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「健康診断で検査する項目と内容」はご存知ですか?【医師解説】

 公開日:2025/11/26

健康診断で検査する項目と内容とは?医師が徹底解説します。

※この記事はMedical DOCにて『健康診断で「要精密検査と診断後病院に行かない」場合どうなるか解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

健康診断で検査する項目と内容

それでは、健康診断で検査する項目や内容をご紹介します。

胸部X線検査及び喀痰検査

胸部X線検査は肺や心臓の状態を確認するためのもので、喀痰検査は結核や肺がんのリスクを評価するために行われます。

血圧測定

血圧測定は高血圧や低血圧のリスクを評価するための基本的な検査です。 基準値は、収縮期血圧(最高血圧)130mmHg未満、拡張期血圧(最低血圧) 85mmHg未満となっています。

貧血検査(Hb、RBC)

貧血検査ではヘモグロビン(Hb)や赤血球数(RBC)を測定し、貧血の有無や程度を確認します。ヘモグロビンの基準値は、男性 13.0~16.6 g/dl、女性 11.4~14.6 g/dlとなっています。

肝機能検査(GOT、GPT、γ-GPT)

肝機能検査では肝臓の健康状態を確認し、肝炎や肝硬変などのリスクを評価します。 基準値から外れている場合には、急性・慢性肝炎やアルコール性肝炎、脂肪肝、肝硬変、あるいは心筋梗塞といった病気が考えられます。

血中脂質検査(TG、HDL-cho、LDL-cho)

血中脂質検査は脂質異常症(高脂血症)を評価し、心血管疾患のリスクを確認します。 TGはトリグリセリド、つまり中性脂肪のことを指します。基準値は150mg/dl未満です。 高値の場合には動脈硬化や脂質異常症、膵炎などが、低値の場合には肝硬変や低栄養状態が考えられます。 HDL-choは低比重リポタンパク質のことで、LDL-choは高比重リポタンパク質のことです。HDL-choは善玉コレステロールとも呼ばれます。 HDL-choの基準値は40mg/dl以上で、少なすぎると動脈硬化のリスクが高まる危険性があります。 LDL-choの基準値は120mg/dl未満です。これを超えている際には、脂質異常症、動脈硬化などが考えられます。

血糖検査

血糖検査は糖尿病のリスクを評価するための重要な検査です。 空腹時血糖やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)といった検査があります。 空腹時血糖は、10時間以上絶食した後の血中に含まれるブドウ糖で、基準値は100mg/dl未満です。 HbA1cは、1〜2ヶ月程度の血糖値の状態を反映する値で、基準値は5.6%未満です。 これらの検査で、糖尿病予備軍あるいは糖尿病でないかどうかをチェックします。

尿検査(糖、蛋白)

尿検査は、尿に含まれる蛋白や糖、血液などを調べます。 尿蛋白は、尿に含まれている蛋白質です。尿に蛋白質が現れる場合には、腎炎や糖尿病性腎症などの腎臓病や、尿路感染症や尿路結石などの病気の可能性があります。 尿糖は、尿に含まれるブドウ糖のことです。尿糖が陽性となっている場合には、糖尿病などで血糖値がかなり高い可能性があります。

心電図検査

心電図検査では心臓の電気活動を測定し、不整脈や心筋梗塞のリスクを評価します。

精密検査でかかる費用

精密検査の費用は、検査の種類や受ける医療機関によって大きく異なります。 例えば、一般的な血液検査の費用は約2,000円から5,000円ほどかかります。 心電図検査の費用は、約1,500円から3,000円程度です。胸部X線検査は、約2,000円から5,000円の費用で、肺や心臓の状態を確認するためのものです。 超音波検査、いわゆるエコー検査は、約3,000円から8,000円の費用がかかります。この検査では、腹部、心臓、頸動脈などの異常を調べるために画像診断が行われます。より詳細な断層画像を撮影するCTスキャンは、約10,000円から30,000円の費用がかかり、腫瘍や血管の異常を確認するために用いられます。 MRI検査はさらに高額で、約15,000円から50,000円の費用がかかります。MRI検査では磁気を利用して体内の詳細な画像を撮影し、特に脳や脊髄の異常を確認する際に有用です。 内視鏡検査は、消化管(胃、大腸)や気管支の内側を直接観察するためのもので、約15,000円から50,000円の費用がかかります。 一般的には、健康保険が適用される場合、自己負担額は比較的少なくなります。しかし、特定の精密検査や先進医療が必要な場合、費用が高額になることがあります。

「健康診断で要精密検査と診断されたが行かない」についてよくある質問

ここまで健康診断で要精密検査と診断されたが行かないことについて紹介しました。ここでは「健康診断で要精密検査と診断されたが行かない」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

健康診断で要精密検査と診断されたのですが、放置するとどうなるのでしょうか?

木村 香菜木村 香菜 医師

放置すると、潜在的な病気が進行する可能性があります。例えば、高血圧を放置すると心臓病や脳卒中のリスクが増加し、糖尿病を放置すると腎不全や失明のリスクが高まります。早期発見と早期治療が重要です。

まとめ 健康診断で要精密検査と診断されたら受診しましょう

健康診断で要精密検査と診断された場合、放置せずに速やかに医療機関を受診することが重要です。異常が見つかった場合、そのままにしておくと病状が悪化するリスクがあります。定期的な健康診断と適切なフォローアップで、健康を維持しましょう。

「健康診断」で考えられる病気と特徴

「健康診断」から医師が考えられる病気は30個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

消化器系の病気

肝臓・胆嚢系の病気

腎臓・泌尿器系の病気

糖尿病・代謝系の病気

血液・造血系の病気

呼吸器系の病気

内分泌系の病気

婦人科系の病気

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