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皮下脂肪 vs 内臓脂肪 医師が見てヤバイのはどっち? 病気のリスクが高いのは…

 公開日:2024/09/06
皮下脂肪 vs 内臓脂肪、医師から見てヤバイのはどっち? 病気のリスクが高いのは…

肥満は決して外見だけの問題ではなく、さまざまな病気のリスクを上げると言われています。また、体脂肪のつき方には、皮下脂肪と内臓脂肪の2種類があり、健康に与える影響は異なるようです。そこで、肥満による病気のリスクや皮下脂肪と内臓脂肪の違いについて、「東京たかはしクリニック練馬院」の高橋昂大先生に解説してもらいました。

高橋 昂大

監修医師
高橋 昂大(東京たかはしクリニック練馬院)

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2010年日本大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター外科、東京大学医学部附属病院心臓血管外科、新東京病院心臓血管外科、メディカルトピア草加病院などに勤務。2020年海外留学(Khoo Teck Paut Hospital)。日本外科学会専門医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、日本消化器外科学会指導医、下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実施基準による指導医、日本内視鏡外科学会内視鏡外科技術認定医、The European Association for Endoscopic Surgery、The International Federation for the Surgery of OBESITY AND METABOLIC DISORDERS (IFSO)。

肥満だとどうしていけないの?

肥満だとどうしていけないの?

編集部編集部

肥満だと病気のリスクが上がるというのは本当ですか?

高橋 昂大先生高橋先生

そうですね。肥満は高血圧や脂質異常症、2型糖尿病、がん、脂肪肝などの発症要因になります。

編集部編集部

がんのリスクも上がるのですか?

高橋 昂大先生高橋先生

はい。多くの論文で既に発表されているように、肥満になると、がんの発症リスクが高くなります。なかでも大腸がん、肝臓がん、子宮がん、乳がんは肥満に関連する「がん」であると言われています。

編集部編集部

生活習慣病だけかと思っていました。

高橋 昂大先生高橋先生

そんなことはありません。ほかにも、例えば睡眠時無呼吸症候群や変形性関節症など、肥満はたくさんの病気を引き起こす要因になりうると言われています。

あなたはどっちのタイプ? 脂肪のつき方について解説

あなたはどっちのタイプ? 脂肪のつき方について解説

編集部編集部

脂肪のつき方にも種類があるのですか?

高橋 昂大先生高橋先生

そうですね。肥満症の分類にもいくつかの方法がありますが、脂肪のつき方によって分けると、『皮下脂肪型肥満』と『内臓脂肪型肥満』の2つのタイプがあります。

編集部編集部

それぞれについて教えてください。

高橋 昂大先生高橋先生

皮下脂肪型肥満は、皮膚の下、とくに下腹部やお尻から太ももにかけてなど、下半身に脂肪がついた肥満で、女性に多いとされています。冷えやすいなどの特徴があり、見た目はいわゆる下半身がふっくらしている「洋ナシ体型」であることが多いと言われています。

編集部編集部

内臓脂肪型肥満はどうですか?

高橋 昂大先生高橋先生

内臓脂肪型肥満は、文字通り内臓の周りに脂肪がついた肥満です。見た目はそこまでではないのに体脂肪率の高い「隠れ肥満」の人や、ほかの部分は太くないのにお腹だけがぽっこり出ている人はこのタイプが多く、比較的男性によく見られると言われています。お腹だけが出ているので、見た目はりんごのような体型と言われることが多いです。

皮下脂肪と内臓脂肪、どっちがヤバイの?

皮下脂肪と内臓脂肪、どっちがヤバイの?

編集部編集部

『皮下脂肪型肥満』と『内臓脂肪型肥満』、どちらも病気と関係が深いのですか?

高橋 昂大先生高橋先生

どちらも肥満であることには変わりないので、どちらも注意が必要です。しかし、内臓脂肪型肥満の人のほうが、よりリスクは高いと言えます。

編集部編集部

そうなのですね。

高橋 昂大先生高橋先生

はい。皆さんは脂肪肝という言葉を聞いたことがあると思います。これは肝臓に脂肪が沈着している状態で、この状態を続けていると炎症を起こし、やがて肝硬変になってしまうのです。さらには、肝硬変は肝臓がんになりやすいといった悪循環に陥っていきます。肝臓における疾患といえば、少し前まではウイルス性肝炎などが取り上げられていましたが、最近はこの「脂肪肝」が特に注目を集めており、脂肪肝から肝臓がんになる人は、今後ますます増えるだろうと言われています。このように、内臓に脂肪がついていると、内臓そのものの働きに影響が出やすいため、より病気のリスクは高くなると言えます。

編集部編集部

なるほど。

高橋 昂大先生高橋先生

もちろん、皮下脂肪型肥満だからといって安心というわけではありませんし、見た目だけで「下半身に脂肪がついているから皮下脂肪型肥満」と思っていても、実は両者が混合していて、内臓にも脂肪がついているというケースも考えられます。必要以上に体型を気にするのは良くありませんが、日本人はとくに肥満の影響を受けやすいので、ある程度ご自身の体型や体脂肪率などは意識して過ごすことをお勧めします。

編集部編集部

日本人は肥満の影響を受けやすいのですか?

高橋 昂大先生高橋先生

日本人を含めたアジア人全般に言えることですが、欧米人と比べて内臓に脂肪がつくケースが多いため、同じ体脂肪率でも内臓に負担がかかっていることが多いのです。日本人を含めたアジア人は、アメリカなどで基準値が示されているBMIから、2.5くらいマイナスして考えましょうとも言われているくらいです。

編集部編集部

確かにそうですね。

高橋 昂大先生高橋先生

肥満については、決して外見的、審美的な問題だけではないことは知っておいていただけたらと思います。最近は医療機関でも、肥満治療や医療痩身、減量外科治療などの相談に乗ってくれるところも増えていますので、健康診断などで「肥満」や「軽度肥満」と指摘された方や体重が増えて気になっている方などは、一度相談してみても良いかもしれません。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

高橋 昂大先生高橋先生

脂肪のつき方や、肥満がもたらす病気のリスクについてお話ししましたが、肥満は今や、医療機関でも治療できる時代です。その際は、専門家の意見をきちんと聞き、コミュニケーションをしっかりとった状態で治療を選択されることをお勧めします。例えば、皮下脂肪型肥満の人が、安易に過度な脂肪吸引をして皮下の脂肪細胞の数を減らしてしまうと、皮下に蓄積できなくなった脂肪が内臓に直接沈着するようになることもあります。そうなると病気のリスクは上がってしまうので、逆効果です。そういった場合は、例えば、脂肪を燃焼させて筋肉をつける「EMS」などを用いた痩身などが効果的だと思いますので、皆さんもそれぞれにあった方法で健康な体に近づけていきましょう。

編集部まとめ

皮下脂肪と内臓脂肪はどちらも健康に影響を与えますが、特に内臓脂肪は生活習慣病のリスクを高めるため、注意が必要です。肥満による病気のリスクを減らすためには、日常の食事や運動習慣を見直すことが重要ですが、一人で続けるのが難しい場合は、肥満外来などで専門家の適切なサポートを受けるのも良いとのことでした。

医院情報

東京たかはしクリニック練馬院

東京たかはしクリニック練馬院
所在地 〒177-0033 東京都練馬区高野台1-5-4 デコラート高野台2階
アクセス 西部池袋線「練馬高野台駅」より徒歩1分
診療科目 消化器内科、消化器外科

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