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「喉が痛くないのに声がかすれる」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「喉が痛くないのに声がかすれる」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

喉が痛くないのに声がかすれる時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

久高 将太 医師

監修医師
久高 将太 医師

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琉球大学医学部卒業。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。2022/5に新内科専門医試験受験予定。

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「喉が痛くないのに声がかすれる」症状で考えられる病気と対処法

我々は普段、喉の奥にある声帯とよばれる構造を使って声を出しています。息をして取り込んだ空気が声帯を通過し、振動することで声を出しています。さらに声帯自体が動くことで音を変えています。声がかすれる症状では、空気の通りが邪魔される、あるいは、声帯自体の動きがよくない、といった原因が考えられます。一般的な風邪だけではなく悪性腫瘍までさまざまな疾患が関連する可能性があるため、注意が必要です。

喉が痛くないのに声がかすれる症状で考えられる原因と治し方

声のかすれにも種類や程度があります。誰にでもわかる場合だけではなく、程度の問題で本人のみしか気にならない場合もあります。
例えば、普段話している時は問題ないけれども、大きな声や高い声を出すなど声を酷使するとかれてしまう。また、声を酷使しなくても長い時間話すと声がだんだん枯れてくる状態などです。人によって感じ方や生活の仕方は異なるため、どのような状況で声がかすれるのかを確認することが原因特定の鍵となります。
声のかすれには喉の痛みも伴うことが多く、その場合には感染症や炎症が起こっているサインです。喉の痛みがない場合の原因には、声帯や咽頭・喉頭など空気の通り道にある病気や、声帯自体の動きが悪くなる病気が考えられます。
前者には、声帯ポリープ、声帯結節、声帯血腫、声帯腫瘍、声帯肉芽、喉頭浮腫、咽頭・喉頭腫瘍、異物、痰がらみなどが挙げられます。
後者には、反回神経(声帯を動かす神経)麻痺、咽頭・喉頭腫瘍、脳梗塞、脳腫瘍、声帯をつなぐ軟骨の脱臼などが挙げられます。
症状を落ち着かせるには、安静にすることが最も大切です。つまり、声を使いすぎないことです。生活する以上、声を全く出さないことは不可能に近いので無理をする必要はありませんが、少なくとも酷使するような行為(大きな声を出す業務、カラオケなど)は控えましょう。それに加えて症状や原因に応じて内服薬や吸入薬を使うことで症状を抑えられる場合があります。
安静にしても、薬を使っても症状が改善しない、期間が長い、他の症状が出てきた場合には耳鼻咽喉科を受診しましょう。診断には喉の奥や声帯を確認するためには特別な細いカメラを使う必要があります。

喉が痛くないのに咳が出て声がかすれる症状で考えられる原因と治し方

声帯動きが悪かったり、スムーズに唾液や食べ物が通らないために誤嚥を起こすことがあり、咳と声がれが同時に発生する可能性があります。このような場合に考えられる原因には、声帯の病気(ポリープや結節、血腫、腫瘍など)、咽頭・喉頭腫瘍、反回神経麻痺、脳梗塞脳腫瘍逆流性食道炎などの病気が挙げられます。
逆流性食道炎は、胃酸がのどに刺激を与え、咳反射を起こすことがあります。痛みとして自覚することもあれば単なる違和感や飲み込みにくさとして症状が出てくることもあります。
すぐにできる処置としては、声を酷使しないことはもちろんのこと、食べ物をゆっくり食べる、刺激物を避ける、食事中・食事後できれば30分ほどは起きた姿勢を保つことが大切です。それに加えて内服薬や吸入薬を使うことで症状を落ちつかせることが期待できます。
安静にしても、薬を使っても症状が改善しない場合には耳鼻咽喉科を受診しましょう。逆流性食道炎を疑う場合は消化器内科も受診する必要があります。

咳も出ず喉も痛くないのに声がかすれるで考えられる原因と治し方

症状が軽すぎて咳やのどの痛みを自覚していない場合もありますが、声がれ以外に症状がない場合には、大きな病気が存在する可能性は低いと考えられます。
症状を落ち着かせるには、やはり声の安静にすることが大事です、安静にしても、薬を使っても症状が改善しない、期間が長い、他の症状が出てきた場合には耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。

