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訪問歯科診療の対象者とは?訪問歯科診療のメリットとデメリット、受診するための条件を解説!

 更新日:2023/11/30
訪問歯科診療の対象者とは?訪問歯科のメリットとデメリット、受診するための条件を解説!

口腔に関する病気や異常は、全身と比較した場合、軽視される傾向にあります。歯の異常よりも頭やお腹、手足に関する異常の方が治療の優先順位が上がってしまうものです。そのため、何らかの理由で歯科への通院が難しい場合は、口腔内の異常を放置してしまっている方もいるのではないでしょうか。
そこで、是非とも知っておいてもらいたい「訪問歯科診療」があります。文字通り歯科医師や歯科衛生士が自宅まで訪問して診療をするサービスです。ここでは、そんな訪問歯科診療の対象者や利用するメリット・デメリット、受診するための条件などを解説します。

安福 正美

監修歯科医師
安福 正美(医療法人社団安福歯科医院)

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松本歯科大学 卒業

訪問歯科診療とは

訪問歯科診療とは

はじめに、訪問歯科診療の概要と実施状況について簡単に説明します。

訪問歯科診療の概要

訪問歯科診療は、歯科医師や歯科衛生士といった口腔の専門家が患者さんの自宅や入院施設などを訪問して、歯科診療を提供するサービスです。厚生労働省が実施している公的な医療サービスなので、基本的に誰でも利用することができます。ただし、一定の条件を満たす必要があるため、厳密には対象となる方は一部に限定されます。その点は後段で説明します。

訪問歯科診療の実施状況

訪問歯科診療を利用している方の大半は、75歳以上の後期高齢者です。具体的には、訪問歯科診療全体の83.5%を75歳以上の方が占めています。高齢になるほど介護が必要となる方が増えることを考えると、こうした訪問歯科診療の実施割合に偏りが生じるのは不思議なことではありません。

けれども、日本歯科医師会が行った「要介護高齢者に対する調査」では、口腔ケアや歯科治療が必要である高齢者の割合が60%程度であるにも関わらず、実際に診療を受けている方は2.4%程度にとどまっているという結果が報告されています。これは「訪問歯科診療」というサービスがあること自体あまり知られていないともいえるでしょう。訪問歯科診療は、足腰が不自由な方でも電話連絡によって自宅で歯科治療などを受けられます。そのようなサービスが提供されていることを知っていれば、口腔の病気や異常を放置する方も少なくなるでしょう。

訪問歯科診療の対象者

訪問歯科診療の対象者

次に、訪問歯科診療はどんな方が対象となるのか、また対象となる地域や患者さんおよび家族にかかる負担について説明します。

訪問歯科診療の対象者の条件

訪問歯科診療は、前提として自力での通院が困難であるという条件があります。その理由は、病気や障がい、外傷などさまざまです。例えば、何らかの理由で寝たきりとなっている方も、訪問歯科診療の対象となります。

訪問歯科診療の対象となる地域

訪問歯科診療は、対象者としての条件を満たせばどこでも受けられるというものではありません。まず、利用を検討している歯科医院が訪問歯科診療に対応していなければなりません。また、その歯科医院から半径16km以内に自宅や入院施設がなければならないのです。
ただし、入院している施設に歯科や口腔外科がある場合は、訪問歯科診療の対象外となります。デイケアやデイサービスといった通所施設も訪問歯科診療の理念・システムから外れるため、利用の対象外となりますのでご注意ください。

訪問歯科診療の患者さんの家族にはどんな負担があるか

訪問歯科診療を利用する患者さんの多くは、寝たきりであったり、手足が不自由であったりすることから、診療中に家族が協力を頼まれる場面も出てきます。例えば、口腔ケアや治療のために患者さんの体位を変えなければならない時などに家族の協力が必要となります。また、ブラッシングの方法などは家族や介助者が習得しなければならないケースもあります。
とはいえ、訪問歯科診療では基本的に歯科医師と歯科衛生士が連携しながら治療を進めていくことになるため、家族に大きな負担がかかることはほとんどありません。

訪問歯科診療で対応可能な診療内容

訪問歯科診療で対応可能な診療内容
訪問歯科診療では、歯科医院とほぼ同じ内容のケアや治療を受けることができます。

むし歯・歯周病の治療

むし歯の治療は、ポータブルタイプの切削器具などを用いて行います。削った部分を補うコンポジットレジン修復もその場で実施可能です。歯周病も歯のクリーニングやスケーリング(歯石除去)などをメインに治療を進めていきます。とくに高齢者は歯周病の割合が多くなっているため、訪問歯科診療での需要も高いです。

口腔ケア(予防治療)

手足が不自由な人は、口腔ケアが不十分となりやすいです。歯科衛生士が歯垢や歯石を取り除いて、むし歯・歯周病を予防しやすくします。
口腔衛生状態が悪くなっていると、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)などの感染症リスクが高まるため、寝たきりの方こそ口腔ケアを受けた方が良いでしょう。

入れ歯の作製・調整・修理

訪問歯科診療では入れ歯を作ることも可能です。訪問先では歯型取りや入れ歯の調整・修理を行い、入れ歯の製作自体は歯科医院や歯科技工所で実施します。

摂食・嚥下トレーニング

寝たきりになっている方は、食べ物を噛む力(=摂食)、飲み込む力(=嚥下)が衰えています。そうした摂食・嚥下の機能をトレーニングするのも訪問歯科診療の役割の一つです。しっかり噛めて、飲み込めるようになれば、十分な栄養を摂ることができ、全身状態の向上にもつながります

