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「脳波検査の費用」はいくらかご存じですか?分かる病気や注意点も医師が解説!

 公開日:2026/05/06
「脳波検査の費用」はいくらかご存じですか?分かる病気や注意点も医師が解説!

脳波検査の費用はいくら?メディカルドック監修医が、脳波検査にかかる費用の目安(保険適用や自費の場合)や、検査でわかること、入院が必要なケースについて分かりやすく解説します。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

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脳波検査の費用はいくらかかる?

脳波検査は、頭皮に電極をつけて脳の電気的な活動を記録する検査です。てんかんや意識障害、睡眠中の異常な症状などが疑われるときに行われ、検査の種類や保険適用の有無によって費用は変わります。まずは、通常の脳波検査と自費診療で受ける検査の違いを整理しておきましょう。

脳波検査の保険適用になる条件と費用の目安

脳波検査は、てんかん、けいれん、意識消失、意識障害、中枢神経系の異常が疑われる場合など、医師が診断や経過観察に必要と判断したときに保険適用で行われます。現行の診療報酬では、通常の脳波検査は720点、これに脳波検査判断料180点または350点が加わるため、検査自体は900〜1,070点が目安です。3割負担なら、検査部分だけでおおむね2,700〜3,210円となり、ここに初診料・再診料などが加わります。睡眠賦活検査や薬物賦活検査を追加した場合は250点加算されます。なお、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合に行う終夜睡眠ポリグラフィーは別区分で、通常の脳波検査とは費用体系が異なります。

自費診療(脳ドックなど)の場合の費用

健康診断や脳ドックの一環として受ける検査は、症状に基づく保険診療ではないため、原則として自費になります。自費の脳波検査や脳機能評価の価格設定は医療機関ごとの差が大きいです。一般的な脳ドックでは、頭部MRIやMRA、頸動脈超音波検査などを行います。約3〜5万円としている場合が多く、これに脳波検査をオプションとしてつけると約8,000円が追加されると考えられます。また、睡眠検査として脳波を在宅で計測する場合、約2〜3万円の場合もあります。脳波や解析を追加する場合はさらに費用が上がることがあります。特に、脳波検査にMRI検査などを含めるかどうかなど、検査内容の違いによって価格は決まります。そのため、自分が受けようとするドックなどに何の検査が含まれているのかを確認することが大切です。

脳波検査で医療費の負担を減らす制度はある?

てんかんで継続的な通院治療が必要な場合は、自立支援医療(精神通院医療)の対象になることがあります。厚生労働省は、てんかんを精神通院医療の対象に含めており、外来での診療や投薬などの自己負担軽減につながる可能性があります。ただし、すべての検査や入院が一律に対象になるわけではないため、主治医や自治体窓口で確認しておくと安心です。

脳波検査でわかることや入院が必要なケースは?

脳波検査は、脳の形を見るMRIやCTとは異なり、脳の働き方の変化を捉える検査です。症状の出方や検査時間によっては、通常の外来検査だけでなく、長時間記録や入院検査が必要になることもあります。

脳波検査から見えてくる脳のサイン

脳波検査では、てんかんに特徴的な異常波のほか、脳炎、脳梗塞・脳出血、脳腫瘍、頭部外傷、中毒に伴う意識障害などでみられる脳機能の乱れを評価することがあります。ただし、脳波だけで病名が確定するとは限らず、症状や画像検査、血液検査などと合わせて総合的に判断されます。

脳波検査はADHDなどの発達障害やてんかんもわかる?

てんかんでは脳波が診断に役立つ場面が多く、発作のない時間帯でも、てんかん性の所見が見つかることがあります。一方で、ADHDは脳波だけで診断できる病気ではありません。定量的脳波検査(QEEG)は脳波を数値化して解析する方法ですが、日本の通常診療でADHDの標準診断法として確立しているわけではなく、施設によって自費で実施されているのが実情です。海外では補助的な活用例があるものの、評価には賛否があり、QEEGの結果だけでADHDや自閉スペクトラム症を判断するのは適切ではありません。

脳波検査で長時間の記録や入院が必要なケースとは?