ストレスで喉が痛くないのに声がかすれる症状が起こりやすい主な原因と対処法

強いストレスを感じることで声帯が痙攣を起こし声がうまくでない、かれてしまうことがあります。息が抜けるような声しか出せずコミュニケーションが難しくなることもあります。
このような症状がある場合には、心因性失声症や痙攣性発声障害などが考えられます。
すぐにできる処置は、無理して声を出そうとせず安静にすることです。また、ストレスの原因をしっかり把握し必要によっては一時的に関わらないようにすることも良いでしょう。一人で抱え込もうとせずまずは親しい人や心療内科や精神科への受診をおすすめします。

喫煙者の喉が痛くないのに声がかすれる症状が起こりやすい主な原因と対処法

喫煙は、喉のさまざまな疾患に関連することが知られています。良性疾患から悪性疾患まで幅広いとされていますが、非喫煙者よりも悪性疾患を発症する可能性が高いと言われているため、悪性疾患や脳梗塞など早めの診断と治療が必要な疾患があるかどうか確認する必要があります。
一時的に症状を落ち着かせるには、安静やうがいなどの方法がありますが根本的な解決にはなりません。痛みはなくてものどの腫れ、呼吸困難、飲み込みにくさ、首の腫れ、誤嚥を疑うむせや咳などを自覚している場合は早急に耳鼻咽喉科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「喉が痛くないのに声がかすれる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

飲み込みにくさや、呼吸の苦しさもある場合は、耳鼻咽喉科へ

空気の通り道が邪魔されると声がかすれる症状が現れますが、その病態がひどくなった場合、ものを飲み込むスペースがなくなり、呼吸ができなくなることがあります。最悪の場合、窒息し命に関わることもあります。
このような場合にチェックしておきたいのは、咽頭がんや喉頭がんのような、喉のスペースを邪魔するような腫瘍です。なお、急性の炎症や感染症でも声がれや呼吸困難を起こすことがありますが強い痛みを感じることがほとんどです。
耳鼻咽喉科が専門の病気ですが、症状が強く呼吸苦が強い場合は救急外来の受診も検討しましょう。

受診・予防の目安となる「喉が痛くないのに声がかすれる」時のセルフチェック法

  • ・喉が痛くないのに声がかすれる以外に飲み込みにくさがある場合
  • ・喉が痛くないのに声がかすれる以外に呼吸が苦しい場合
  • ・喉が痛くないのに声がかすれる以外に首やのどの腫れを感じる場合

「喉が痛くないのに声がかすれる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「喉が痛くないのに声がかすれる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

声帯ポリープ

声帯ポリープとは、声帯に膨らみができることで声帯の動きが邪魔され声をうまく出せなくなる病気です。風邪や喫煙、声の酷使などで声帯に炎症を起こし、負荷をかけることで声帯内部の血管が小さな出血を繰り返すことが原因とされています。
対処法は、安静と禁煙です。吸入薬による治療で一時的に症状を抑えることも可能です。自然に吸収され治癒することもありますが、必要・希望によっては手術による摘出が選択肢に挙がることもあります。
ひどい声がれが長年続く場合には耳鼻咽喉科を受診しましょう。

喉頭がん

喉頭がんは、声帯付近の悪性腫瘍です。腫瘍が空気の通り道(気道)を邪魔する、または声帯の動きを制限することで声がれが生じます。原因はさまざま考えられますが、喫煙によって発症リスクは高まると言われています。
一般的な薬による治療効果は期待できません。病気の範囲や本人の状況、年齢、希望によって治療法を選択します。手術、放射線療法、化学療法を組み合わせて治療していきます。病気の進行状況によっては根治が困難な場合もあります。
早めに診断を受けて治療することが望ましいです。長く症状が続く場合や呼吸困難、飲み込みにくさ、のどの奥や首の腫れを感じる場合には、耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。

