「高血圧の人」が食べた方がよい「食べ物」はご存知ですか?避けた方がいい食べ物も解説!
公開日:2025/11/27


監修医師:
佐藤 浩樹(医師)
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北海道大学医学部卒業。北海道大学大学院医学研究科(循環病態内科学)卒業。循環器専門医・総合内科専門医として各地の総合病院にて臨床経験を積み、現在は大学で臨床医学を教えている。大学では保健センター長を兼務。医学博士。日本内科学会総合専門医、日本循環器学会専門医、産業医、労働衛生コンサルタントの資格を有する。
目次 -INDEX-
高血圧と食事の関係
高血圧とはどのような状態ですか?
高血圧とは、心臓から送り出される血液が血管の壁にかける圧力が、慢性的に基準値よりも高い状態を指します。日本高血圧学会は下記のいずれかに該当する状態を高血圧と定義しています。
- 診察室で測定した血圧が140/90mmHg以上
- 家庭で測定した血圧が135/85mmHg以上
血圧と食事の関係を教えてください
血圧は、日々の食事内容と深く関係しています。食事で摂る栄養素や塩分の量は、血液の量や血管の状態に影響し、血圧の変動を引き起こすことがあります。なかでも、塩分(ナトリウム)は特に気を付けたい項目です。ナトリウムを多く摂取すると、身体はそれを薄めようとして水分を保持し、血液量が増加します。その結果、血管にかかる圧力が高まり、血圧が上昇します。さらに、ナトリウムには血管を収縮させる作用もあるため、血圧がさらに上がりやすくなります。
高血圧の予防には、食塩摂取量の制限が不可欠です。目標値は個人差がありますが、日本高血圧学会では1日6g未満の減塩を推奨しています。
参照:『高血圧治療ガイドライン2019』(日本高血圧学会)
食生活によって血圧が変動するのですか?
食生活は血圧に大きな影響を与えます。日本人の平均食塩摂取量は1日あたり約9〜10gとされています。これを1日6g未満に減らすことで、血圧の上昇を防ぎやすくなります。実際、食塩を5g程度減らすことで収縮期血圧が平均4〜5mmHg低下することが報告されています。
一方で、塩分の多い食事を続けると、身体内に水分がたまり、血液量が増えることで血管にかかる圧力が上がります。さらに、血管の収縮も促され、血圧が上がりやすい状態が続きます。
参照:
『令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要』(厚生労働省)
『Effect of modest salt reduction on blood pressure: a meta-analysis of randomized trials. Implications for public health』(Journal of Human Hypertension)
高血圧に良い食べ物とおすすめの献立
高血圧の人が食べた方がよい食べ物を教えてください
高血圧の予防や改善には、野菜、果物、大豆製品などに豊富に含まれるカリウムを意識して摂取しましょう。
カリウムには、腎臓からナトリウムの排泄を促し、血圧を下げる働きがあります。代表的なカリウムを豊富に含む食材は下記のとおりです。
- ほうれん草
- ブロッコリー
- トマトなどの野菜
- バナナやみかんなどの果物
- じゃがいも
- さつまいもなどのいも類
高血圧の人はどのような献立がよいですか?
高血圧の方に推奨されるのは、DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension)と呼ばれる食事パターンです。DASH食は野菜、果物、低脂肪乳製品を積極的に取り入れ、飽和脂肪酸や塩分の摂取を控えることを基本とした食事法です。特徴です。こうした食事を継続することで、血圧の低下が期待できます。さらに、減塩を組み合わせたDASH-sodium食は、より高い降圧効果が期待できます。
実際の献立例は以下のとおりです。
- 朝食:オートミールと果物
- 昼食:鶏むね肉と野菜を中心としたサラダ
- 夕食:青魚の塩焼きと雑穀ごはん、減塩味噌汁
高血圧の人が避けた方が良い食べ物や飲み物を教えてください
まず避けるべきは、塩分が多く含まれている食品です。特に下記の食べ物は塩分量が多く、血圧に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 漬物
- ラーメン
- インスタント食品
- 加工肉(ハム、ソーセージ)
高血圧の人に推奨される生活習慣
高血圧の人が食事以外に気を付けた方がよい生活習慣を教えてください
食事以外にも、日常生活の習慣は血圧のコントロールに大きく影響します。なかでも体重管理は見過ごせない要因です。肥満は血圧上昇の大きな要因であり、体重を減らすことで血圧が低下することが示されています。具体的には、体重を1kg減らすごとに、収縮期血圧(最高血圧)、拡張期血圧(最低血圧)ともに約1mmHg下がると報告されています。
加えて、十分な睡眠とストレス管理も意識しましょう。睡眠不足や不規則な生活は、交感神経の働きを高め、血圧を上昇させます。また、強いストレスが続くことも交感神経を優位にし、血圧を高めます。完全にストレスを排除することは難しいですが、散歩や趣味、深呼吸などを取り入れて、適度に解消する工夫を心がけましょう。
参照:『高血圧治療ガイドライン2019』(日本高血圧学会)
高血圧と診断されたらお酒やタバコとはどのように付き合えばよいですか?
アルコールは少量であれば一時的に血圧を下げることがありますが、毎日の飲酒や過剰な摂取はかえって血圧を上昇させます。
摂取量の目安としては、男性で1日20〜30mL以下(おおよそ日本酒1合、ビール中瓶1本、焼酎半合、ウィスキーダブル1杯、ワイン2杯に相当)、女性はその約半分の1日10~20mL以下に制限することが推奨されています。
一方、タバコは1本吸うだけでも血圧の上昇が15分以上持続するとされています。喫煙は血管を収縮させ、血圧を上げるだけでなく、長期的には動脈硬化や心血管疾患を発症する可能性も高めます。
一定の条件を満たせば、保険診療で禁煙指導を受けられる場合があります。気になる方は、医療機関に相談してみましょう。
参照:『高血圧治療ガイドライン2019』(日本高血圧学会)
高血圧の人に推奨される運動の頻度と強度を教えてください
運動には高い降圧効果が期待できます。目安となるのは、息が弾む程度の会話が可能な強度の運動です。たとえば、早歩きや軽いランニングなどがよいでしょう。運動直後には血圧が約4〜5mmHg低下し、その効果は約22時間持続するとされています。運動時間は、1回につき少なくとも10分以上、1日合計で40分以上を目標にしましょう。継続的な有酸素運動によって、収縮期血圧は2〜5mmHg、拡張期血圧は1〜4mmHg程度の低下が期待されます。
参照:『高血圧治療ガイドライン2019』(日本高血圧学会)
編集部まとめ
高血圧は自覚症状が乏しいまま進行することが多く、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などの重大な合併症につながる危険性があります。そのため、日常の食事や生活習慣を見直し、予防と管理に取り組みましょう。特に、減塩の徹底、カリウムを多く含む食品の積極的な摂取、DASH食の実践は、血圧を安定させる有効な方法とされています。
さらに、適度なアルコール摂取量のコントロールや禁煙、適正体重の維持、有酸素運動の継続も血圧の改善に効果的です。こうした日々の小さな工夫を積み重ねることで、血圧をコントロールでき、長期的な健康維持につながります。
参考文献




