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「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」ことはありませんか?医師が原因・対処法について解説!

「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」ことはありませんか?医師が原因・対処法について解説!

仕事中に眠気で意識が飛ぶときの対処法は?Medical DOC監修医が考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

木村 眞樹子

監修医師
木村 眞樹子(医師)

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医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学の大切さを改めて感じるようになる。医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
総合内科専門医、循環器専門医、睡眠専門医、認定産業医の資格を持つ。

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「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」症状で考えられる病気と対処法

決して仕事に身が入っていないわけではない、それなのに、日中突如襲ってくる眠気。
また、気がついたら意識が飛ぶような感覚を経験したことがある人は少なくないと思います。仕事中に眠気で意識が飛ぶ場合はどのような対処法で乗り切ればよいのでしょうか?
仕事中に眠気で意識が飛ぶ症状が出る場合、睡眠不足症候群や睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシーなど睡眠障害が考えられます。
それぞれ治療法など異なりますが、仕事中に症状が出た場合の対処法としてはいずれも5~10分ほどの仮眠をとることは症状の緩和につながります。

仕事中に眠気で意識が飛ぶ症状で考えられる原因と治し方

仕事中に眠気で意識が飛ぶ場合、一番に考えられる原因が睡眠不足です。
おすすめの症状の落ち着かせ方は、やはり仮眠をとること。10~15分ほど仮眠をとると症状が解消されることがあります。もし、仮眠がとれない場合は積極的に水分を摂取したり、数分間目を閉じたりするだけでも症状緩和にはおすすめです。
また、睡眠不足といっても、睡眠時無呼吸症候群やストレスによる不眠症などの病気が原因となる場合もあります。
そのため、仕事中に頻繁に眠気で意識が飛ぶ症状が出る場合は、睡眠外来や精神科を受診するようにしましょう。

仕事中に眠気で目を開けたまま意識が飛ぶ症状で考えられる原因と治し方

仕事中に眠気で目を開けたまま意識が飛ぶ場合、ナルコレプシーという病気が考えられます。
ナルコレプシーは、中枢神経の異常により起こる睡眠障害で、日中に激しい眠気が襲ってくることが特徴です。
症状を落ち着かせる方法は、短時間でも良いので仮眠をとること。休憩時間や勤務中に5~10分でも良いので仮眠を取ると症状が緩和します。
ナルコレプシーの場合、慢性的な睡眠障害によりリスクもありますが、突然激しい眠気が襲ってくることによる仕事への過失のリスクを考えるべきです。
たとえば、乗り物の運転手、高所での作業員など、仕事中の居眠りが許されない業種に従事されている人は、ナルコレプシーを治すための早期の通院をおすすめします。
ナルコレプシーで通院をする場合は、睡眠外来のある医療機関や、精神科などへの受診が適切です。

すぐに病院へ行くべき「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

失神状態をくり返す症状の場合は、脳神経内科・循環器内科へ

眠気で少し意識が飛ぶ程度ではなく、意識を失うほどの失神をくり返す場合は脳に何らかの病気や不整脈など循環器疾患がかくれている可能性が考えられます。
脳疾患、循環器疾患は早期に治療を行わなければならない緊急性の高い病気である可能性もあります。しゃべりにくい、手足が動かしにくい、頭痛がある場合などは脳神経内科を、動悸症状を伴ったり、動いている最中に意識が飛ぶようなことがある場合には循環器内科をただちに受診しましょう。

受診・予防の目安となる「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」ときのセルフチェック法

  • ・仕事中に眠気で意識が飛ぶ以外に頭痛症状がある場合
  • ・仕事中に眠気で意識が飛ぶ以外に動悸症状がある場合
  • ・仕事中に眠気で意識が飛ぶ以外に吐き気症状がある場合

「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

行動誘発性睡眠不足症候群

行動誘発性睡眠不足症候群、睡眠不足症候群は睡眠が十分にとれていないことで、日中の行動を継続させることができない、日常生活に支障がでる場合をいいます。
就労年齢では必要な睡眠時間は6~8時間程度とされており、睡眠時間が5時間未満の場合には睡眠時間が足りていない可能性が高いでしょう。一般的には睡眠時間を十分に確保することで症状が改善されますが、ストレスや自律神経の乱れにより思うように眠れない場合は、精神科の受診などをお勧めします。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が止まり無呼吸の状態がくり返される、ないしは呼吸が浅くなる低呼吸が繰り返される病気を睡眠時無呼吸症候群と言います。
太っていたり、顎が小さい方は寝るときにあおむけになると気道が狭くなることで無呼吸や低呼吸を引き起こします。
睡眠時無呼吸症候群の定義は、10秒以上の呼吸の停止、低呼吸が一晩に30回以上。もしくは1時間に5回以上あると睡眠時無呼吸と判断されます。
睡眠中に無呼吸になると、睡眠の質が低下し慢性的な睡眠不足になるため、日中の集中力が著しく低下して、激しい眠気や一時的に意識が飛ぶなどの症状が現れます。
いびきがひどい場合や寝ている間に息が止まることを自覚して病院を受診される方もいれば、自覚症状はないもののパートナーにそれらの症状を指摘され受診されることで受診のきっかけとなります。
睡眠外来や耳鼻咽喉科、病院によっては呼吸器科、循環器内科などで睡眠時無呼吸症候群の診療を行っています。夜間の睡眠検査を行い、治療を選択することになりますが、重症の場合には主にCPAP(経鼻的持続陰圧呼吸療法)が用いられ、中等症ではマウスピースも用いられます。