反回神経麻痺

反回神経とは、声帯の動きを操る、脳から伸びている神経です。その神経が何らかの理由で麻痺すると声がれを自覚することがあります。原因はさまざまあり、脳の病気(脳梗塞、脳腫瘍など)や反回神経の付近に障害物があること(のどの腫瘍、甲状腺腫瘍、大動脈瘤など)が考えられます。
それぞれの原因に応じた治療が最優先になります。一般的な薬などを服用しても改善しない場合が多いです。
症状が長引く場合、呼吸困難、飲み込みづらさ、のどの奥や首の腫れぼったさを感じる場合には、まずは耳鼻咽喉科を受診しましょう。検査の上、必要あれば脳神経内科や循環器内科を受診することになります。

「喉が痛くないのに声がかすれる」ときの正しい対処法は?

日常生活の中で、声がれを引き起こすような行動を控えることが大切です。大きな声を出したり、たくさん喋り続ける行為がそれにあたります。仕事柄どうしても避けることが難しい場合は、職場で相談するなどして対策を考える必要もあるでしょう。
なお、喉を温めたり冷やしたりしても、声がかすれる症状を改善する効果はありません。
食事の際にはゆっくり、しっかり噛んで食べましょう。できれば体を起こした状態で食べることが大切です。また、辛いものなどの刺激物や飲酒を避けることもおすすめします。飲酒・喫煙は声がれを起こす疾患の中でも悪性疾患につながる可能性があるため過度の摂取には気をつけましょう。
また、症状が出現する原因としてストレスが関わっている可能性もあります。可能であればストレスと感じているものから少し離れてみることが必要かもしれません。一人で抱え込まずに、親しい人や職場、医療機関に相談して実践するようにしましょう。
喉が痛くないのに声がかすれるという症状を緩和するために、総合感冒薬などの市販薬で対応することは問題ありませんが、根本的な治療にはならないこともあることに留意しましょう。また、龍角散などののど飴も同様で根本的な解決にはならないこともあります。
もし、呼吸困難や飲み込みにくさ、のどや首の腫れを感じる場合は、早く治したい場合には医療機関へ受診することをお勧めします。

「喉が痛くないのに声がかすれる」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「喉が痛くないのに声がかすれる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

声枯れ・声のかすれをすぐに治す方法はありますか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

安静や市販の薬などでよくなる場合もありますが効果がないこともあります。原因を調べる意味でも医療機関受診をおすすめします。

喉に違和感があって声のかすれるのは風邪でしょうか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

その場合もありますが一概には言えません。

喉が痛くないのに声がかすれる状態が続いたら病院に行くべきですか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

刺激物や酒類を避けることができれば大抵は問題ないと思います。

まとめ

声がれは、誰もが一度は経験したことのあるありふれた症状です。大抵は風邪をひく、声をたくさん使うことで起こり、気が付いたら治っていたという方も多いのではないでしょうか。しかし、声がれは隠れた重大疾患のサインになっていることがあり全て軽々しく考えていいわけではありません。外から見える、口を開ければ診察できるような部位が問題になることが少ないため見過ごされることもあります。病気が進行しないようにするためにも早めに医療機関、特に耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

「喉が痛くないのに声がかすれる」で考えられる病気と特徴

「喉が痛くないのに声がかすれる」から医師が考えられる病気は13個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

耳鼻咽喉科の病気

脳神経系の病気

空気の通りが邪魔される、あるいは、声帯自体の動きがよくない、といった原因が考えられますが、喉などの病気以外にも脳神経系の病気も考えられます。

「喉が痛くないのに声がかすれる」と関連のある症状

「喉が痛くないのに声がかすれる」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「喉が痛くないのに声がかすれる」症状のほかに、これらの症状がある場合も、「声帯ポリープ」「声帯結節」「声帯血腫」「声帯腫瘍」「咽頭腫瘍」「喉頭腫瘍」「脳梗塞」「脳出血」「脳腫瘍」などの疾患の可能性も考えられます。
症状が長期間にわたって良くならない場合には、早めの医療機関への受診を検討しましょう。