通常の脳波検査は1時間前後で終わることが多い一方、発作の回数が少ない、睡眠中に症状が出やすい、発作時の様子と脳波を同時に確認したいといった場合には、長時間ビデオ脳波記録や入院での検査が検討されます。

「脳波検査」の見方と再検査が必要な結果

以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

「脳波検査」の結果の見方

脳波の判定では、基礎的な律動が保たれているか、左右差があるか、てんかん性放電があるかなどを確認します。異常所見があっても、すぐに重い病気と決まるわけではありませんし、逆に症状があっても1回の検査で異常が出ないこともあります。症状の内容、発作の頻度、検査時の覚醒・睡眠状態を含めて評価されます。

「脳波検査」の再検査基準と内容

初回検査で異常がはっきりしないものの、てんかんや睡眠関連発作がなお疑われる場合は、睡眠脳波、長時間脳波、ビデオ同時記録などの再検査が行われることがあります。症状が続くのに「一度正常だったから大丈夫」とは言い切れないため、主治医の判断で追加検査が選ばれます。

「脳波検査」で見つかる病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「脳波検査」に関連する病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

てんかん

てんかんは、脳の神経細胞が過剰に興奮し、発作を繰り返す病気です。意識消失、けいれん、ぼんやりする発作など症状はさまざまで、脳波検査は診断や発作型の評価に重要です。発作を疑う症状があれば脳神経内科やてんかん外来の受診が勧められます。

睡眠障害

日中の強い眠気や睡眠中の異常行動がある場合は、睡眠障害が背景にあることがあります。脳波は睡眠段階の評価にも用いられ、必要に応じて終夜睡眠ポリグラフィーやMSLT(睡眠潜時反復検査)などの検査が行われます。MSLTは、ナルコレプシーや特発性過眠症などの過眠症を診断するため、日中の眠気の強さを客観的に測定する専門的な検査です。睡眠障害が疑われる場合に推奨される受診先には精神科、心療内科、睡眠外来、脳神経内科などがあります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

いびき、日中の眠気、睡眠中の無呼吸が疑われる場合はSASの検査が行われます。SASの評価では終夜睡眠ポリグラフィーが用いられ、条件を満たせば保険診療で算定されます。脳波を含む詳細検査は、睡眠の深さや覚醒反応も確認できる点が特徴です。

脳梗塞・脳出血

脳梗塞や脳出血では、主にCTやMRIなどの画像検査で診断が行われますが、けいれんや意識障害を伴う場合には、脳波検査が補助的に用いられることがあります。脳の障害によって電気的な活動に乱れが生じると、脳波に異常が現れることがあります。また、脳卒中後にはてんかん発作を発症することがあり、その評価や再発リスクの把握においても脳波が役立つ場合があります。近年では、発作が起きていない時期であっても、脳波上に「発作間欠期てんかん性放電(interictal epileptiform discharges)」と呼ばれる特徴的な異常が認められると、脳卒中後てんかんの再発と関連する可能性が示されています。手足のしびれや脱力、ろれつが回らない、突然の強い頭痛などがある場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。受診先は脳神経内科や脳神経外科が適しています。

脳腫瘍

脳腫瘍では、発作や意識変化をきっかけに脳波検査が行われることがあります。ただし、腫瘍そのものの評価はMRIなど画像検査が中心です。頭痛、けいれん、性格変化、片麻痺などがあるときは早めに脳神経外科や脳神経内科を受診しましょう。

脳波検査を正しく受けるための注意点や過ごし方

脳波検査は痛みの少ない検査ですが、記録の質は当日の状態にも左右されます。検査を受ける前に、睡眠、服薬、整髪料などの注意点を確認しておくと、再検査を避けやすくなります。

脳波検査前日の睡眠や当日の食事・お薬について

検査内容によっては、前日の睡眠時間を調整するよう指示されることがあります。食事は通常どおりでよいことも多い一方、服薬は自己判断で中止せず、必ず医療機関の案内に従ってください。睡眠脳波では、眠りやすくする薬を使う場合もあります。

脳波検査当日の服装や髪型で気をつけることは?