ナルコレプシー

覚醒と睡眠の切り替えがうまくできず、日中に激しい眠気をくり返す症状が特徴のナルコレプシー。
脳内物質のオレキシンが欠乏することがおもな原因と言われています。
症状がひどい場合は、睡眠外来や精神科などを受診して治療を行うことがおすすめです。
治療内容は、生活習慣の改善指導が行われ、それでも効果が期待できない場合には薬物療法(睡眠薬や中枢神経刺激薬)が用いられることがあります。

不眠症

寝つきが悪い(入眠障害)、睡眠途中で目が覚める(中途覚醒)、朝早くに目が覚める(早朝覚醒)などの睡眠障害は、総称して不眠症と呼ばれます。
日本人の約20%。およそ5人に1人の割合が不眠症持ちだと言われており、女性の割合が多いことが特徴です。
不眠症では、慢性的な睡眠不足になりやすく、日中に激しい眠気が襲ってくることもしばしば。起床時間は同刻にすること、日中昼寝をしないようにする、臥床時間を長くとりすぎないなど睡眠リズムを整えてみてください。セルフケアで解消されないときには睡眠外来や精神科などを受診して不眠の原因を解消することをおすすめします。

「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」の正しい対処法は?

仕事中に眠気で意識が飛ぶ場合の対処法は、15分ほど仮眠をとることです。
また、首や目のまわりを軽く揉みほぐすことで症状緩和の期待ができます。

ただし、これらはあくまでも対処療法。残念ながら根本的な症状改善にはつながりません。
根本的な症状改善に必要なことは、やはり生活習慣の見直しです。
夜更かしを避けて、平日と休日の起床時間の差をなくすこと。夜は光を極力浴びずに朝はしっかりと太陽の光を浴びるなどを徹底することで睡眠障害が根本から改善されることもあります。
もちろん、自分ひとりの力では限界があるため、なかなか症状が改善しない場合は医療機関の受診が必要です。

「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

仕事中、異常な眠気で意識が飛ぶことが…効果的な対策はありますか?

木村 眞樹子医師木村 眞樹子(医師)

一番は仮眠をとることです。少しでも仮眠をとると頭がすっきりとして眠気が解消されるため結果的に作業効率もあがります。仮眠をとる場合には14時頃までに15分程度とることをお勧めします。
仕事中の仮眠が難しい場合が、デスクワークであれば立ち上がり周囲を歩く、作業中であればストレッチや首や目のまわりを軽く揉みほぐしてあげると一時的に眠気が解消されるためおすすめです。

仕事中に強い眠気に襲われて意識が飛ぶのは何科で治療できますか?

木村 眞樹子医師木村 眞樹子(医師)

精神科や睡眠外来の受診をお勧めしますが、睡眠科として独立していることもあれば耳鼻科、呼吸器科、循環器科が睡眠障害を診ていることもあります。当該医療機関のホームページなどを確認して受診するようにしてください。

会議中など、仕事中だけ眠気で意識が飛ぶのは睡眠障害でしょうか?

木村 眞樹子医師木村 眞樹子(医師)

睡眠が足りていない状態、睡眠不足症候群では会議を退屈に感じている場合には眠気が起きやすいものです。仕事のなかでも集中して行っているもの、重要な会議などでは眠気を感じにくいといえます。まずは、睡眠時間をしっかり確保、睡眠リズムを整えてみてください。そのうえで眠気がある場合にはそのほかの睡眠障害の可能性を考え医療機関を受診してください。

夜眠れているのに仕事中にひどい眠気で意識が飛ぶのは病気ですか?

木村 眞樹子医師木村 眞樹子(医師)

夜眠れているにも関わらず眠気がくる場合には病気の可能性を考える必要があります。
たとえば、自分では眠れていると思っていても睡眠時無呼吸症候群など睡眠障害では睡眠の質が落ちているため日中眠気に悩まされるケースは多くみられます。睡眠時間の確保、それにも関わらず日中の眠気がある場合には医療機関を受診することをお勧めします。

仕事中だけ眠気で意識が飛ぶのとADHDは関係ありますか?

木村 眞樹子医師木村 眞樹子(医師)

ADHD(注意欠陥多動障害)などの発達障害では昼間の眠気が起きる可能性があります。自身にとって興味があることには集中できますが、興味がないことに対しては集中力がおちてしまい眠気を引き起こすことがあります。

まとめ 仕事中に眠気で意識が飛んでしまうときは、まずは睡眠時間の確保を

仕事中に眠気で意識が飛ぶ原因や対処法について解説しました。一番多いのは睡眠不足症候群、ほかにも睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーといった睡眠障害で多くみられます。
中には、脳や心臓疾患による意識消失発作が隠れていることもあるため動悸や頭痛などがある場合には注意がひつようです。
仕事の合間に眠気が襲ってくる、意識が飛んでしまうというのは社会的な損失は多大なものです。ドライバーの方は重大な事故、命にもかかわってくることもあります。症状を根本から改善するためにも、専門の医療機関を受診しましょう。

「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」症状で考えられる病気

「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

睡眠科、睡眠科の病気

循環器科の病気

  • 徐脈
  • 心室頻拍/心室細動

神経内科の病気

  • 一過性脳虚血発作

症状が長引いている場合には、しっかりと検査を受けて対応策を考えることをお勧めします。

「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」に似ている症状・関連する症状

「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」と関連している、似ている症状は12個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」症状の他にこれらの症状がある場合でも「睡眠時無呼吸症候群」「ナルコレプシー」「睡眠不足症候群」「徐脈」「心室頻拍」「心室細動」「一過性脳虚血発作」などの疾患の可能性が考えられます。頭痛や動悸、吐き気があるなどの場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

【参考文献】
・睡眠不足症候群(e-ヘルスネット)

この記事の監修医師