合があります。
  • 器質性月経困難症の原因の中で最も多い疾患が子宮内膜症です。
  • 骨盤内や卵巣など子宮以外の場所で子宮内膜のような組織が増殖する子宮内膜症は、炎症を起こし激しい痛みなどの症状を引き起こします。20~30代の女性に多くみられ、不妊症の原因になることも少なくありません。
  • 子宮内膜症の約80%以上の方が、月経困難症を抱えているともいわれています。

月経困難症の診断と治療

飲み薬

セルフチェックの方法や受診の目安を教えてください。

  • 月経困難症か気になる場合は、まずは以下の項目に当てはまるかセルフチェックしてみましょう。
  • 生理痛がひどい
  • 生理の度に鎮痛剤を飲んでいる
  • 生理痛のために仕事や学校を休むことがある
  • 年々生理痛がひどくなっている
  • 生理中、下腹部の痛み以外にも頭痛・吐き気などの症状がある
  • 生理の出血が多い・増加した
  • 生理中以外でも生理痛のような下腹部の痛みがある
  • これらに当てはまる方は、月経困難症の可能性が非常に高いです。また、生理が辛いと感じれば月経困難症といえます。生理痛や体の不調を我慢する必要はありません。生理が辛い・生理痛で通常の日常生活が送れない場合は、婦人科で一度診察してもらいましょう。

月経困難症はどのように診断されますか?

  • 月経困難症が疑われる場合、まずは問診で具体的な症状・生理周期などを確認します。
  • その上で内診超音波検査で子宮・卵巣・卵管の状態を診察し、月経困難症の原因となる疾患がないかを調べます。
  • 血液検査・MRI検査・CT検査・性病検査などを追加して行う場合も多いです。
  • 問診や検査結果を総合的に判断し、月経困難症が認められるかどうか診断していきます。

月経困難症の治療方法が知りたいです。

  • 器質性月経困難症・機能性月経困難症どちらの場合も、痛みを和らげるために鎮痛薬を処方します。一般的に処方される鎮痛薬は、プロスタグランジンの産生を抑えることで痛みを抑える薬です。そのため、痛くなる前に内服する方が効果的です。
  • 痛み以外の症状に応じて、漢方薬や抗不安薬を処方するケースもあります。また、低用量ピルなどのホルモン剤を使用し、月経・排卵・ホルモンをコントロールする治療方法を選択する場合も少なくありません。
  • 子宮内膜症など婦人科系疾患が月経困難症の原因と診断される場合は、その病気に対する治療を行います。

ピルを処方されることがあると聞きますが···。

  • 低用量ピルの処方は、月経困難症の治療において珍しいことではありません。
  • ピルと聞くと避妊目的の薬とイメージする方も少なくないかもしれませんが、避妊効果以外にも様々な効果があります。
  • 低用量ピルは生理周期をコントロールできるため、生理不順排卵痛の改善が期待できます。低用量ピルによって生理痛が軽減され、月経困難症が軽くなったという人も少なくありません。
  • また、月経困難症の改善目的でピルを処方する場合は、保険適用が可能です。低用量ピルによってホルモンバランスがコントロールされ、ニキビが改善したという人もいます。

月経困難症のセルフケアと注意点

ブランケットを肩にかけて窓辺で温かい飲み物を飲む女性

セルフケア方法を教えてください。

  • 血行不良が月経困難症の症状につながっているケースもあります。生理中は特に体を温めることを意識しましょう。下腹部を温める・ゆっくり湯舟に浸かる・温かい飲み物を飲むなどセルフケアとしてできることはたくさんあります。
  • また、バランスのとれた食生活・十分な睡眠を心がけることも大切です。
  • また、心理的な要因によって月経困難症が誘発される場合もあります。適度に体を動かしたり趣味の時間を設けたりと、ストレス発散となる機会をつくることも月経困難症の効果的なセルフケアといえるでしょう。
  • 「鎮痛薬に頼るのは体に悪い」というイメージから、痛みを我慢する人もいます。しかし、痛みが続く状態はストレスを増加させ、却って体に負担を与えます。また、痛みを感じることで、どんどん痛みの物質が放出され悪循環になる場合も多いです。薬に対するアレルギーがない限りは、痛みが辛いときは無理せず鎮痛薬に頼り、痛みを緩和することもセルフケアの1つです。

日常生活で気をつけることはありますか?

  • 日常生活のちょっとした意識が、月経困難症の緩和につながることもあります。
  • 毎日湯舟に浸かる
  • 冷たい飲み物・食事はなるべく避ける
  • 温かい飲み物を飲む
  • お腹や腰を温める
  • ストレッチや運動を行う
  • お腹が冷えるような服装は避ける
  • こうした生活習慣で体を冷やさない・体を温めることを意識してみると良いでしょう。また、月経困難症には、思わぬ婦人科系疾患が隠れている場合もあります。少しでも生理が辛い、生理の様子がおかしいなと思ったら、診察を受けましょう。

最後に、読者へメッセージがあればお願いします。

  • 「生理は辛いもの」「生理痛は誰でもあるもの」こうした考えから、辛い体の不調や痛みを我慢する女性は少なくありません。しかし、生理痛をはじめとする月経困難症の症状を我慢する必要はありません
  • 様々な治療方法で月経困難症を改善し、生理に影響されずに日常生活を送ることができます。生理によって日常生活に支障をきたしている場合は、遠慮せずに専門医の診察を受けてください。生理と上手に付き合い、辛い症状の悩みを改善していきましょう。

編集部まとめ

窓際で光を浴びながら背伸びをする女性

多くの女性が、生理中の不調を経験していると思います。

生理に関する悩み・症状は、他人に言いづらいセンシティブな問題でもあります。だからこそ、不安を抱える人も少なくないはずです。

生理中の痛み・不調を緩和するために家庭でできることはたくさんありますが、セルフケアだけでは改善が難しい症状わからない原因もあります。

何十年と長く付き合っていかなければいけない生理だからこそ、辛い症状や悩みを抱えている人は迷わずに婦人科に相談してみましょう。