頭皮に電極を装着するため、整髪料やオイルは控えめにし、髪は洗って乾かしておくと検査しやすくなります。締めつけの少ない服装で受診すると、長時間横になる検査でも負担が少なく済みます。

脳波検査中の過ごし方とリラックスのコツ

検査中は、目を閉じて安静を保ち、体の力を抜くことが大切です。瞬きや歯の食いしばり、体動が多いと波形にノイズが入りやすくなります。検査時間は1時間前後のことが多いため、事前にトイレを済ませておくと落ち着いて受けやすいでしょう。

脳波検査を子供が受ける場合やけいれん等の症状があるときの注意点

小児では、起きている時から眠りに入るまでの経過を記録したいことが多く、検査の進め方が大人と異なる場合があります。けいれんや意識消失があった場合は、動画や発作時刻の記録が診断の助けになることがあります。検査に不安があるときは、小児神経やてんかんを扱う医療機関に相談するとよいでしょう。

「脳波検査の費用」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「脳波検査の費用」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

脳波検査が保険適用になる条件は何でしょうか?

木村 香菜木村 香菜 医師

脳波検査は、てんかん、けいれん、意識障害、脳炎や脳血管障害が疑われる場合など、医師が診断や経過観察に必要と判断したときに保険適用になります。健康診断などで受ける場合は、原則として自費です。

脳波検査とあわせてMRI検査を受ける場合、いくらくらいかかりますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

保険診療でMRIを追加する場合は、部位や施設によって差がありますが、頭部MRIの3割負担は5,000〜6,000円前後が一つの目安です。自費で頭部MRIや脳ドックとして受ける場合は、2万円前後〜3万円台になることがあります。脳波検査とMRIは役割が違うため、必要性に応じて組み合わせて行われます。

脳波検査では、認知症やうつ病などの病気が隠れているかどうかもわかるのでしょうか?

木村 香菜木村 香菜 医師

脳波は脳の働き方の異常をみる検査で、意識障害やてんかんの評価には役立ちますが、認知症やうつ病を脳波だけで確定診断する検査ではありません。症状や神経心理検査、画像検査などを合わせて判断します。

てんかん等のリスクを自費で調べたいのですが脳波検査は何歳から受けられますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

脳波検査は乳幼児から高齢者まで幅広い年齢で行われています。年齢そのものより、症状や検査目的、検査中に安静を保てるかどうかが大切です。小児では睡眠時記録や専門施設での対応が必要になることがあります。

自覚症状があっても定量的脳波検査(QEEG検査)の費用は保険適用になりませんか?

木村 香菜木村 香菜 医師

現行の医科診療報酬点数表では、通常の脳波検査や長時間ビデオ脳波、終夜睡眠ポリグラフィーなどは定めがあります。しかし、QEEGそのものの算定は現時点ではありません。そのため、QEEGは施設ごとの自費診療として案内されることが多いと考えられます。なお、QEEGは研究や補助的評価に用いられることはありますが、ADHDの確定診断を単独で行う標準検査ではありません。

まとめ

脳波検査の費用は、保険診療なら3割負担で数千円台が目安で、通常の脳波検査では検査部分だけでおおむね2,700〜3,210円ほどです。初診料や再診料、追加検査の有無で支払額は前後します。一方、脳ドックやQEEGなど自費診療では、検査内容によって価格差が大きくなります。脳波検査は、てんかんや意識障害、睡眠中の異常の評価に役立つ一方、ADHDを脳波だけで診断することはできません。費用だけでなく、何を調べるための検査なのかを確認したうえで受けることが大切です。

「脳波検査」の異常で考えられる病気

「脳波検査」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

脳神経内科・精神科系の病気

脳神経内科・精神科系

耳鼻咽喉科系の病気

耳鼻咽喉科系

脳波検査は、上記のような病気の診断などに用いられることがあります。

「脳波検査」が望ましい症状

「脳波検査」を受診すべき症状は6個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • けいれんが起こる
  • 意識が一時的に途切れる
  • ぼーっとすることがある
  • 手足が勝手に動く
  • めまいやふらつきが続く
  • 睡眠中の異常な動き

気になる症状がある場合は、早めに医療機関で相談することが大切です。

この記事の監修医師