訪問歯科診療のメリット

訪問歯科診療のメリット
訪問歯科診療を受けると、次に挙げるような5つのメリットが得られます。

通院せずに診療を受けられる

車や電車、バスなどを使って歯科医院まで通院する必要がありません。多くのケースでは家族や介助者が診療予約などを取るため、患者さん自身にかかる負担はほとんどありません。

リラックスして診療を受けられる

いつも眠っているベッドの上で診療を受けられることから、歯科医師や歯科衛生士が訪問しても緊張することは少ないでしょう。むし歯治療や歯周病治療もリラックスした状態で受けられます

食生活や生活環境などに合わせた助言を受けられる

訪問歯科診療では、患者さんの身体の状態に合った生活指導を受けられます。食生活や生活環境の改善が期待できます。

介護を行う方がケア方法を習える

訪問歯科診療で行うブラッシング指導は、患者さんだけでなく、介護を行う方も受けられます。その結果、介助者による口腔ケアの質を高めることができます

定期的な受診で口の健康を維持しやすくなる

定期検診によって口腔の健康を維持しやすくなるのは、要介護高齢者も一般の方も変わりはありません。高頻度に受けていれば、むし歯や歯周病、誤嚥性肺炎などの感染症リスクを低く抑えられることでしょう。

訪問歯科診療のデメリット

訪問歯科診療のデメリット
訪問歯科診療は、歯科への通院が困難な方にとって非常に有益なサービスではありますが、デメリットも伴います。

通院するよりも支払い額が高くなる

訪問歯科診療には、原則として保険が適用されます。保険点数のルールも通院する場合と変わらないため、歯科治療にかかる費用に大きな差が生じることはまずありません。ただし、訪問歯科診療の場合は、「歯科訪問診療料」という名目で点数が加算されるため、通院の場合よりも1,000円程度、支払額が高くなります。この点を訪問歯科診療のデメリットに感じる方もいるでしょう。

治療できる内容が限られる

訪問歯科診療では歯科医院とほぼ同じ内容の治療を受けられますが、技術的に困難なものもあります。例えば、顎の骨に埋まっている親知らずの抜歯やインプラント治療といった外科処置は、適切な設備が整った施設でなければ実施が不可能です。

すぐに治療することが難しいケースがある

患者さんの口腔の状態や治療の内容によっては、すぐに施術することが難しい場合もあります。これもまた一定の制限が加わる訪問歯科診療のデメリットの一つといえるでしょう。

訪問歯科診療の費用と予約方法

訪問歯科診療の費用と予約方法
歯科医師や歯科衛生士が自宅まで来てくれるとなると、費用を心配する方もいるでしょう。ここでは、訪問歯科診療の費用についてさらに詳しく解説します。

訪問歯科診療は基本的に健康保険が適用される

訪問歯科診療で行う処置には、基本的に健康保険が適用されます。75歳以上の後期高齢者であれば、1割負担で治療を受けることができます。

通院するよりも支払い額が高くなる理由

上述したように、訪問歯科診療では「歯科訪問診療料」という名目で保険点数が加算されます。そのため1回あたりの支払額が通院した場合よりも1,000円程度高くなるといえます。歯科医師や歯科衛生士の交通費を支払うことはありません。

訪問歯科診療が健康保険の適用外となる場合

治療の種類によっては、訪問歯科診療でも健康保険が適用されない場合もあります。そうしたケースはいわゆる自由診療となることから、費用負担も10割となります。

訪問歯科診療の予約方法

訪問歯科診療は、まず電話での問い合わせから始まります。訪問歯科診療に対応している歯科医院に電話をして、利用者の状況等を伝えましょう。その後、最初の検診のための訪問日時等を決定したら予約が完了します。

訪問歯科診療なら安福歯科医院に相談を

ここまで訪問歯科診療の対象者や対応可能な診療内容、利用するメリット・デメリットなどを解説してきました。訪問歯科診療の対象条件を満たしている方は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
最後に、訪問歯科診療に力を入れている安福歯科医院をご紹介します。

訪問歯科診療でも豊富な診療内容に対応

安福歯科医院受付
兵庫県宝塚市の安福歯科医院では、訪問歯科という限られた環境の中でもさまざまな診療に対応することができます。例えば、入れ歯治療では保険診療のレジン床義歯だけでなく、金属の留め具がないノンクラスプデンチャーを作ることも可能です。バクテリアセラピーやオゾン水を使用した治療、舌苔の除去など、口臭治療を得意としている点も訪問歯科診療との親和性が高いといえます。

できる限り痛みの少ない治療を徹底

安福歯科医院診察室
安福歯科医院では、痛みの少ない治療を大切にされているそうです。麻酔注射を行う際は、電動麻酔器や極細の針、人肌近くに温度を保った麻酔液を使用して、痛みと刺激を低減されているといいます。そのほかにもさまざまな状況で、手間と時間を惜しむことなく痛みを抑える工夫に取り組まれています。患者さんの痛みに対する不安な思いにも丁寧に耳を傾け、それを解消してから治療に進むことを徹底されているそうです。

患者さんにしっかりと向き合った治療

安福歯科医院では、患者さんにしっかりと向き合った治療を意識されているそうです。専属ドクター制を採用し、男性歯科医師を怖いと感じてしまう小さなお子さんや女性の患者さんには、女性歯科医師が専任で担当しているといいます。
予防治療においては、すべての方に同じ治療をおすすめするのではなく、患者さんごとのむし歯や歯周病のリスク、食習慣、年齢やライフスタイルに合った予防治療メニューを提案し、効率よく、口のトラブルを予防されているそうです。

安福歯科医院の基本情報

アクセス・住所・診療時間

阪急今津線 宝塚南口駅 徒歩1分

兵庫県宝塚市南口1丁目8−20 宝塚南口ビル 2F

診療時間
9:30~12:00
14:30~18:30

△…9:30~14:00

この記事の監修歯科医師